【レビュー】シングルモルト長濱 THE FIRST BATCH

ウィスキーレビュー
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長濱蒸溜所

長濱蒸溜所が稼働してから5年が過ぎ、蒸溜所のコンセプトでもある「一醸一樽」の精神のもと、熟成庫に眠る原酒の中から最上級のモルト原酒のみを厳選してブレンドした長濱蒸溜所初のシングルモルトウイスキーとなります。

使用されている樽はバーボン樽、シェリー樽、アイラクォーター樽、ミズナラ樽。これらを「AMAHAGAN」で培った技術と経験を用いてブレンディングした長濱蒸溜所渾身の1本となります。

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1.メーカー

長浜浪漫ビール株式会社

設立1995年(平成7年)
本社所在地〒526-0056 滋賀県長浜市朝日町14-1
所有蒸留所長濱蒸溜所

2.蒸留所

長濱蒸溜所

所在地〒526-0056 滋賀県長浜市朝日町14-1
操業開始2016年(平成28年)11月1日

滋賀県びわ湖北部にある日本最小クラスの長濱蒸溜所は、クラフトビールの醸造所とレストランを併設しています。大手ウイスキーメーカーを含めてもレストランを併設している蒸留所は少なく、クラフトウイスキー蒸留所となればごく稀な存在です。

設置された個性的なポットスチルの形状はウイスキーづくりのまさに原点を感じさせます。
長濱蒸溜所は元々は江戸時代から米蔵だったところを改修し、1996年からビールづくりが始まりました。その後、2016年にウイスキーづくりのための設備を導入。建物の中は吹き抜けになっていて、1階に糖化槽と蒸留器を設置、2階に粉砕機と発酵槽が設置してあります。
ポットスチルは初留2基、再留1基で、加熱方式は間接蒸気のひょうたんのような形をしたアランビックタイプのポットスチルで、ブランデーの蒸留に使われることが多いポットスチルを使用しています。このアランピックタイプのポットスチルは日本のクラフト蒸留所の中では現在長濱蒸溜所だけが使用しています。特徴としては、酒質がクリアで柔らかく雑味の少ないものが出来るメリットがあります。

創業から今に至るまでの間で試行錯誤が繰り返されました。大きな変更点は麦芽の粉砕比率を変更したり、発酵時間を当初60時間だったところを今では72時間に変更。また、蒸留器を2基から3基に増設。創業時は初留釜が1000リットル、再留釜が500リットルでしたが、再留釜も入れ替えて、3基全て1000リットルに統一。あとはスコットランドの蒸留所に倣って、再留器の洗浄をほとんどしていない。など、創業後およそ4年間で様々な変化をしてきました。

引用:ウイスキー|長濱浪漫ビール

長濱蒸溜所の詳細情報は、こちらの記事もご覧ください。

長濱蒸溜所 | ジャパニーズウイスキーディクショナリー
Japanese Whisky Dictionary

3.商品名と写真

シングルモルト長濱 THE FIRST BATCH
Single Malt Nagahama The First Batch

4.特徴

自社蒸留原酒のヴァッティングによって生まれた初のシングルモルト

長濱蒸溜所は1996年に創業した長濱浪漫ビールの20周年記念事業として、同施設内で2016年に稼働いたしました。これまでの「シングルモルト長濱」は、樽出しそのままのシングルカスクでリリースしておりましたが、稼働から約5年の歳月が流れたいま、様々な自社蒸留原酒のヴァッティングによって生まれた初めてのシングルモルトを、皆様のお手元にお届けできますことを非常に嬉しく思っております。

本商品を製造するにあたり、「一醸一樽」の精神のもと、熟成庫に眠る原酒の中から、最上級のモルト原酒のみを厳選。2017年から2019年にかけて蒸溜したバーボン樽、シェリー樽、アイラクォーター樽、そしてミズナラ樽熟成原酒を使用し、「AMAHAGAN」で培った技術と経験を用いて、慎重にブレンディングを行いました。

長濱蒸溜所らしいモルティで芳醇な味わいはもちろん、それぞれの樽由来の特徴が奏でる絶妙なハーモニーをお愉しみください。

 

引用:自社蒸留原酒をヴァッティングした初めてのシングルモルトが遂にリリース。「シングルモルト長濱 THE FIRST BATCH」 2022年10月11日(火)より販売開始 | 長濱浪漫ビール

4-1.テイスティングノート

香り完熟りんご、クッキー、エレガントで優しいサンダルウッドな香り
味わいまろやかな口当たり、バニラアイス、クリームブリュレ
余韻ビターチョコレート、ウッディ、バニラ香、微かなピート香が全体を引き締める

4-2.商品スペック

アルコール度数50%
酒別シングルモルトジャパニーズウイスキー
樽種バーボン樽、シェリー樽、アイラクォーター樽、ミズナラ樽
内容量500ml
販売本数12,000本限定
希望小売価格11,000円(税込)
発売日2022年10月11日

5.受賞歴

現時点での受賞歴はございません。

6.価格

6-1.メーカー希望小売価格

商品名シングルモルト長濱 THE FIRST BATCH
容量500ml
希望小売価格税込:11,000円

6-2.メルカリでの転売価格

メルカリでの転売価格は、13,500円~15,700円前後となっています。(※2022/10/21時点)

6-3.ヤフーオークション落札価格

ヤフーオークションでの落札価格は、最安12,500円、最高16,000円、平均14,285円 (※2022/10/21時点より過去180日間の統計情報)

6-4.楽天、ヤフーショッピング、Amazon

通販サイトでも、19,500円前後で販売されています。 (※2022/10/21時点)

6-5.BAR新海での提供価格

当サイトが運営する「BAR新海」では、1杯、45ml:4,950円、30ml:3,300円、15ml:1,650円 にて提供しております。

「BAR新海」のご案内
Japanese Whisky Dictionaryが運営する「BAR新海」は、東京都港区に3店舗。当サイトで紹介しているジャパニーズウィスキーをはじめ、国産のジンやビールなども取扱い。オリジナルカクテル、フレッシュフルーツカクテルなども人気。食事も豊富で1件目からも利用可能。

7.まとめ

香りはエレガント、味わいは上品。余韻はビターでウッディ。アルコール度数50%を感じさせない円やかな飲み口で、口に含んでから徐々に味わいが変化し複雑かつ奥行きのある味わい。アイラクォーター樽の影響でしょうか、微かなピート香が輪郭を印象付けているのと、余韻にウッディな樽香もしっかり感じられる仕上がりになっています。今までの長濱蒸溜所からリリースされてきたウイスキーと比べると格段に味わい深くなっています。

■長濱蒸溜所に関するその他の記事も是非ご覧ください。

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グレープフルーツを想わせる爽やかでフルーティーなアロマ、そしてハーブやミントの爽やかなアクセント。次第に、海辺の潮気を想わせるピート香が立ちのぼります。口当たりは非常に滑らかで、フレッシュなオレンジの奥に熟した赤リンゴやドライフルーツ、ベリーのアクセント。樽由来の心地よいタンニン。

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最後に:ジャパニーズウイスキーのおすすめ書籍

世界的なトレンドを巻き起こしている「ジャパニーズウイスキー」の事をもっと知りたい、もっと勉強したいという方は、是非こちらの書籍をおすすめいたします。

(1).Whisky Galore(ウイスキーガロア)Vol.42 2024年2月号

【巻頭特集】ウイスキーの聖地 アイラ島の“現在”を読み解く
アイラ島のウイスキーは、昔から「アイラモルト」という独自のカテゴリーを与えられてきた。現在9ヵ所の蒸留所があり、さらに2つの新蒸留所計画が発表されている、この小さな島を改めて紹介。
また、現在入手可能なウイスキー8種を土屋編集長が飲み比べる。
●掲載蒸留所
ボウモア、アードベッグ、ラガヴーリン、ラフロイグ、カリラ、ブナハーブン、ブルックラディ、キルホーマン、アードナッホー

【第2特集】北アイルランドのウイスキー
世界の五大ウイスキーのなかで、いまもっとも伸びているのがアイリッシュ。ブームを牽引する北アイルランドの最新情報をリポート。
●紹介ウイスキー
ブッシュミルズ、エクリンヴィル、グレンズ・オブ・アントリム、ヒンチ、キルオーウェン、マコーネルズ、ショートクロス、タイタニック・ディスティラーズ、トゥー・スタックス

【蒸留所リポート】
2023年に100周年を迎えたジャパニーズウイスキー。その第一歩が踏み出され、昨年リニューアルしたばかりのサントリー山崎蒸溜所を取材。そのほか月光川蒸留所や、個性的なツアーを行っている八郷蒸溜所&安積蒸溜所も紹介。

【インタビュー】
ワイルドターキーのマスターディスティラーであるエディー・ラッセル氏と、その息子ブルース・ラッセル氏を編集長がインタビュー。またフィンランドで自国ライ麦にこだわったウイスキーを造るキュロ蒸留所のミイカ氏にも話を聞いた。

【特集】
ウイスキーフェスティバル2023 in TOKYO、ウイスキーコニサークラブ新潟蒸留所ツアー、下田ウイスキーフェスリポート。

(2).ビジネスに効く教養としてのジャパニーズウイスキー

世界的にも有名なウイスキー評論家で、ウイスキー文化研究所代表 土屋守先生の著書「ビジネスに効く教養としてのジャパニーズウイスキー」です。
ウイスキーの基礎知識、日本へのウイスキーの伝来、ジャパニーズウイスキーの誕生、広告戦略とジャパニーズウイスキーの盛隆、そして、現在のクラフト蒸留所の勃興まで。日本のウイスキーの事が非常にわかりやすくまとめられた一冊。

(3).ウイスキーと私(竹鶴政孝)

日本でのウイスキー醸造に人生を捧げた、ニッカウヰスキー創業者・竹鶴政孝。ただひたすらにウイスキーを愛した男が自らを語った自伝の改訂復刻版。若き日、単身スコットランドに留学し、幾多の苦難を乗り越えてジャパニーズ・ウイスキーを完成させるまでの日々や、伴侶となるリタのことなどが鮮やかに描かれる。

(4).新世代蒸留所からの挑戦状

2019年発売。世界に空前のウイスキーブームが到来しているいま、クラフト蒸留所の経営者たちは何を考え、どんな想いでウイスキー造りに挑んだのか。日本でクラフト蒸留所が誕生するきっかけを作った、イチローズ・モルトで有名なベンチャーウイスキーの肥土伊知郎氏をはじめとする、13人のクラフト蒸留所の経営者たちが世界に挑む姿を綴った1冊。

(5).ウイスキーライジング

2016年にアメリカで出版された『Whisky Risng』の日本語版であり、内容も大幅にアップデート。ジャパニーズ・ウイスキーの歴史が詳細に記述されているだけでなく、近年、創設がつづくクラフト蒸溜所を含む、日本の全蒸溜所に関するデータも掲載。そのほかにも、今まで発売された伝説的なボトルの解説や、ジャパニーズ・ウイスキーが飲めるバーなども掲載されています。

(6).ウイスキーと風の味

1969年にニッカウヰスキーに入社した、三代目マスターブレンダーの佐藤茂夫氏の著書。
『ピュアモルト』『ブラックニッカクリア』『フロム・ザ・バレル』の生みの親でもあり、なかでも『シングルモルト余市1987』はウイスキーの国際的コンペティションWWA(ワールド・ウイスキー・アワード)にて「ワールド・ベスト・シングルモルト」を受賞。
竹鶴政孝竹鶴威の意志を引き継いだブレンダー界のレジェンドが語る今昔。

この記事を書いた人
深瀬 悠二

北海道札幌市出身。
2005年、大手スポーツ用品販売チェーンに就職→2019年1月、BAR新海に就職しウイスキーの魅力に引き込まれ虜となる。初めて飲んだウイスキーはアードベッグ10年。ほぼ毎日ウイスキーを飲む中で更なる知識習得を目指し、ウイスキー検定2級とJC級(ジャパニーズクラフトウイスキー)を取得。
造り手の想いをしっかりと表現し、飲み手の方々に正しい情報を伝えたい。ウイスキーの魅力をたくさんの方に伝えたいという思いでウェブメディア「Japanese Whisky Dictionary」の編集を担当。

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