【レビュー】シングルモルトデッサンシリーズ フローラ2025 井川蒸溜所

ウィスキーレビュー
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井川蒸溜所

静岡県の秘境的蒸溜所【井川蒸溜所】。シングルモルト第3弾は「フローラ」シリーズのノンピートウイスキー。

井川蒸溜所は、標高1,200mに位置する、国内で最も標高が高く、交通が最も困難である蒸溜所ともいえます。そんな山林の奥地にある冷涼で湿潤な環境で熟成されたシングルモルト。

第一弾のキレイで華やかな味わいのノンピートバーボンバレルでしたが、同じくノンピートの今作はどのような味わいでしょうか?

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1.ボトルの写真と購入できるサイト

シングルモルトデッサンシリーズ フローラ2025 
Single Malt Dessin Series Flora 2025

2.シングルモルトデッサンシリーズ フローラ2025 

ノンピートタイプのFloraラインからの新たなリリースです。
井川蒸溜所のキーモルトであるバーボン樽原酒を軸に、シェリー樽原酒をブレンドしました。
ファーストリリースのFlora 2024とは異なるアプローチで、私たちの造りの芯を守りつつも新たな方向性を試みています。ビターなニュアンスをもつバーボン樽原酒を選定し、シェリー樽由来の深みと複雑さを重ね、豊かな味わいに仕上げました。ラベルには、南アルプス亜高山帯の沢筋に咲く貴重種「オオサクラソウ」を付与しています。

【テイスティングノート】
バーボン樽由来の森林を思わせるウッディなニュアンスと、シェリー樽のフラワリーな香りが混ざり、木、花、果実が共存した植物園のイメージ。口に含むとバナナチョコの様な甘みと果実感を覚える。
わずかな加水で、口当たりが柔らかくなり、よりシェリーの存在感が増す。
ストレート、ロック、水割りとも相性が良く、ゆっくり時間をかけて口に含むと香りの変化が面白い

引用:新製品:シングルモルト デッサンシリーズ フローラ2025|十山株式会社

2-1.テイスティングノート

香り 完熟のリンゴ、しっとりとしたバナナブレット、針葉樹、苔の様な湿ったニュアンス
味わい ザラメ糖、IPAの様なビターフルーツ、ドライオレンジ
余韻 しっとりとした甘みの後にビターな余韻が複雑に長く残る

2-2.商品スペック

アルコール度数 55%
酒別 シングルモルトウイスキー(ノンピートタイプ)
樽種 バーボン樽,シェリー樽
内容量 700ml
販売本数 不明
希望小売価格 16,500円(税込)
発売日 2025年11月

3.受賞歴

現時点では受賞歴はありません。

4.定価とネット上の価格

4-1.メーカー希望小売価格

 

商品名 シングルモルトデッサンシリーズ フローラ2025 
容量 700ml
希望小売価格 16,500円(税込)

4-2.メルカリでの転売価格

メルカリでの転売価格は、15,000円~17,000円で販売がありました。(※2025/12/18時点)

4-3.ヤフーオークション落札価格

ヤフーオークションでの落札は、定価程度での落札がありました。(※2025/12/18時点) 

4-4.楽天、ヤフーショッピング、Amazon

楽天などの通販サイトでは、定価での販売がありました。(※2025/12/18時点)

4-5.BAR新海での提供価格

当サイトが運営する「BAR新海」では、1杯、45ml:5,280円、30ml:3,520円、15ml:1,760円にて提供しております。

「BAR新海」のご案内
Japanese Whisky Dictionaryが運営する「BAR新海」は、東京都港区に3店舗。当サイトで紹介しているジャパニーズウィスキーをはじめ、国産のジンやビールなども取扱い。オリジナルカクテル、フレッシュフルーツカクテルなども人気。食事も豊富で1件目からも利用可能。

5.メーカー

十山株式会社

本社所在地 〒428-0505 静岡県静岡市葵区田代字鳥森1301-1
所有蒸留所 井川蒸留所

6.蒸溜所情報

井川蒸溜所(IKAWA DISTILLERY)

所在地 〒428-0505 静岡県静岡市葵区田代字大春木1299-1
操業開始 2018年1月

十山株式会社は、2020年4月に特種東海製紙株式会社の社有林管理部門であった南アルプス事業部が
社有林の自立した経営を目的に分社化し、誕生。

井川山林に24,430haの社有林を有し、一団地としては国内最大の広さを誇る。美馬美アルプスの環境の保全や入山者に向けた登山道の維持管理など。
現在は、井川山林ならではの環境と天然湧水を活かしたウイスキー製造事業を開始。

  • 蒸溜所の標高は1,200mにも及び、国内で最も標高が高く、豊かな森林の象徴でもある「木賊(とくさ)湧水」を使用。
  • ウイスキーづくりに欠かせない樽には、井川山林に生える「ミズナラ」も使用。伐採したミズナラからどんぐりを集め、植樹を行う未来への取り組みも行っている。
  • 南アルプスの大自然という霧がたちやすく、冷涼かつ湿潤な「熟成環境」。蒸溜所より更に高所に熟成小屋を建て、マウンテンカスクの名をつけての熟成も行っている。

現在、【デッサンシリーズ】を連続リリース中。
フローラ(植物相)とファウナ(動物相)の2種類があり、それぞれノンピート、ピーテッドに分かれてリリースが行われている。

画像引用:井川蒸溜所公式X

引用:井川蒸溜所公式HP

蒸溜所の情報はこちら↓もご覧ください。

井川蒸溜所
「井川蒸溜所」の記事一覧です。

7.まとめ

前作のバーボン樽由来のクリーンで明るいフローラルさに対し、本作はより熟成感を感じる、山奥の森を思わせる静謐で多層的なニュアンスが感じられる一本です。
どこか湿り気を帯びた木々や下草を想起させる香りが重なり、香味の奥行きと複雑さが明確に増しています。

加水による変化も楽しめ、水割りでも輪郭のはっきりした甘さと豊かなアロマをしっかりと感じ取ることができます。

シェリー樽原酒が加わったことで、多様な【フローラ(植物相)】が折り重なるような香りのレイヤーが生まれ、シリーズ名の意味をより明確に体現した仕上がりといえます。

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最後に:ジャパニーズウイスキーのおすすめ書籍

世界的なトレンドを巻き起こしている「ジャパニーズウイスキー」の事をもっと知りたい、もっと勉強したいという方は、是非こちらの書籍をおすすめいたします。

(1).Whisky Galore(ウイスキーガロア)Vol.52 2025年10月号

【巻頭特集】
日本のクラフト蒸留所最前線2025
計画段階も含めるとついに130ヵ所近くになった国内クラフト蒸留所から、今回は7ヵ所をピックアップ。
ベンチャーウイスキーの苫小牧グレーンウイスキー蒸留所のほか、ガロア初公開となる蒸留所も紹介。
●掲載蒸留所
玉野アセンド蒸留所/高藏蒸留所/伊勢蒸留所/泉州蒸溜所/久住蒸溜所/サワマチ蒸溜所/馬追蒸溜所/苫小牧蒸溜所

サントリーの伝統が息づく「工房」へ

The Tasting 話題の30本
飲んで謎解き!? 土屋守の今、飲むべきボトル

(2).ビジネスに効く教養としてのジャパニーズウイスキー

世界的にも有名なウイスキー評論家で、ウイスキー文化研究所代表 土屋守先生の著書「ビジネスに効く教養としてのジャパニーズウイスキー」です。
ウイスキーの基礎知識、日本へのウイスキーの伝来、ジャパニーズウイスキーの誕生、広告戦略とジャパニーズウイスキーの盛隆、そして、現在のクラフト蒸留所の勃興まで。日本のウイスキーの事が非常にわかりやすくまとめられた一冊。

(3).ウイスキーと私(竹鶴政孝)

日本でのウイスキー醸造に人生を捧げた、ニッカウヰスキー創業者・竹鶴政孝。ただひたすらにウイスキーを愛した男が自らを語った自伝の改訂復刻版。若き日、単身スコットランドに留学し、幾多の苦難を乗り越えてジャパニーズ・ウイスキーを完成させるまでの日々や、伴侶となるリタのことなどが鮮やかに描かれる。

(4).新世代蒸留所からの挑戦状

2019年発売。世界に空前のウイスキーブームが到来しているいま、クラフト蒸留所の経営者たちは何を考え、どんな想いでウイスキー造りに挑んだのか。日本でクラフト蒸留所が誕生するきっかけを作った、イチローズ・モルトで有名なベンチャーウイスキーの肥土伊知郎氏をはじめとする、13人のクラフト蒸留所の経営者たちが世界に挑む姿を綴った1冊。

(5).ウイスキーライジング

2016年にアメリカで出版された『Whisky Risng』の日本語版であり、内容も大幅にアップデート。ジャパニーズ・ウイスキーの歴史が詳細に記述されているだけでなく、近年、創設がつづくクラフト蒸溜所を含む、日本の全蒸溜所に関するデータも掲載。そのほかにも、今まで発売された伝説的なボトルの解説や、ジャパニーズ・ウイスキーが飲めるバーなども掲載されています。

(6).ウイスキーと風の味

1969年にニッカウヰスキーに入社した、三代目マスターブレンダーの佐藤茂夫氏の著書。
『ピュアモルト』『ブラックニッカクリア』『フロム・ザ・バレル』の生みの親でもあり、なかでも『シングルモルト余市1987』はウイスキーの国際的コンペティションWWA(ワールド・ウイスキー・アワード)にて「ワールド・ベスト・シングルモルト」を受賞。
竹鶴政孝竹鶴威の意志を引き継いだブレンダー界のレジェンドが語る今昔。

この記事を書いた人
新海 博之

1981年7月17日 北海道北広島市出身
大学卒業後、NTTデータカスタマサービス㈱へ新卒入社。
2010年「麻布十番BAR新海」を開業 → 2016年、名物「薬膳カレー」を開発 → 2018年「虎ノ門BAR新海」、2019年には「芝大門BAR新海」を開業 → 2020年 ウェブメディア「Japanese Whisky Dictionary」をスタート。
バーテンダーの私達だから出来る事として、ジャパニーズウイスキーの魅力を日々発信する。

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