【レビュー】シングルモルト余市

ウィスキーレビュー
ウィスキーレビュー
ニッカウヰスキー余市蒸溜所
2022/6/21 【メーカー希望小売価格】等変更

余市蒸溜所でなければつくれないモルトウイスキーを探求し、新しく組み立てられた「シングルモルト余市」。
2015年9月1日発売。核となっているのはストレートヘッド型ボットスチルと石炭直火蒸留ならではの重厚さと香ばしさです。

スポンサーリンク

1.メーカー

ニッカウヰスキー株式会社

設立1934年(昭和9年)
本社所在地〒107-8616 東京都港区南青山5丁目4番31号
所有蒸留所余市蒸溜所、宮城峡蒸溜所、ベンネヴィス蒸留所

2.蒸留所

余市蒸溜所

所在地〒046-0003 北海道余市郡余市町黒川町7丁目6
操業開始1936年

日本のスコットランドと称されている北海道の「余市蒸溜所」。マッサンこと竹鶴政孝により前身の大日本果汁株式会社が1934年に設立。 竹鶴政孝はスコットランドに似た冷涼で湿潤な気候、豊かな水源と凛と澄んだ空気がそろった場所こそが理想のウイスキーづくりには欠かせないと考え、様々な候補地の中から小樽の西、積丹半島の付根に位置する余市を選びました。 竹鶴政孝が最初の蒸留所で目指したのは、重厚で力強いモルトウイスキーづくりでした。本場スコットランドの蒸留所で学んだウイスキーづくりの手法を、一切の妥協を許さずそのまま再現することにこだわりました。そのこだわりの象徴が「ストレートヘッド型ポットスチル」と石炭直火蒸留です。それにより重厚で香ばしいヘビーピートの原酒が出来上がり、ピートの香りとソルティさを感じる個性的なシングルモルトが出来上がります。 竹鶴自らが学んだロングモーン蒸留所の方式にならい、この蒸留方法を採用。本物のウイスキーをつくるために必要なことであれば、たとえ非効率的であっても守り抜いていく。そんなニッカウヰスキーの原点とも言える情熱と竹鶴政孝の夢への思いが今もなお受け継がれています。

 

3.商品名と写真

シングルモルト余市
Single Malt Yoichi

4.特徴

重厚な力強さ、ピートと潮の香り。凝縮された、余市モルトの本質

ヘビーピートタイプの原酒が力強く主張し、新樽モルトとシェリー樽モルトによってしっかりとしたボディ感とウッディな樽の風味が加えられていて、ピートの香りとソルティさを感じる個性的なシングルモルトです。
グラスに鼻孔を近づけると、まずは麦芽の香り。トーストを思わせる麦が焦げたような香りは、世界でも珍しい石炭直火蒸留で加熱したもろみの匂い。またバナナやマンゴーを思わせるフルーティーな香りは、ニッカが使用する特別な酵母由来のもの。年数制限を取り払ったことから、円熟味にプラスして若い原酒の力強さも組み合わさっている。口に含むと、香りでは決して前面に出てこなかったピート、スモーク、潮の香りが力強く主張を始める。鼻孔に昇ってくるヘビーピート原酒の香りは、まさに余市ならではの重厚な味わい。軽い渋味や苦味もあるが、オーク樽からくる甘みが口いっぱいに広がって穏やかに持続し、余韻は極めてスモーキーである。

4-1.テイスティングノート

香りやわらかな樽熟成香と麦芽の甘さ、豊かな果実香の調和。穏やかで心地よいピート感
味わいオークの甘さとしっかりとしたピートの味わい。麦芽の香ばしさとオレンジのような果実の調和
余韻あたたかなオークの甘さとスモーキーさがゆっくりと持続する

4-2.商品スペック

アルコール度数45%
酒別シングルモルトウイスキー
樽種
内容量700ml
販売本数
希望小売価格4,950円(税込)
発売日2015年9月1日

5.受賞歴

2017 ISC 金賞

6.価格

6-1.メーカー希望小売価格

商品名シングルモルト余市
容量700ml
希望小売価格税込:4,950円

6-2.メルカリでの転売価格

メルカリでの転売価格は、5,000円前後となっています。(※2022/6/21時点)

6-3.ヤフーオークション落札価格

ヤフーオークションでの落札価格は、最安2,900円、最高5,500円、平均4,137円 (※2022/6/21時点より過去180日間の統計情報)

 

6-4.楽天、ヤフーショッピング、Amazon

通販サイトでも、5,300円~6,000円前後で販売されています。 (※2022/6/21時点)

6-5.BAR新海での提供価格

当サイトが運営する「BAR新海」では、1杯、45ml:1,540円にて提供しております。

「BAR新海」のご案内
Japanese Whisky Dictionaryが運営する「BAR新海」は、東京都港区に3店舗。当サイトで紹介しているジャパニーズウィスキーをはじめ、国産のジンやビールなども取扱い。オリジナルカクテル、フレッシュフルーツカクテルなども人気。食事も豊富で1件目からも利用可能。

7.まとめ

かなりピートが効いているので初心者の方がストレートで飲むとキツイと感じるかもしれません。しかし、慣れてしまうとハーフロックやハイボールなどで美味しくいただけるウイスキーとなってます。もちろんストレートでもOK。
余市らしい薫香や甘さも残っているため、余市らしさを味わうことも十分にできるのも面白い個性的なウイスキーです。

■シングルモルトウイスキー「余市」。元祖日本ウイスキーの味わいとは。も是非ご覧ください。

個性派ウイスキー「余市」ウイスキーの父が手がけたシングルモルト
強い個性を持ったシングルモルト「余市」。 同じく人気のジャパニーズウイスキー「山崎」や「白州」とはまた違った特徴を持ち、多くのファンを集めていますが、近年人気により品薄になっています。 「余市」の歴史

■シングルモルト余市のその他の記事も是非ご覧ください。

【レビュー】シングルモルト余市 アップルブランデーウッドフィニッ...
ニッカウヰスキーの創業者竹鶴政孝と妻リタの結婚100周年、2020年3月24日発売。余市アップルブランデーウッドフィニッシュ。限定6,700本。アップルブランデーを28年以上熟成させていた樽で約6か月間さらに熟成。甘い芳香で豊かな香り。香ばしくも芳醇な甘さと余市のピートのコクが調和した味わい。
【レビュー】シングルモルト余市 マンサニーリャウッドフィニッシュ
シングルモルト余市を50年間熟成させたマンサニーリャ樽でさらに熟成させフルーティーな甘さとコク香ばしいピートが調和した味わいで冷却ろ過を行わずにボトリング。限定4000本のみ販売され。現在オークション等で価格高騰しているが、生産数が少ない為、高値でも見つけること自体が困難となっている
スポンサーリンク

最後に:ジャパニーズウイスキーのおすすめ書籍

世界的なトレンドを巻き起こしている「ジャパニーズウイスキー」の事をもっと知りたい、もっと勉強したいという方は、是非こちらの書籍をおすすめいたします。

(1).Whisky Galore(ウイスキーガロア)Vol.42 2024年2月号

【巻頭特集】ウイスキーの聖地 アイラ島の“現在”を読み解く
アイラ島のウイスキーは、昔から「アイラモルト」という独自のカテゴリーを与えられてきた。現在9ヵ所の蒸留所があり、さらに2つの新蒸留所計画が発表されている、この小さな島を改めて紹介。
また、現在入手可能なウイスキー8種を土屋編集長が飲み比べる。
●掲載蒸留所
ボウモア、アードベッグ、ラガヴーリン、ラフロイグ、カリラ、ブナハーブン、ブルックラディ、キルホーマン、アードナッホー

【第2特集】北アイルランドのウイスキー
世界の五大ウイスキーのなかで、いまもっとも伸びているのがアイリッシュ。ブームを牽引する北アイルランドの最新情報をリポート。
●紹介ウイスキー
ブッシュミルズ、エクリンヴィル、グレンズ・オブ・アントリム、ヒンチ、キルオーウェン、マコーネルズ、ショートクロス、タイタニック・ディスティラーズ、トゥー・スタックス

【蒸留所リポート】
2023年に100周年を迎えたジャパニーズウイスキー。その第一歩が踏み出され、昨年リニューアルしたばかりのサントリー山崎蒸溜所を取材。そのほか月光川蒸留所や、個性的なツアーを行っている八郷蒸溜所&安積蒸溜所も紹介。

【インタビュー】
ワイルドターキーのマスターディスティラーであるエディー・ラッセル氏と、その息子ブルース・ラッセル氏を編集長がインタビュー。またフィンランドで自国ライ麦にこだわったウイスキーを造るキュロ蒸留所のミイカ氏にも話を聞いた。

【特集】
ウイスキーフェスティバル2023 in TOKYO、ウイスキーコニサークラブ新潟蒸留所ツアー、下田ウイスキーフェスリポート。

(2).ビジネスに効く教養としてのジャパニーズウイスキー

世界的にも有名なウイスキー評論家で、ウイスキー文化研究所代表 土屋守先生の著書「ビジネスに効く教養としてのジャパニーズウイスキー」です。
ウイスキーの基礎知識、日本へのウイスキーの伝来、ジャパニーズウイスキーの誕生、広告戦略とジャパニーズウイスキーの盛隆、そして、現在のクラフト蒸留所の勃興まで。日本のウイスキーの事が非常にわかりやすくまとめられた一冊。

(3).ウイスキーと私(竹鶴政孝)

日本でのウイスキー醸造に人生を捧げた、ニッカウヰスキー創業者・竹鶴政孝。ただひたすらにウイスキーを愛した男が自らを語った自伝の改訂復刻版。若き日、単身スコットランドに留学し、幾多の苦難を乗り越えてジャパニーズ・ウイスキーを完成させるまでの日々や、伴侶となるリタのことなどが鮮やかに描かれる。

(4).新世代蒸留所からの挑戦状

2019年発売。世界に空前のウイスキーブームが到来しているいま、クラフト蒸留所の経営者たちは何を考え、どんな想いでウイスキー造りに挑んだのか。日本でクラフト蒸留所が誕生するきっかけを作った、イチローズ・モルトで有名なベンチャーウイスキーの肥土伊知郎氏をはじめとする、13人のクラフト蒸留所の経営者たちが世界に挑む姿を綴った1冊。

(5).ウイスキーライジング

2016年にアメリカで出版された『Whisky Risng』の日本語版であり、内容も大幅にアップデート。ジャパニーズ・ウイスキーの歴史が詳細に記述されているだけでなく、近年、創設がつづくクラフト蒸溜所を含む、日本の全蒸溜所に関するデータも掲載。そのほかにも、今まで発売された伝説的なボトルの解説や、ジャパニーズ・ウイスキーが飲めるバーなども掲載されています。

(6).ウイスキーと風の味

1969年にニッカウヰスキーに入社した、三代目マスターブレンダーの佐藤茂夫氏の著書。
『ピュアモルト』『ブラックニッカクリア』『フロム・ザ・バレル』の生みの親でもあり、なかでも『シングルモルト余市1987』はウイスキーの国際的コンペティションWWA(ワールド・ウイスキー・アワード)にて「ワールド・ベスト・シングルモルト」を受賞。
竹鶴政孝、竹鶴威の意志を引き継いだブレンダー界のレジェンドが語る今昔。

この記事を書いた人
新海 博之

1981年7月17日 北海道北広島市出身
大学卒業後、NTTデータカスタマサービス㈱へ新卒入社。
2010年「麻布十番BAR新海」を開業 → 2016年、名物「薬膳カレー」を開発 → 2018年「虎ノ門BAR新海」、2019年には「芝大門BAR新海」を開業 → 2020年 ウェブメディア「Japanese Whisky Dictionary」をスタート。
バーテンダーの私達だから出来る事として、ジャパニーズウイスキーの魅力を日々発信する。

新海 博之をフォローする
スポンサーリンク
ジャパニーズウイスキーディクショナリー
タイトルとURLをコピーしました