【レビュー】安積 2017 5年 ダブルバレル 秩父ウイスキー祭ボトリング2022

ウィスキーレビュー
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安積蒸溜所

 5年間熟成された安積蒸留所のバーボンバレル原酒2種、いわゆる「ダブルカスク」をカスクストレングスでボトリング。2017の原酒は安積蒸溜所創業初年度に仕込まれた原酒。
ダブルカスクと5年熟成の両方の強みを存分に楽しめる一本となっています。

このウイスキーは、秩父ウイスキー祭2022の為にボトリングされ、抽選販売されました。

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1.メーカー

笹の川酒造株式会社

設立 1765年(明和2年)
本社所在地 〒963-0108 福島県郡山市笹川1-178
所有蒸留所 安積蒸溜所

2.蒸留所

安積蒸溜所

所在地 福島県郡山市笹川1-178
操業開始 1946年(旧設備)、 2016年4月(新設備)蒸留再開

1765年(明和2年)操業開始
1920年(大正9年)株式会社山口酒造店設立
1932年(昭和7年)山桜酒造合資会社設立
1946年(昭和21年)ウイスキー製造免許取得
1966年(昭和41年)笹の川酒造株式会社設立
1983年(昭和58年)ウイスキーモルト貯蔵庫竣工
1998年(平成10年)山桜酒造と笹の川酒造を合併、笹の川酒造株式会社を存続会社とする
2004年(平成16年)東亜酒造より貯蔵されていたウイスキーを預かる。
2005年(平成17年)ベンチャーウイスキーが企画した「イチローズモルト」を発売。(ボトル裏ラベルの製造者欄は笹の川酒造)
2016年(平成26年)安積蒸溜所が本格稼働。

1710年(宝永7年)に猪苗代湖の南に創業した山桜酒造が1765年に郡山に移転。
この山桜酒造が、戦後のアメリカ軍占領下で国策的に需要の増えたウイスキーの酒造免許を1946年に取得した事がきっかけでした。
戦中戦後の米不足から清酒の醸造が困難を極めたこともあり、戦後の欧米文化の流入がウイスキー造りに取り組む要因ともなりました。
昭和50~60年代、高度経済成長期において「北のチェリー、東の東亜、西のマルス」と呼ばれ、東亜酒造、本坊酒造と共に笹の川酒造の「チェリーウイスキー」も人気を博しました。
しかし、低成長や嗜好の変化もあり不遇の時代を迎えると2003年には東亜も事業撤退を余儀なくされ、羽生の蒸留所にあった原酒樽を笹の川で預かることになります。
これが後に世界的な人気となる「イチローズモルト」が発売される大きな助けとなりました。
戦後より少量ながらウイスキー製造を続け、現在はスコッチタイプとケンタッキーより輸入したモルト使用の2タイプが使われています。
安積蒸溜所は江戸時代から続く日本酒の酒蔵「笹の川酒造」内にあり、2016年10月末に生産設備を整え秩父蒸溜所・肥土伊知郎氏の協力のもと稼働開始。

昔ながらの漆喰の白壁にポットスチルがよく映えます。

画像出展:安積蒸溜所公式Facebook

安積蒸溜所の情報はこちら↓もご覧ください。

メーカー(蒸留所) 安積蒸溜所 | ジャパニーズウイスキー...
「安積蒸溜所」の記事一覧です。

3.商品名と写真

安積 2017 5年 ダブルバレル 秩父ウイスキー祭ボトリング2022

Asaka 2017 5Year Double Barrel Chichibu Whisky Matsuri Bottling2022

4.特徴

安積蒸溜所バーボンバレルのダブルカスク

5年間熟成された安積蒸溜所のバーボンバレルファーストフィルを2樽使用したシングルモルトジャパニーズウイスキー。樽本来の香りや味わいを活かすためそのまま瓶詰めした、いわゆる原酒カスクストレングス。ノンチルフィルター(非冷却ろ過)、ナチュラルカラー(無着色)にしておりますので、まれに保存温度の変化により沈殿物や濁りが出る場合がございますが、製品由来のものですので、品質等に影響はございません。

引用:ラベル背面より

4-1.テイスティングノート

香り

アルコールの刺激臭、オーク由来の濃厚な甘い香り、ペッパーなどのスパイシー。

味わい

バニラ、蜂蜜のようなクリーミーで濃厚な甘みから、フルーツ感。その後スパイシーさが目立ち、最後にビターチョコレートを思わせる苦みを伴う。

余韻

オーク由来の甘みとスパイシーさが心地よく続き、最後にほろ苦さが残る。

4-2.商品スペック

アルコール度数 62%
酒別 シングルモルトジャパニーズウイスキー
樽種 バーボン樽
内容量 700ml
販売本数 475本限定
希望小売価格 14,850円(税込)
発売日 2022年3月18日 抽選開始

5.受賞歴

現時点では受賞歴はありません。

6.価格

6-1.メーカー希望小売価格

商品名 安積 2017 5年 ダブルバレル 秩父ウイスキー祭ボトリング2022
容量 700ml
希望小売価格 税込:14,850円

6-2.メルカリでの転売価格

メルカリでの転売価格23,500円~55,000円前後となっています。(※2022/4/11時点)

6-3.ヤフーオークション落札価格

ヤフーオークションでの落札価格は、最安 39,501円、最高 50,300円、平均 45,575円。 (※2022/4/11時点)

6-4.楽天、ヤフーショッピング、Amazon

通販サイトでは、取り扱いがありません。 (※2022/4/11時点)

6-5.BAR新海での提供価格

当サイトが運営する「BAR新海」では、1杯、45ml:4,620円 30ml:3,080円、15ml:1,540円  などの少量でも提供しております。

「BAR新海」のご案内
Japanese Whisky Dictionaryが運営する「BAR新海」は、東京都港区に3店舗。当サイトで紹介しているジャパニーズウィスキーをはじめ、国産のジンやビールなども取扱い。オリジナルカクテル、フレッシュフルーツカクテルなども人気。食事も豊富で1件目からも利用可能。

7.まとめ

カスクストレングス由来のアルコールの刺すような香りが第一印象としてありますが、スワリングを行う事で徐々に甘い香りが開きます。ほんのりと香るスパイシーな香りと甘い香り、アルコールの刺激臭を感じます。口に含むとすぐにバーボン樽を感じさせる強烈な甘みが口いっぱいに広がります。甘みに押されがちですが、スパイシーな味わいとクリーミーなボディも感じることが出来ます。強い甘みの後にはビターチョコレートを思わせる苦みに変化。加水を行うと、アルコールの角は鳴りを潜めバーボン樽を感じさせる甘みが強く出てきます。

甘みからアルコールの刺激やドライでビターな変化を感じたい時はストレートで、甘みを存分に楽しみたい時はトワイスアップでお楽しみください。

限定475本、限られた入手方法の超希少なボトルですが、BAR新海ではご用意がございます。是非、この味わいをお楽しみください。

進化し続ける安積蒸溜所のウイスキーに今後も目が離せない、そう思わせてくれる一本です。

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最後に:ジャパニーズウイスキーのおすすめ書籍

世界的なトレンドを巻き起こしている「ジャパニーズウイスキー」の事をもっと知りたい、もっと勉強したいという方は、是非こちらの書籍をおすすめいたします。

(1).Whisky Galore(ウイスキーガロア)Vol.47 2024年12月号

【巻頭特集】
「新アイリッシュ・ルネッサンス[第2弾]」
【第2特集】
「日本のクラフト蒸留所最前線」
今号では北海道の厚岸と苫小牧、そしてクラフト蒸留所に麦芽を供給する中標津のクラフトモルティング社についても紹介します。さらに三島のウォータードラゴンと、ZEMONⅡが稼働する飛騨高山蒸溜所も再訪。
【連続ロングインタビュー】
第3回 ガイアフロー静岡蒸溜所 中村大航氏
【特別リポート】
遊佐蒸溜所の挑戦
第二期リニューアルが完了したサントリー白州蒸溜所

(2).ビジネスに効く教養としてのジャパニーズウイスキー

世界的にも有名なウイスキー評論家で、ウイスキー文化研究所代表 土屋守先生の著書「ビジネスに効く教養としてのジャパニーズウイスキー」です。
ウイスキーの基礎知識、日本へのウイスキーの伝来、ジャパニーズウイスキーの誕生、広告戦略とジャパニーズウイスキーの盛隆、そして、現在のクラフト蒸留所の勃興まで。日本のウイスキーの事が非常にわかりやすくまとめられた一冊。

(3).ウイスキーと私(竹鶴政孝)

日本でのウイスキー醸造に人生を捧げた、ニッカウヰスキー創業者・竹鶴政孝。ただひたすらにウイスキーを愛した男が自らを語った自伝の改訂復刻版。若き日、単身スコットランドに留学し、幾多の苦難を乗り越えてジャパニーズ・ウイスキーを完成させるまでの日々や、伴侶となるリタのことなどが鮮やかに描かれる。

(4).新世代蒸留所からの挑戦状

2019年発売。世界に空前のウイスキーブームが到来しているいま、クラフト蒸留所の経営者たちは何を考え、どんな想いでウイスキー造りに挑んだのか。日本でクラフト蒸留所が誕生するきっかけを作った、イチローズ・モルトで有名なベンチャーウイスキーの肥土伊知郎氏をはじめとする、13人のクラフト蒸留所の経営者たちが世界に挑む姿を綴った1冊。

(5).ウイスキーライジング

2016年にアメリカで出版された『Whisky Risng』の日本語版であり、内容も大幅にアップデート。ジャパニーズ・ウイスキーの歴史が詳細に記述されているだけでなく、近年、創設がつづくクラフト蒸溜所を含む、日本の全蒸溜所に関するデータも掲載。そのほかにも、今まで発売された伝説的なボトルの解説や、ジャパニーズ・ウイスキーが飲めるバーなども掲載されています。

(6).ウイスキーと風の味

1969年にニッカウヰスキーに入社した、三代目マスターブレンダーの佐藤茂夫氏の著書。
『ピュアモルト』『ブラックニッカクリア』『フロム・ザ・バレル』の生みの親でもあり、なかでも『シングルモルト余市1987』はウイスキーの国際的コンペティションWWA(ワールド・ウイスキー・アワード)にて「ワールド・ベスト・シングルモルト」を受賞。
竹鶴政孝竹鶴威の意志を引き継いだブレンダー界のレジェンドが語る今昔。

この記事を書いた人
新海 博之

1981年7月17日 北海道北広島市出身
大学卒業後、NTTデータカスタマサービス㈱へ新卒入社。
2010年「麻布十番BAR新海」を開業 → 2016年、名物「薬膳カレー」を開発 → 2018年「虎ノ門BAR新海」、2019年には「芝大門BAR新海」を開業 → 2020年 ウェブメディア「Japanese Whisky Dictionary」をスタート。
バーテンダーの私達だから出来る事として、ジャパニーズウイスキーの魅力を日々発信する。

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