【レビュー】シングルモルト三郎丸Ⅱ THE HIGH PRIESTESS カスクストレングス

ウィスキーレビュー
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三郎丸蒸留所

ZEMON(ゼモン)蒸留初のシングルモルト。酒質が洗練され、若い熟成年数のヘヴィリーピーテッドでありながらも、優美さを併せ持つ1本に。このカスクストレングス版はヘビリーピーテッド50PPMでアルコール度数は61%。

2020年に発売の「シングルモルト三郎丸0 THE FOOL」、2021年に発売の「シングルモルト三郎丸ⅠTHE MAGICIAN」に続く第三弾となります。

ラベルデザインは切り絵作家の加野由希絵氏(氷見市出身)が製作。タロットカード(大アルカナ22枚と小アルカナ56枚で構成)がモチーフになっており、大アルカナ22枚の2番「女教皇(THE THE HIGH PRIESTESS)」を“銅と錫。そして初留と再留の2つの組み合わせにより生み出された無垢の器”という意味合いで今回のラベルに採用。

このカスクストレングス版は、若鶴酒造オンラインショップ「私と、ALC.」で、会員限定にて抽選販売されました。

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1.メーカー

若鶴酒造株式会社

設立 1862年
本社所在地 〒939-1308 富山県砺波市三郎丸208
所有蒸留所 三郎丸蒸留所

2.蒸留所

三郎丸蒸留所

所在地 〒939-1308 富山県砺波市三郎丸208
操業開始 1953年(2016年改修)

1952年創業の北陸で唯一の蒸留所。
戦後の米不足のなか1952年にウイスキー製造免許を取得。以来、冬は日本酒を仕込みそれ以外の期間ウイスキーを蒸留。年間200仕込み。今後は300仕込みを計画中。
操業当初からスモーキーなウイスキーにこだわりアイラピーテッド麦芽と最近では富山県産ピーテッド麦芽で仕込んでいます。 自然の風味を生かすため、冷却濾過や着色は一切していないのが特徴です。

2018年、三宅製作所の最新のマッシュタンを導入。
2019年、地元企業の老子(おいご)製作所と協業して鋳造製のポッドスチル「ZEMON(ゼモン)」を開発。
2020年、木桶の発酵槽を1基導入。

他の蒸留所との大きな違いは世界初の鋳造製のポッドスチル「ZEMON(ゼモン)」を採用。


大きな特徴は3つ。
①鋳物工法により型による成形が可能になり短納期での製造が可能。また、低コストで十分な肉厚をもたせることができ、本体の高寿命化を期待できます。
②鋳造による自由な造形により様々な酒質を実現。また、パーツごとのユニット化により消耗した部品のみの交換や機能の拡張に対応します。
③銅が約90%、錫が約8%含まれる銅錫合金によりつくられています。錫は銅の約3倍の価格で取引される高級な金属です。
錫は古来より酒の味をまろやかにするといわれており、酒器や焼酎の冷却器に用いられてきました。ZEMONは銅と錫の2つの効果により高品質な蒸留酒の製造に貢献します。
引用:若鶴酒造公式HP

三郎丸蒸留所の情報はこちら↓もご覧ください。

三郎丸蒸留所 | ジャパニーズウイスキーディクショナリー
Japanese Whisky Dictionary

3.商品名と写真

シングルモルト三郎丸2 THE HIGH PRIESTESS カスクストレングス
Single Malt Saburomaru Second The High Priestess Cask Strength

4.特徴

「ZEMON(ゼモン)」蒸留初のシングルモルト

世界初の鋳造製ポットスチル「ZEMON(ゼモン)」で蒸留した原酒が商品化されるのは、シングルモルト三郎丸シリーズでは今回が初めてとなります。高岡銅器の鋳造技術により製造されたこの蒸留器は高い耐久性をもち、銅と錫の2つの効果によりまろやかで洗練された酒質を実現。その革新性から、「令和3年 富山県ものづくり大賞」、「第36回 素形材産業技術表彰 経済産業大臣賞」、「第9回洋酒技術研究会賞」など数々の表彰を受けております。また、今年9月にウイスキーの本場イギリスでも特許が認められました。

※600本限定販売

引用:シングルモルトウイスキー 「三郎丸Ⅱ(セカンド) THE HIGH PRIESTESS(ザ ハイ プリーステス)」発売 | 新着情報 | 若鶴酒造株式会社

4-1.テイスティングノート

香り オレンジピール、ハーブやミントの爽快な香りと控えめなピート香
味わい パイナップルのジューシーさ、セージのような爽快かつ優しい苦み
余韻 爽やかで草木を感じる余韻が鼻を抜けていく

4-2.商品スペック

アルコール度数 61%
酒別 シングルモルトジャパニーズウイスキー
樽種
内容量 700ml
販売本数 限定600本
希望小売価格 18,150円(税込)
発売日 2022年11月24日

5.受賞歴

現時点での受賞歴はありません。

6.価格

6-1.メーカー希望小売価格

商品名 シングルモルト三郎丸2 THE HIGH PRIESTESS カスクストレングス
容量 700ml
希望小売価格 18,150円(税込)

6-2.メルカリでの転売価格

現在メルカリでの転売は無いようです。(※2022/11/29時点)

6-3.ヤフーオークション落札価格

現在ヤフーオークションへの出品は無いようです。(※2022/11/29時点)

6-4.楽天、ヤフーショッピング、Amazon

現在通販サイトでの販売は無いようです。(※2022/11/29時点)

6-5.BAR新海での提供価格

当サイトが運営する「BAR新海」では、1杯、45ml:5,610円 30ml:3,740円、15ml:1,870円 などの少量でも提供しております。

「BAR新海」のご案内
Japanese Whisky Dictionaryが運営する「BAR新海」は、東京都港区に3店舗。当サイトで紹介しているジャパニーズウィスキーをはじめ、国産のジンやビールなども取扱い。オリジナルカクテル、フレッシュフルーツカクテルなども人気。食事も豊富で1件目からも利用可能。

7.まとめ

2019年に誕生した世界初の鋳造製ポットスチル「ZEMON(ゼモン)」で蒸留。酒質が円やかで舌触りも滑らかになり甘さが前面に出てきた印象です。
今までの三郎丸蒸留所の特徴でもあった「圧倒的スモーキーな味わい」に関しては今回は影を潜めている感じです。奥の方に身を潜めている感じで微かに感じます。

2018年に新しいマッシュタン導入、2019年に新しいポットスチル「ZEMON(ゼモン)」導入、2020年に木桶発酵槽導入と、年々グレードアップしています。
来年リリースされるであろうシングルモルトは木桶発酵された原酒が使用されるかと思うと非常に楽しみですね。

その他、三郎丸蒸留所のブレンダー&マネージャーの稲垣氏は「T&T TOYAMA」というボトラーズ事業をシングルモルト通販モルトヤマの下野氏とともに開始。世界初のジャパニーズウイスキーのボトラーズ事業ということで大変注目されております。こちらの今後の動きも注目です。

「三郎丸蒸留所」に関するその他の記事も是非ご覧ください。

【レビュー】シングルモルト三郎丸1 THE MAGICIAN
エール酵母とウィスキー酵母の2つの酵母を使用し、ホーロー発酵を3日間。麦芽はへビリーピーテッド麦芽(53ppm)を使用。これぞスモーキーと言わんばかりの強いピートと麦芽の香ばしさを残しつつ、フルーツの酸味も表現。輪郭がしっかりした味わい。
【レビュー】シングルモルト三郎丸0 THE FOOL
香りから味わいまでしっかり主張してくるのがピートです。途中で旨みを感じながらも口に含んだ瞬間から余韻に至るまでピートを感じ続けます。最初はややアルコール感があり暴れる感じですが時間が経つと少し穏やかになり、バーボン樽のウッディ―さとバニラが顔を出します。
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最後に:ジャパニーズウイスキーのおすすめ書籍

世界的なトレンドを巻き起こしている「ジャパニーズウイスキー」の事をもっと知りたい、もっと勉強したいという方は、是非こちらの書籍をおすすめいたします。

(1).Whisky Galore(ウイスキーガロア)Vol.46 2024年10月号

【巻頭特集】
「新アイリッシュ・ルネッサンス[第1弾]」
【第2特集】
「ガロア的 東京のバー、パブ巡り」
【連載】
「ジャパニーズクラフトの開拓者たち」
前号からスタートしたこの連載。第2回では厚岸蒸溜所の樋田恵一氏を編集長がインタビューします。

(2).ビジネスに効く教養としてのジャパニーズウイスキー

世界的にも有名なウイスキー評論家で、ウイスキー文化研究所代表 土屋守先生の著書「ビジネスに効く教養としてのジャパニーズウイスキー」です。
ウイスキーの基礎知識、日本へのウイスキーの伝来、ジャパニーズウイスキーの誕生、広告戦略とジャパニーズウイスキーの盛隆、そして、現在のクラフト蒸留所の勃興まで。日本のウイスキーの事が非常にわかりやすくまとめられた一冊。

(3).ウイスキーと私(竹鶴政孝)

日本でのウイスキー醸造に人生を捧げた、ニッカウヰスキー創業者・竹鶴政孝。ただひたすらにウイスキーを愛した男が自らを語った自伝の改訂復刻版。若き日、単身スコットランドに留学し、幾多の苦難を乗り越えてジャパニーズ・ウイスキーを完成させるまでの日々や、伴侶となるリタのことなどが鮮やかに描かれる。

(4).新世代蒸留所からの挑戦状

2019年発売。世界に空前のウイスキーブームが到来しているいま、クラフト蒸留所の経営者たちは何を考え、どんな想いでウイスキー造りに挑んだのか。日本でクラフト蒸留所が誕生するきっかけを作った、イチローズ・モルトで有名なベンチャーウイスキーの肥土伊知郎氏をはじめとする、13人のクラフト蒸留所の経営者たちが世界に挑む姿を綴った1冊。

(5).ウイスキーライジング

2016年にアメリカで出版された『Whisky Risng』の日本語版であり、内容も大幅にアップデート。ジャパニーズ・ウイスキーの歴史が詳細に記述されているだけでなく、近年、創設がつづくクラフト蒸溜所を含む、日本の全蒸溜所に関するデータも掲載。そのほかにも、今まで発売された伝説的なボトルの解説や、ジャパニーズ・ウイスキーが飲めるバーなども掲載されています。

(6).ウイスキーと風の味

1969年にニッカウヰスキーに入社した、三代目マスターブレンダーの佐藤茂夫氏の著書。
『ピュアモルト』『ブラックニッカクリア』『フロム・ザ・バレル』の生みの親でもあり、なかでも『シングルモルト余市1987』はウイスキーの国際的コンペティションWWA(ワールド・ウイスキー・アワード)にて「ワールド・ベスト・シングルモルト」を受賞。
竹鶴政孝竹鶴威の意志を引き継いだブレンダー界のレジェンドが語る今昔。

この記事を書いた人
深瀬 悠二

北海道札幌市出身。
2005年、大手スポーツ用品販売チェーンに就職→2019年1月、BAR新海に就職しウイスキーの魅力に引き込まれ虜となる。初めて飲んだウイスキーはアードベッグ10年。ほぼ毎日ウイスキーを飲む中で更なる知識習得を目指し、ウイスキー検定2級とJC級(ジャパニーズクラフトウイスキー)を取得。
造り手の想いをしっかりと表現し、飲み手の方々に正しい情報を伝えたい。ウイスキーの魅力をたくさんの方に伝えたいという思いでウェブメディア「Japanese Whisky Dictionary」の編集を担当。

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