【レビュー】響 BLOSSOM HARMONY 2023

ウィスキーレビュー
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サントリー山崎蒸溜所白州蒸溜所知多蒸溜所

響ブロッサムハーモニー2023、桜樽で後熟させた希少な原酒をブレンド、特徴や価格、購入サイトを紹介。

日本が世界に誇るブレンデッドウイスキーの最高峰「響」。
サントリーが日本に保有する「山崎蒸溜所」「白州蒸溜所」「知多蒸溜所」、これら3つの蒸溜所で作られ、貯蔵されている80万を超える個性豊かな原酒から厳選された長期熟成原酒がブレンドされていると言われています。

「響ブロッサムハーモニー」は2021年から発売されていて今作で3作目となります。ホワイトオーク樽で10年以上熟成したグレーンウイスキーを更に桜樽で数年後熟した原酒を使用。上品な和菓子のような甘い香味が感じ取れます。

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1.サントリースピリッツ株式会社とは?

響ブロッサムハーモニー2023を製造している「サントリースピリッツ株式会社」は、2023年でウイスキー造り100周年を迎えました。鳥井信治郎がサントリーの前身となる寿屋として創業。日本の3つの蒸溜所だけでなく、世界中にたくさんのウイスキー蒸溜所を保有しています。

会社名サントリースピリッツ株式会社
設立1899年
本社所在地〒135-8631 東京都港区台場2-3-3
所有蒸留所●日本
山崎蒸溜所、白州蒸溜所、知多蒸溜所
●スコットランド
アードモア蒸留所、グレンギリー蒸留所、オーヘントッシャン蒸留所、ボウモア蒸留所、ラフロイグ蒸留所
●アイルランド
クーリー蒸留所キルベガン蒸留所
●アメリカ
ジムビーム蒸留所、メーカーズマーク蒸留所
●カナダ
ハイラムウォーカー蒸留所、アルバータ蒸留所

2.サントリー山崎/白州/知多蒸留所とは?

響ブロッサムハーモニー2023は、サントリーが日本に保有する3つの蒸留所(山崎蒸留所白州蒸溜所、知多蒸溜所)の原酒をブレンドして製造されています。

2-1.山崎蒸留所

蒸留所名サントリー山崎蒸溜所
所在地〒618-0001 大阪府三島郡島本町山崎5丁目2−1
操業開始1923年

山崎蒸溜所は、日本で最初のモルトウイスキー蒸留所として1923(大正12)年に開設。時代はまだウイスキーが一般の人には珍しいお酒だった頃。「日本人の繊細な味覚にあった、日本のウイスキーをつくりたい」。その熱い想いを胸に、鳥井信治郎はウイスキーづくりに乗り出した。
信治郎は、あくまでも日本的な風土にこだわった。特に重要だったのが、「水」と「環境」。山崎は万葉の歌にも詠まれた水生野(みなせの)と言われる名水の里
茶人・千利休も愛したこの地の水はウイスキーづくりに最適であった。さらに自然環境も申し分なかった。
京都の南西、天王山の麓の竹林が生い茂る山崎は、四季折々の変化が感じられる自然豊かな地。桂川、宇治川、木津川が合流する地点にあり、辺り一帯を山に囲まれているため、濃い霧がたちこめやすく温暖かつ湿潤な気候は、ウイスキーの熟成にとってまさに好条件でした。

「いいウイスキーをつくるには、この水とこの気候を持つ、山崎しかない」と、信治郎はこの場所をウイスキーのふるさとと決めました。

引用:YAMAZAKI MOMENTS

【サントリー山崎蒸溜所】
1923年 山崎蒸溜所建設。国内初のウイスキー蒸留所
1929年 国産ウイスキー第1号「白札」発売
1937年 「角瓶」発売
1984年 シングルモルトウイスキー「山崎」発売
1992年 シングルモルトウイスキー「山崎18年」発売
1998年 シングルモルトウイスキー「山崎25年」発売

山崎蒸溜所の詳細はこちらの記事もご覧ください。

山崎蒸溜所 | ジャパニーズウイスキーディクショナリー
Japanese Whisky Dictionary

2-2.白州蒸溜所

蒸留所名サントリー白州蒸溜所
所在地〒408-0316 山梨県北杜市白州町鳥原2913-1
操業開始1973年

日本で初めてウイスキーづくりを始めてからちょうど50年を迎えた1973年、豊かな自然に恵まれた南アルプス甲斐駒ヶ岳のふもとに約82万平方メートルの豊かな森に、白州蒸溜所は完成しました。
仕込み水は森の湿潤な大気に包まれて、白州モルトは花崗岩に磨かれた清らかでやわらかな南アルプスの天然水を使用。日本ならではの四季の変化の中で長い間熟成され、香り立ちがよくすっきりした「白州」の味わいの源となっています。
2014年には10億円をかけてポットスチル4基増設し16基に。サイズや形状が異なるバラエティ豊かなポットスチルで原酒の作り分けをしています。貯蔵庫は天井の高いラック式。温度や湿度などは一切人の手で管理されず、自然に任せた状態で管理されています。

1973年 白州蒸溜所建設
1994年 白州12年発売
2006年 白州18年発売
2008年 白州25年発売

画像出展:サントリー公式 森の蒸留所

白州蒸溜所の詳細はこちらの記事もご覧ください。

白州蒸溜所 | ジャパニーズウイスキーディクショナリー
Japanese Whisky Dictionary

2-3.知多蒸溜所

蒸留所名サントリー知多蒸溜所
所在地〒478-0046 愛知県知多市北浜町16番地
操業開始1973年

伊勢湾に臨む知多半島・「知多蒸溜所」 サントリーグループが全農グループと共同で設立したグレーンウイスキー蒸留所で、モルトウイスキーの山崎蒸溜所や白州蒸溜所とともに、サントリーグループの3つの国内ウイスキー蒸留所のひとつです。 ここではとうもろこしを原料にしたグレーンウイスキーを支えてきました。知多蒸溜所では、連続式蒸留機によってクリーン、ミディアム、ヘビーの3タイプの世界にも類をみないグレーン原酒のつくり分けを行っています。

知多蒸溜所の詳細はこちらの記事もご覧ください。

知多蒸溜所 | ジャパニーズウイスキーディクショナリー
Japanese Whisky Dictionary

3.ボトルの写真と購入できるサイト

響 BLOSSOM HARMONY 2023
Hibiki Blossom Harmony 2023

4.響ブロッサムハーモニー2023の特徴

幾度もの四季を経てしっかりと熟成させた多彩な原酒に、桜樽で後熟させた希少な原酒をブレンドした特別な「響」。

花を思わせる芳しい香りと、円やかで調和のとれた味わい、伸びやかで甘く豊かな余韻のハーモニーをお愉しみいただけます。

共に過ごす人たちの幸せや健やかな日々を願いデザインした「響 BLOSSOM HARMONY 2023」特別な意匠もお愉しみください。
大小の菱形を組み合わせた「松皮菱」は、日本独特の吉祥文様。そこに、桜やりんどうなど、縁起のよい花々を描いています。

テイスティングノート
色:琥珀色
香り:芳しい花の香り、さくら、きんもくせい
味わい:円やかな口当たり、のびやかな口中香、アカシアハニー、ラ・フランス、桜餅のような上品な甘さ
余韻:長く豊かで華やかな余韻

引用:サントリー公式HP

4-1.テイスティングノート

香り青りんご、和菓子、ふわっと爽やかに桜香る
味わいハチミツやすあまの優しい甘さとフレッシュフルーツの甘さ
余韻ほのかに桜の爽やかな香りからややスパイシーな余韻へと変化していく

4-2.商品スペック

アルコール度数43%
酒別ブレンデッドウイスキー
樽種桜樽、他
内容量700ml
販売本数数量限定
希望小売価格11,000円(税込)
発売日2023年5月30日

5.受賞歴

現時点での受賞歴はありません。

6.定価とネット上での価格

6-1.メーカー希望小売価格

商品名響 BLOSSOM HARMONY 2023
容量700ml
希望小売価格11,000円(税込)

6-2.メルカリでの転売価格

メルカリでの転売価格は、20,000円~26,000円前後となっています。(※2023/6/20時点)

6-3.ヤフーオークション落札価格

ヤフーオークションでの落札価格は、最安 19,000円 最高 29,000円 平均 21,423(※2023/6/20時点より過去180日間の統計情報)

6-4.楽天、ヤフーショッピング、Amazon

通販サイトでも、20,000円~35,000円前後で販売されています。 (※2023/6/20時点)

6-5.BAR新海での提供価格

当サイトが運営する「BAR新海」では、1杯、45ml:4,950円30ml:3,300円、15ml:1,650円などの少量でも提供しております。

「BAR新海」のご案内
Japanese Whisky Dictionaryが運営する「BAR新海」は、東京都港区に3店舗。当サイトで紹介しているジャパニーズウィスキーをはじめ、国産のジンやビールなども取扱い。オリジナルカクテル、フレッシュフルーツカクテルなども人気。食事も豊富で1件目からも利用可能。

7.まとめ

桜樽の後熟感やウイスキー全体の熟成感はしっかり出ている印象です。
グレーンウイスキーの甘さと、桜樽フィニッシュ原酒による上品な甘さを合わせ持つ奥行きのある甘さ。口当たりは蜜のような円やかさ、次第に口内に桜の香りが広がります。リンゴや梨のような瑞々しくフレッシュなフルーツな味わいとハチミツやすあまのような優しい甘さが相まって複雑な味わいへと変化していきます。その後、ほのかに桜の爽やかな香りが漂います。

2021年から同時に発売されてきた山崎リミテッドエディションと同じく是非、じっくりと味わっていただきたいウイスキーです。

■響ブロッサムハーモニーに関するその他の記事も是非ご覧ください。

【レビュー】響BLOSSOM HARMONY 2022
桜樽で後熟したグレーン原酒をブレンドした、「響BLOSSOM HARMONY2022」。ほのかに香る桜香と、濃厚な甘みが特徴です。
【レビュー】響 BLOSSOM HARMONY 2021
祝いの席に華を添える、芳しい香りと円やかな味わい。幾度もの四季を経て個性を深めた多彩な原酒に、桜樽で後熟させた希少な長期熟成グレーン原酒を組みあわせ、繊細なブレンドを重ねました。芳しい花の香りと、調和のとれた円やかな味わい、さわやかさを擁した豊かな余韻が特長の特別な「響」です。
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最後に:ジャパニーズウイスキーのおすすめ書籍

世界的なトレンドを巻き起こしている「ジャパニーズウイスキー」の事をもっと知りたい、もっと勉強したいという方は、是非こちらの書籍をおすすめいたします。

(1).Whisky Galore(ウイスキーガロア)Vol.42 2024年2月号

【巻頭特集】ウイスキーの聖地 アイラ島の“現在”を読み解く
アイラ島のウイスキーは、昔から「アイラモルト」という独自のカテゴリーを与えられてきた。現在9ヵ所の蒸留所があり、さらに2つの新蒸留所計画が発表されている、この小さな島を改めて紹介。
また、現在入手可能なウイスキー8種を土屋編集長が飲み比べる。
●掲載蒸留所
ボウモア、アードベッグ、ラガヴーリン、ラフロイグ、カリラ、ブナハーブン、ブルックラディ、キルホーマン、アードナッホー

【第2特集】北アイルランドのウイスキー
世界の五大ウイスキーのなかで、いまもっとも伸びているのがアイリッシュ。ブームを牽引する北アイルランドの最新情報をリポート。
●紹介ウイスキー
ブッシュミルズ、エクリンヴィル、グレンズ・オブ・アントリム、ヒンチ、キルオーウェン、マコーネルズ、ショートクロス、タイタニック・ディスティラーズ、トゥー・スタックス

【蒸留所リポート】
2023年に100周年を迎えたジャパニーズウイスキー。その第一歩が踏み出され、昨年リニューアルしたばかりのサントリー山崎蒸溜所を取材。そのほか月光川蒸留所や、個性的なツアーを行っている八郷蒸溜所&安積蒸溜所も紹介。

【インタビュー】
ワイルドターキーのマスターディスティラーであるエディー・ラッセル氏と、その息子ブルース・ラッセル氏を編集長がインタビュー。またフィンランドで自国ライ麦にこだわったウイスキーを造るキュロ蒸留所のミイカ氏にも話を聞いた。

【特集】
ウイスキーフェスティバル2023 in TOKYO、ウイスキーコニサークラブ新潟蒸留所ツアー、下田ウイスキーフェスリポート。

(2).ビジネスに効く教養としてのジャパニーズウイスキー

世界的にも有名なウイスキー評論家で、ウイスキー文化研究所代表 土屋守先生の著書「ビジネスに効く教養としてのジャパニーズウイスキー」です。
ウイスキーの基礎知識、日本へのウイスキーの伝来、ジャパニーズウイスキーの誕生、広告戦略とジャパニーズウイスキーの盛隆、そして、現在のクラフト蒸留所の勃興まで。日本のウイスキーの事が非常にわかりやすくまとめられた一冊。

(3).ウイスキーと私(竹鶴政孝)

日本でのウイスキー醸造に人生を捧げた、ニッカウヰスキー創業者・竹鶴政孝。ただひたすらにウイスキーを愛した男が自らを語った自伝の改訂復刻版。若き日、単身スコットランドに留学し、幾多の苦難を乗り越えてジャパニーズ・ウイスキーを完成させるまでの日々や、伴侶となるリタのことなどが鮮やかに描かれる。

(4).新世代蒸留所からの挑戦状

2019年発売。世界に空前のウイスキーブームが到来しているいま、クラフト蒸留所の経営者たちは何を考え、どんな想いでウイスキー造りに挑んだのか。日本でクラフト蒸留所が誕生するきっかけを作った、イチローズ・モルトで有名なベンチャーウイスキーの肥土伊知郎氏をはじめとする、13人のクラフト蒸留所の経営者たちが世界に挑む姿を綴った1冊。

(5).ウイスキーライジング

2016年にアメリカで出版された『Whisky Risng』の日本語版であり、内容も大幅にアップデート。ジャパニーズ・ウイスキーの歴史が詳細に記述されているだけでなく、近年、創設がつづくクラフト蒸溜所を含む、日本の全蒸溜所に関するデータも掲載。そのほかにも、今まで発売された伝説的なボトルの解説や、ジャパニーズ・ウイスキーが飲めるバーなども掲載されています。

(6).ウイスキーと風の味

1969年にニッカウヰスキーに入社した、三代目マスターブレンダーの佐藤茂夫氏の著書。
『ピュアモルト』『ブラックニッカクリア』『フロム・ザ・バレル』の生みの親でもあり、なかでも『シングルモルト余市1987』はウイスキーの国際的コンペティションWWA(ワールド・ウイスキー・アワード)にて「ワールド・ベスト・シングルモルト」を受賞。
竹鶴政孝竹鶴威の意志を引き継いだブレンダー界のレジェンドが語る今昔。

この記事を書いた人
深瀬 悠二

北海道札幌市出身。
2005年、大手スポーツ用品販売チェーンに就職→2019年1月、BAR新海に就職しウイスキーの魅力に引き込まれ虜となる。初めて飲んだウイスキーはアードベッグ10年。ほぼ毎日ウイスキーを飲む中で更なる知識習得を目指し、ウイスキー検定2級とJC級(ジャパニーズクラフトウイスキー)を取得。
造り手の想いをしっかりと表現し、飲み手の方々に正しい情報を伝えたい。ウイスキーの魅力をたくさんの方に伝えたいという思いでウェブメディア「Japanese Whisky Dictionary」の編集を担当。

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