【レビュー】シングルモルトジャパニーズウイスキー戸河内

ウィスキーレビュー
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桜尾蒸留所

桜尾ジン(SAKURAO GIN)で有名な「株式会社サクラオブルワリーアンドディスティラリー(サクラオB&D)」(旧社名:中国醸造株式会社)が創業100周年事業として2015年にプロジェクトを開始し、新たな蒸溜所を建設。

世界遺産・厳島神社のまちとして知られる広島県廿日市市に、誕生したSAKURAO DISTILLERY。2018年1月操業開始。

2021年7月に「シングルモルトジャパニーズウイスキー桜尾」と「シングルモルトジャパニーズウイスキー戸河内」の1st Release カスクストレングスを発売。

それから約1年、今回のシングルモルトは加水版でアルコール度数は43%でリリース。

限定数は定かではありませんが、出荷先はレストラン、ホテル、バーなどの業務店と、一般の消費者向けに小売店への流通もそれなりにありそうです。

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1.メーカー

株式会社サクラオブルワリーアンドディスティラリー

設立1918年
本社所在地〒738-8602 広島県廿日市市桜尾一丁目12番1号
所有蒸留所桜尾蒸留所

2.蒸留所

桜尾蒸留所(SAKURAO DISTILLERY)

所在地〒738-8602 広島県廿日市市桜尾一丁目12番1号
操業開始2018年1月

広島県の株式会社サクラオブルワリーアンドディスティラリーは、1918年創業の老舗の酒造メーカー。
実はウイスキー造りの歴史は深く、1938年~1989年までモルトウイスキーの製造・販売を行っていました。当時蒸留された原酒は、戸河内にあるJR西日本の鉄道用試掘トンネルを活用した貯蔵庫に保管されていました。
2008年、戸河内の貯蔵庫に貯蔵されていた原酒と輸入原酒をブレンドして作る「戸河内ウイスキー」を販売開始しました。(9割はヨーロッパへの輸出とのこと。)

操業100周年事業として2017年12月、高品質のシングルモルトウイスキーを生産するために新たに設備を導入し、広島発のクラフト蒸留所「SAKURAO DISTILLERY」を建設。2018年1月から蒸留開始。

2017年12月SAKURAO DISTILLERY 竣工
2018年10月SAKURAO DISTILLERY VISITOR CENTER オープン
2019年SAKURAO DISTILLERY 二期工事(グレーンウイスキー蒸留設備導入・ウイスキー貯蔵庫新設)
2021年3月株式会社サクラオブルワリーアンドディスティラリーに社名変更

3.商品名と写真

シングルモルトジャパニーズウイスキー戸河内
Single Malt Japanese Whisky Togouchi

togouchi

togouchi

togouchi

 

4.特徴

山奥に佇む冷涼な環境のトンネル内で熟成

県下最高峰の恐羅漢山や深入山、国の特別名勝・三段峡など、豊かな森林と清流が織りなす色彩、景観の美しさが際立つ安芸太田町戸河内。かつて鉄道用として使っていたトンネルを使用しているのが戸河内貯蔵庫です。トンネルの長さはおよそ800メートルほどで、一年中冷涼な風が通り抜け年間を通して温度、湿度が一定に保たれたうす暗い貯蔵庫でゆっくりと熟成の時を重ねていきます。バニラやリンゴ、マーマレード、ミントのような爽やかな香り、軽快でスムースな口あたりが特徴です。

4-1.テイスティングノート

香りバニラ、青りんご、爽やかなフルーツ、ミント
味わいミルクの甘み、りんごやイチジクのわずかな酸味
余韻バーボン樽由来の甘さと爽やかでドライな余韻

4-2.商品スペック

アルコール度数43%
酒別シングルモルトジャパニーズウイスキー
樽種バーボン樽
内容量700ml
販売本数数量限定
希望小売価格6,600円(税込)
発売日2022年6月6日

5.受賞歴

現時点での受賞歴はありません。

6.価格

6-1.メーカー希望小売価格

商品名シングルモルトジャパニーズウイスキー戸河内
容量700ml
希望小売価格6,600円(税込)

6-2.メルカリでの転売価格

現在メルカリでの出品は無いようです。(※2022/6/21時点)

6-3.ヤフーオークション落札価格

ヤフーオークションでの落札価格は、最安7,950円、最高7,950円、平均7,950円 (※2022/6/21時点より過去180日間の統計情報)

6-4.楽天、ヤフーショッピング、Amazon

現在、各通販サイトでは販売されていないようです。 (※2022/6/21時点)

6-5.BAR新海での提供価格

当サイトが運営する「BAR新海」では、1杯、45ml:1,980円 30ml:1,320円、15ml:660円などの少量でも提供しております。

「BAR新海」のご案内
Japanese Whisky Dictionaryが運営する「BAR新海」は、東京都港区に3店舗。当サイトで紹介しているジャパニーズウィスキーをはじめ、国産のジンやビールなども取扱い。オリジナルカクテル、フレッシュフルーツカクテルなども人気。食事も豊富で1件目からも利用可能。

7.まとめ

昨年リリースの戸河内カスクストレングス版と比べると香り立ちは甘くフルーティで良い印象ですが、飲みごたえはやや物足りない印象です。ロックで冷やして飲むことで爽やかな甘さがより引き立ちます。

桜尾蒸留所ではすでにグレーンウイスキーの製造に着手していて、あと数年後には3年熟成のグレーンウイスキーが出来上がるようです。モルトウイスキーに関しても生産量を増やしているということで色々なモルト原酒を作り分けしているようです。国内クラフト蒸溜所の中で生産量はトップクラスに入るのではないでしょうか。

今後のリリースに期待してしまいます。
戸河内の熟成に使っているトンネルは年間を通しての寒暖差が少なく熟成のスピードが穏やかなのが特徴です。実はトンネルはひとつだけではなく、もうひとつあるのだとか、、、。

■桜尾蒸留所のその他の記事も是非ご覧ください。

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シングルモルト桜尾は、桜尾B&Dより2022年6月6日に発売。6,600円(税込)。長く続くウッディーな香りとほのかに効いたピーティな香味。濃厚な甘味も感じ取れる複雑かつ奥行きのある味わいが特徴。

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最後に:ジャパニーズウイスキーのおすすめ書籍

世界的なトレンドを巻き起こしている「ジャパニーズウイスキー」の事をもっと知りたい、もっと勉強したいという方は、是非こちらの書籍をおすすめいたします。

(1).Whisky Galore(ウイスキーガロア)Vol.40 2023年10月号

【巻頭特集】日本のクラフト蒸留所2023 前編 ―― 最新の現場12ヵ所をリポート
利尻蒸留所/八郷蒸溜所/小諸蒸留所/軽井沢ウイスキー蒸留所/御代田蒸留所/北軽井沢蒸留所/秩父蒸溜所/長濱蒸溜所/琵琶湖蒸溜所/Distillery Water Dragon/新潟亀田蒸溜所/越後薬草蒸留所
【特集】
・東京ウイスキー&スピリッツコンペティション(TWSC)2023 授賞式リポート
・TWSC 2023ベスト蒸留所賞
・テイスター座談会 世界各国のウイスキートレンド

「ブランド解説」
・世界で最も風光明媚な地に立つ レイクス蒸留所からの最新リリース

「人気連載」
土屋守の全国ぶらり旅 軽井沢編
・The Tasting 話題の30本をテイスティング!

(2).ビジネスに効く教養としてのジャパニーズウイスキー

世界的にも有名なウイスキー評論家で、ウイスキー文化研究所代表 土屋守先生の著書「ビジネスに効く教養としてのジャパニーズウイスキー」です。
ウイスキーの基礎知識、日本へのウイスキーの伝来、ジャパニーズウイスキーの誕生、広告戦略とジャパニーズウイスキーの盛隆、そして、現在のクラフト蒸留所の勃興まで。日本のウイスキーの事が非常にわかりやすくまとめられた一冊。

(3).ウイスキーと私(竹鶴政孝)

日本でのウイスキー醸造に人生を捧げた、ニッカウヰスキー創業者・竹鶴政孝。ただひたすらにウイスキーを愛した男が自らを語った自伝の改訂復刻版。若き日、単身スコットランドに留学し、幾多の苦難を乗り越えてジャパニーズ・ウイスキーを完成させるまでの日々や、伴侶となるリタのことなどが鮮やかに描かれる。

(4).新世代蒸留所からの挑戦状

2019年発売。世界に空前のウイスキーブームが到来しているいま、クラフト蒸留所の経営者たちは何を考え、どんな想いでウイスキー造りに挑んだのか。日本でクラフト蒸留所が誕生するきっかけを作った、イチローズ・モルトで有名なベンチャーウイスキーの肥土伊知郎氏をはじめとする、13人のクラフト蒸留所の経営者たちが世界に挑む姿を綴った1冊。

(5).ウイスキーライジング

2016年にアメリカで出版された『Whisky Risng』の日本語版であり、内容も大幅にアップデート。ジャパニーズ・ウイスキーの歴史が詳細に記述されているだけでなく、近年、創設がつづくクラフト蒸溜所を含む、日本の全蒸溜所に関するデータも掲載。そのほかにも、今まで発売された伝説的なボトルの解説や、ジャパニーズ・ウイスキーが飲めるバーなども掲載されています。

(6).ウイスキーと風の味

1969年にニッカウヰスキーに入社した、三代目マスターブレンダーの佐藤茂夫氏の著書。
『ピュアモルト』『ブラックニッカクリア』『フロム・ザ・バレル』の生みの親でもあり、なかでも『シングルモルト余市1987』はウイスキーの国際的コンペティションWWA(ワールド・ウイスキー・アワード)にて「ワールド・ベスト・シングルモルト」を受賞。
竹鶴政孝竹鶴威の意志を引き継いだブレンダー界のレジェンドが語る今昔。

この記事を書いた人
深瀬 悠二

北海道札幌市出身。
2005年、大手スポーツ用品販売チェーンに就職→2019年1月、BAR新海に就職しウイスキーの魅力に引き込まれ虜となる。初めて飲んだウイスキーはアードベッグ10年。ほぼ毎日ウイスキーを飲む中で更なる知識習得を目指し、ウイスキー検定2級とJC級(ジャパニーズクラフトウイスキー)を取得。
造り手の想いをしっかりと表現し、飲み手の方々に正しい情報を伝えたい。ウイスキーの魅力をたくさんの方に伝えたいという思いでウェブメディア「Japanese Whisky Dictionary」の編集を担当。

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ジャパニーズウイスキーディクショナリー
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