「人と自然が響きあう」をモットーに鳥井信治郎の次男である佐治敬三が二代目マスターブレンダーを継ぎ、サントリーが創業90周年を迎えた記念の年1989年に、響シリーズ最初の「響17年」が生み出されました。
1.メーカー
サントリースピリッツ株式会社
設立 | 1899年 |
本社所在地 | 〒135-8631 東京都港区台場2-3-3 |
所有蒸留所 | ●日本 山崎蒸溜所、白州蒸溜所、知多蒸溜所 ●スコットランド アードモア蒸留所、グレンギリー蒸留所、オーヘントッシャン蒸留所、ボウモア蒸留所、ラフロイグ蒸留所 ●アイルランド クーリー蒸留所、キルベガン蒸留所 ●アメリカ ジムビーム蒸留所、メーカーズマーク蒸留所 ●カナダ ハイラムウォーカー蒸留所、アルバータ蒸留所 |
2.蒸留所
響21年は、山崎蒸溜所/白州蒸溜所/知多蒸溜所の3ヵ所の蒸留所で作られる原酒をブレンドして作られています。
所在地 | 操業開始 | |
山崎蒸溜所 | 〒618-0001 大阪府三島郡島本町山崎5丁目2−1 | 1923年 |
白州蒸溜所 | 〒408-0316 山梨県北杜市白州町鳥原2913-1 | 1973年 |
知多蒸溜所 | 〒478-0046 愛知県知多市北浜町16番地 | 1973年 |
山崎蒸溜所は、サントリーの創業者 鳥井信治郎が、「日本人の繊細な味覚にあった、 日本のウイスキーをつくりたい」という熱い想いを持ち、ウイスキーづくりを決意し山崎蒸溜所は日本で初めてのウイスキー蒸留所として1923年に誕生しました。
山崎蒸溜所の詳細はこちらの記事もご覧ください。
白州蒸溜所は、山崎蒸溜所とは異なるタイプのモルトウイスキー原酒を作るため、良質でウイスキーの仕込みに最適な水を探し、全国各地を調査した中から、日本有数の名水地である“白州”の地を選定。山崎蒸溜所の操業からちょうど50年を迎えた1973年にサントリー第2のモルトウイスキー蒸溜所「白州蒸溜所」が操業しました。
白州蒸溜所の詳細はこちらの記事もご覧ください。
知多蒸溜所は、伊勢湾に臨む知多半島に位置し、ここではとうもろこしを原料にしたグレーンウイスキーを支えてきました。知多蒸溜所では、連続式蒸溜機によってクリーン、ミディアム、ヘビーの3タイプの世界にも類をみないグレーン原酒のつくり分けを行っています。
知多蒸溜所の詳細はこちらの記事もご覧ください。
3.商品名と写真
響 17年
hibiki 17year
4.特徴
多彩な原酒が一糸乱れぬ絶妙の調和のもとに深く豪華なハーモニー
酒齢17年以上のミズナラ樽を中心に30種類以上のモルトと数種類のグレーンをブレンドして後熟。 エステリー(甘く華やか)で豊かな熟成香。 山崎の長期熟成モルトによる、気品あるウッディネス(熟成木香)。 まろやかで厚みのあるコク。 余韻の豊かなアフターテイスト。
4-1.テイスティングノート
香り | バラ、ジャスミン、桃、メロン、バター、バニラ、伽羅香 |
味わい | カスタードクリーム、ミルクキャラメル、 ほのかな甘さ、軽快でなめらか |
余韻 | 甘く華やかな果実香、心地よい余韻 |
(引用元:響-サントリーブレンデッドウイスキーの最高峰-サントリー)
4-2.商品スペック
アルコール度数 | 43% |
酒別 | ブレンデッドウイスキー |
樽種 | ミズナラ樽中心 |
内容量 | 700ml |
販売本数 | 2018年9月販売休止 |
希望小売価格 | 13,200円(税込) |
発売日 | 1989年 |
5.受賞歴
2005年 SWSC(サンフランシスコ・ワールド・スピリッツ・コンペティション)金賞受賞
2007年 IWSC(インターナショナル・ワイン・アンド・スピリッツ・コンペティション)金賞「ベスト・イン・クラス」受賞
2009年 ISC(インターナショナル・スピリッツ・チャレンジ)金賞受賞
2012年 ISC(インターナショナル・スピリッツ・チャレンジ)金賞受賞
2013年 ISC(インターナショナル・スピリッツ・チャレンジ)金賞受賞
2016年 ISC(インターナショナル・スピリッツ・チャレンジ)金賞受賞
6.価格
6-1.メーカー希望小売価格
商品名 | 響17年 |
容量 | 700ml |
希望小売価格 | 12,000円(税込:13,200円) |
6-2.メルカリでの転売価格
メルカリでの転売価格は、48,000円~60,000円前後となっています。(※2021/1/30時点)
6-3.ヤフーオークション落札価格
ヤフーオークションでの落札価格は、最安31,828円、最高56,000円、平均42,990円 (※2021/1/30時点より過去120日間の統計情報)
6-4.楽天、ヤフーショッピング、Amazon
通販サイトでも、55,000円~60,000円前後で販売されています。 (※2021/1/30時点)
6-5.BAR新海での提供価格
当サイトが運営する「BAR新海」では、すでに売り切れ
7.まとめ
時にブレンダーは指揮者に例えられる事があります。 それは個性豊かな原酒達を厳選し、調和させ、一つのハーモニーとなるからと言えます。
スポーツや文化にも明るい佐治敬三氏は稲富孝一チーフブレンダーに「エイジング(熟成年数)を意識する時代、長期熟成のプレミアムウイスキーが愛される時代が到来する」と告げました。 それを受け、自らも長年弦楽器のヴィオラに親しむ稲富氏は「ヨハネス・ブラームスの交響曲第一番第四楽章」をイメージしながら山崎、白州両蒸溜所が生み育てた原酒を厳選しました。
30種類のモルトに数種類のグレーンを使っているのでモルト寄りではあるものの、日本のブレンダーはやはり世界でも通用するという事を再確認できるものです。
初心者の方にも飲みやすく「響を飲むならまずは17年から」と言われるほどスタンダードなものです。 もし見かける事があれば、ぜひ一度飲んでみてください。
「ブラームス交響曲第一番第四楽章」を聞きながら飲む、というのもオツなものかもしれません。
ちなみにブレンデッドの名作を生み出した佐治敬三氏はサントリー二代目社長就任後、文化事業などにも尽力し、80歳でその生涯を閉じました。 奇しくもその日は11月3日文化の日でした。
■ウイスキー「響」の誕生に関係のある音楽とは?最高級と謳われる音色。も是非ご覧ください。
■響に関するその他の記事も是非ご覧ください。
最後に:ジャパニーズウイスキーのおすすめ書籍
世界的なトレンドを巻き起こしている「ジャパニーズウイスキー」の事をもっと知りたい、もっと勉強したいという方は、是非こちらの書籍をおすすめいたします。
(1).Whisky Galore(ウイスキーガロア)Vol.47 2024年12月号
【巻頭特集】
「新アイリッシュ・ルネッサンス[第2弾]」
【第2特集】
「日本のクラフト蒸留所最前線」
今号では北海道の厚岸と苫小牧、そしてクラフト蒸留所に麦芽を供給する中標津のクラフトモルティング社についても紹介します。さらに三島のウォータードラゴンと、ZEMONⅡが稼働する飛騨高山蒸溜所も再訪。
【連続ロングインタビュー】
第3回 ガイアフロー静岡蒸溜所 中村大航氏
【特別リポート】
遊佐蒸溜所の挑戦
第二期リニューアルが完了したサントリー白州蒸溜所
(2).ビジネスに効く教養としてのジャパニーズウイスキー
世界的にも有名なウイスキー評論家で、ウイスキー文化研究所代表 土屋守先生の著書「ビジネスに効く教養としてのジャパニーズウイスキー」です。
ウイスキーの基礎知識、日本へのウイスキーの伝来、ジャパニーズウイスキーの誕生、広告戦略とジャパニーズウイスキーの盛隆、そして、現在のクラフト蒸留所の勃興まで。日本のウイスキーの事が非常にわかりやすくまとめられた一冊。
(3).ウイスキーと私(竹鶴政孝)
日本でのウイスキー醸造に人生を捧げた、ニッカウヰスキー創業者・竹鶴政孝。ただひたすらにウイスキーを愛した男が自らを語った自伝の改訂復刻版。若き日、単身スコットランドに留学し、幾多の苦難を乗り越えてジャパニーズ・ウイスキーを完成させるまでの日々や、伴侶となるリタのことなどが鮮やかに描かれる。
(4).新世代蒸留所からの挑戦状
2019年発売。世界に空前のウイスキーブームが到来しているいま、クラフト蒸留所の経営者たちは何を考え、どんな想いでウイスキー造りに挑んだのか。日本でクラフト蒸留所が誕生するきっかけを作った、イチローズ・モルトで有名なベンチャーウイスキーの肥土伊知郎氏をはじめとする、13人のクラフト蒸留所の経営者たちが世界に挑む姿を綴った1冊。
(5).ウイスキーライジング
2016年にアメリカで出版された『Whisky Risng』の日本語版であり、内容も大幅にアップデート。ジャパニーズ・ウイスキーの歴史が詳細に記述されているだけでなく、近年、創設がつづくクラフト蒸溜所を含む、日本の全蒸溜所に関するデータも掲載。そのほかにも、今まで発売された伝説的なボトルの解説や、ジャパニーズ・ウイスキーが飲めるバーなども掲載されています。
(6).ウイスキーと風の味
1969年にニッカウヰスキーに入社した、三代目マスターブレンダーの佐藤茂夫氏の著書。
『ピュアモルト』『ブラックニッカクリア』『フロム・ザ・バレル』の生みの親でもあり、なかでも『シングルモルト余市1987』はウイスキーの国際的コンペティションWWA(ワールド・ウイスキー・アワード)にて「ワールド・ベスト・シングルモルト」を受賞。
竹鶴政孝、竹鶴威の意志を引き継いだブレンダー界のレジェンドが語る今昔。