【レビュー】ニッカ セッション

ウィスキーレビュー
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ニッカウヰスキー余市蒸溜所宮城峡蒸溜所

ニッカの6年ぶりの新ブランド「ニッカ セッション」。
2020年9月29日発売。初年度50,000ケース(700ml×12本)限定。

スコットランドと日本の高品質なモルト原酒をブレンドし、まったく新しいコンセプトのプレミアムウイスキー。
古くからのウイスキーファンも虜にするほどおいしいウイスキーであること。
あえてグレーンを使わないブレンデッド・モルトでやってみよう。
これがチャレンジの始まり。

スコットランドのモルトと日本のモルトの組み合わせにヒントを見出した。
ハイランドで育まれた、フルーティーでかろやかなベン・ネヴィスや、華やかな香りを咲かせるスコティッシュモルトの数々。
そして、ふくよかな宮城峡モルトと、力強い余市モルト。
個性豊かなモルトたちが出会い、圧巻のパフォーマンスが始まった。

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1.メーカー

ニッカウヰスキー株式会社

設立1934年(昭和9年)
本社所在地〒107-8616 東京都港区南青山5丁目4番31号
所有蒸留所余市蒸溜所、宮城峡蒸溜所、ベンネヴィス蒸留所

2.蒸留所

モルト原酒100%のピュアモルト(ブレンデッドモルト)ウイスキー。ニッカの2本柱である「余市蒸溜所」と「宮城峡蒸溜所」の他に、スコットランドのハイランド地方の「ベン・ネヴィス蒸留所」をはじめとするスコットランドのモルト原酒もブレンドされている。

ブレンディングを手掛けたのは、主席ブレンダーの女川裕司氏。
「スコットランドと日本のモルト原酒を、先入観なく自由な発想でブレンドしてみよう。そうすれば本当に美味しいウイスキーがつくれるのではないか。そんな気持ちで試行錯誤を繰り返しました。」

余市蒸溜所

所在地〒046-0003 北海道余市郡余市町黒川町7丁目6
操業開始1936年

日本のスコットランドと称されている北海道の「余市蒸溜所」。マッサンこと竹鶴政孝により前身の大日本果汁株式会社が1934年に設立。 竹鶴政孝はスコットランドに似た冷涼で湿潤な気候、豊かな水源と凛と澄んだ空気がそろった場所こそが理想のウイスキーづくりには欠かせないと考え、様々な候補地の中から小樽の西、積丹半島の付根に位置する余市を選びました。 竹鶴政孝が最初の蒸留所で目指したのは、重厚で力強いモルトウイスキーづくりでした。本場スコットランドの蒸留所で学んだウイスキーづくりの手法を、一切の妥協を許さずそのまま再現することにこだわりました。そのこだわりの象徴が「ストレートヘッド型ポットスチル」と石炭直火蒸留です。それにより重厚で香ばしいヘビーピートの原酒が出来上がり、ピートの香りとソルティさを感じる個性的なシングルモルトが出来上がります。 竹鶴自らが学んだロングモーン蒸留所の方式にならい、この蒸留方法を採用。本物のウイスキーをつくるために必要なことであれば、たとえ非効率的であっても守り抜いていく。そんなニッカウヰスキーの原点とも言える情熱と竹鶴政孝の夢への思いが今もなお受け継がれています。

余市蒸溜所公式HPはこちら

余市蒸溜所の詳細情報は、こちらの記事もご覧ください。

余市蒸溜所 | ジャパニーズウイスキーディクショナリー
Japanese Whisky Dictionary

宮城峡蒸溜所

所在地〒989-3433 宮城県仙台市青葉区ニッカ1番地
操業開始1969年

北海道・余市で第一の蒸留所をスタートさせてから約30年。 「異なる蒸留所で生まれた複数の原酒をブレンドすることで、ウイスキーはより味わい深く豊かになる」という信念を抱く竹鶴政孝にとって、第二の蒸留所はどうしても必要でした。 竹鶴が選んだ地は仙台・宮城峡。広瀬川と新川というふたつの清流に恵まれた緑豊かな峡谷。竹鶴は初めてこの地を訪れた時、新川の清流で持っていたブラックニッカを割って飲み、味わいを確認。その場で蒸留所建設を決定したと言われています。 宮城峡蒸溜所が誇るのが「カフェ式連続式蒸留機」。 導入当時、すでに旧式とされていた蒸留機です。旧式だからこそ雑味となる成分が残りやすいのですが、技術によってそれを原料本来の香りや甘みに変えることができるため、竹鶴はあえてこの旧式蒸留機を選びました。宮城峡蒸溜所では、今なお竹鶴の情熱を受け継ぐ人々がウイスキーのおいしさを求め、さまざまな試みを続けています。

画像出展:宮城峡蒸溜所|NIKKA WHISKY

宮城峡蒸溜所の詳細情報は、こちらの記事もご覧ください。

宮城峡蒸溜所 | ジャパニーズウイスキーディクショナリー
Japanese Whisky Dictionary

ベン・ネヴィス蒸留所

所在地ハイランド地方フォートウイリアム地区
操業開始1825年

ベン・ネヴィス蒸留所は、ハイランド地方フォートウイリアム地区の最も古い公認蒸留所の一つ。1825年に創業され、1989年からニッカウヰスキーが所有しています。標高1,343mのベン・ネヴィスの麓、清らかな雪解け水と豊かな自然に恵まれたこの蒸留所は、「品質本意」が信条。伝統的製法とニッカの技術で、スコットランドの最高峰の山「ベン・ネヴィス」の名にふさわしく、香り高く、バニラのようにまろやかな味わいのスコッチウイスキーを造っています。初留釜2基、再留釜2基、年間生産量200万リットル。
引用:ベン・ネヴィス|アサヒビール

歴史
1825年 ロング・ジョン・マクドナルドが蒸留所設立。
1878年 需要拡大を受け隣にネヴィス蒸留所を設立。
1908年 ネヴィス蒸留所閉鎖。以後熟成庫はベン・ネヴィスの物として使用。
1955年 カフェスチル導入。モルトとグレーンの両方の生産が始まる。
1978年 生産を停止。
1984年 蒸留所改築し生産再開。カフェスチル撤去、モルト原酒のみの生産となる。
1986年 ウイスキー業界全体の生産が減速し、蒸留所を閉鎖。
1989年 ニッカがベン・ネヴィス蒸留所を買収。
1990年 蒸留所再開。
2001年 アサヒビールがニッカを完全子会社化。ベン・ネヴィス蒸留所はアサヒビールの傘下となる。

3.商品名と写真

ニッカ セッション
Nikka Session

4.特徴

スコットランドと日本のモルト原酒、異なる個性がぶつかりあう音楽のセッション
華やかな香りが特徴のスコットランドのモルトと、ビターな余韻が特徴の日本のモルトが出会い、互いの個性を発揮しながら繰り広げる心地よい音楽のようなウイスキーです。華やかな香りとモルトの香ばしさ、なめらかな口当たりとオークの甘さ。ビターをともなうピートの余韻が特徴です。

4-1.テイスティングノート

香りオレンジやりんごのような爽やかな香りとモルトの甘さと香ばしさ。樽由来のおだやかで心地よいバニラ香
味わいなめらかでクリーミーな口当たり。オークの甘さと調和したフルーティーで軽やかな味わい
余韻ほのかにビターな味わいとピートの余韻がゆっくりと広がる

4-2.商品スペック

アルコール度数43%
酒別ブレンデッドモルト
樽種スコットランドのモルト原酒と日本のモルト原酒を使用
内容量700ml
販売本数初年度約50,000ケース(1ケース=12本×700ml)
希望小売価格4,180円(税込)
発売日2020年9月29日

5.受賞歴

現時点では受賞歴はありません。

6.価格

6-1.メーカー希望小売価格

商品名ニッカ セッション
容量700ml
希望小売価格税込:4,180円

6-2.メルカリでの転売価格

メルカリでの転売価格は、3,800円~4,200円前後となっています。(※2021/3/24時点)
ほぼ定価に近い販売価格となっております。

6-3.ヤフーオークション落札価格

ヤフーオークションでの落札価格は、最安2,200円、最高4,180円、平均2,911円(※2021/3/24時点より過去120日間の統計情報) 

6-4.楽天、ヤフーショッピング、Amazon

通販サイトでは、3,000円~4,000円前後で販売されています。 (※2021/3/24時点)

6-5.BAR新海での提供価格

当サイトが運営する「BAR新海」では、1杯、45ml:1,430円(税込)で提供しております。

「BAR新海」のご案内
Japanese Whisky Dictionaryが運営する「BAR新海」は、東京都港区に3店舗。当サイトで紹介しているジャパニーズウィスキーをはじめ、国産のジンやビールなども取扱い。オリジナルカクテル、フレッシュフルーツカクテルなども人気。食事も豊富で1件目からも利用可能。

7.まとめ

口に含んだ瞬間に口全体に甘さが広がります。ベンネヴィスに近い華やかでフルーティかつバニラの香り〜最後は軽いピート香。
口当たりはまろやかでクリーミーで甘いバニラのよう。ほのかにビターな余韻が続きます。
オススメの飲み方はハイボール。メーカーは「セッションソーダ」を推奨してます。フルーティーで華やかな香りにモルトの甘さやピートの苦さに炭酸の辛さが見事にマッチしてます。
新竹鶴に似ているということなので是非飲み比べしてみたいものですね。
発売当初は限定ボトルということで入手困難でしたが、発売後2~3か月後にはある程度酒屋さんに在庫が並ぶようになり、店頭でもネットでもほぼ定価で購入可能なウイスキーになりました。

■その他の「ニッカ」に関する記事も是非ご覧ください。

【レビュー】ブラックニッカ ナイトクルーズ
「大人の夜を楽しむ」「夜の深みに旅に出る」という「ブラックニッカ ディープブレンド」のブランドコンセプトも基に、なめらかで甘いコクと、深く濃厚な味わい。長期熟成を重ねた余市ヘビーピートモルトがもたらす、しっかりとしたピートと樽のビターな余韻が口の中に広がり、長く心地よく続きます。
【レビュー】ブラックニッカ コンフォートアロマ
10年以上長期熟成させたシェリー樽モルト原酒による甘い香りとリメード樽モルト原酒による芳醇なコクを際立たせたウイスキーです。熟した果実のように甘く華やかな香り、やわらかな樽香。ふくらみのあるモルトのコク、なめらかに伸びのある味わい。香ばしく、ほのかにビターな後味が心地よく続きます。
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最後に:ジャパニーズウイスキーのおすすめ書籍

世界的なトレンドを巻き起こしている「ジャパニーズウイスキー」の事をもっと知りたい、もっと勉強したいという方は、是非こちらの書籍をおすすめいたします。

(1).Whisky Galore(ウイスキーガロア)Vol.42 2024年2月号

【巻頭特集】ウイスキーの聖地 アイラ島の“現在”を読み解く
アイラ島のウイスキーは、昔から「アイラモルト」という独自のカテゴリーを与えられてきた。現在9ヵ所の蒸留所があり、さらに2つの新蒸留所計画が発表されている、この小さな島を改めて紹介。
また、現在入手可能なウイスキー8種を土屋編集長が飲み比べる。
●掲載蒸留所
ボウモア、アードベッグ、ラガヴーリン、ラフロイグ、カリラ、ブナハーブン、ブルックラディ、キルホーマン、アードナッホー

【第2特集】北アイルランドのウイスキー
世界の五大ウイスキーのなかで、いまもっとも伸びているのがアイリッシュ。ブームを牽引する北アイルランドの最新情報をリポート。
●紹介ウイスキー
ブッシュミルズ、エクリンヴィル、グレンズ・オブ・アントリム、ヒンチ、キルオーウェン、マコーネルズ、ショートクロス、タイタニック・ディスティラーズ、トゥー・スタックス

【蒸留所リポート】
2023年に100周年を迎えたジャパニーズウイスキー。その第一歩が踏み出され、昨年リニューアルしたばかりのサントリー山崎蒸溜所を取材。そのほか月光川蒸留所や、個性的なツアーを行っている八郷蒸溜所&安積蒸溜所も紹介。

【インタビュー】
ワイルドターキーのマスターディスティラーであるエディー・ラッセル氏と、その息子ブルース・ラッセル氏を編集長がインタビュー。またフィンランドで自国ライ麦にこだわったウイスキーを造るキュロ蒸留所のミイカ氏にも話を聞いた。

【特集】
ウイスキーフェスティバル2023 in TOKYO、ウイスキーコニサークラブ新潟蒸留所ツアー、下田ウイスキーフェスリポート。

(2).ビジネスに効く教養としてのジャパニーズウイスキー

世界的にも有名なウイスキー評論家で、ウイスキー文化研究所代表 土屋守先生の著書「ビジネスに効く教養としてのジャパニーズウイスキー」です。
ウイスキーの基礎知識、日本へのウイスキーの伝来、ジャパニーズウイスキーの誕生、広告戦略とジャパニーズウイスキーの盛隆、そして、現在のクラフト蒸留所の勃興まで。日本のウイスキーの事が非常にわかりやすくまとめられた一冊。

(3).ウイスキーと私(竹鶴政孝)

日本でのウイスキー醸造に人生を捧げた、ニッカウヰスキー創業者・竹鶴政孝。ただひたすらにウイスキーを愛した男が自らを語った自伝の改訂復刻版。若き日、単身スコットランドに留学し、幾多の苦難を乗り越えてジャパニーズ・ウイスキーを完成させるまでの日々や、伴侶となるリタのことなどが鮮やかに描かれる。

(4).新世代蒸留所からの挑戦状

2019年発売。世界に空前のウイスキーブームが到来しているいま、クラフト蒸留所の経営者たちは何を考え、どんな想いでウイスキー造りに挑んだのか。日本でクラフト蒸留所が誕生するきっかけを作った、イチローズ・モルトで有名なベンチャーウイスキーの肥土伊知郎氏をはじめとする、13人のクラフト蒸留所の経営者たちが世界に挑む姿を綴った1冊。

(5).ウイスキーライジング

2016年にアメリカで出版された『Whisky Risng』の日本語版であり、内容も大幅にアップデート。ジャパニーズ・ウイスキーの歴史が詳細に記述されているだけでなく、近年、創設がつづくクラフト蒸溜所を含む、日本の全蒸溜所に関するデータも掲載。そのほかにも、今まで発売された伝説的なボトルの解説や、ジャパニーズ・ウイスキーが飲めるバーなども掲載されています。

(6).ウイスキーと風の味

1969年にニッカウヰスキーに入社した、三代目マスターブレンダーの佐藤茂夫氏の著書。
『ピュアモルト』『ブラックニッカクリア』『フロム・ザ・バレル』の生みの親でもあり、なかでも『シングルモルト余市1987』はウイスキーの国際的コンペティションWWA(ワールド・ウイスキー・アワード)にて「ワールド・ベスト・シングルモルト」を受賞。
竹鶴政孝、竹鶴威の意志を引き継いだブレンダー界のレジェンドが語る今昔。

この記事を書いた人
新海 博之

1981年7月17日 北海道北広島市出身
大学卒業後、NTTデータカスタマサービス㈱へ新卒入社。
2010年「麻布十番BAR新海」を開業 → 2016年、名物「薬膳カレー」を開発 → 2018年「虎ノ門BAR新海」、2019年には「芝大門BAR新海」を開業 → 2020年 ウェブメディア「Japanese Whisky Dictionary」をスタート。
バーテンダーの私達だから出来る事として、ジャパニーズウイスキーの魅力を日々発信する。

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