【レビュー】シングルモルト嘉之助Artist Edition #003

ウィスキーレビュー
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嘉之助蒸溜所

鹿児島県の嘉之助蒸溜所より、シングルモルト嘉之助Artist Edition #003をレビュー。五行思想の『土』をイメージしたシリーズ最新作。

「Artist Edition」は五節句の祝、大相撲の四房、正月のおせち料理、五色豆など日本人の生活にも深く根ざしている「五行思想」に着想を得て限定品です。ラベルデザインは、様々な方面で活躍されているアーティストに「木・火・土・金・水」五つの要素をコンセプトに、デザイナーの方がオリジナルで制作した作品。

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1.メーカー

小正嘉之助蒸溜所株式会社

設立 2021年8月
本社所在地 〒899-2421 鹿児島県日置市日吉町神之川845-3
所有蒸留所 嘉之助蒸溜所

2.蒸留所

嘉之助蒸溜所

所在地 〒899-2421 鹿児島県日置市日吉町神之川845-3
操業開始 2017年

嘉之助蒸溜所は鹿児島県の西岸、吹上浜沿いの約9,000㎡の敷地に建っています。
コの字形で2階建ての本棟には蒸留設備のほかに、眺めのいいBARやオリジナルグッズを販売するショップなどがあります。
蒸留所の大きな特徴はポットスチル(蒸留器)が大・中・小と3基備えてあること。それぞれの容量は6000ℓ・3000ℓ・1600ℓです。
世界的にみてもクラフト・ディスティラリー(小規模蒸留所)は2基が一般的。ウイスキーは通常蒸留は2回行うが、2回目の蒸留(再留)の際にネックの形状や上部のラインアームの角度の異なるポットスチルを使用することで原酒の香りや味わいをより豊かに変化させることができるのです。
蒸留所の建つ吹上浜は”日本三大砂丘”の一つに数えられ、”日本の渚百選”にも選ばれています。砂浜の長さは南北約47kmにも及び海面から強い風が巻き上がり、蒸留所一帯は海からの細かな飛沫で真白な霧に包まれます。夏は暑く冬には0℃近辺まで冷え込んで雪が舞うことも珍しくない寒暖差のある土地柄です。

嘉之助蒸溜所の詳細情報は、こちらの記事もご覧ください。

嘉之助蒸溜所 | ジャパニーズウイスキーディクショナリー
Japanese Whisky Dictionary

3.ボトルの写真と購入できるサイト

シングルモルト嘉之助 Artist Edition#003
Single Malt Kanosuke Artist Edition#003

   

4.シングルモルト嘉之助 Artist Edition#003

3作目となる「Artist Edition #003」は、五行思想の【土】をテーマとしています。
嘉之助蒸溜所の北側、小高い丘の上に佇む熟成庫にて、潮騒を子守唄に熟成を経た、焼酎リチャー樽やバーボン樽・赤ワイン樽などからブレンダーが吟味した原酒を合わせ、奄美の黒糖焼酎が貯蔵されていた樽にて後熟、更にピート原酒で繊細に整えたシングルモルトジャパニーズウイスキーです。
ラベルは鹿児島県奄美大島で染色人として活躍されている金井志人氏が、嘉之助蒸溜所を訪れ、東シナ海を望む吹上浜の景色をモチーフに創り出した作品となります。
 

4-1.テイスティングノート

香り パイナップル、和柑橘、カラメル、クローブ
味わい 黒蜜、生姜、白胡椒、南国フルーツの酸味、少しの塩味
余韻 スパイシーな甘みが長く続き、少しのスモークと共にゆっくり抜ける

4-2.商品スペック

アルコール度数 50%
酒別 シングルモルトジャパニーズウイスキー
樽種 焼酎リチャーカスク、バーボン、赤ワイン、奄美黒糖焼酎カスク
内容量 700ml
販売本数 数量限定
希望小売価格 16,500円(税込)
発売日 2024年6月18日

5.受賞歴

現時点では受賞歴はありません。

6.価格

6-1.メーカー希望小売価格

商品名 シングルモルト嘉之助Artist Edition#003
容量 700ml
希望小売価格 16,500円(税込)

6-2.メルカリでの転売価格

メルカリでの転売価格は、23,500円~25,000円前後となっています。(※2024/6/19時点)

6-3.ヤフーオークション落札価格

ヤフーオークションでの落札価格は、確認できませんでした。 (※2024/6/19時点) 

6-4.楽天、ヤフーショッピング、Amazon

通販サイトでの販売は確認できませんでした。( ※2024/6/19時点)

嘉之助蒸溜所 シングルモルト 嘉之助 アーティストエディション#002 50% 700ml 箱付き /Kanosuke Single Malt Artist Edition #002 700ml

6-5.BAR新海での提供価格

当サイトが運営する「BAR新海」では、1杯、45ml:4,620円、30ml:3,080円、15ml:1,540円にて提供しております。

「BAR新海」のご案内
Japanese Whisky Dictionaryが運営する「BAR新海」は、東京都港区に3店舗。当サイトで紹介しているジャパニーズウィスキーをはじめ、国産のジンやビールなども取扱い。オリジナルカクテル、フレッシュフルーツカクテルなども人気。食事も豊富で1件目からも利用可能。

7.まとめ

■嘉之助に関するその他の記事も是非ご覧ください。

【レビュー】シングルモルト嘉之助
シングルモルト嘉之助は、嘉之助蒸溜所の定番フラッグシップ商品として2023年1月18日発売。9,900円(税込)。ノンピート麦芽を使用し、アメリカンホワイトオークのリチャーカスクで熟成した原酒をキーに、複数の樽をヴァッティング。
【レビュー】シングルモルト嘉之助Artist Edition #...
シングルモルト嘉之助Artist Edition #002は、嘉之助蒸溜所より2023年3月15日発売。15,070円(税込)。今作は「火」がモチーフ。2019年に蒸溜されたノンピートモルト。ペドロ・ヒメネスシェリーバットで3年以上熟成した数樽を厳選。
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最後に:ジャパニーズウイスキーのおすすめ書籍

世界的なトレンドを巻き起こしている「ジャパニーズウイスキー」の事をもっと知りたい、もっと勉強したいという方は、是非こちらの書籍をおすすめいたします。

(1).Whisky Galore(ウイスキーガロア)Vol.44 2024年6月号

【巻頭特集】
ジャパニーズウイスキー、次の100年。【第2弾】
日本のグレーンウイスキー蒸留所
日本独自のグレーンウイスキー造りの可能性を検証。大手3社を含め、18の蒸留所のグレーンウイスキー造りについて紹介します。また、富士御殿場蒸溜所でブレンダーを務める竹重元気氏と土屋守編集長の特別対談もお届けします。

【第2特集】
沖縄 泡盛・ウイスキー紀行 & 宮古島 スピリッツ・泡盛紀行
沖縄本島および宮古島を巡り、個性的な蒸留酒造りを紹介します。

【編集長インタビュー】
サントリーが見据えるジンの未来予想図 その展望と戦略
ポール・ジョン 海辺の気候風土をまとったインド産シングルモルト

【企画】
マスター・オブ・ウイスキーの肖像
史上最多の合格者4名一挙インタビュー。それぞれの素顔に迫ります。

日本のクラフト蒸留所最前線 阿波乃蒸溜所
徳島県阿波市の吉野川沿いに誕生した、四国初のクラフトウイスキー蒸留所を取材。

(2).ビジネスに効く教養としてのジャパニーズウイスキー

世界的にも有名なウイスキー評論家で、ウイスキー文化研究所代表 土屋守先生の著書「ビジネスに効く教養としてのジャパニーズウイスキー」です。
ウイスキーの基礎知識、日本へのウイスキーの伝来、ジャパニーズウイスキーの誕生、広告戦略とジャパニーズウイスキーの盛隆、そして、現在のクラフト蒸留所の勃興まで。日本のウイスキーの事が非常にわかりやすくまとめられた一冊。

(3).ウイスキーと私(竹鶴政孝)

日本でのウイスキー醸造に人生を捧げた、ニッカウヰスキー創業者・竹鶴政孝。ただひたすらにウイスキーを愛した男が自らを語った自伝の改訂復刻版。若き日、単身スコットランドに留学し、幾多の苦難を乗り越えてジャパニーズ・ウイスキーを完成させるまでの日々や、伴侶となるリタのことなどが鮮やかに描かれる。

(4).新世代蒸留所からの挑戦状

2019年発売。世界に空前のウイスキーブームが到来しているいま、クラフト蒸留所の経営者たちは何を考え、どんな想いでウイスキー造りに挑んだのか。日本でクラフト蒸留所が誕生するきっかけを作った、イチローズ・モルトで有名なベンチャーウイスキーの肥土伊知郎氏をはじめとする、13人のクラフト蒸留所の経営者たちが世界に挑む姿を綴った1冊。

(5).ウイスキーライジング

2016年にアメリカで出版された『Whisky Risng』の日本語版であり、内容も大幅にアップデート。ジャパニーズ・ウイスキーの歴史が詳細に記述されているだけでなく、近年、創設がつづくクラフト蒸溜所を含む、日本の全蒸溜所に関するデータも掲載。そのほかにも、今まで発売された伝説的なボトルの解説や、ジャパニーズ・ウイスキーが飲めるバーなども掲載されています。

(6).ウイスキーと風の味

1969年にニッカウヰスキーに入社した、三代目マスターブレンダーの佐藤茂夫氏の著書。
『ピュアモルト』『ブラックニッカクリア』『フロム・ザ・バレル』の生みの親でもあり、なかでも『シングルモルト余市1987』はウイスキーの国際的コンペティションWWA(ワールド・ウイスキー・アワード)にて「ワールド・ベスト・シングルモルト」を受賞。
竹鶴政孝竹鶴威の意志を引き継いだブレンダー界のレジェンドが語る今昔。

この記事を書いた人
Ryuhei Oishi

北海道出身 bar新海虎ノ門店のバーテンダー。
都内のレストランで従事し、日本ソムリエ協会認定ソムリエ資格を取得。
自身の知識の少なかった日本のウイスキーに興味を持ち、bar新海に就職。蒸留所へ行き、造り手の方々に話を聞き、その情熱・情報をバーテンダーとして伝搬するべく、JWDに参加。

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