【函館発】ディ・トリッパー蒸留所詳細&クラウドファウンディング

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ディ・トリッパー蒸留所

ビハインド・ザ・カスク合同会社が手掛ける、函館発・ディ・トリッパー蒸溜所のクラウドファウンディングが人気。蒸溜所詳細とともにリターン品などを解説。

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1.ビハインド・ザ・カスク合同会社とは

国内ではT&T TOYAMAや、ドラムラッド社がボトラーズとして有名ですが、スコットランドでは有名な会社がいくつもあります。簡単に言うと【自社でウイスキーを買い付け、ボトリングして販売する】

ボトラーズの一般的な手法として

  • 自社樽で熟成
  • フィニッシュをかける
  • オフィシャルにない熟成年数でのボトリング
  • 度数の変更(カスクストレングス等)
  • 他のウイスキーとブレンドを行う
  • ブレンドに使われる樽タイプのものをシングルカスクでリリースする
  • ボトル形状やラベルにこだわる
  • 中身を非公開(シークレット)にして販売

等があげられます。

ビハインドカスクというと、真っ白なラベルが特徴的で、SNSなどでも話題になりました。

画像出展:ビハインドザカスク公式HP

BEHIND THE CASKは、北海道函館発の本格インディペンデントボトラーズウイスキー(独立瓶詰め業)ブランドです。ハイセンスで個性的、そしてアーティスティックな、一期一会のウイスキーやスピリッツ商品を展開しております。

自社工房ですべて手作業で、一本ずつ丁寧に瓶詰め、蝋封、ラベリング等を行います。

当社商品はウイスキー・スピリッツとワインのハイブリットがコンセプトとしてございます。ウイスキーやスピリッツもワインのように瓶内変化があると考え、瓶内変化をデザインからイメージして伝えやすく、強度的にも長期間の保管に耐えるフランス産のワインボトルを採用し、仏ボルドー地方から輸入しております。又コルクにおいても長期保管できる天然コルクを輸入、使用しております。(2023年6月現在より高品質なDIAM10へ変更)ご購入されてすぐにフレッシュな揮発性の香味成分を楽しまれるのも良いですし、しばらく置いて頂き、それらを落ち着かせてもお楽しみ頂けるかと思います。

引用:ビハインドザカスク公式HP

会社名Behind the Cask Ltd.
所在地〒040-0054 北海道函館市元町32−5
内容インディペンデントボトラーウイスキー販売等

2.ディ・トリッパー蒸留所について

ディ・トリッパー蒸留所はビハインドザカスク合同会社が2023年11月に函館で初のウイスキー製造免許を取得。旧ワイン醸造所を引き継ぎ、国産モルト原料のグレーンウイスキーを製造開始。

蒸留所名は

ディ・トリッパー蒸留所(英語表記: Di Tripper Distillery)は、1854年、M・ペリー提督が黒船で箱館(現「函館」)に来航した際の遠征記に英語で記述された地名;Hakodadi (はこだでぃ)の”Di”を取り、函館への渡航者・旅人・西洋と東洋のつながり・過去現在未来へとつなげる思いを込めて名付けられた。

蒸留所名ディ・トリッパー蒸留所(Di TRIPPER Distillery)
所在地北海道函館市元町31-20

2-1.製品情報

「グレーンウイスキーの製造」とありますが、原料は国産モルトのみを使用。ですが特殊な蒸留機を使用します。

単式蒸留機ではないため「グレーンウイスキー」の名称の様です。ニッカのカフェモルト等が近い部類に入ります。

定番商品は熟成年数1年。いろいろな意見があるのは蒸留所も承知の上。

もろみの乳酸発酵、蒸留のミドルカットポイント、樽詰め時の加水の仕様、小さな樽での熟成等の工夫を行うことで一年で完成させるそうです。

商品名もスコットランドに倣い、

※1年熟成商品名の案:Single Grain Spirit Drink

※3年以上熟成商品名の案:Single Grain Japanese Whisky

2-2.蒸留所設備

発酵漕 コンクリート卵タンク「E.T.」

※画像出展:CAMPFIRE ディ・トリッパー蒸留所

ワイン業界では2000年前後に登場し、活躍しているコンクリートタンク。ウイスキー業界ではあまり聞いたことのない珍しい発酵槽。

メリットは「断熱性の高さ」「自然対流による温度の均一化」「衛生管理」「蒸発する部分が少ない」などがあげられます。

オランダ製ハイブリッド蒸留機 iStill

※画像出展:CAMPFIRE ディ・トリッパー蒸留所

ハイブリットスチルは初留を単式、後留を連続式で行うもの。後留もアルコール度数の調整が可能。

本体はステンレス製だが、上部にある精留塔に銅製のエレメントがあり、不快な香味成分(硫黄化合物)の除去が可能。

樽の調達

製品の99%をファーストフィルシェリー熟成。スペイン産のシェリー樽を提携をしているフランスの樽会社(クーパレッジ)にて100Lサイズなどの特別サイズにし、熟成を早める。

バーボン樽やセカンド以降の樽は若いウイスキーのままだと、揮発性油成分が有り、不快に感じる香味が発生しやすく、この成分をマスキングし、パワフルなドライフルーツ香、チョコレート香、スパイス香を付与ファーストフィルシェリーの理由だそうです。

3.クラウドファウンディング情報

今回のクラウドファウンディングでは目標金額600万円に対し、12/14時点で5,400万円ほどの応援購入が集まっています。北海道産モルト、酵母、水、シェリー樽等の資材をそろえるための資金として使用予定。

内容は一部割愛。オーナーズカスクはすでに売り切れ。

応募方法、さらに詳しいリターン品の詳細はクラウドファンディングサイト「CAMPFIRE」をご覧ください。

11,000円ニューメイクサンプル(製品とは異なる)
22,000円ニューメイクサンプル(製品とは異なる)、2024年4月時点の熟成過程サンプル100ml
 33,000円クラウドファンディング期間限定原酒ニューメイク 350ml 50.6%、TERU氏の書き下ろしラベル・リネンバック付き
 44,000円仕込み水290MLペットボトル160本、2024年4月時点の熟成過程サンプル100ml
52,800円クラウドファンディング期間限定原酒ニューメイク 350ml 50.6% 6本
99,000円新樽スパニッシュオーク 30Lサイズ原酒なし
196,416円クラウドファンディング期間限定原酒ニューメイク 350ml 50.6% 24本
209,000円Di Tripper ロゴ⼊りの新樽スパニッシュオーク 30Lとディ・トリッパー原酒 60% 10L(1800ml×6本)、10年間の原酒の買い足し権利、年間28Lまで。
319,000円Di Tripper ロゴ⼊りの新樽スパニッシュオーク 30Lとディ・トリッパー原酒 60% 20L(1800ml×12本)10年間の原酒の買い足し権利、年間28Lまで。
407,000円Di Tripper ロゴ⼊りの新樽スパニッシュオーク 30Lとディ・トリッパー原酒 60% 28L(1800ml×16本)10年間の原酒の買い足し権利、年間28Lまで。

画像出展:CAMPFIRE ディ・トリッパー蒸留所

クラウドファンディング期間限定原酒ニューメイク 350ml 50.6%、TERU氏の書き下ろしラベル・リネンバック付きリターン品画像

4.最後に

かなり革新的な蒸留所の設備とラインナップ予定製品、ブランディングを行っているという印象です。

定番商品は早ければ2024年の12月には発売されるかもしれません。他の蒸留所ではいわゆるニューボーンといわれるものですが、応援金額の集まりを見るディ・トリッパー蒸留所の注目度の高さが伺えます。

 

この記事を書いた人
Ryuhei Oishi

北海道出身 bar新海虎ノ門店のバーテンダー。
都内のレストランで従事し、日本ソムリエ協会認定ソムリエ資格を取得。
自身の知識の少なかった日本のウイスキーに興味を持ち、bar新海に就職。蒸留所へ行き、造り手の方々に話を聞き、その情熱・情報をバーテンダーとして伝搬するべく、JWDに参加。

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ジャパニーズウイスキーディクショナリー
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