【新蒸留所】横川蒸留所 2022年春頃稼働開始予定

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昭和24年創業の鹿児島県霧島市の「美味しく安心して飲める」、「体に優しい焼酎造り」を理念とする焼酎メーカーの黄金酒造は、ウイスキー造りに挑戦するため「横川蒸留所ウイスキー工場」を立ち上げました。2022年製造開始、2025年販売開始を目指します。

現在、クラウドファンディングを行っており、集まった資金はマッシュタンなどの設備費用になるほか、クオリティの高いウイスキーを作るために日本各地の蒸留所への研修費用とするそうです。

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1.メーカー

黄金酒造

社名アットスター株式会社
本社東京都千代田区外神田一丁目8-11
黄金酒蔵鹿児島県霧島市横川町上ノ3280番地5
事業内容焼酎の製造・酒類の販売
創業開始昭和24年

黄金酒造は、昭和24年から続く老舗焼酎メーカーです。「美味しく安心して飲める」、「体に優しい焼酎造り」を理念に焼酎造りを行っていましたが、長年の焼酎造りのノウハウを活かし、ウイスキー造りに挑戦します。

「遠赤焙煎仕込法」、「PH値転換蒸留法」といった他にはない手法や、【芋麹】の開発に成功、特許を取得し、「芋麹の製造及び芋麹を用いた全芋焼酎」【蘭】を販売するなど、ユニークな商品をリリースしています。

2.蒸留所

横川(よこがわ)蒸留所ウイスキー工場

所在地〒899-6301 鹿児島県霧島市横川町上ノ3280番地5
アクセスJR肥薩線「大隅横川駅」より車で約5分 徒歩約45分
操業開始2022年1月
公式HP横川蒸留所ウイスキー工場公式HP

霧島市は鹿児島県本土の中央に位置する市です。横川蒸留所で使用する仕込み水は、豊富な水源をもつ霧島山系の麓から湧き出る「蒼き水」と呼ばれる湧き水で、ミネラル分やマグネシウムを豊富に含み、タンクに溜めると蒼く光る性質を持つ軟水です。「蒼き水」は酵母との相性が良く、熟成を促進する効果があると言われています。

今後、欧州の大手ワイナリーと提携予定であり、シェリー樽やワイン樽などの熟成樽を豊富に仕入れることが可能です。

また、霧島市内の地域である横川と国分敷根に蔵を持ち、横川は標高が高く木々に囲まれた比較的涼しい地域です。国分敷根は鹿児島湾のほど近く、潮風の香る地域です。異なる地域で熟成させた原酒は異なる個性を持つことが出来ます。

横川蒸留所は東京ドーム約1.3個分の土地と巨大な倉庫を2棟持ち、十分なキャパシティを誇ります。

仕込み水、酵母のバリエーション 焼酎蔵の特徴を活かした様々な種類の酵母の使用、樽、気候の違う蔵、長年の焼酎造りで培った発酵と蒸留技術を駆使し、フルーティで飲みやすいウイスキーを目指します。

現在はノンピート麦芽での製造を予定。基本はノンピート麦芽を使用し、時にはピーテッド麦芽に挑戦します。

横川蒸留所ウイスキー工場 今後の予定。

3.クラウドファンディング

上記でも記載しましたが、現在横川蒸留所では、設備増設及び社員研修を行うためにクラウドファンディングを実施しております。

開始時の目標金額は300,000円でしたが、開始4日目に達成。現在は1,000,000円を目指しています。

リターン品は支援金額に応じて黄金酒造の焼酎のほか、ニューボーンや熟成後のウイスキー、カスクオーナー権利など。以下でその一部をご紹介します。

金額内容
3,000円焼酎「麦の呼吸700ml」「芋の呼吸700ml」セット
5,000円ウイスキーニューボーン300ml交換権利
10,000円

シングルカスク横川1口オーナー予約券(1樽を200名でオーナーになっていただくものになります。一口あたり700ml瓶一本のご予約になります。)

300,000円オーナーズカスク50L樽

黄金酒造横川蒸留所のクラウドファンディングの詳細及び支援は、こちらをご覧ください。(READYFORのログインが必要になります。)

【試験蒸留成功!】鹿児島の焼酎蒸留所がウィスキーで世界挑戦 - ...
鹿児島霧島市の焼酎蒸留所をウィスキーも作れる総合蒸留所へ発展させるプロジェクト - クラウドファンディング READYFOR

4.考察

最近では、清酒、焼酎メーカーのウイスキー参入が続々と決まっており、様々な特徴を持ったウイスキーが生まれ続けています。

黄金酒造では、今までにない斬新な製法を採用し、ユニークで新しいタイプの焼酎を製造してきました。

ウイスキー造りに関しても、長年の焼酎造りで培った技術や、恵まれた土地、環境を駆使し、また新しい製法やユニークなウイスキーを生みだしてくれることと思い、期待が膨らむばかりです。

熟成が終わる2025年には、ウイスキー業界がどのような発展を遂げているのかが楽しみです。

■九州地方のウイスキー蒸留所の詳細はこちらもご覧ください。

8. 九州・沖縄地方のウイスキー蒸留所
ジャパニーズウィスキー蒸留所一覧の九州・沖縄エリア。鹿児島県の本坊酒造が本社のお膝元で2016年に操業した「津貫蒸留所」。同、鹿児島県の老舗酒造メーカー小正醸造が2017年に操業した「嘉之助蒸留所」。その他、「尾鈴山蒸留所」「久住蒸留所」「御岳蒸留所」などに注目。
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最後に:ジャパニーズウイスキーのおすすめ書籍

世界的なトレンドを巻き起こしている「ジャパニーズウイスキー」の事をもっと知りたい、もっと勉強したいという方は、是非こちらの書籍をおすすめいたします。

(1).Whisky Galore(ウイスキーガロア)Vol.42 2024年2月号

【巻頭特集】ウイスキーの聖地 アイラ島の“現在”を読み解く
アイラ島のウイスキーは、昔から「アイラモルト」という独自のカテゴリーを与えられてきた。現在9ヵ所の蒸留所があり、さらに2つの新蒸留所計画が発表されている、この小さな島を改めて紹介。
また、現在入手可能なウイスキー8種を土屋編集長が飲み比べる。
●掲載蒸留所
ボウモア、アードベッグ、ラガヴーリン、ラフロイグ、カリラ、ブナハーブン、ブルックラディ、キルホーマン、アードナッホー

【第2特集】北アイルランドのウイスキー
世界の五大ウイスキーのなかで、いまもっとも伸びているのがアイリッシュ。ブームを牽引する北アイルランドの最新情報をリポート。
●紹介ウイスキー
ブッシュミルズ、エクリンヴィル、グレンズ・オブ・アントリム、ヒンチ、キルオーウェン、マコーネルズ、ショートクロス、タイタニック・ディスティラーズ、トゥー・スタックス

【蒸留所リポート】
2023年に100周年を迎えたジャパニーズウイスキー。その第一歩が踏み出され、昨年リニューアルしたばかりのサントリー山崎蒸溜所を取材。そのほか月光川蒸留所や、個性的なツアーを行っている八郷蒸溜所&安積蒸溜所も紹介。

【インタビュー】
ワイルドターキーのマスターディスティラーであるエディー・ラッセル氏と、その息子ブルース・ラッセル氏を編集長がインタビュー。またフィンランドで自国ライ麦にこだわったウイスキーを造るキュロ蒸留所のミイカ氏にも話を聞いた。

【特集】
ウイスキーフェスティバル2023 in TOKYO、ウイスキーコニサークラブ新潟蒸留所ツアー、下田ウイスキーフェスリポート。

(2).ビジネスに効く教養としてのジャパニーズウイスキー

世界的にも有名なウイスキー評論家で、ウイスキー文化研究所代表 土屋守先生の著書「ビジネスに効く教養としてのジャパニーズウイスキー」です。
ウイスキーの基礎知識、日本へのウイスキーの伝来、ジャパニーズウイスキーの誕生、広告戦略とジャパニーズウイスキーの盛隆、そして、現在のクラフト蒸留所の勃興まで。日本のウイスキーの事が非常にわかりやすくまとめられた一冊。

(3).ウイスキーと私(竹鶴政孝)

日本でのウイスキー醸造に人生を捧げた、ニッカウヰスキー創業者・竹鶴政孝。ただひたすらにウイスキーを愛した男が自らを語った自伝の改訂復刻版。若き日、単身スコットランドに留学し、幾多の苦難を乗り越えてジャパニーズ・ウイスキーを完成させるまでの日々や、伴侶となるリタのことなどが鮮やかに描かれる。

(4).新世代蒸留所からの挑戦状

2019年発売。世界に空前のウイスキーブームが到来しているいま、クラフト蒸留所の経営者たちは何を考え、どんな想いでウイスキー造りに挑んだのか。日本でクラフト蒸留所が誕生するきっかけを作った、イチローズ・モルトで有名なベンチャーウイスキーの肥土伊知郎氏をはじめとする、13人のクラフト蒸留所の経営者たちが世界に挑む姿を綴った1冊。

(5).ウイスキーライジング

2016年にアメリカで出版された『Whisky Risng』の日本語版であり、内容も大幅にアップデート。ジャパニーズ・ウイスキーの歴史が詳細に記述されているだけでなく、近年、創設がつづくクラフト蒸溜所を含む、日本の全蒸溜所に関するデータも掲載。そのほかにも、今まで発売された伝説的なボトルの解説や、ジャパニーズ・ウイスキーが飲めるバーなども掲載されています。

(6).ウイスキーと風の味

1969年にニッカウヰスキーに入社した、三代目マスターブレンダーの佐藤茂夫氏の著書。
『ピュアモルト』『ブラックニッカクリア』『フロム・ザ・バレル』の生みの親でもあり、なかでも『シングルモルト余市1987』はウイスキーの国際的コンペティションWWA(ワールド・ウイスキー・アワード)にて「ワールド・ベスト・シングルモルト」を受賞。
竹鶴政孝竹鶴威の意志を引き継いだブレンダー界のレジェンドが語る今昔。

この記事を書いた人
新海 博之

1981年7月17日 北海道北広島市出身
大学卒業後、NTTデータカスタマサービス㈱へ新卒入社。
2010年「麻布十番BAR新海」を開業 → 2016年、名物「薬膳カレー」を開発 → 2018年「虎ノ門BAR新海」、2019年には「芝大門BAR新海」を開業 → 2020年 ウェブメディア「Japanese Whisky Dictionary」をスタート。
バーテンダーの私達だから出来る事として、ジャパニーズウイスキーの魅力を日々発信する。

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ジャパニーズウイスキーディクショナリー
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