【レビュー】マルスウィスキー モルト デュオ 駒ヶ岳×秩父 2021

本坊酒造

信州マルス蒸留所と秩父蒸留所の原酒交換によるブレンデッドモルトウィスキーです。これはジャパニーズウィスキー業界において初の取り組みとなります。

本坊酒造より、2021年4月末に新商品発売の情報が発表されました。
今回の商品は、ジャパニーズウィスキー愛好家が驚嘆する内容で、イチローズモルトとの共同企画です。「マルスウィスキー」と「イチローズモルト」の原酒交換により実現した今回のウィスキーは、2015年4月に蒸留したモルト原酒を交換し、互いの蒸留所で熟成してこの度ヴァッティングして商品化されました。

2008年から稼働を始めた秩父蒸留所と2011年に蒸留を再開した本坊酒造マルス信州蒸留所。
スコットランドでは一般的に行われている原酒交換を日本でも実現できればと始まったもの。
高い志を持つ二つの蒸留所がジャパニーズウィスキーの新たな可能性を追求して立ち上げたこのプロジェクトは、6年前の2015年4月にお互いの原酒(ニューポット)の交換するところから始まりました。
盆地特有の寒暖差と荒川の恩恵を受けた自然豊かな秩父蒸留所、中央アルプス駒ヶ岳山麓の美しい森に囲まれたマルス信州蒸留所。
この二つの異なる環境で熟成を重ねた原酒はそれぞれの地でブレンドされ、新たな個性となって表現されました。
柔らかく透明感のあるフルーティーさ、そして少しずつ丁寧に重ねた香りの層が、深みとなって時間と共にゆったりと感じられます。
特徴を生かすためアルコール分高め、ノンチルフィルター・ナチュラルカラーでボトリング。
様々な可能性を秘めたジャパニーズウィスキーの魅力と可能性が詰まった一本となっています。

4月より日本洋酒酒造組合が制定した「ジャパニーズウイスキーの表示に関する基準」が施行されました。これより先は、これまで以上に世界に向けて、ジャパニーズウイスキーらしい恥ずかしくないものを造らねばならない。造りの方向性や考え方を一致させ、志を同じくする人たちとジャパニーズウイスキーを盛り上げていく。互いに切磋琢磨していくことが、日本のウイスキー業界にとっての成長になると考えております。今回の共同企画が、日本でクラフトディスティラリーが増える中、蒸溜所同士が、ジャパニーズウイスキーをどう表現していくのか考えていく、ひとつのきっかけになればと期待しています。(本坊酒造株式会社代表取締役社長本坊和人氏)

1.メーカー

本坊酒造株式会社

設立1872年
本社所在地〒891-0122; 鹿児島県鹿児島市南栄三丁目27番地
所有蒸留所マルス信州蒸留所、マルス津貫蒸留所

2.蒸留所

マルス信州蒸留所

所在地〒399-4301 長野県上伊那郡宮田村4752-31
操業開始1985年

鹿児島の地で日本の蒸留酒「焼酎」造りに邁進していた本坊酒造が、ウィスキー製造免許を取得したのが1949年。それ以来、「いつか日本の風土を活かした本物のウィスキーを造りたい」と夢を抱き続けていました。
鹿児島でのウィスキー製造から数年経た後、1960年に山梨にワインとウィスキー製造のための工場「マルス山梨ワイナリー」を設立。そして、本格的にウィスキー造りに取り組むために、さらなる理想の地を探し求めました。

澄んだ空気の寒冷地であり、しかも適度な湿度と良質な水に恵まれていることなど、ウィスキー造りのための自然条件は大変厳しいものがあります。
こうした条件を満たす土地を探し求め、1985年ウィスキー造りに最適な環境を求めて長野県中央アルプス駒ヶ岳山麓標高798mの地にマルス信州蒸留所を開設致しました。
1992年にウィスキー需要低迷により蒸留を休止。その後、世界的にジャパニーズウィスキーが評価されはじめる中、ウィスキー需要が回復傾向にあった2009年に蒸留再開を決意し2011年2月より再スタート。
2020年9月、35年ぶりの全面リニューアル。投資額は約12億円。

2019年5月から、老朽化した設備の改修とウィスキー増産を見据えた樽貯蔵庫施設の整備やウィスキー造りの見学を目的にしたウィスキー蒸留棟(樽貯蔵庫を含む)と、オリジナルウィスキーやグッズ販売などを目的にビジター棟を新設、既存の設備及び施設を改修。
新設したウィスキー蒸留棟は1,996㎡(延床面積、約2,500樽収容予定の樽貯蔵庫含む)、ビジター棟は746㎡。
引用:本坊酒造公式HP

■製造能力:原料麦芽1.1t/日
■原酒製造量:約700L/日、約185KL/年(2020年度予定)
■主要な設備:麦芽粉砕機1基、マッシュタンロイテル(糖化槽)6KL×1基、ステンレス発酵タンク6KL×3基、ダグラスファー木槽発酵タンク(移設)6KL×3基、初溜釜(移設)

マルス信州蒸留所の情報はこちら↓もご覧ください。

ベンチャーウイスキー秩父蒸留所

所在地〒368-0067 埼玉県秩父市みどりが丘49
操業開始2007年

2004年9月創業。
2007年に秩父蒸留所が完成。
2008年2月、ウイスキー作りの免許が交付され秩父蒸留所でウイスキー作りを開始。
秩父の風土に根ざしたシングルモルトウイスキー造りが行われています。
創業者の肥土伊知郎氏はジャパニーズウイスキーであることに誇りを持ち、小さなミル、マッシュタン、ミズナラ製の発酵槽、スコットランド・フォーサイス社製のポットスチルで手づくりに拘りモルトウイスキーを生産しています。

秩父蒸留所周辺は自然豊かで空気がきれいで質の良い水、夏は高温多湿で朝晩が氷点下にいたる寒さの厳しい環境です。その厳しい気候が織りなす寒暖差がウイスキーの熟成に多大な影響を与え、短い熟成期間にも関わらずフルーティでバランスの取れたウイスキーに仕上がります。

画像出展:秩父蒸留所公式FaceBookページ

秩父蒸留所の情報はこちら↓もご覧ください。

3.商品名と写真

マルスウィスキー モルト デュオ 駒ヶ岳×秩父 2021
MARS WHISKY Malt Duo KOMAGATAKE × CHICHIBU 2021

4.特徴

ジャパニーズウイスキーのさらなる可能性を探求し、蒸溜所の垣根を越えて美味しいウイスキーを造りたい。そんな想いから、2015年、マルス信州蒸溜所とベンチャーウイスキー秩父蒸溜所は、互いのモルト原酒を交換し、それぞれの地で熟成をする試みを始めました。

このボトルは、マルス信州蒸溜所で熟成させた「駒ヶ岳」「秩父」二つのモルト原酒をヴァッティングしたブレンデッドモルトジャパニーズウイスキーです。駒ヶ岳らしさと秩父らしさ、双方の個性を磨きあうように誕生した特別な1本を、どうぞお楽しみください。
※日本洋酒酒造組合「ジャパニーズウイスキーの表示に関する基準」に合致する商品です。
(記事引用:ジャパニーズウイスキー/MARS WHISKY Malt Duo  KOMAGATAKE×CHICHIBU(駒ヶ岳×秩父)| 本坊酒造株式会社

4-1.テイスティングノート

香りチョコレート、はちみつ 時間がたつとさらに甘さが際立つ
味わいバニラ、ソルティ、ピート
余韻ピート感はなく、すっきりと短い

4-2.商品スペック

アルコール度数54%
酒別ブレンデッドモルト
樽種バーボンバレル・アメリカンホワイトオーク・シェリー 主体
内容量700ml
販売本数10,918本
希望小売価格16,500円(税込)
発売日2021年4月

5.受賞歴

現時点での受賞歴はありません。

6.価格

6-1.メーカー希望小売価格

商品名マルスウィスキー モルト デュオ 駒ヶ岳×秩父 2021
容量700ml
希望小売価格税込:16,500円

6-2.メルカリでの転売価格

メルカリでの転売価格は、44,000円~85,000円前後となっています。(※2021/5/24時点)

6-3.ヤフーオークション落札価格

ヤフーオークションでの落札価格は、最安42,500円、最高57,500円、平均48,750円(※2021/5/24時点より過去120日間の統計情報)

6-4.楽天、ヤフーショッピング、Amazon

2021/5/24時点では各通販サイトでの「マルスウィスキー モルト デュオ 駒ヶ岳×秩父 2021」の出品は無いようです。

6-5.BAR新海での提供価格

当サイトが運営する「BAR新海」では、1、45ml:4,950円、30ml:3,300円、15ml:1,650円で提供しております。

7.まとめ

3月30日に発売された三郎丸蒸留所×長濱蒸留所の原酒交換による新商品の発売もジャパニーズウィスキー業界内では話題となったばかりでした。
今回の「駒ヶ岳×秩父」のブレンデッドモルトは6年前の2015年から進められていた共同企画で、長い年月を経た新しい試みだったようです。原酒交換はスコットランドでは一般的に行われてきましたが、これまでのジャパニーズウィスキーでは考えられなかった常識を覆す取り組みです。ジャパニーズウィスキー史に新たな歴史が刻まれました。今後もこのような取り組みが増えていくとますますジャパニーズウィスキー業界が盛り上がっていくこと間違いないと思います。
今現在、グレーン原酒が製造できる国内の蒸留所は限られていますが、モルト原酒とグレーン原酒の交換によるブレンデッドウィスキーができる日もそう遠くないのかもしれないと期待してしまいますね。

■駒ヶ岳に関するその他の記事も是非ご覧ください。

最後に:ジャパニーズウィスキーのおすすめ書籍

世界的なトレンドを巻き起こしている「ジャパニーズウィスキー」の事をもっと知りたい、もっと勉強したいという方は、是非こちらの書籍をおすすめいたします。

(1).ビジネスに効く教養としてのジャパニーズウィスキー

世界的にも有名なウィスキー評論家で、ウィスキー文化研究所代表 土屋守先生の著書「ビジネスに効く教養としてのジャパニーズウィスキー」です。
ウィスキーの基礎知識、日本へのウィスキーの伝来、ジャパニーズウィスキーの誕生、広告戦略とジャパニーズウィスキーの盛隆、そして、現在のクラフト蒸留所の勃興まで。日本のウィスキーの事が非常にわかりやすくまとめられた一冊。

(2).ウィスキーと私(竹鶴政孝)

日本でのウイスキー醸造に人生を捧げた、ニッカウヰスキー創業者・竹鶴政孝。ただひたすらにウイスキーを愛した男が自らを語った自伝の改訂復刻版。若き日、単身スコットランドに留学し、幾多の苦難を乗り越えてジャパニーズ・ウイスキーを完成させるまでの日々や、伴侶となるリタのことなどが鮮やかに描かれる。

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(3).新世代蒸留所からの挑戦状

2019年発売。世界に空前のウイスキーブームが到来しているいま、クラフト蒸留所の経営者たちは何を考え、どんな想いでウイスキー造りに挑んだのか。日本でクラフト蒸留所が誕生するきっかけを作った、イチローズ・モルトで有名なベンチャーウイスキーの肥土伊知郎氏をはじめとする、13人のクラフト蒸留所の経営者たちが世界に挑む姿を綴った1冊。

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(4).ウィスキーライジング

2016年にアメリカで出版された『Whisky Risng』の日本語版であり、内容も大幅にアップデート。ジャパニーズ・ウイスキーの歴史が詳細に記述されているだけでなく、近年、創設がつづくクラフト蒸溜所を含む、日本の全蒸溜所に関するデータも掲載。そのほかにも、今まで発売された伝説的なボトルの解説や、ジャパニーズ・ウイスキーが飲めるバーなども掲載されています。

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