北海道大樹町に新規蒸溜所。「ローカルメイド・ウイスキー」を掲げ、会社を設立。
大樹町といえば北海道帯広から南へ60kmほどに位置し、「宇宙のまちづくり」を掲げ、航空や宇宙分野での実験や飛行試験を積極的に誘致している土地です。
設立される蒸溜所の母体はビショクルという地場産品をブランディングし、専属の地域創生を行うことを目的とした高級グルメを取り寄せサービスを提供する会社。
取締役には実業家の堀江 貴文氏、マスターオブウイスキーの静谷 和典氏、老舗酒屋長野屋の林 憲一郎が名を連ねています。
1.蒸留所コンセプト
世界が認める”ジャパニーズウイスキー”
今や世界的に見てもジャパニーズウイスキーの需要は増加しています。かなりの数の蒸溜所が出来ていますが、今後は国内外での取り扱い店の奪い合いや棚の取り合いのような状況になりうるのが現状です。
すでに出来上がっている蒸留所はニューメイクなどを試飲することで出来や今後の展望を確認できます。
これから建設を計画をしている蒸留所は、しっかりとしたコンセプトを持ち、それを実現することが消費者には求められていると思います。
Taiki Cosmic Glen Distilleryは下記のようなコンセプトを持っているようです。
自然豊かな大樹産のローカル原料で作る、ウイスキー界の寵児が誕生
“ジャパニーズウイスキー”の多くは、日本国内で製造されていますが、原料の多くを海外からの輸入に頼っています。
主原料となる穀物のデントコーン、そのウイスキーの香りを特徴づけるピート、清流100選に選ばれた歴舟川など、ウイスキー作りに欠かせない原料は大樹町で育まれた純国産であり、世界的にも珍しいローカル原料としてすべて揃えることができます。
これらの大樹町産ローカル原料を使用し、小型バレルで熟成させることで、他にはない風味豊かなウイスキーを生み出すことが可能となります。
ローカルメイドへのこだわり、「本当の意味でのジャパニーズウイスキー」を目指して
大樹町の豊かな自然の中で育まれた原料は、地域の恵みと日本の風土をありのままに映したものであり、北海道・大樹町でしか生まれ得ない豊かな個性をウイスキーに与えてくれます。
また長年培われた日本の蒸留技術が融合することで「日本で作られた」という枠を超えた、日本の風土を丸ごと楽しんでいただける「本当の意味での」ジャパニーズウイスキーを提供できると考えています。
私たちは輸入原料のウイスキーとは異なる、国産にこだわったローカルメイドのジャパニーズウイスキーの新しい可能性を追求し、また本事業を通じて大樹町の農業活性化や観光誘致など、地元経済への貢献も目指します。
引用:【株式会社 Taiki Cosmic Glen Distillery】 設立。 | 株式会社Taiki Cosmic Glen Distilleryのプレスリリース
- 大樹町産のデントコーン
- 清流100選に選ばれた歴舟川の水
- 地元のピート
の3つの原料を武器にウイスキーをを活用し、「ローカルイド」に徹したウイスキーづくりがコンセプトとなっています。
デントコーンを使用するということは【グレーンウイスキー】を製造し、ジャパニーズウイスキーの定義に則るならば、必ず麦芽を使用するため、その際にピートを焚き付けるのでしょうか?
スモーキーなグレーンウイスキーもしくはシングルモルト等を今後予定しているのかと思われます。
実際には使用される樽材や蒸溜設備などは現状不明。
2.カスクオーナー募集
色々とわからないこが多いですが、すでに第一次カスクオーナーを募集しています。
第一期カスクオーナー募集Taiki Cosmic Glen Distilleryでは、第一期カスクオーナー様を200樽限定で募集開始します。
○プラン内容
申込時料金 1樽 約200L 1,500,000円(税別)
※酒税、ボトリングにかかる諸費用、配送料は別
※樽の所有権は弊社にございますので、ボトリング完了後に樽はご返却いただきます。
【酒税】1リッター当りアルコール度数に10円を乗じた額
【ボトリング費用】1本(700ml)当り500円(税別)
【配送費用】1ケース(12本)当り1100円(沖縄・離島を除く日本国内)○募集期間
販売開始:2024年11月28日(木) 12:00 から
販売終了:2025年2月28日(金) 12:00 まで
※応募人数が上限に達した時点で締め切らせていただきます。○詳細・お申し込み
以下のリンクをご確認ください。
https://swswl.ink/hguprMj
正直に言って、ここに書いてあることだけではスペックも樽も蒸留方法もわからないものを購入するのはかなり違和感はありますが、関わっている方や蒸溜所の応援購入として買われる方もいるのでしょうか?
公式サイトなども見当たらないため、もしかするとSNSなどで配信されているかもしてません。
今後さらに情報発信がなされると思います。
地のものを使用したウイスキーは今後さらに触れていくことが予想されますが、大樹町というかなり狭い範囲でのローカルメイドで地方創生がなされれば、今後もさらに小規模蒸溜所の参入が増えるかもしれませんね。
最後に:ジャパニーズウイスキーのおすすめ書籍
世界的なトレンドを巻き起こしている「ジャパニーズウイスキー」の事をもっと知りたい、もっと勉強したいという方は、是非こちらの書籍をおすすめいたします。
(1).Whisky Galore(ウイスキーガロア)Vol.47 2024年12月号
【巻頭特集】
「新アイリッシュ・ルネッサンス[第2弾]」
【第2特集】
「日本のクラフト蒸留所最前線」
今号では北海道の厚岸と苫小牧、そしてクラフト蒸留所に麦芽を供給する中標津のクラフトモルティング社についても紹介します。さらに三島のウォータードラゴンと、ZEMONⅡが稼働する飛騨高山蒸溜所も再訪。
【連続ロングインタビュー】
第3回 ガイアフロー静岡蒸溜所 中村大航氏
【特別リポート】
遊佐蒸溜所の挑戦
第二期リニューアルが完了したサントリー白州蒸溜所
(2).ビジネスに効く教養としてのジャパニーズウイスキー
世界的にも有名なウイスキー評論家で、ウイスキー文化研究所代表 土屋守先生の著書「ビジネスに効く教養としてのジャパニーズウイスキー」です。
ウイスキーの基礎知識、日本へのウイスキーの伝来、ジャパニーズウイスキーの誕生、広告戦略とジャパニーズウイスキーの盛隆、そして、現在のクラフト蒸留所の勃興まで。日本のウイスキーの事が非常にわかりやすくまとめられた一冊。
(3).ウイスキーと私(竹鶴政孝)
日本でのウイスキー醸造に人生を捧げた、ニッカウヰスキー創業者・竹鶴政孝。ただひたすらにウイスキーを愛した男が自らを語った自伝の改訂復刻版。若き日、単身スコットランドに留学し、幾多の苦難を乗り越えてジャパニーズ・ウイスキーを完成させるまでの日々や、伴侶となるリタのことなどが鮮やかに描かれる。
(4).新世代蒸留所からの挑戦状
2019年発売。世界に空前のウイスキーブームが到来しているいま、クラフト蒸留所の経営者たちは何を考え、どんな想いでウイスキー造りに挑んだのか。日本でクラフト蒸留所が誕生するきっかけを作った、イチローズ・モルトで有名なベンチャーウイスキーの肥土伊知郎氏をはじめとする、13人のクラフト蒸留所の経営者たちが世界に挑む姿を綴った1冊。
(5).ウイスキーライジング
2016年にアメリカで出版された『Whisky Risng』の日本語版であり、内容も大幅にアップデート。ジャパニーズ・ウイスキーの歴史が詳細に記述されているだけでなく、近年、創設がつづくクラフト蒸溜所を含む、日本の全蒸溜所に関するデータも掲載。そのほかにも、今まで発売された伝説的なボトルの解説や、ジャパニーズ・ウイスキーが飲めるバーなども掲載されています。
(6).ウイスキーと風の味
1969年にニッカウヰスキーに入社した、三代目マスターブレンダーの佐藤茂夫氏の著書。
『ピュアモルト』『ブラックニッカクリア』『フロム・ザ・バレル』の生みの親でもあり、なかでも『シングルモルト余市1987』はウイスキーの国際的コンペティションWWA(ワールド・ウイスキー・アワード)にて「ワールド・ベスト・シングルモルト」を受賞。
竹鶴政孝、竹鶴威の意志を引き継いだブレンダー界のレジェンドが語る今昔。