【レビュー】SAB. OCEAN BLUE 1st BATCH

ウィスキーレビュー
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三郎丸蒸留所のブレンデッドウイスキー『サブ.』シリーズより、限定の新作が登場。同シリーズ通年品のSUNSET RED,NIGHT BLACKに続く第3の少量バッチ生産ウイスキーをレビュー。

三郎丸蒸溜所といえば「The Ultimate Peat」を掲げ、ピーテッドウイスキーを製造、販売し、国内でもその屈指のスモーキーさからファンの多い蒸溜所の一つです。

このSAB.シリーズは、蒸留所の世界で販売量の大半を占めるブレンデッドウイスキーへの挑戦・スモーキーブランドの確立・グローバルを意識したボトル、ネーミング・環境に配慮したウイスキー造り等々
三郎丸のブランドとしてのノウハウを詰め込んだ1本となっています。

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1.ボトルとラベルの写真

サブ. オーシャンブルー 1st バッチ
SAB. OCEAN BLUE 1st BTCH

2.SAB. OCEAN BLUE 1st BTCH の特徴

「SAB.」は、三郎丸蒸留所が手がけるブレンデッドウイスキーとして2024年12月に誕生。“地域に拠って、世界に立つ”という三郎丸の使命のもと、「SUNSET RED」「NIGHT BLACK」「SNOW WHITE(北陸限定)」といったシリーズのリリースを行ってきました。

「OCEAN BLUE 1ST BATCH」は、熟成を深めたグレーン原酒とバーボン樽、シェリー樽、ワイン樽などの多彩な原酒をブレンドした力強い三郎丸モルトが調和した三郎丸最高峰のブレンデッドウイスキーです。

重厚で豊かな味わいをお楽しみください。

香り:力強いピート、灰、リンゴ飴、みりん干し、ほのかな蜂蜜、スモークウッド、かすかに山椒、火の消えた蝋燭のワックス。

味:丸みがありスムーズ、舌を覆う灰としっかりとした酸味、力強いピート、蜂蜜をかけたリンゴ、しっかりとしたウッディさ、海藻。後味は上品で穏やかにウッディさとピートの暖かさが残る。

引用:「SAB.OCEAN BLUE 1ST BATCH」 発売 | 若鶴酒造株式会社のプレスリリース

2-1.テイスティングノート

香り 爽やかな海のピート、燃えさし、青りんご、白胡椒、アガベシロップ
味わい スモークサーモン、ライム様の柑橘、ピンクペッパー、潮、爽やかな甘み
余韻 さらっとした燻るようなピートにウッディなニュアンスが長く残る

2-2.商品スペック

アルコール度数 46%
酒別 ブレンデッドウイスキー
樽種 バーボン樽、シェリー樽、ワイン樽
内容量 700ml
販売本数 8,000本
希望小売価格 9,900円(税込)
発売日 2025年9月

3.受賞歴

現時点では受賞歴はありません。

4.定価とネット上の価格

4-1.メーカー希望小売価格

商品名 SAB. OCEAN BLUE
容量 700ml
希望小売価格 9,900円(税込)

4-2.メルカリでの転売価格

メルカリでの転売価格は、13,900円~21,000円前後となっています。(※2025/9/9時点)
定価近くでまだ購入可能ですので、メルカリで買う必要はないかと思います。

4-3.ヤフーオークション落札価格

ヤフーオークションでの落札は、現在確認されていません。出品は定価のものがありました。
(※2025/7/1/時点) 

4-4.楽天、ヤフーショッピング、Amazon

楽天などの通販サイトでは、ほぼ定価での出品が確認できました。(※2024/9/9時点)

4-5.BAR新海での提供価格

当サイトが運営する「BAR新海」では、1杯、45ml:2,640円、30ml:1,760円、15ml:880円にて提供しております。

「BAR新海」のご案内
Japanese Whisky Dictionaryが運営する「BAR新海」は、東京都港区に3店舗。当サイトで紹介しているジャパニーズウィスキーをはじめ、国産のジンやビールなども取扱い。オリジナルカクテル、フレッシュフルーツカクテルなども人気。食事も豊富で1件目からも利用可能。

5.メーカー

若鶴酒造株式会社

設立 1862年
本社所在地 〒939-1308 富山県砺波市三郎丸208
所有蒸留所 三郎丸蒸留所

6.三郎丸蒸留所とは?

三郎丸蒸留所

所在地 〒939-1308 富山県砺波市三郎丸208
操業開始 1953年(2016年改修)

1952年創業の北陸で唯一の蒸留所。
戦後の米不足のなか1952年にウイスキー製造免許を取得。以来、冬は日本酒を仕込みそれ以外の期間ウイスキーを蒸留。年間200仕込み。今後は300仕込みを計画中。
操業当初からスモーキーなウイスキーにこだわりアイラピーテッド麦芽とハイランドピーテッド麦芽、最近では富山県産ピーテッド麦芽で仕込んでいます。 自然の風味を生かすため、冷却濾過や着色は一切していないのが特徴です。

2018年、三宅製作所の最新のマッシュタンを導入。
2019年、地元企業の老子(おいご)製作所と協業して鋳造製のポッドスチル「ZEMON(ゼモン)」を開発。
2020年、木桶の発酵槽を1基導入。

他の蒸留所との大きな違いは世界初の鋳造製のポッドスチル「ZEMON(ゼモン)」を採用。


大きな特徴は3つ。
①鋳物工法により型による成形が可能になり短納期での製造が可能。また、低コストで十分な肉厚をもたせることができ、本体の高寿命化を期待できます。
②鋳造による自由な造形により様々な酒質を実現。また、パーツごとのユニット化により消耗した部品のみの交換や機能の拡張に対応します。
③銅が約90%、錫が約8%含まれる銅錫合金によりつくられています。錫は銅の約3倍の価格で取引される高級な金属です。
錫は古来より酒の味をまろやかにするといわれており、酒器や焼酎の冷却器に用いられてきました。ZEMONは銅と錫の2つの効果により高品質な蒸留酒の製造に貢献します。
引用:若鶴酒造公式HP

三郎丸蒸留所の情報はこちら↓もご覧ください。

三郎丸蒸留所
「三郎丸蒸留所」の記事一覧です。

7.まとめ

コチラのSAB. OCEAN BLUEはかつての三郎丸蒸留所ブレンデッドの「THE SUN」の後継ともいうべき製品。三郎丸蒸溜所の最高峰ブレンデッドウイスキーの位置づけとなります。

内容は超熟のグレーンやワイン樽、シェリー樽もふんだんに使用されている印象を受けました。ブレンデッドならではの三郎丸蒸溜所の表現、是非お試しください。

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最後に:ジャパニーズウイスキーのおすすめ書籍

世界的なトレンドを巻き起こしている「ジャパニーズウイスキー」の事をもっと知りたい、もっと勉強したいという方は、是非こちらの書籍をおすすめいたします。

(1).Whisky Galore(ウイスキーガロア)Vol.51 2025年8月号

【巻頭特集】
スコッチ蒸留所名鑑 第2弾 ペルノリカール[前編]」
フランスのペルノリカール社が所有するモルト蒸留所について解説し。今号では計6つの蒸留所を掲載。
【特集】
「国家級中国威士忌最新事情 ダイキン編」
土屋守編集長が中国を訪れ、目覚ましい成長を遂げるチャイニーズウイスキー最新事情をリポート。
「韓国ウイスキー」
モルトウイスキー蒸留所が相次いで誕生している韓国を訪問。
【特別対談】
7年ぶりに誕生した新定番 ジョニーウォーカー ブラックルビー
土屋守×金子亜矢人ベンツェ氏
【イベントリポート】
東京ウイスキー&スピリッツコンペティション2025 受賞結果

(2).ビジネスに効く教養としてのジャパニーズウイスキー

世界的にも有名なウイスキー評論家で、ウイスキー文化研究所代表 土屋守先生の著書「ビジネスに効く教養としてのジャパニーズウイスキー」です。
ウイスキーの基礎知識、日本へのウイスキーの伝来、ジャパニーズウイスキーの誕生、広告戦略とジャパニーズウイスキーの盛隆、そして、現在のクラフト蒸留所の勃興まで。日本のウイスキーの事が非常にわかりやすくまとめられた一冊。

(3).ウイスキーと私(竹鶴政孝)

日本でのウイスキー醸造に人生を捧げた、ニッカウヰスキー創業者・竹鶴政孝。ただひたすらにウイスキーを愛した男が自らを語った自伝の改訂復刻版。若き日、単身スコットランドに留学し、幾多の苦難を乗り越えてジャパニーズ・ウイスキーを完成させるまでの日々や、伴侶となるリタのことなどが鮮やかに描かれる。

(4).新世代蒸留所からの挑戦状

2019年発売。世界に空前のウイスキーブームが到来しているいま、クラフト蒸留所の経営者たちは何を考え、どんな想いでウイスキー造りに挑んだのか。日本でクラフト蒸留所が誕生するきっかけを作った、イチローズ・モルトで有名なベンチャーウイスキーの肥土伊知郎氏をはじめとする、13人のクラフト蒸留所の経営者たちが世界に挑む姿を綴った1冊。

(5).ウイスキーライジング

2016年にアメリカで出版された『Whisky Risng』の日本語版であり、内容も大幅にアップデート。ジャパニーズ・ウイスキーの歴史が詳細に記述されているだけでなく、近年、創設がつづくクラフト蒸溜所を含む、日本の全蒸溜所に関するデータも掲載。そのほかにも、今まで発売された伝説的なボトルの解説や、ジャパニーズ・ウイスキーが飲めるバーなども掲載されています。

(6).ウイスキーと風の味

1969年にニッカウヰスキーに入社した、三代目マスターブレンダーの佐藤茂夫氏の著書。
『ピュアモルト』『ブラックニッカクリア』『フロム・ザ・バレル』の生みの親でもあり、なかでも『シングルモルト余市1987』はウイスキーの国際的コンペティションWWA(ワールド・ウイスキー・アワード)にて「ワールド・ベスト・シングルモルト」を受賞。
竹鶴政孝竹鶴威の意志を引き継いだブレンダー界のレジェンドが語る今昔。

この記事を書いた人
Ryuhei Oishi

北海道出身 bar新海虎ノ門店のバーテンダー。
都内のレストランで従事し、日本ソムリエ協会認定ソムリエ資格を取得。
土地それぞれの風土から様々な味わいが作り出される日本のウイスキーに興味を持ち、bar新海に就職。蒸留所へ行き、造り手の方々に話を聞き、その情熱・情報をバーテンダーとして伝搬するべく、JWDに参加。

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