8. 九州・沖縄地方のウィスキー蒸留所

8.九州・沖縄地方

8-1. 嘉之助蒸溜所

小正醸造㈱は、2021年8月1日をもって新設分割により、嘉之助蒸溜所におけるウイスキー製造事業を「小正嘉之助蒸溜所株式会社」へ承継させました。

鹿児島県の小正酒造は、1883年に創業した本格焼酎「小鶴」を中心とした酒造メーカー。
これまで培ってきた本格焼酎の製造技術をふんだんに活かした、新たなステージへ挑戦として、2017年にウィスキー製造免許を取得し、「小正醸造 嘉之助蒸溜所」の操業を開始しました。

画像出典:嘉之助蒸溜所 KANOSUKE DISTILLERY

2018年、ニューポットを数量限定で発売。更に、8ヵ月間貯蔵した「嘉之助ニューボーン2018」を発売。
2019年、16ヵ月間貯蔵した「嘉之助ニューボーン2019」を発売。
2020年、イギリス産ピーテッド麦芽を使用し、24ヵ月間貯蔵した「嘉之助ニューボーン2020ピーテッド」を発売。

画像出典:嘉之助蒸溜所 KANOSUKE DISTILLERY

その他、ウィスキーの販売に先立ち、クラフトジンの販売も精力的に行っています。
現在、「KOMASA GIN 桜島小みかん」「KOMASA GIN ほうじ茶」の2種類を販売中。

画像出典:KOMASA GIN
所在地〒899-2421
鹿児島県日置市日吉町神之川845-3
アクセス
○鹿児島市内より:
《高速道路》 南九州自動車道~「美山」ICから約10分(所要時間約35分)
《一般道》 国道3号線〜県道24号線〜国道270号線(所要時間約45分)
○鹿児島空港より:
九州自動車道〜南九州自動車道〜「美山」ICから約10分(所要時間約1時間)
○鹿児島中央駅より:
JR鹿児島本線「伊集院」駅〜タクシー約15分(所要時間約40分)
操業開始2017年
公式HP嘉之助蒸溜所 KANOSUKE DISTILLERY
見学見学可。HPより要予約。
商品嘉之助ニューボーン2018、嘉之助ニューボーン2019、嘉之助ニューボーン2020

嘉之助蒸留所の代表的なウィスキー

8-2. 本坊酒造 マルス津貫蒸溜所

画像出典:工場見学/マルス津貫蒸溜所 (MARS Tsunuki Distillery) | 本坊酒造株式会社

マルスウィスキーと言えば、1985年に長野県で操業した「マルス信州蒸留所」が有名ですが、蒸留所を所有する本坊酒造が蒸留酒の製造を開始した地が今回紹介する「津貫」でした。

2016年、本坊酒造は100年以上の焼酎製造の歴史のある津貫工場内の貯蔵庫の一つを改装して「マルス津貫蒸留所」を操業しました。
マルス信州蒸留所が冷涼な気候で熟成がゆっくりと進むのに対し、マルス津貫蒸留所は、温暖な気候で熟成がダイナミックに進むと考えられています。製造する原酒のタイプ、熟成に使用する樽のタイプも様々なものを使っています。
津貫蒸留所では、隣接する貯蔵庫の他に同社が屋久島に所有する「屋久島エイジングセラー」にも毎年30丁の樽を貯蔵しているそうです。日本でも珍しい気候の屋久島でどのような熟成が進んでいくのか非常に興味深いです。

2020年4月27日に「シングルモルト津貫THE FIRST」が発売され、2021年1月18日に「シングルモルト津貫PEATED」が発売予定となっています。

画像出典:工場見学/マルス津貫蒸溜所 (MARS Tsunuki Distillery) | 本坊酒造株式会社

また、蒸溜所に隣接する本坊家旧邸「寶常(ほうじょう)」は、マルスウイスキーを味わえるBARとオリジナルグッズと酒類を販売するSHOPとして使用されており、伝統的な木造建築の和風平屋建て邸宅で1933年に建築。旧家ならではの屋根を構成する瓦の美しさや贅沢な仕上げの威厳ある佇まいで、季節ごとに日々刻々と表情を変える庭園を楽しむことができます。廻り廊下から石蔵に続くウッドデッキをしつらえ、石灯籠がさりげなく配置される庭園で、四季折々の景観を眺めながら極上のひと時を堪能できます。

所在地〒899-3611
鹿児島県南さつま市加世田津貫6594
アクセス■鹿児島空港からバスをご利用の場合
※約1時間半に1本 バスの詳細はコチラ
鹿児島交通 0番線(枕崎・加世田方面)「鹿児島空港」バス停から約90分
「加世田」下車の場合 タクシー(約10km)
「上津貫」下車の場合 徒歩(約2km)※タクシーはおりません■鹿児島中央駅からバスをご利用の場合
鹿児島交通 東16乗場(加世田方面)「加世田バスターミナル」乗継で「津貫」下車 約110分
※ご参考:九州のバス時刻表 PC版はコチラ スマホ版はコチラ■お車をご利用の場合
「鹿児島空港」から約90分(九州自動車道 谷山IC経由)
「鹿児島市内」「JR鹿児島中央駅」「JR指宿駅」から約70分
「知覧特攻平和会館」から約40分
「JR枕崎駅」から約20分
操業開始2016年
公式HP本坊酒造 マルス津貫蒸留所
見学見学可。HPより要予約。
商品シングルモルト津貫THE FIRST

マルス津貫蒸留所の代表的なウィスキー

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8-3. ヘリオス酒造

沖縄県の酒造メーカー「ヘリオス酒造」は、1980年代自社でウィスキー造りを行っていた過去があり、国内外に出荷していたそうです。ウィスキーブームが下火となってから当時製造していたウィスキーは貯蔵されたままとなっていました。2016年にローソンからウィスキー販売の話があり、限定で「暦15年」、「ヘリオスウィスキー暦(200ml)」を販売しました。これをきっかけに、ヘリオス酒造では自社でのウィスキー製造を再開したそうです。

画像出典:酒蔵見学 | ヘリオス酒造株式会社

画像出典:酒蔵見学 | ヘリオス酒造株式会社

そして2020年12月31日、沖縄初のシングルモルトウィスキー「許田カスクストレングス2020」を発売しました。
英国産のピート麦芽を原料とし、2017年に自社で仕込み・蒸留を行ったモルトウイスキーをオーク樽で3年間熟成。ラベルは蒸留所近くの山あいの夜明け前の雰囲気を再現したデザイン。商品名は地名である許田(きょだ)を採用、力強い筆文字で表現しました。シングルモルトウイスキー「許田カスクストレングス2020」はピートモルト由来のスモーキーな香りと奥行きのある味わいのウイスキー。樽出しのアルコール度数のままの60.9%、加水をしない「カスクストレングス」です。

画像出典:ヘリオス酒造公式オンラインストア

泡盛やラムなどの製造でも長い歴史と伝統がある同社が今後どんなウィスキーを作っていくのか、注目していきたいと思います。

所在地〒905-0024
沖縄県名護市許田405
アクセス

■沖縄自動車道からの場合
許田料金所を過ぎてしばらく走ると左側へ降りる道があります。そこを下ると58号線に突き当たりますので、右折してください。自動車道をくぐったところに押しボタン式信号があります。信号の先に看板がありますので、そこを右折してください。湖辺底(こへんぞこ)集落を通り抜け奥までお進みください。

■58号線からの場合(那覇市から名護市向け)
沖縄自動車道の真下(許田港が見えます)に押しボタン式信号があります。信号の先に看板がありますので、そこを右折し、湖辺底(こへんぞこ)集落を抜け奥までお進みください。

操業開始2016年(ウィスキー製造再開)
公式HPヘリオス酒造株式会社
見学見学可。HPより要予約。
※コロナの影響で当面見学を自粛(2021年1月1日時点)
商品シングルモルトウイスキー「許田カスクストレングス2020」

ヘリオス酒造の代表的なウィスキー

8-4. 津崎酒店 久住蒸留所

2021年2月操業開始。大分県竹田市久住町新たにクラフトウィスキー蒸留所「久住蒸留所」が誕生しました。
大分県竹田市久住町で酒販店「津崎酒店」を営む宇戸田祥自(うとだ・しょうじ)氏が、店舗の敷地内にある約400平方メートルの倉庫を改装して蒸留所を建設。本場スコットランド”フォーサイス社”製の蒸留機を導入し、2021年2月より製造を開始します。出荷までは3年の熟成が必要な為、販売開始は2024年、2025年頃になる予定。

画像出典:大分県産ウイスキー22年ぶり復活へ 宇戸田さん、2月から久住蒸溜所で製造 – 大分のニュースなら 大分合同新聞プレミアムオンライン Gate

宇戸田氏は、「イチローズモルト」で世界的に有名となったベンチャーウィスキーの肥土伊知郎氏に相談し、2017年から製造技術を学んだ。
今月5日、竹田税務署から念願のウィスキー製造免許を取得し、いよいよ製造開始となる。

所在地〒878-0201
大分県竹田市久住町大字久住6426
アクセスJR豊後竹田駅より約5~6km
操業開始2021年2月
公式HP久住蒸留所ではなく、津崎酒店のHP
見学
商品

8-5. 黒木本店 尾鈴山蒸溜所

画像出展:尾鈴山蒸留所公式HP
画像出展:尾鈴山蒸留所 Online shop / Topページ

明治18年に創業した黒木本店の別蔵が「尾鈴山蒸留所」です。1998年に宮崎県高鍋町の尾鈴山山中に建てられ、自然の風景と調和した美しい蒸留所。
百年の孤独」「山ねこ」「山猿」で知られる老舗焼酎蔵の黒木本店。先代の黒木敏夫氏がスコットランドのエドラダワー蒸留所に感銘を受けて、敢えて山中に建設された拘りの蒸留所。後を継いだ息子の黒木信作氏によって2019年11月からウィスキー造りを開始
原料となる大麦は自社製で、「はるしずく」と「はるか二条」の2種類を育てている。
蒸留機は合計4基で、焼酎用蒸留機が2基とウィスキー用(再留用)が1基、スピリッツ用が1基ある。
ウィスキーの蒸留はまず焼酎用蒸留機で初留を行ったあと、再留にウィスキー用蒸留機を使用している。

2020年8月に発売されたOSUZU MALT NEW MAKE(オスズ モルト ニューメイク)は発売後すぐに売り切れ。期待と注目度の高さが伺えます。

所在地〒884-0104
宮崎県児湯郡木城町石河内656−17
アクセス高鍋町中心地から車で約30分
操業開始1998年
公式HP尾鈴山蒸留所
見学 
商品OSUZU MALT NEW MAKE

尾鈴山蒸留所の代表的なスピリッツ

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8-6. 西酒造 御岳蒸留所

西酒造の創業は1845年。日置市の山中に170年を超す歴史を誇り「薩摩宝山」や「天使の誘惑」などで知られる本格焼酎製造の老舗。2011年2月に鹿児島ゴルフリゾートを取得。2019年、ゴルフリゾート内にウイスキーの蒸留施設を建設した。

本坊酒造のマルス津貫蒸溜所、小正醸造の嘉之助蒸溜所に続く鹿児島県3か所目の蒸留所となる。「御岳」とは桜島の事で、桜島の古来からの正式名のようです。ポットスチルは初留機1基と再留機1基の合計2基。どちらもラインアームは上向きで、フルーティで深い香味が特徴ですっきりとしたニューポッドに仕上がります。熟成に使用する樽はすべてシェリー古樽。
2019年に合計24種類のボタニカルを抽出して出来上がったクラフトジン「尽~tsukusu~」を発売した事でも話題に。

所在地〒891-0144
鹿児島県鹿児島市下福元町12300
アクセス指宿スカイライン、南薩縦貫道谷山ICより約5分、鹿児島市内より車で約20分
鹿児島空港より車で約40分
操業開始2019年
公式HP御岳蒸留所 THE ONTAKE DISTILLERY
見学
商品

8-7. 新里酒造

1846年創業の沖縄最古の泡盛蔵元の新里酒造。
現在販売されている「新里WHISKY」は海外のブレンデッドウィスキーに、新里酒造の「泡盛」をシェリー樽に13年熟成させたいわゆるスピリッツを数%ブレンドして造り上げたウィスキー。

2021年4月に自社蒸留の「NEW MAKE 新里」をリリース。限定350本は即日完売
ポットスチルは泡盛を蒸留しているものを併用。現在3基のポットスチルを所有している。熟成に使用している樽は3種類(具体的には不明だが、おそらくシェリー樽・バーボン樽あたりか)で、3年熟成を経てウィスキーとして販売していく意向。毎日1仕込みのペースで原酒を生産している。

画像出展:新里WHISKY|新里酒造
所在地〒904-2161
沖縄県沖縄市古謝 3丁目22番8号(本社工場)
〒904-2234
沖縄県うるま市州崎 12-17(州崎工場)
アクセス車:北中インターより沖縄市向けに走り約20分、イオン具志川店近く
操業開始2021年(自社蒸留でのウィスキー製造開始
公式HP新里酒造株式会社
見学無料。見学日の1週間前までに電話予約(当面の間、見学中止)
商品NEW MAKE 新里、新里WHISKY

新里酒造の代表的なウィスキー

8-8. 篠崎 新道ウイスキー蒸溜所

甘酒の「国菊」、麦リキュール「朝倉」、焼酎等も手掛けている福岡県朝倉市の老舗蔵元「篠崎」の新しいプロジェクトとしてウィスキー事業を開始。2021年5月に建屋完成、8月から蒸留を開始。三宅製作所のポットスチルを使用。
「およそ200年の酒造りのノウハウを活かし、今までにない日本のウイスキーを目指す」という。
福岡県初のクラフト蒸留所として3年後から出荷開始予定。年間出荷本数20万本を目指す。
将来的には発酵時に使用する桶や熟成時に使用する樽も自社林の木材を使用して作成していく予定としている。

所在地〒838-1303
福岡県朝倉市比良松185番地
アクセス車:大分自動車道、朝倉インター降りてすぐ
操業開始2021年8月(自社蒸留でのウィスキー製造開始)
公式HP株式会社篠崎
見学
商品

8-9. 株式会社 山鹿蒸溜所

2021年11月6日竣工。熊本県内初となるウィスキー蒸留所。

操業は2013年。南九州コカ・コーラボトリング(現コカ・コーラボトラーズジャパン)の酒類事業などの分社化で発足したMCAホールディングス(東京)が親会社。操業当時は焼酎を生産していたが、これを機に生産をウィスキーに転換。本坊酒造(鹿児島市)から技術協力を受ける形で2024年以降の商品化を目指す。年間150kl、4~5万本の販売を想定。

蒸留所はもともとあった焼酎工場の跡地に建設。鉄骨造2階建て(延べ床面積1,257㎡)で、高さ4.6メートルのバルジ型のポットスチルを設置。熟成庫は(1,043㎡)には、ラック式で容量約200ℓの樽を最大3300本保管できる。製造工程を見学できる通路や試飲ができるラウンジも設置。

総工費は約11億円。

国見山系と菊池川水系の良質な深層地下水を使用。
冬場は-5度、夏は40度という寒暖差を活かして熟成。

所在地〒861-0565
熊本県山鹿市鹿央町合里980-1
アクセス車:熊本植木インターから約15分
操業開始2021年8月(自社蒸留でのウィスキー製造開始)
公式HP株式会社山鹿蒸溜所
見学2022年3月からの予定
商品