2017年、クラウドファンディングにより蘇った三郎丸蒸留所。
この「三郎丸0 THE FOOL」の原酒仕込み時は現在使用されている三宅製作所製マッシュタンや鋳造製ポッドスチル「ZEMON」導入前の設備で、半世紀以上前に製作したマッシュタンと30年前の蒸留器を改造したものを使用して造られました。
ラベルのデザインはタロットカード(大アルカナ22枚と小アルカナ56枚で構成)がモチーフになっており、大アルカナ22枚の0番「愚者(THE FOOL)」を“ゼロからの出発を図った”という意味合いで今回のラベルに採用。
Contents
1.メーカー
若鶴酒造株式会社
設立 | 1862年 |
本社所在地 | 〒939-1308 富山県砺波市三郎丸208 |
所有蒸留所 | 三郎丸蒸留所 |
2.蒸留所
三郎丸蒸留所
所在地 | 〒939-1308 富山県砺波市三郎丸208 |
操業開始 | 1953年(2016年改修) |
1952年創業の北陸で唯一の蒸留所。
戦後の米不足のなか1952年にウイスキー製造免許を取得。以来、冬は日本酒を仕込み夏の間のみウイスキーを蒸留。年間200仕込み。今後は300仕込みを計画中。
操業当初からスモーキーなウイスキーにこだわりアイラピーテッド麦芽と最近では富山県産ピーテッド麦芽で仕込んでいます。 自然の風味を生かすため、冷却濾過や着色は一切していないのが特徴です。
2018年、三宅製作所の最新のマッシュタンを導入。
2019年、地元企業の老子(おいご)製作所と協業して鋳造製のポッドスチル「ZEMON(ゼモン)」を開発。
2020年、木桶の発酵槽を1基導入。
他の蒸留所との大きな違いは世界初の鋳造製のポッドスチル「ZEMON(ゼモン)」を採用。
大きな特徴は3つ。
①鋳物工法により型による成形が可能になり短納期での製造が可能。また、低コストで十分な肉厚をもたせることができ、本体の高寿命化を期待できます。
②鋳造による自由な造形により様々な酒質を実現。また、パーツごとのユニット化により消耗した部品のみの交換や機能の拡張に対応します。
③銅が約90%、錫が約8%含まれる銅錫合金によりつくられています。錫は銅の約3倍の価格で取引される高級な金属です。
錫は古来より酒の味をまろやかにするといわれており、酒器や焼酎の冷却器に用いられてきました。ZEMONは銅と錫の2つの効果により高品質な蒸留酒の製造に貢献します。
引用:若鶴酒造公式HP
三郎丸蒸留所の情報はこちら↓もご覧ください。
3.商品名と写真
シングルモルト三郎丸0 THE FOOL
Single Malt Saburomaru Zero The Fool
4.特徴

50PPM、ヘビリーピーテッド
香りから味わいまでしっかり主張してくるピート。途中で旨みを感じながらも口に含んだ瞬間から余韻に至るまでピートを感じ続けます。最初はややアルコール感があり暴れる感じですが時間が経つと少し穏やかになり、バーボン樽のウッディ―さとバニラが顔を出します。最後は程良いピート香が残り鼻を抜けていきます。
※2,000本限定販売
4-1.テイスティングノート
香り 土っぽいピート香、バーボン樽由来のウッディさとバニラ香、バタークッキー 味わい ミディアムボディ、土っぽさを伴うピート、バニラ、ミント 余韻 樽のウッディさとピートが穏やかに続く。 4-2.商品スペック
アルコール度数 | 48% |
酒別 | シングルモルトジャパニーズウイスキー |
樽種 | バーボン樽 |
内容量 | 700ml |
販売本数 | 2,000本限定 |
希望小売価格 | 9,460円(税込) |
発売日 | 2020年11月12日 |
5.受賞歴
現時点での受賞歴はありません。
6.価格
6-1.メーカー希望小売価格
商品名 | シングルモルト三郎丸0 THE FOOL |
容量 | 700ml |
希望小売価格 | 9,460円(税込) |
6-2.メルカリでの転売価格
メルカリでの転売価格は、35,000円~40,000円前後となっています。(※2021/12/28時点)
6-3.ヤフーオークション落札価格
ヤフーオークションでの落札価格は、最安30,800円、最高60,000円、平均39,572円 (※2021/12/28時点より過去180日間の統計情報)
6-4.楽天、ヤフーショッピング、Amazon
現在通販サイトでの販売は無いようです。(※2021/12/28時点)
6-5.BAR新海での提供価格
当サイトが運営する「BAR新海」では、1杯、45ml:2,970円 30ml:1,980円、15ml:990円 などの少量でも提供しております。
7.まとめ
三郎丸0の50ppmと三郎丸1の53ppmを飲み比べると、ピートを強く感じる(はっきり感じる)のは三郎丸0。三郎丸1はクリアで洗練されたかのようなフルーツの甘さと乳酸系のコクがしっかりと前に出てくるので、口に含んだ瞬間は「甘い」と感じます。余韻には甘さを追い抜いてピートが主張してきて、甘さとピートがうまく仕上がっているなという感じです。
それに比べて三郎丸0は甘さは弱めなので、ピートと麦芽の旨みがメインに感じます。若干ですがミントのような爽やかさも感じます。これはこれでハマりそうな人がいそうだなという味わいです。
年々酒質が良くなっているという三郎丸蒸留所。
来年リリースされるであろうシングルモルト三郎丸はいよいよ鋳造製ポッドスチル「ZEMON」で蒸留した原酒です。どのような味わいに仕上がってくるのか楽しみですね。
その他、三郎丸蒸留所のブレンダー&マネージャーの稲垣氏は「T&T TOYAMA」というボトラーズ事業をシングルモルト通販モルトヤマの下野氏とともに開始。世界初のジャパニーズウイスキーのボトラーズ事業ということで大変注目されております。
蒸留所見学の際にお話しをお伺いしましたが、とても活動的な方でモノ造りへの強い思いを感じる方でした。次はなにを仕掛けてくるのか楽しみです。
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