2020年12月に会見発表から3年。
6月18日(日)軽井沢蒸留酒製造株式会社は小諸蒸留所の竣工式を行い、蒸留を開始しました。
会見時にも大きな話題となった台湾にある「KAVALAN」の元マスターブレンダーイアン・チャン氏を迎え「世界最高のウイスキーを小諸で製造したい」「小諸を第2の故郷にしたい」といった会見での発言から充分な気概を示しています。
チーフエデュケーター兼ブランド・アドバイザーは、IWSCの評議員、著名なウイスキー評論家のエディ・ラドロー氏も名を連ねます。
1.軽井沢蒸酒製造株式会社
代表取締役CEO:島岡高志氏(元外資系投資銀行執行役員)
副社長:イアン・チャン氏(※1)(KAVALAN(カバラン)蒸留所マスターブレンダー)
取締役CFO:島岡良衣氏(M&Aアドバイザリー会社代表コンサル)
※1)イアン・チャン(Ian Chang 張 郁嵐):カバラン マスターブレンダー、ブランドアンバサダー、研究開発責任者、 海外市場開発ディレクター。2015年英国パラグラフ・パブリッシング社主催「アイコンズ・オブ・ウイスキー」において、マスターディスティラー・オブ・ザ・イヤー受賞。2017年同賞ワールドウイスキー・ブランド・アンバサダー・オブ・ザ・イヤー受賞。
師はウイスキー業界のアインシュタインとまで言われた故ジム・スワン氏。
画像出典:軽井沢蒸留酒製造
2.熟成樽
バーボン樽、シェリー樽に加えミズナラ樽そしてジム・スワン氏の代名詞であるSTR樽も使用するとの事
(STR樽とはShaved=切削、Toasted=加熱、Re-charred=焼き入れの3工程を行った樽の事。作業行程は、樽からカスクエンドを外し、樽内部を削り、その後、樽内部をオークチップでトーストし、フレーバーを最大引き出すため再び焦がします)
3.ビジターセンター
蒸溜所はビジターセンターと一体になったデザインになっており、数々のグッドデザイン賞を受賞している十河夫妻によるもの。
1階にはBARとショップが併設され、2階にはウイスキーを学べるアカデミーの教室があります。
全施設からフォーサイス社のポットスチルが見える設計になっていると言う。
ビジターセンターのオープンは7月23日でオープンの前後にも企画が予定されており7月1日には「小諸庶民デー」として地元民の方々に向けて特別内覧会を開催。
十河彰・麻美氏のサイトはこちら
4.World Whisky Forumの開催地
World Whisky Forum(以下、WWF)とは、18ヶ月に1度開催されるウイスキー界のビッグイベント。
小規模の生産者から大手企業まで、ウイスキー生産に携わる方なら誰でも参加可能。
ウイスキーやビジネスに関する知識・意見を共有し、ネットワークを拡大させることが出来る、ウイスキー界では重要なイベントです。
会場では、レアウイスキーのテイスティングなど、魅力的な機会も多く設けられています。
毎回トークテーマを設定しそのプロフェッショナルのディスカッションの様子が見れる大変コアなイベントです。
前回のテーマは「サスティナブル」温暖化における大麦への影響や製樽の為のオークの植林の現状など、かなりマニアックな内容だったようです。
そんなWWF、次回は2024年2月に行われるのですが、なんとこの小諸蒸留所に決定しています。
世界中から参加者が集まってくるWWF来年はどんなトークテーマそしてなぜ日本なのか目が離せません。
最後に
長野県小諸市では、日本酒・ワインなどの醸造酒の製造は行っていますが、蒸留酒の製造は今回が初めてとなります。小諸の自然環境は、ウイスキー造りに不可欠な”水”も含めて適した条件なのではないでしょうか。
KOMOROから生まれるジャパニーズウイスキーが、世界に発信される日が楽しみです。