2023年の酒類輸出金額は約1,337億円(前年比99.5%)、過去最高の2022年から年々減少傾向にある。
ウイスキーの輸出金額は約437億円(前年比87.2%)となり、品目別で見た輸出額は2020年から変わらず1位のままだが、清酒とほぼ拮抗する金額まで減少している。
1.2024年度 酒類品目別輸出金額
出展:財務省ウェブサイト
品目 | 輸出金額(百万円) |
前年比(%) |
ウイスキー | 43,651 | ▲12.8% |
清酒 | 43,469 | +5.9% |
ビール | 21,045 | +17.5% |
リキュール | 14,191 | +14.1% |
ジン・ウォッカ | 3,912 | +4.1% |
焼酎 | 1,721 | +4.1% |
ワイン | 643 | +13.4% |
その他 | 5,109 | ▲26.3% |
合計 | 133,739 | ▲0.5% |
品目別ではウイスキーが全体の輸出金額の34.6%。(前年度37.3%)
ウイスキーの輸出がい大きく増加し始めた2021年よりも下回る結果となった。
ウイスキー、その他に該当するの酒類は大きく減少傾向。ビール、リキュールの輸出が好調。全体での輸出金額は若干の減少にとどまっている。
2.2024年度 酒類輸出先上位10か国(国別)金額
順位 | 昨年順位 | 国 |
輸出金額(百万円) |
前年比(%) |
1位 | 2位↑ | アメリカ合衆国 | 26,468 | +11.6% |
2位 | 1位↓ | 中国 | 24,494 | ▲23.9% |
3位 | 3位→ | 韓国 | 16,944 | +18.7% |
4位 | 4位→ | 台湾 | 15,943 | +18.0% |
5位 | 5位→ | 香港 | 10,313 | +9.2% |
6位 | 7位↑ | オランダ | 7,780 | +15.9% |
7位 | 6位↓ | シンガポール | 7,757 | +0.8% |
8位 | 8位→ | オーストラリア | 4,371 | ▲33.6% |
9位 | 9位→ | フランス | 3,712 | ▲26.7% |
10位 | 圏外↑ | ベトナム | 1,719 | ▲3.2% |
酒類の輸出のみでみると、上位は変わらず米国、中国ですが、順位が入れ替わり、中国の経済不安もあり、輸出が大きく減少している。
韓国は昨年+101.8%と伸長率1位でしたが、今年は+18.7%と伸長はしているものの、一昨年、昨年に比べるとと伸びは大きくない。
農林水産省コメント
ジャパニーズウイスキーの定義厳格化による事業者の撤退、原酒不足、中国景気の低迷等により中国向け輸出が減少
と発表されており、フェイクウイスキーなどの発売にある程度抑制がかかっているのでしょうか?
3.※2023年度 ウイスキー輸出先金額内訳
2024年度年次が更新されていないため、2023年実績を掲載
順位 | 国 | 輸出金額(百万円) | 前年比(%) |
1位 | 中国 | 13,200 | ▲32.7% |
2位 | アメリカ | 10,550 | ▲4.0% |
3位 | オランダ | 5,890 | +89.5% |
4位 | シンガポール | 4,100 | +10.5% |
5位 | フランス | 3,990 | ▲20.8% |
– | その他 | 12,350 | ー |
参考 | EU | 10,780 | +19.7% |
2023年は、輸出額501.2億円と減少(前年比▲10.6%)。中国向けが景気後退により大きく減少したとの見方。
4.考察とまとめ
中国の輸出は大きく減少しているものの、酒類全体ではそれ以外のアジアマーケットは伸長傾向にあります。
2025年も1月度は全体的に種類の輸出は上昇してる傾向は見られるが、ジャパニーズウイスキーは高級志向品としての見方も強く、ビールやリキュール、焼酎の輸出が伸長している。
日本洋酒酒造組合に所属している蒸留所はすべて、2024年3月31日からウイスキーにおけるジャパニーズウイスキーの表示に関する基準のもとにウイスキーを製造、販売をしております。先日では日本洋酒組合からロゴマークの制定やGI(地理的表示)に向けた動きも見られます。
どの程度の規模で販売されていたのかは不明ですが、フェイクジャパニースが減少していることでウイスキー輸出も減少している可能性もあります。
5.国内のウイスキー動向
2025年現在、国内蒸溜所は120近くの蒸溜所が稼働。建設計画も多く発表されており、クラフト蒸溜所からも第2蒸溜所の新規建設計画が数社から発表されています。
輸出量もある程度減少していることは、国内への供給も増加しているということでもあり、転売目的でない、ウイスキーラバーの方には国産ウイスキーが手に入りやすい状況とも言えます。
数が増えることで選択肢の幅も増えており、様々なスタイルや土地のテロワールを表現したウイスキーが今も数多く製造されています。
このJWDも、新規蒸溜所製品の紹介やレビューが、皆様のお好みの蒸溜所の発見や、購入の検討の一助になれば幸いです。
最後に:ジャパニーズウイスキーのおすすめ書籍
世界的なトレンドを巻き起こしている「ジャパニーズウイスキー」の事をもっと知りたい、もっと勉強したいという方は、是非こちらの書籍をおすすめいたします。
(1).Whisky Galore(ウイスキーガロア)Vol.49 2024年4月号
『ウイスキーガロア』4月号、巻頭特集は「スコッチ蒸留所名鑑」第1弾ディアジオ編。
すべてのモルトファンを魅了する、世界最大のスピリッツメーカーの現在地
[巻頭特集]
スコッチ蒸留所名鑑 [第1弾 ディアジオ 前編]
・ディアジオ社の蒸留所を一挙紹介 <ハイランド・アイランズ・ローランド編>
クライヌリッシュ/ブローラ/グレンオード/ダルウィニー/ブレアアソール/オーバン/ロイヤルロッホナガー/ティーニニック/タリスカー/グレンキンチー
[特集]
◆沖縄泡盛紀行 前編
伊平屋酒造所/恩納酒造所/松藤
◆プラカーン タイに誕生した驚きの蒸留所を緊急リポート!
[編集長インタビュー]
◆ジャパニーズクラフトの開拓者たち[第5回] 本坊酒造 本坊和人氏
(2).ビジネスに効く教養としてのジャパニーズウイスキー
世界的にも有名なウイスキー評論家で、ウイスキー文化研究所代表 土屋守先生の著書「ビジネスに効く教養としてのジャパニーズウイスキー」です。
ウイスキーの基礎知識、日本へのウイスキーの伝来、ジャパニーズウイスキーの誕生、広告戦略とジャパニーズウイスキーの盛隆、そして、現在のクラフト蒸留所の勃興まで。日本のウイスキーの事が非常にわかりやすくまとめられた一冊。
(3).ウイスキーと私(竹鶴政孝)
日本でのウイスキー醸造に人生を捧げた、ニッカウヰスキー創業者・竹鶴政孝。ただひたすらにウイスキーを愛した男が自らを語った自伝の改訂復刻版。若き日、単身スコットランドに留学し、幾多の苦難を乗り越えてジャパニーズ・ウイスキーを完成させるまでの日々や、伴侶となるリタのことなどが鮮やかに描かれる。
(4).新世代蒸留所からの挑戦状
2019年発売。世界に空前のウイスキーブームが到来しているいま、クラフト蒸留所の経営者たちは何を考え、どんな想いでウイスキー造りに挑んだのか。日本でクラフト蒸留所が誕生するきっかけを作った、イチローズ・モルトで有名なベンチャーウイスキーの肥土伊知郎氏をはじめとする、13人のクラフト蒸留所の経営者たちが世界に挑む姿を綴った1冊。
(5).ウイスキーライジング
2016年にアメリカで出版された『Whisky Risng』の日本語版であり、内容も大幅にアップデート。ジャパニーズ・ウイスキーの歴史が詳細に記述されているだけでなく、近年、創設がつづくクラフト蒸溜所を含む、日本の全蒸溜所に関するデータも掲載。そのほかにも、今まで発売された伝説的なボトルの解説や、ジャパニーズ・ウイスキーが飲めるバーなども掲載されています。
(6).ウイスキーと風の味
1969年にニッカウヰスキーに入社した、三代目マスターブレンダーの佐藤茂夫氏の著書。
『ピュアモルト』『ブラックニッカクリア』『フロム・ザ・バレル』の生みの親でもあり、なかでも『シングルモルト余市1987』はウイスキーの国際的コンペティションWWA(ワールド・ウイスキー・アワード)にて「ワールド・ベスト・シングルモルト」を受賞。
竹鶴政孝、竹鶴威の意志を引き継いだブレンダー界のレジェンドが語る今昔。