【レビュー】ムーングロウ リミテッドエディション2020

ウィスキーレビュー
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三郎丸蒸留所

昭和35年蒸留モルトをはじめ吟味を重ねた原酒のみを使用。若鶴酒造が現時点で目指しうる究極のブレンデッドウイスキーが「ムーングロウ」です。
ムーングロウリミテッドエディションは2018年から商品化。原酒を10年以上熟成したムーングロウのリリースは今作の2020年で終了の予定。次回以降は熟成原酒不足のためノンエイジに切り替わる予定です。

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1.メーカー

若鶴酒造株式会社

設立 1862年
本社所在地 〒939-1308 富山県砺波市三郎丸208
所有蒸留所 三郎丸蒸留所

2.蒸留所

三郎丸蒸留所

所在地 〒939-1308 富山県砺波市三郎丸208
操業開始 1953年(2016年改修)

1952年創業の北陸で唯一の蒸留所。
戦後の米不足のなか1952年にウイスキー製造免許を取得。以来、冬は日本酒を仕込み夏の間のみウイスキーを蒸留。 スモーキーなウイスキーにこだわり日本では珍しく英国産のピーテッド麦芽のみを仕込んでいます。 自然の風味を生かすため、冷却濾過や着色は一切していないのが特徴です。

他の蒸留所との大きな違いは世界初の鋳造製のポッドスチル「ZEMON(ゼモン)」を採用。
大きな特徴は3つ。
①鋳物工法により型による成形が可能になり短納期での製造が可能。また、低コストで十分な肉厚をもたせることができ、本体の高寿命化を期待できます。
②鋳造による自由な造形により様々な酒質を実現。また、パーツごとのユニット化により消耗した部品のみの交換や機能の拡張に対応します。
③銅が約90%、錫が約8%含まれる銅錫合金によりつくられています。錫は銅の約3倍の価格で取引される高級な金属です。
古来より酒の味をまろやかにするといわれており、酒器や焼酎の冷却器に用いられてきました。ZEMONは銅と錫の2つの効果により高品質な蒸留酒の製造に貢献します。
引用:若鶴酒造公式HP

画像出展:三郎丸蒸留所公式Facebook

三郎丸蒸留所の情報はこちら↓もご覧ください。

メーカー(蒸留所) 三郎丸蒸留所 | ジャパニーズウイスキ...
「三郎丸蒸留所」の記事一覧です。

3.商品名と写真

ムーングロウ リミテッドエディション2020
MOON GLOW Limited Edition2020

4.特徴

長い年月が生み出す重層的な味わいと複雑な余韻

1990年蒸留の三郎丸蒸留所モルトをキーモルトに熟成年数が10年以上の原酒のみを使用。赤ワイン樽でフィニッシュした芳醇なグレーンと、甘味を引き出すシェリー樽モルトが絶妙に溶け合い、優しく滑らかな味わいへと導きました。
長い年月が生み出す重層的な味わいと複雑な余韻が、調和を奏でながら永く続きます。

4-1.テイスティングノート

香り 柔らかなウッディさと草木の爽やかな香りにわずかなピート香。りんごやオレンジピールのようなフルーティな酸味。
味わい 飴やハチミツようなまろやかな甘み、乾いたピート、オレンジピール、仄かなスパイス感とほどよいタンニン。
余韻 スパイシーかつスモーキーな余韻が続く。

4-2.商品スペック

アルコール度数 43%
酒別 ブレンデッドウイスキー
樽種 赤ワイン樽
内容量 700ml
販売本数
希望小売価格 10,120円(税込)
発売日 2020年3月14日

5.受賞歴

現時点での受賞歴はありません。

6.価格

6-1.メーカー希望小売価格

https://www.wakatsuru.co.jp/saburomaru/products/moonglow.php

画像出展:若鶴酒造公式HP

商品名 ムーングロウ リミテッドエディション 2020
容量 700ml
希望小売価格 9,200円(税込:10,120円)

6-2.メルカリでの転売価格

メルカリでの転売価格は、7,000円~8,500円前後となっています。(※2021/2/14時点)

6-3.ヤフーオークション落札価格

ヤフーオークションでの落札価格は、最安5,450円、最高7,800円、平均6,380円 (※2021/2/14時点より過去120日間の統計情報)

6-4.楽天、ヤフーショッピング、Amazon

通販サイトでは、定価と同じ価格の10,000円前後で販売されています。 (※2021/2/14時点)

6-5.BAR新海での提供価格

当サイトが運営する「BAR新海」では、1、45ml:2,970円 30ml:1,980円、15ml:990円 などの少量でも提供しております。

「BAR新海」のご案内
Japanese Whisky Dictionaryが運営する「BAR新海」は、東京都港区に3店舗。当サイトで紹介しているジャパニーズウィスキーをはじめ、国産のジンやビールなども取扱い。オリジナルカクテル、フレッシュフルーツカクテルなども人気。食事も豊富で1件目からも利用可能。

7.まとめ

10年以上熟成で樽香も感じ取れつつ、しっかりピートも効いていてどんな飲み方でも美味しく飲める非常にバランスの取れたウイスキーだと思います。
開栓後、時間が経てば経つほど濃厚な甘味に変化していく印象です。なかなかのクオリティだと思いますが昨今のジャパニーズウイスキーの中では注目度が低く、よく百貨店などに並んでいるのを目にします。
2020年からは新たにアイラ島のピーテッド麦芽での蒸留が始まっていて、今までとは違った原酒でより複雑さのある味わいを創り出す役割を果たすのか興味が深まります。今後の動向が楽しみな蒸留所のひとつですね。

「三郎丸蒸留所・ムーングロウ」に関するその他の記事も是非ご覧ください。

【レビュー】ムーングロウクレセント2018
若鶴酒造が100周年記念として発売。ムーングロウシリーズの第三弾。1960年蒸留の三郎丸蒸留所モルトをはじめ、富山県産のミズナラ後熟グレーンなど幅広い年代から原酒を吟味し、特別にブレンド。長い年月が生み出す重層的な味わいと複雑な余韻が、調和を奏でながら永く続きます。
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最後に:ジャパニーズウイスキーのおすすめ書籍

世界的なトレンドを巻き起こしている「ジャパニーズウイスキー」の事をもっと知りたい、もっと勉強したいという方は、是非こちらの書籍をおすすめいたします。

(1).Whisky Galore(ウイスキーガロア)Vol.47 2024年12月号

【巻頭特集】
「新アイリッシュ・ルネッサンス[第2弾]」
【第2特集】
「日本のクラフト蒸留所最前線」
今号では北海道の厚岸と苫小牧、そしてクラフト蒸留所に麦芽を供給する中標津のクラフトモルティング社についても紹介します。さらに三島のウォータードラゴンと、ZEMONⅡが稼働する飛騨高山蒸溜所も再訪。
【連続ロングインタビュー】
第3回 ガイアフロー静岡蒸溜所 中村大航氏
【特別リポート】
遊佐蒸溜所の挑戦
第二期リニューアルが完了したサントリー白州蒸溜所

(2).ビジネスに効く教養としてのジャパニーズウイスキー

世界的にも有名なウイスキー評論家で、ウイスキー文化研究所代表 土屋守先生の著書「ビジネスに効く教養としてのジャパニーズウイスキー」です。
ウイスキーの基礎知識、日本へのウイスキーの伝来、ジャパニーズウイスキーの誕生、広告戦略とジャパニーズウイスキーの盛隆、そして、現在のクラフト蒸留所の勃興まで。日本のウイスキーの事が非常にわかりやすくまとめられた一冊。

(3).ウイスキーと私(竹鶴政孝)

日本でのウイスキー醸造に人生を捧げた、ニッカウヰスキー創業者・竹鶴政孝。ただひたすらにウイスキーを愛した男が自らを語った自伝の改訂復刻版。若き日、単身スコットランドに留学し、幾多の苦難を乗り越えてジャパニーズ・ウイスキーを完成させるまでの日々や、伴侶となるリタのことなどが鮮やかに描かれる。

(4).新世代蒸留所からの挑戦状

2019年発売。世界に空前のウイスキーブームが到来しているいま、クラフト蒸留所の経営者たちは何を考え、どんな想いでウイスキー造りに挑んだのか。日本でクラフト蒸留所が誕生するきっかけを作った、イチローズ・モルトで有名なベンチャーウイスキーの肥土伊知郎氏をはじめとする、13人のクラフト蒸留所の経営者たちが世界に挑む姿を綴った1冊。

(5).ウイスキーライジング

2016年にアメリカで出版された『Whisky Risng』の日本語版であり、内容も大幅にアップデート。ジャパニーズ・ウイスキーの歴史が詳細に記述されているだけでなく、近年、創設がつづくクラフト蒸溜所を含む、日本の全蒸溜所に関するデータも掲載。そのほかにも、今まで発売された伝説的なボトルの解説や、ジャパニーズ・ウイスキーが飲めるバーなども掲載されています。

(6).ウイスキーと風の味

1969年にニッカウヰスキーに入社した、三代目マスターブレンダーの佐藤茂夫氏の著書。
『ピュアモルト』『ブラックニッカクリア』『フロム・ザ・バレル』の生みの親でもあり、なかでも『シングルモルト余市1987』はウイスキーの国際的コンペティションWWA(ワールド・ウイスキー・アワード)にて「ワールド・ベスト・シングルモルト」を受賞。
竹鶴政孝竹鶴威の意志を引き継いだブレンダー界のレジェンドが語る今昔。

この記事を書いた人
深瀬 悠二

北海道札幌市出身。
2005年、大手スポーツ用品販売チェーンに就職→2019年1月、BAR新海に就職しウイスキーの魅力に引き込まれ虜となる。初めて飲んだウイスキーはアードベッグ10年。ほぼ毎日ウイスキーを飲む中で更なる知識習得を目指し、ウイスキー検定2級とJC級(ジャパニーズクラフトウイスキー)を取得。
造り手の想いをしっかりと表現し、飲み手の方々に正しい情報を伝えたい。ウイスキーの魅力をたくさんの方に伝えたいという思いでウェブメディア「Japanese Whisky Dictionary」の編集を担当。

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