【レビュー】シングルカスク静岡4年 for ハイボール倶楽部 THE ONE

ウィスキーレビュー
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ガイアフロー静岡蒸溜所

yutubeもっさんハイボール倶楽部でもお馴染みの大阪にあるハイボール倶楽部THE ONE。ガイアフロー静岡のカスクオーナーズボトルをレビュー。

当店とも親交のあるハイボール倶楽部 THE ONEもっさんのハイボール倶楽部でも有名な同店のガイアフロー静岡のプライベートカスクボトルをお分けいただきました。

ボトル詳細なども含めて紹介させていただきます。

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1.ボトルの写真

シングルカスク静岡4年 for ハイボール倶楽部 THE ONE
Single Cask SHIZUOKA 4years for Highball Club THE ONE

 

2.シングルカスク静岡4年 for ハイボール倶楽部 THE ONEの特徴

いまや伝説となった軽井沢蒸留所で使われていたウォッシュ・スティル(初留釜)です。

2012年に閉鎖された軽井沢ウイスキー蒸留所に存在した4基の蒸留機のうちの1基。実際には3基の状態の良いパーツを組み合わせて、再組立しました。釜本体は、再留釜として使われていました。

釜のサイズに対し、ヘッドやラインアームが長く、独特のシェイプを持っています。蒸気の間接加熱による蒸留と相まって、ライトでフルーティー、エステリーな酒質を産み出します。

引用:ガイアフロー静岡蒸溜所公式HP

2-1.テイスティングノート

香り 強いローストのアーモンド、革製品、サクランボ、グレープルーツ
味わい 焦がしトースト、ヘーゼルナッツ、メープルシロップ、オイリーなニュアンス
余韻 グレープフルーツ様の酸、焦げ感のあるピートがスっと抜ける

2-2.商品スペック

アルコール度数 60.9%
酒別 シングルカスクジャパニーズウイスキー
樽種 EXバーボン
内容量 700ml
販売本数 37本
希望小売価格
樽詰め 2025年1月28日

2-3.BAR新海での提供価格

当サイトが運営する「BAR新海」では、1杯、45ml:3,300円 30ml:2,200円、15ml:1,100円などの少量でも提供しております。

「BAR新海」のご案内
Japanese Whisky Dictionaryが運営する「BAR新海」は、東京都港区に3店舗。当サイトで紹介しているジャパニーズウィスキーをはじめ、国産のジンやビールなども取扱い。オリジナルカクテル、フレッシュフルーツカクテルなども人気。食事も豊富で1件目からも利用可能。

3.ハイボール倶楽部 THE ONE

店名 ハイボール倶楽部 THE ONE
住所 〒534-0015
大阪府大阪市都島区善源寺町2丁目3−28
SNS Instagram:ハイボール倶楽部 THE ONE
YOUTUBE:もっさんのハイボール倶楽部

【もっさん】の愛称で親しまれるハイボール倶楽部のオーナー。
「こいつは極上だぜ!」の合言葉と共に、テイスティングだけでなく、飲み方や楽しみ方の提案、蒸溜所への敬意や熱意が感じられる紹介に加え、業界の闇の部分にも切り込んでいく動画が人気を博しています。

4.ガイアフローディスティリング株式会社とは?

静岡ポットスティルK純日本大麦2023年版を製造している「ガイアフローディスティリング株式会社」は、2014年に設立したウイスキー製造を行う会社。グループのガイアフロー株式会社では、ウイスキーの輸入および販売も行っている。

会社名 ガイアフローディスティリング株式会社
設立 2014年10月8日
本社所在地 〒421-2223 静岡県静岡市葵区落合555番地
所有蒸留所 ガイアフロー静岡蒸溜所

5.ガイアフロー静岡蒸溜所とは?

静岡ポットスティルK純日本大麦2023年版を製造している蒸溜所は、ガイアフロー静岡蒸溜所

蒸溜所名 ガイアフロー静岡蒸溜所
所在地 〒421-2223 静岡県静岡市葵区落合555番地
操業開始 2016年

2014年10月8日ガイアフローディスティリング株式会社設立。
2016年8月9日ガイアフロー静岡蒸溜所竣工。
同年、10月28日ウイスキー製造開始。
静岡県静岡市のオクシズ(奥静岡エリア)の玉川地区にあり、一級河川安倍川の支流である、安倍中河内川のほとりに建っている。
標高は200m前後、周囲は400m級の美しい山々に囲まれ、市街地より気温は常に2〜3度低く、まさに好立地と言える。
建物は、日本の美と西洋文化の融合をテーマにデザインされており、静岡在住のアメリカ人建築家デレック・バストン氏とのコラボレーションにより内外装に静岡の木材を多用した、見た目にも美しいウイスキー蒸留所です。

静岡蒸溜所には「K」と「W」という呼び名の2基の初留用蒸留機が稼働しています。Kは、1950年代に日本で製造された歴史ある軽井沢蒸留所の蒸留機。2011年11月に惜しまれつつ閉鎖した軽井沢蒸留所から静岡蒸溜所に移設され、修理・改修し伝説の蒸留機は復活しました。そのしなやかに伸びた優美なシルエットと、蒸気の間接加熱により、軽やかで華やかな味わいの原酒を生み出しています。

下の写真の左手前がスコットランド・フォーサイス社製のおそらく世界で唯一の「薪直火蒸留機」で、この蒸留機がW。
今回のプロローグWはこの蒸留機で蒸留した原酒を使用しています。直火蒸留の特徴はまさに温度です。一般的な間接加熱蒸留の場合の温度は150℃前後ですが、静岡蒸溜所の薪直火蒸留は800℃とのことで、香ばしく力強いタイプのモルト原酒を作り出すことができます。

発酵槽には地元静岡産の杉を使った木桶を採用。静岡市は林業の街であり、その特色を生かし、静岡らしいウイスキーを造れたらとの思いを込めて、あえて地元静岡産の杉を選んでいるのだそうです。
ウイスキーの原料となるモルト(大麦麦芽)を粉砕する為のモルトミルも、蒸留機”K”と同様に軽井沢蒸留所で使用されていた歴史ある機械を移設して使用しています。

因みに、メルシャン軽井沢蒸留所で造られ、商品化されずに貯蔵庫に眠っていた幻のウイスキー原酒は、あるイギリスの企業が買取った後、2013年にボトリングされ「軽井沢1960」として200万円で販売されました。その後、2017年のスコットランドのオークションでは約1400万円で落札日本のウイスキーが世界中のウイスキーコレクターにとってターゲットリストのトップにある事が明らかになりました。 メルシャンが当時販売していたウイスキーには、「軽井沢 貯蔵8年 100%モルト ウイスキー」や「メルシャン 軽井沢15年 シェリー樽 モルトマスターズ」などがありました。

静岡は、スコットランドよりも温かい気候であることと、貯蔵庫の天井に採光用の窓を設置して敢えて寒暖差を作る設計にしています。その為、貯蔵庫で熟成中の原酒は、エンジェルズシェアで年間5%以上蒸発する見込みだそうです。

蒸留所には、試飲コーナーが設けられていて静岡蒸溜所の原酒などを試飲する事ができます(有料)。また、静岡蒸溜所では、ウイスキーの輸入販売を行っており、インドのウイスキー「アムルット」、スコットランドのボトラーズ「ブラックアダー」「アスタモリス」なども試飲する事が出来ます。

ガイアフロー静岡蒸溜所の情報はこちら↓もご覧ください。

メーカー(蒸留所) ガイアフロー静岡蒸溜所 | ジャパニー...
「ガイアフロー静岡蒸溜所」の記事一覧です。

6.まとめ

静岡のオフィシャル製品で、ここまでピートの効いたタイプはない為、ガイアフローファンの方も、ピートウイスキーが好きな方にもおすすめです。樽もサイズがオクタブの為、熟成感も出ています。
ハイボール倶楽部らしく、濃い目のハイボールやロックでのみたい1本です。

「静岡蒸溜所」に関するその他の記事も是非ご覧ください。

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最後に:ジャパニーズウイスキーのおすすめ書籍

世界的なトレンドを巻き起こしている「ジャパニーズウイスキー」の事をもっと知りたい、もっと勉強したいという方は、是非こちらの書籍をおすすめいたします。

(1).Whisky Galore(ウイスキーガロア)Vol.48 2024年2月号

【巻頭特集】
日本のクラフト蒸留所最前線2025
安積蒸溜所/天鏡蒸溜所/月光川蒸留所/日光街道 小山蒸溜所/碧南蒸留所/清洲桜醸造 本社蒸留所/SAKURAO DISTILLERY[特集]
【新アイリッシュ・ルネッサンス[第3弾]】
ロー&コー/チャーチ・オブ・オーク/クーリー/キルベガン
土屋守の全国ぶらり旅 ガロア的酒場歩き──第24回沖縄編
【編集長インタビュー】
ジャパニーズクラフトの開拓者たち 第4回 安積蒸溜所 山口哲蔵氏
マコーネルズのジョン・ケリー氏に聞く 復活を果たした“ベルファストウイスキー”
JAL国際線機内販売でジャパニーズウイスキーの注目ボトルが続々登場
ビリー・ウォーカー氏が語るグレンアラヒー、新たな価値の創造。
アイル・オブ・ハリス蒸留所からシングルモルト第2弾が登場

(2).ビジネスに効く教養としてのジャパニーズウイスキー

世界的にも有名なウイスキー評論家で、ウイスキー文化研究所代表 土屋守先生の著書「ビジネスに効く教養としてのジャパニーズウイスキー」です。
ウイスキーの基礎知識、日本へのウイスキーの伝来、ジャパニーズウイスキーの誕生、広告戦略とジャパニーズウイスキーの盛隆、そして、現在のクラフト蒸留所の勃興まで。日本のウイスキーの事が非常にわかりやすくまとめられた一冊。

(3).ウイスキーと私(竹鶴政孝)

日本でのウイスキー醸造に人生を捧げた、ニッカウヰスキー創業者・竹鶴政孝。ただひたすらにウイスキーを愛した男が自らを語った自伝の改訂復刻版。若き日、単身スコットランドに留学し、幾多の苦難を乗り越えてジャパニーズ・ウイスキーを完成させるまでの日々や、伴侶となるリタのことなどが鮮やかに描かれる。

(4).新世代蒸留所からの挑戦状

2019年発売。世界に空前のウイスキーブームが到来しているいま、クラフト蒸留所の経営者たちは何を考え、どんな想いでウイスキー造りに挑んだのか。日本でクラフト蒸留所が誕生するきっかけを作った、イチローズ・モルトで有名なベンチャーウイスキーの肥土伊知郎氏をはじめとする、13人のクラフト蒸留所の経営者たちが世界に挑む姿を綴った1冊。

(5).ウイスキーライジング

2016年にアメリカで出版された『Whisky Risng』の日本語版であり、内容も大幅にアップデート。ジャパニーズ・ウイスキーの歴史が詳細に記述されているだけでなく、近年、創設がつづくクラフト蒸溜所を含む、日本の全蒸溜所に関するデータも掲載。そのほかにも、今まで発売された伝説的なボトルの解説や、ジャパニーズ・ウイスキーが飲めるバーなども掲載されています。

(6).ウイスキーと風の味

1969年にニッカウヰスキーに入社した、三代目マスターブレンダーの佐藤茂夫氏の著書。
『ピュアモルト』『ブラックニッカクリア』『フロム・ザ・バレル』の生みの親でもあり、なかでも『シングルモルト余市1987』はウイスキーの国際的コンペティションWWA(ワールド・ウイスキー・アワード)にて「ワールド・ベスト・シングルモルト」を受賞。
竹鶴政孝竹鶴威の意志を引き継いだブレンダー界のレジェンドが語る今昔。

この記事を書いた人
Ryuhei Oishi

北海道出身 bar新海虎ノ門店のバーテンダー。
都内のレストランで従事し、日本ソムリエ協会認定ソムリエ資格を取得。
土地それぞれの風土から様々な味わいが作り出される日本のウイスキーに興味を持ち、bar新海に就職。蒸留所へ行き、造り手の方々に話を聞き、その情熱・情報をバーテンダーとして伝搬するべく、JWDに参加。

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