日本で2番目に開設されたウイスキー蒸溜所「ニッカウヰスキー 余市蒸溜所」
竹鶴正孝は、鳥井信治郎と共に「山崎蒸溜所」を開設後、スコットランドで学んだウイスキーづくりを一切の妥協なく再現するため、スコットランドに似た気候と自然環境を求め、たどり着いたのが北の大地「余市」だった。
今もなお続く、石炭直火加熱による蒸留は、現在スコットランドでも珍しい。
Contents
1.基本情報
1-1.所在地
1-2.オーナー
アサヒグループホールディングス(ニッカウヰスキー株式会社)
1-3.アクセス
電車 | JR新千歳空港駅からJR余市駅まで:約1時間半強 JR札幌駅からJR余市駅まで:約1時間強 JR小樽駅からJR余市駅まで:約30分 ※JR余市駅からガイドツアー受付までは徒歩約2~3分 |
バス | 小樽駅前バスターミナルから余市駅前までは、40~50分 バスターミナルは小樽駅の改札を出てすぐ、徒歩1~2分 倶知安/岩内/美国/余別/余市梅川車庫行き ※余市駅前または余市駅前十字街で下車、そこからガイドツアー受付までは徒歩約2~3分 |
車 |
新千歳空港(約120㎞):約2時間30分 |
1-4.操業開始
1936年
1-5.公式HP
2.蒸留所の沿革
1934年(昭和9年) | 寿屋を退社した竹鶴政孝がスコットランドの気候に似た北海道余市に余市蒸溜所と大日本果汁株式会社を設立。 ※略称の日果(ニッカ)が現在の社名となっている。 |
1935年(昭和10年) | リンゴを搾汁した「ニッカ林檎汁」を製造販売 |
1936年(昭和11年) | 酒造免許を取得ウイスキーの蒸留を始める。 |
1940年(昭和15年) | ポットスチルを2基に増設。 |
1941年(昭和16年) | ニッカ沼と呼ばれる場所に貯蔵庫を建設。 |
1952年(昭和27年) | ニッカウヰスキーに社名変更。瓶詰め工場として東京工場(現在の六本木ヒルズ、毛利庭園)を設置。 |
1954年(昭和29年) | 朝日麦酒(現アサヒビール)が株主となり、ニッカと業務提携を行う。 |
1980年(昭和55年) | 旧事務所余市町指定文化財に指定。 |
1987年(昭和62年) | 余市蒸溜所で「マイウイスキー作り」開始。 |
1998年(平成10年) | 北海道工場にウイスキー博物館が開館。 |
2001年(平成13年) | ニッカウヰスキー北海道工場から余市蒸溜所へ名称変更。 |
2002年(平成14年) | 余市で「十年浪漫俱楽部余市」開始。 |
2003年(平成15年) | 直火炊き排出ガスの大気汚染防止の処理設備を配置。 |
2004年(平成16年) | 余市蒸溜所が北海道文化遺産に登録される。 |
2005年(平成17年) | 事務所棟、蒸溜棟、などの9建造物が登録有形文化財に指定される。 |
2007年(平成19年) | 蒸溜所の作業人数を3交代制から1交代に切り替え減産体制に移行。 |
2014年(平成26年) | NHK連続テレビ小説「マッサン」放送。 |
2015年(平成27年) | 余市、宮城峡合わせて蒸溜所の見学者数、年間100万人を超える。 |
2020(令和2年) | バイオガス発電施設建設。 昼夜2交代制の増産体制に移行。 |
2021年(令和3年) | 10の建造物が国の重要文化財に指定される。 |
2022年(令和4年) | 高層ラック式の貯蔵庫(7000樽収容可)稼働開始。 登記上の本店を70年ぶりに移転。場所は創業の地、後志管内余市町に移転。 |
3.製造設備等のスペック
3-1.原材料
余市川の伏流水(軟水)
3-2.製造設備
モルトミル | ローラーミル(スイス・ビューラー製)×1基 |
マッシュタン | ステンレス・セミロイタータン(三宅製作所製) |
ウオッシュバック | ステンレス(大和ステンレス工業製)×10基 |
ポットスチル |
初留(下向き) ストレート型(三宅製作所製)×4基 石炭直火 |
冷却装置 | ワームタブ |
ボトリング設備 | 無し(柏工場) |
樽詰度数 | 63~65% |
3-3.熟成庫
ダンネージ式(一部ラック式)
現在27棟
4.製造している商品
4-1.定番品
4-2.蒸溜所限定品
5.蒸溜所見学
5-1.無料ガイドツアー&無料試飲
9:00 / 9:30 / 10:00 / 11:00 / 11:30 / 12:00 / 13:00 / 14:00 / 14:30 / ※15:00
※15:00の回のみ閉館時間の関係上ツアー後のお時間が短くなっています
料金 | 無料 |
所要時間 | 約70分 |
行程 | 製造工程見学 ↓ 無料試飲 |
5-2.シングルモルト余市キーモルトテイスティングセミナー
ガイドツアーで余市蒸溜所でのウイスキー製造の工程を見学後、新設されたセミナールームで余市のウイスキーを楽しめる。
ウイスキー製造の見学に加え、テイスティングの方法や異なる個性のウイスキーをセミナー付きで体験でき、余市の魅力を堪能出来るコース。
料金 | ¥1500 |
所要時間 | 約80分 |
行程 | 製造工程見学 ↓ ニッカミュージアム内 セミナールーム (シングルモルト余市とキーモルト3種の試飲セミナー) |
5-3.プラチナムVIPツアー
2020年に行っていたツアーイベントが復活。
ワンランク上の見学ツアーとして、通常の見学コースの他、普段公開していない貴賓室と旧竹鶴邸内部が見学できる。
見学終了後は特別室にて、レストラン考案のおつまみとシングルモルト余市をはじめ、余市蒸溜所限定ウイスキー等が飲める。
料金 |
¥4000 |
所要時間 | 120分 |
行程 | 貴賓室見学 ↓ 製造工程見学 ↓ 旧竹鶴邸見学 ↓ 講師付き特別試飲 (ウイスキー4種、レストランオリジナルおつまみ5点盛り) |
お申込みはこちらから
5-3.その他見どころ
- 石炭直火蒸留なので専門の職人が石炭を投入している所が見られるかも知れない
- 蒸留所の10棟の建築物が2022年に国の重要文化財に指定されている。
- 併設のウイスキー博物館では、ニッカウヰスキー、そして竹鶴正孝の歴史と功績が展示されています。
- 有料試飲カウンターではニッカウヰスキーの貴重なウイスキーが多数試飲する事ができる。
6.周辺情報
6-1.グルメ
柿崎商店
余市駅近くにある、海産物を扱う商店が運営する食堂。1階は売り場、2階が食堂になっています。
メニューはウニ丼やいくら丼など各種海鮮丼から焼き魚、お刺身に定食と豊富に揃っており、さらにリーズナブル。
週末は行列必須だが、席数が多く提供も早いため、比較的回転は早いので諦めずに並んでみる事をおすすめします。
詳しくはこちらから
余市SAGRA
車で10分程だが余市の名産ワイン「ドメーヌタカヒコ」を取り扱う宿泊施設も備えたイタリアンレストラン。
テロワールを意識した旬の食材でこフルコースを振舞ってくれる。
店主のこだわりから強い香水や料理以外の写真を撮るなど気を付けなければいけない事があるので注意。
ディナー後にそのまま泊まれるので便利。
公式サイトはこちら
6-2.観光
余市観光協会による
「道産の食とウイスキーを愉しむ王道コース」
「余市の食と歴史を愉しむファミリーコース」
「余市の大自然とワインを愉しむカップルコース」等
分かりやすくまとまっているので、まずは参考にされてみては如何でしょうか?
余市観光協会公式サイト
6-3.その他
旅行先で気になっているであろう、狙い目の酒屋をご紹介したい。
馬場商店
メインはワインと日本酒、アイスクリームだが店主から地元の穴場の酒屋を聞いてみるのもいいかも知れません。
中根酒店
こちらもメインはワインだが地酒も多く何より店主の人柄が良いと評判。
顔を出してみるだけでも価値がありそう。
余市リキュールファクトリー
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