【レビュー】YUZA 2024

ウィスキーレビュー
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遊佐蒸溜所

山形の遊佐蒸溜所の最新リリース。YUZA 2024。遊佐蒸溜所の進化する定番品のシングルモルトをレビュー。特徴や味わい、商品情報などを紹介。

2018年に操業開始した山形県の遊佐蒸溜所は、新興蒸溜所の中でも割と早い時期に製造開始しており、2022年のファーストリリースを皮切りに毎年新商品を発売しています。しかし、遊佐蒸溜所の情報は少なく、未だにミステリアスな雰囲気を纏った蒸溜所だと感じる方も多いのではないでしょうか?

今回、遊佐蒸溜所の進化する定番品として、シングルモルト「YUZA 2024」(2024年7月24日発売)がリリースされました。ウイスキーとしての完成度の高さ、伝統的な製法による安定感、原点であるバーボン樽熟成由来のフルーティーさとバニラ感の進化は、ミステリアスな雰囲気を一掃するような感動を与えてくれます。

本格的かつ最高品質のウイスキーを目指し、伝統的な製法を用いつつも、日本らしい「ものづくり」に対するこだわりを持って造る。」という遊佐蒸溜所の思いによって、今回のような美味しいウイスキーが造られている事を本記事でお伝え出来ればと思います。

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1.ボトルとラベルの写真

YUZA 2024
YUZA  2024

2.YUZA 2024の特徴

遊佐蒸溜所のハウススタイルの”原点”ともいえるシングルモルトジャパニーズウイスキーを、今年もお届けいたします。
原酒はバーボン樽で熟成したものから厳選。クリーンでフルーティな味わいと、バニラのような甘い風味が特徴です。

熟成により深みを増して進化した「YUZA 2024」。遊佐蒸溜所の”定番”として、ご賞味ください。

引用:新商品情報 | 遊佐蒸溜所 (yuza-disty.jp)

2-1.テイスティングノート

香り リンゴ菓子の香り、フレッシュな酸、クリームビスケット
味わい バニラ、メントール、バラ科の植物の酸味、メープル用のコクのある甘み
余韻 酸味が抜け、バニラの風味と甘さが残る

2-2.商品スペック

アルコール度数 51%
酒別 シングルモルトジャパニーズウイスキー
樽種 バーボン樽メイン
内容量 700ml
販売本数 未発表
希望小売価格 13,750円(税込)
発売日 2024年7月24日

3.受賞歴

現時点では受賞歴はありません。

4.価格

4-1.メーカー希望小売価格

商品名 YUZA 2024
容量 700ml
希望小売価格 税込:13,750円

4-2.メルカリでの転売価格

メルカリでの転売は現在確認されていません。※2024/7/24時点)

4-3.ヤフーオークション落札価格

ヤフーオークションでの転売は現在確認されていません。※2024/7/24時点)

4-4.楽天、ヤフーショッピング、Amazon

すでに出品されており、定価より若干高めで購入が可能です。(※2024/7/24時点)

4-5.BAR新海での提供価格

当サイトが運営する「BAR新海」では、1杯、45ml:4,920円、30ml:2,860円、15ml:1,430円 などの少量でも提供しております。

「BAR新海」のご案内
Japanese Whisky Dictionaryが運営する「BAR新海」は、東京都港区に3店舗。当サイトで紹介しているジャパニーズウィスキーをはじめ、国産のジンやビールなども取扱い。オリジナルカクテル、フレッシュフルーツカクテルなども人気。食事も豊富で1件目からも利用可能。

5.製造メーカーについて

株式会社 金龍

開業から長らくは焼酎の製造がメイン、ウィスキー製造免許を取得したのは2018年のこと。
看板商品である焼酎「爽」は地元庄内産の米を使用したものや、長期貯蔵の焼酎をブレンドしたものなど、様々なラインナップがある。

株式会社金龍のラインナップはコチラ

設立 1950年4月
本社所在地 〒998-0111 山形県酒田市黒森字草刈谷地180番地の1
所有蒸留所 遊佐蒸溜所

6.蒸溜所について

遊佐蒸溜所

株式会社金龍が2018年に山形県遊佐町に開設した、東北地方3か所目のウイスキー蒸溜所です。

新鮮で澄んだ空気と、「水の郷百選」に選ばれた、名峰鳥海山の伏流水に恵まれた遊佐町は、最高品質のウイスキー造りに適した土地。

使用するポットスチルはフォーサイス社製、発酵槽は5つ、カナダ産のベイマツを使用しています。製法や熟成方法もスコットランドの方式を採用、若いウイスキーは樽出しせず、納得のいくまで十分に熟成を重ねたウイスキーだけを、シングルモルトのみに絞って製造。大量生産ができない小さな蒸溜所だからこそ、細部までとことん手を尽くし、こだわりを詰め込んだ最高品質のウイスキーをつくります。

遊佐蒸溜所ウイスキーの
コンセプト「TLAS」

遊佐蒸溜所で造るウイスキーは、
Tiny(ちっぽけな)
Lovely(かわいい)
Authentic(本物の)
Supreme(最高の)
上記の頭文字を取った「TLAS(トラス)」をコンセプトとしています。

遊佐蒸溜所は、敷地面積約4,550㎡、蒸溜所面積は約620㎡と、ウイスキー蒸溜所としてはとても小規模な蒸溜所です。外観は小さく可愛らしくも見えますが、造るウイスキーは本格的かつ最高品質のものを目指します。伝統的な製法を用いつつも、日本らしい「ものづくり」に対するこだわりを持って造る、世界に一つのジャパニーズウイスキーです。

遊佐公式HPより引用

画像出展:遊佐蒸溜所公式HP

所在地 〒999-8302 山形県飽海郡遊佐町吉出字 カクジ田20番地
操業開始 2018年

遊佐蒸溜所の詳細情報は、こちらの記事もご覧ください。

遊佐蒸溜所 | ジャパニーズウイスキーディクショナリー
Japanese Whisky Dictionary

■「遊佐蒸溜所」に関するその他の記事も是非ご覧ください。

【レビュー】YUZA First Edition 2022
遊佐蒸留所から、待望のファーストリリース、「YUZA First edition」がついにリリース。レビューを記載しています。
【レビュー】YUZA Second edition 2022
YUZA Second edition 2022は、遊佐蒸溜所より2022年10月上旬発売、16,500円(税込)。果樹王国山形の「豊穣の香り」をテーマに芳醇な香りと複雑かつ重層的な味わいを表現。前作とは一味違う仕上がり。
【レビュー】YUZA Third Edition 2023
YUZA Third Editionは、遊佐蒸溜所より2023年11月発売、16,500円(税込み)。希少な『ミズナラ』の樽で熟成させた原酒を使用。さらにバーボンとシェリー樽の原酒もバッティングし、遊佐蒸溜所ならではのフルーティーさと共に複雑で上品な風味。

7.まとめ

フレッシュなバラ科のフルーツの香りが特に印象的になりました。味わいにはバニラがよく現れていて、バーボン樽を使用したウイスキーのお手本ともいえる香りと味わいです。

遊佐らしい柔らかな風味はそのままに、加水しても楽しめる厚みも魅力的です。

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最後に:ジャパニーズウイスキーのおすすめ書籍

世界的なトレンドを巻き起こしている「ジャパニーズウイスキー」の事をもっと知りたい、もっと勉強したいという方は、是非こちらの書籍をおすすめいたします。

(1).Whisky Galore(ウイスキーガロア)Vol.46 2024年10月号

<巻頭特集>
 新アイリッシュ・ルネッサンス
・アイリッシュ復興を支えるジョン・ティーリング氏とグレートノーザン蒸留所
・アイリッシュウイスキー蒸留所リスト&マップ2024
・北アイルランドの6蒸留所を一挙紹介
 マコーネルズ/タイタニック/ヒンチ/コープランド/レイデモンエステート/ブッシュミルズ&コーズウェイ

ガロア的 東京のバー、パブ巡り
helmsdale MIYASHITA PARK/Highlander inn Tokyo/Irish Pub Man in the Moon/bar cacoi/BAR i.o/Irish Pub TULLAMORE
<好評連載>
ジャパニーズクラフトの開拓者たち[第2回] 厚岸蒸溜所 樋田恵一氏
現在のクラフトウイスキームーブメントの礎を築いた“ジャパニーズクラフトの開拓者たち”に編集長・土屋守がロングインタビューを実施
<編集長インタビュー>
◆創業者・竹鶴政孝からつづく開拓者精神を体現 ブレンデッドの新ブランド「ニッカ フロンティア」
◆マシュー・コーディナー氏に聞く シングルモルト「ロイヤル・ブラックラ」の魅力

<日本のクラフト蒸留所最前線>
◆梅ヶ枝酒造
◆佐世保蒸留所

<特別リポート>
◆東京ウイスキー&スピリッツコンペティション2024授賞式
◆Whisky Festival 2024 in OSAKA

<人気連載>
◆The Tasting 話題の30本をテイスティング!

(2).ビジネスに効く教養としてのジャパニーズウイスキー

世界的にも有名なウイスキー評論家で、ウイスキー文化研究所代表 土屋守先生の著書「ビジネスに効く教養としてのジャパニーズウイスキー」です。
ウイスキーの基礎知識、日本へのウイスキーの伝来、ジャパニーズウイスキーの誕生、広告戦略とジャパニーズウイスキーの盛隆、そして、現在のクラフト蒸留所の勃興まで。日本のウイスキーの事が非常にわかりやすくまとめられた一冊。

(3).ウイスキーと私(竹鶴政孝)

日本でのウイスキー醸造に人生を捧げた、ニッカウヰスキー創業者・竹鶴政孝。ただひたすらにウイスキーを愛した男が自らを語った自伝の改訂復刻版。若き日、単身スコットランドに留学し、幾多の苦難を乗り越えてジャパニーズ・ウイスキーを完成させるまでの日々や、伴侶となるリタのことなどが鮮やかに描かれる。

(4).新世代蒸留所からの挑戦状

2019年発売。世界に空前のウイスキーブームが到来しているいま、クラフト蒸留所の経営者たちは何を考え、どんな想いでウイスキー造りに挑んだのか。日本でクラフト蒸留所が誕生するきっかけを作った、イチローズ・モルトで有名なベンチャーウイスキーの肥土伊知郎氏をはじめとする、13人のクラフト蒸留所の経営者たちが世界に挑む姿を綴った1冊。

(5).ウイスキーライジング

2016年にアメリカで出版された『Whisky Risng』の日本語版であり、内容も大幅にアップデート。ジャパニーズ・ウイスキーの歴史が詳細に記述されているだけでなく、近年、創設がつづくクラフト蒸溜所を含む、日本の全蒸溜所に関するデータも掲載。そのほかにも、今まで発売された伝説的なボトルの解説や、ジャパニーズ・ウイスキーが飲めるバーなども掲載されています。

(6).ウイスキーと風の味

1969年にニッカウヰスキーに入社した、三代目マスターブレンダーの佐藤茂夫氏の著書。
『ピュアモルト』『ブラックニッカクリア』『フロム・ザ・バレル』の生みの親でもあり、なかでも『シングルモルト余市1987』はウイスキーの国際的コンペティションWWA(ワールド・ウイスキー・アワード)にて「ワールド・ベスト・シングルモルト」を受賞。
竹鶴政孝竹鶴威の意志を引き継いだブレンダー界のレジェンドが語る今昔。

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この記事を書いた人
Ryuhei Oishi

北海道出身 bar新海虎ノ門店のバーテンダー。
都内のレストランで従事し、日本ソムリエ協会認定ソムリエ資格を取得。
自身の知識の少なかった日本のウイスキーに興味を持ち、bar新海に就職。蒸留所へ行き、造り手の方々に話を聞き、その情熱・情報をバーテンダーとして伝搬するべく、JWDに参加。

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