山形県、株式会社金龍の遊佐蒸溜所から10月上旬に「YUZA Second edition 2022」がリリースされました。
2022年2月にリリースされたファーストエディションはバーボン樽のみで造られたこれぞ王道という味わいでした。
今回のセカンドエディションは蒸溜所操業第1シーズンの2019年2月~7月に樽詰めされたものから厳選し、果樹王国山形の「豊穣の香り」をテーマに芳醇な香りと複雑かつ重層的な味わいを表現し、ファーストエディションとは一味違う仕上がりになっています。
1.メーカー
株式会社 金龍
設立 | 1950年4月 |
本社所在地 | 〒998-0111 山形県酒田市黒森字草刈谷地180番地の1 |
所有蒸留所 | 遊佐蒸溜所 |
2.蒸留所
遊佐蒸溜所
所在地 | 〒999-8302 山形県飽海郡遊佐町吉出字 カクジ田20番地 |
操業開始 | 2018年 |
株式会社金龍が2018年に山形県遊佐町に開設した、東北地方3か所目のウイスキー蒸溜所です。
新鮮で澄んだ空気と、「水の郷百選」に選ばれた、名峰鳥海山の伏流水に恵まれた遊佐町は、最高品質のウイスキー造りに適した土地。
使用するポットスチルはフォーサイス社製、発酵槽は5つ、カナダ産のベイマツを使用しています。製法や熟成方法もスコットランドの方式を採用、若いウイスキーは樽出しせず、納得のいくまで十分に熟成を重ねたウイスキーだけを、シングルモルトのみに絞って製造。大量生産ができない小さな蒸溜所だからこそ、細部までとことん手を尽くし、こだわりを詰め込んだ最高品質のウイスキーをつくります。
遊佐蒸溜所ウイスキーの
コンセプト「TLAS」遊佐蒸溜所で造るウイスキーは、
Tiny(ちっぽけな)
Lovely(かわいい)
Authentic(本物の)
Supreme(最高の)
上記の頭文字を取った「TLAS(トラス)」をコンセプトとしています。遊佐蒸溜所は、敷地面積約4,550㎡、蒸溜所面積は約620㎡と、ウイスキー蒸溜所としてはとても小規模な蒸溜所です。外観は小さく可愛らしくも見えますが、造るウイスキーは本格的かつ最高品質のものを目指します。伝統的な製法を用いつつも、日本らしい「ものづくり」に対するこだわりを持って造る、世界に一つのジャパニーズウイスキーです。
遊佐公式HPより引用
遊佐蒸溜所の詳細情報は、こちらの記事もご覧ください。
3.商品名と写真
YUZA Second edition 2022
YUZA Second edition 2022
4.特徴
カスクストレングス・シリーズのSecond edition。原酒は遊佐蒸溜所第1シーズンの2019年2月~7月に樽詰めされたものから厳選。エステリーさのあるドライフルーツのような芳醇な香り、 リンゴ、洋ナシを思わせるフルーティーさ。バニラのような甘さとともに、 なめらかでクリーミーな口当たり。 それでいて存在感のあるしっかりとしたボディ。 甘さやフルーティー感に重層的な味わいが加わり、 複雑な中にも落ち着きを感じられます。
引用:商品紹介|遊佐蒸溜所
4-1.テイスティングノート
香り | 桃、りんご、ヨーグルト |
味わい | いちじくや杏子の甘酸っぱさに樽感の渋さが加わり、ミディアムボディ |
余韻 | バーボン樽特有のフルーツの甘さ、シェリーのようなタンニンとウッディさが折り重なる |
4-2.商品スペック
アルコール度数 | 62% |
酒別 | シングルモルトジャパニーズウイスキー |
樽種 | バーボン樽、シェリー樽ほか |
内容量 | 700ml |
販売本数 | 数量限定 |
希望小売価格 | 16,500円(税込) |
発売日 | 2022年10月上旬 |
5.受賞歴
現時点での受賞歴はありません。
6.価格
6-1.メーカー希望小売価格
商品名 | YUZA Second edition |
容量 | 700ml |
希望小売価格 | 税込:16,500円 |
6-2.メルカリでの転売価格
メルカリの転売価格は22,000円~28,999円前後となっています。(2022年10月17日現在)
6-3.ヤフーオークション落札価格
ヤフーオークションでの落札価格は、最安21,500円、最高25,000円、平均、22,657円
(※2022/10/17時点より過去180日間の統計情報)
6-4.楽天、ヤフーショッピング、Amazon
通販サイトでも、32,000円前後で販売されています。(2022年10月17日現在)
6-5.BAR新海での提供価格
当サイトが運営する「BAR新海」では、1杯、45ml:5,610円、30ml:3,740円、15ml:1,870円にて提供しております。
7.まとめ
YUZAファーストエディションはバーボン樽のみ使用で華やかかつフルーティでとても評価が高いウイスキーでした。今回のYUZAセカンドエディションも前作の味わいを軸としてバーボン樽がメインでありつつ、フルーティさは若干影を潜めていますが、ボディに厚みがあり樽感がしっかり感じ取れ、甘さ、酸味、渋みなど味わいの変化が感じ取れます。
加水すると逆にフルーティさが目立ってきてまた違った味わいに。よりクリーミーになりコクが出てきて飲みやすくなります。
YUZAファーストエディションの時も感じましたが、とてもクオリティが高く「正統派」な印象を受けるウイスキーです。。遊佐蒸溜所の「造り」に対する拘りを強く感じる一本です。
■「遊佐蒸溜所」に関するその他の記事も是非ご覧ください。
最後に:ジャパニーズウイスキーのおすすめ書籍
世界的なトレンドを巻き起こしている「ジャパニーズウイスキー」の事をもっと知りたい、もっと勉強したいという方は、是非こちらの書籍をおすすめいたします。
(1).Whisky Galore(ウイスキーガロア)Vol.42 2024年2月号
【巻頭特集】ウイスキーの聖地 アイラ島の“現在”を読み解く
アイラ島のウイスキーは、昔から「アイラモルト」という独自のカテゴリーを与えられてきた。現在9ヵ所の蒸留所があり、さらに2つの新蒸留所計画が発表されている、この小さな島を改めて紹介。
また、現在入手可能なウイスキー8種を土屋編集長が飲み比べる。
●掲載蒸留所
ボウモア、アードベッグ、ラガヴーリン、ラフロイグ、カリラ、ブナハーブン、ブルックラディ、キルホーマン、アードナッホー
【第2特集】北アイルランドのウイスキー
世界の五大ウイスキーのなかで、いまもっとも伸びているのがアイリッシュ。ブームを牽引する北アイルランドの最新情報をリポート。
●紹介ウイスキー
ブッシュミルズ、エクリンヴィル、グレンズ・オブ・アントリム、ヒンチ、キルオーウェン、マコーネルズ、ショートクロス、タイタニック・ディスティラーズ、トゥー・スタックス
【蒸留所リポート】
2023年に100周年を迎えたジャパニーズウイスキー。その第一歩が踏み出され、昨年リニューアルしたばかりのサントリー山崎蒸溜所を取材。そのほか月光川蒸留所や、個性的なツアーを行っている八郷蒸溜所&安積蒸溜所も紹介。
【インタビュー】
ワイルドターキーのマスターディスティラーであるエディー・ラッセル氏と、その息子ブルース・ラッセル氏を編集長がインタビュー。またフィンランドで自国ライ麦にこだわったウイスキーを造るキュロ蒸留所のミイカ氏にも話を聞いた。
【特集】
ウイスキーフェスティバル2023 in TOKYO、ウイスキーコニサークラブ新潟蒸留所ツアー、下田ウイスキーフェスリポート。
(2).ビジネスに効く教養としてのジャパニーズウイスキー
世界的にも有名なウイスキー評論家で、ウイスキー文化研究所代表 土屋守先生の著書「ビジネスに効く教養としてのジャパニーズウイスキー」です。
ウイスキーの基礎知識、日本へのウイスキーの伝来、ジャパニーズウイスキーの誕生、広告戦略とジャパニーズウイスキーの盛隆、そして、現在のクラフト蒸留所の勃興まで。日本のウイスキーの事が非常にわかりやすくまとめられた一冊。
(3).ウイスキーと私(竹鶴政孝)
日本でのウイスキー醸造に人生を捧げた、ニッカウヰスキー創業者・竹鶴政孝。ただひたすらにウイスキーを愛した男が自らを語った自伝の改訂復刻版。若き日、単身スコットランドに留学し、幾多の苦難を乗り越えてジャパニーズ・ウイスキーを完成させるまでの日々や、伴侶となるリタのことなどが鮮やかに描かれる。
(4).新世代蒸留所からの挑戦状
2019年発売。世界に空前のウイスキーブームが到来しているいま、クラフト蒸留所の経営者たちは何を考え、どんな想いでウイスキー造りに挑んだのか。日本でクラフト蒸留所が誕生するきっかけを作った、イチローズ・モルトで有名なベンチャーウイスキーの肥土伊知郎氏をはじめとする、13人のクラフト蒸留所の経営者たちが世界に挑む姿を綴った1冊。
(5).ウイスキーライジング
2016年にアメリカで出版された『Whisky Risng』の日本語版であり、内容も大幅にアップデート。ジャパニーズ・ウイスキーの歴史が詳細に記述されているだけでなく、近年、創設がつづくクラフト蒸溜所を含む、日本の全蒸溜所に関するデータも掲載。そのほかにも、今まで発売された伝説的なボトルの解説や、ジャパニーズ・ウイスキーが飲めるバーなども掲載されています。
(6).ウイスキーと風の味
1969年にニッカウヰスキーに入社した、三代目マスターブレンダーの佐藤茂夫氏の著書。
『ピュアモルト』『ブラックニッカクリア』『フロム・ザ・バレル』の生みの親でもあり、なかでも『シングルモルト余市1987』はウイスキーの国際的コンペティションWWA(ワールド・ウイスキー・アワード)にて「ワールド・ベスト・シングルモルト」を受賞。
竹鶴政孝、竹鶴威の意志を引き継いだブレンダー界のレジェンドが語る今昔。