【レビュー】シングルモルト嘉之助2021 FIRST EDITION

ウィスキーレビュー
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嘉之助蒸溜所

嘉之助蒸溜所のコンセプトである「 MELLOW LAND,MELLOW WHISKY 」を具現化すべく、独自の3器のポットスチル(銅製蒸留器)で原酒造りを行った後、各種のオーク樽で熟成を重ね、3年間熟成させた原酒をマリッジ。
ノンピート麦芽を使用し、樽熟成米焼酎「 メローコヅル」で使用したアメリカンホワイトオークリチャーカスクで熟成した原酒をキーに、複数の樽をヴァッティング、カスクストレングスでボトリング。2017年~18年に嘉之助蒸溜所で蒸留し熟成された嘉之助蒸溜所初のシングルモルトジャパニーズウイスキーです。

「シングルモルト嘉之助2021 FIRST EDITION」が収まる箱は、蒸留所眼下に広がる「吹上浜の砂浜」をイメージして作られたもの。箱の両側面を触ると砂浜のようなザラザラした触感で、パッケージデザインも砂浜が描かれている。ボトルの形状もポットスチルをモチーフにした形となっていて、「嘉之助蒸溜所に足を運んだ事のある人が、シングルモルト嘉之助を手に取り、想いを馳せ、口に含んだ後、に訪れる至福の時」を感じてほしい。まさに体験や感動を通じて創り上げるエンターテインメントをTEAM KANOSUKEは目指している。

また、今回の商品では商品説明内に「シングルモルトジャパニーズウイスキー」と記載されております。これには重要な意味があり、先般、日本洋酒酒造組合が制定したジャパニーズウイスキーの自主基準が4月1日より施行され、それに準拠した商品である事をしっかりと表示している事となります。

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1.メーカー

小正醸造株式会社

設立 1883年(明治16年)
本社所在地 〒899-3101 鹿児島県日置市日吉町日置3309
所有蒸留所 嘉之助蒸溜所

2.蒸留所

嘉之助蒸溜所

所在地 〒899-2421 鹿児島県日置市日吉町神之川845-3
操業開始 2017年

嘉之助蒸溜所は鹿児島県の西岸、吹上浜沿いの約9,000㎡の敷地に建っています。
コの字形で2階建ての本棟には蒸留設備のほかに、眺めのいいBARやオリジナルグッズを販売するショップなどがあります。
蒸留所の大きな特徴はポットスチル(蒸留器)が大・中・小と3基備えてあること。それぞれの容量は6000ℓ・3000ℓ・1600ℓです。
世界的にみてもクラフト・ディスティラリー(小規模蒸留所)は2基が一般的。ウイスキーは通常蒸留は2回行うが、2回目の蒸留(再留)の際にネックの形状や上部のラインアームの角度の異なるポットスチルを使用することで原酒の香りや味わいをより豊かに変化させることができるのです。
蒸留所の建つ吹上浜は”日本三大砂丘”の一つに数えられ、”日本の渚百選”にも選ばれています。砂浜の長さは南北約47kmにも及び海面から強い風が巻き上がり、蒸留所一帯は海からの細かな飛沫で真白な霧に包まれます。夏は暑く冬には0℃近辺まで冷え込んで雪が舞うことも珍しくない寒暖差のある土地柄です。

画像出展:嘉之助蒸溜所公式Facebook

嘉之助蒸溜所の詳細情報は、こちらの記事もご覧ください。

メーカー(蒸留所) 嘉之助蒸溜所 | ジャパニーズウイスキ...
「嘉之助蒸溜所」の記事一覧です。

3.商品名と写真

シングルモルト嘉之助2021 FIRST EDITION
Single Malt Kanosuke 2021 First Edition

4.特徴

嘉之助蒸溜所初のシングルモルトジャパニーズウイスキー

「シングルモルト嘉之助2021 FIRST EDITION 」は 2017年~18年に嘉之助蒸溜所で製造した、当社初のシングルモルトジャパニーズウイスキーです。
ノンピート麦芽を使用し、弊社樽熟成米焼酎「 メローコヅル」で使用したアメリカンホワイトオークリチャーカスクで熟成した原酒をキーに、複数の樽をヴァッティング、カスクストレングスでボトリングしました。

いよいよ、我々のジャパニーズウイスキーの旅がはじまります。(メーカーHPより)

4-1.テイスティングノート

香り ライム・プルーン・レーズンバター
味わい メローでウッディ・バニラ・ニッキ
余韻 オランジェットのほろ苦さ・ふわりと潮風

4-2.商品スペック

アルコール度数 58%
酒別 シングルモルトジャパニーズウイスキー
樽種 アメリカンホワイトオークリチャーカスク
内容量 700ml
販売本数 数量限定
希望小売価格 13,750円(税込)
発売日 2021年6月16日

5.受賞歴

現時点では受賞歴はありません。

6.価格

6-1.メーカー希望小売価格

商品名 シングルモルト嘉之助2021 FIRST EDITION
容量 700ml
希望小売価格 13,750円(税込)

6-2.メルカリでの転売価格 ※2024年9月10日更新

メルカリでの転売価格は、23,500円〜30,000円前後の価格帯が中心となり入手が可能となっています。(※2024/9/10時点)

現在メルカリでの出品はないようです。(※2021/6/16時点)

6-3.ヤフーオークション落札価格 ※2024年9月10日更新

ヤフーオークションにて現在出品中の本体価格は、26,800円〜30,000円前後となっているようです。(※2024/9/10時点)

6-4.楽天、ヤフーショッピング、Amazon ※2024年9月10日更新

通販サイトでも、25,800〜35,000円前後で販売されています。(※2024/9/10時点)

現時点では、通販サイトでは取り扱いがありません。( ※2021/6/16時点)

6-5.BAR新海での提供価格

当サイトが運営する「BAR新海」では、1杯、45ml:3,960円、30ml:2,640円、15ml:1,320円にて提供しております。

「BAR新海」のご案内
Japanese Whisky Dictionaryが運営する「BAR新海」は、東京都港区に3店舗。当サイトで紹介しているジャパニーズウィスキーをはじめ、国産のジンやビールなども取扱い。オリジナルカクテル、フレッシュフルーツカクテルなども人気。食事も豊富で1件目からも利用可能。

7.まとめ

遂に3年の熟成を終えてウイスキーとして世に出てきた「シングルモルト嘉之助2021 FIRST EDITION」。2018年から2020年までに造られたニューボーンは3種類。
嘉之助ニューボーン蒸留所限定ボトル第3弾においては東京ウイスキー&スピリッツコンペティション2021にて「ジャパニーズニューメイク部門カテゴリーウィナー」を受賞するなど期待値は非常に大きい蒸留所と言えます。

3年熟成とは思えないほどの驚くべきは、その色合いまるで夕日のような濃い琥珀色をしています。味わいもフレッシュでやや酸味のあるフルーツから始まり、後からコクや程良い甘みも感じ取れる。余韻も長めで複雑かつ奥行きのある味わいです。ロックで時間をかけて味の変化を愉しみながら飲んでみたいウイスキーです。

■嘉之助に関するその他の記事も是非ご覧ください。

【レビュー】嘉之助ニューボーン2020ピーテッド
鹿児島県の小正酒造が運営する嘉之助蒸留所より2020年9月16日発売。嘉之助ニューボーン2020ピーテッド。イギリス産ピーテッド麦芽を使用し蒸留。2018年8月に蒸留したウイスキー原酒ホワイトオーク樽で24ヵ月間熟成させ、カスクストレングスでボトリングした嘉之助ニューボーンの第3弾。
【レビュー】嘉之助ニューボーン2019
原料にはイギリス産ノンピート麦芽を使用。2018年5月に蒸留したウィスキー原酒をバーボンウィスキーが貯蔵されていた樽に貯蔵。潮風が香る嘉之助蒸留所の貯蔵庫にて16 か月間貯蔵後、カスクストレングスでボトリング。アルコール度数57%。
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最後に:ジャパニーズウイスキーのおすすめ書籍

世界的なトレンドを巻き起こしている「ジャパニーズウイスキー」の事をもっと知りたい、もっと勉強したいという方は、是非こちらの書籍をおすすめいたします。

(1).Whisky Galore(ウイスキーガロア)Vol.47 2024年12月号

【巻頭特集】
「新アイリッシュ・ルネッサンス[第2弾]」
【第2特集】
「日本のクラフト蒸留所最前線」
今号では北海道の厚岸と苫小牧、そしてクラフト蒸留所に麦芽を供給する中標津のクラフトモルティング社についても紹介します。さらに三島のウォータードラゴンと、ZEMONⅡが稼働する飛騨高山蒸溜所も再訪。
【連続ロングインタビュー】
第3回 ガイアフロー静岡蒸溜所 中村大航氏
【特別リポート】
遊佐蒸溜所の挑戦
第二期リニューアルが完了したサントリー白州蒸溜所

(2).ビジネスに効く教養としてのジャパニーズウイスキー

世界的にも有名なウイスキー評論家で、ウイスキー文化研究所代表 土屋守先生の著書「ビジネスに効く教養としてのジャパニーズウイスキー」です。
ウイスキーの基礎知識、日本へのウイスキーの伝来、ジャパニーズウイスキーの誕生、広告戦略とジャパニーズウイスキーの盛隆、そして、現在のクラフト蒸留所の勃興まで。日本のウイスキーの事が非常にわかりやすくまとめられた一冊。

(3).ウイスキーと私(竹鶴政孝)

日本でのウイスキー醸造に人生を捧げた、ニッカウヰスキー創業者・竹鶴政孝。ただひたすらにウイスキーを愛した男が自らを語った自伝の改訂復刻版。若き日、単身スコットランドに留学し、幾多の苦難を乗り越えてジャパニーズ・ウイスキーを完成させるまでの日々や、伴侶となるリタのことなどが鮮やかに描かれる。

(4).新世代蒸留所からの挑戦状

2019年発売。世界に空前のウイスキーブームが到来しているいま、クラフト蒸留所の経営者たちは何を考え、どんな想いでウイスキー造りに挑んだのか。日本でクラフト蒸留所が誕生するきっかけを作った、イチローズ・モルトで有名なベンチャーウイスキーの肥土伊知郎氏をはじめとする、13人のクラフト蒸留所の経営者たちが世界に挑む姿を綴った1冊。

(5).ウイスキーライジング

2016年にアメリカで出版された『Whisky Risng』の日本語版であり、内容も大幅にアップデート。ジャパニーズ・ウイスキーの歴史が詳細に記述されているだけでなく、近年、創設がつづくクラフト蒸溜所を含む、日本の全蒸溜所に関するデータも掲載。そのほかにも、今まで発売された伝説的なボトルの解説や、ジャパニーズ・ウイスキーが飲めるバーなども掲載されています。

(6).ウイスキーと風の味

1969年にニッカウヰスキーに入社した、三代目マスターブレンダーの佐藤茂夫氏の著書。
『ピュアモルト』『ブラックニッカクリア』『フロム・ザ・バレル』の生みの親でもあり、なかでも『シングルモルト余市1987』はウイスキーの国際的コンペティションWWA(ワールド・ウイスキー・アワード)にて「ワールド・ベスト・シングルモルト」を受賞。
竹鶴政孝竹鶴威の意志を引き継いだブレンダー界のレジェンドが語る今昔。

この記事を書いた人
新海 博之

1981年7月17日 北海道北広島市出身
大学卒業後、NTTデータカスタマサービス㈱へ新卒入社。
2010年「麻布十番BAR新海」を開業 → 2016年、名物「薬膳カレー」を開発 → 2018年「虎ノ門BAR新海」、2019年には「芝大門BAR新海」を開業 → 2020年 ウェブメディア「Japanese Whisky Dictionary」をスタート。
バーテンダーの私達だから出来る事として、ジャパニーズウイスキーの魅力を日々発信する。

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