【レビュー】富士山麓 樽熟原酒50°

ウィスキーレビュー
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キリン富士御殿場蒸溜所

こだわりの「アルコール度50°」のおいしさが「ノンチルフィルタード製法」でさらに進化。
樽熟原酒本来の味わいがさらに楽しめます。2016年3月22日発売。

ノンチルフィルタード製法とは、製品化の際に冷却ろ過を行わずにびん詰めすることで、ウイスキーのうまみ成分を逃がさない製法のことです。主にプレミアム品や限定品などで採用される製法です。

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1.メーカー

キリンディスティラリー株式会社

設立 1972年8月
本社所在地 〒412-0003 静岡県御殿場市柴怒田970番地
所有蒸留所 富士御殿場蒸溜所

2.蒸留所

富士御殿場蒸溜所

所在地 〒412-0003 静岡県御殿場市柴怒田970番地
操業開始 1973年11月

1972年8月 キリンビール株式会社(日本)、JEシーグラム社(米、当時)、シーバースブラザーズ社(英)3社合弁によりキリン・シーグラム株式会社設立
1973年11月 富士御殿場蒸溜所完成、製造開始
1974年2月 国産ウイスキー「ロバートブラウン」発売
2002年7月 社名を「キリンディスティラリー株式会社」と変更(キリンビール株式会社の100%出資会社化)
2005年9月 国産ウイスキー「キリンウイスキー富士山麓 樽熟50°」「キリンウイスキー富士山麓シングルモルト18年」発売
2016年3月 「キリンウイスキー 富士山麓 ブレンデッド 18年」発売、「キリンウイスキー富士山麓 樽熟原酒50°」発売
2018年8月 「富士山麓 Signature Blend (シグニチャーブレンド)」発売
2020年4月 「キリンシングルグレーンウイスキー富士」発売

富士山のふもとに位置する「キリンディスティラリー(株)富士御殿場蒸溜所」はモルトウイスキーとグレーンウイスキーの仕込みからボトリングまで一貫して行う、世界でも珍しいウイスキー蒸留所です。
豊富な富士の伏流水、冷涼な気候、一年を通して幾度となく発生する霧、恵まれた自然環境の中で、ウイスキーをはじめ、ミネラルウォーターや缶チューハイなど、キリングループの多種多様な製品を製造しています。

2019年2月、将来のさらなるウイスキーの販売数量増加に備えて生産設備を増強、約80億円を投資。
多様なモルトウイスキー原酒を製造するため、小型の発酵タンク4基と蒸留器2系列4基を新設し原酒製造能力を約2倍に、樽熟成庫のリニューアル・大型化等により、樽の保管能力を約2割増強。将来にわたり高品質なウイスキーを安定して供給できる生産体制を目指す。稼働開始時期は2021年6月の予定。

引用元:キリンディスティラリー株式会社公式HP

富士御殿場蒸溜所の情報はこちら↓もご覧ください。

キリン富士御殿場蒸溜所 | ジャパニーズウイスキーディクショナ...
Japanese Whisky Dictionary

3.商品名と写真

キリン 富士山麓 樽熟原酒50°
Kirin FUJISANROKU Nonchill Filtered BLENDED

4.特徴

うまみ溶け込むアルコール度数50°
一般的にウイスキーはアルコール度数60度以上で樽詰めされ、熟成、ブレンドされた後、びん詰め時に製品のアルコール度数まで加水されます。この時にアルコール度数が急激に下がることで溶け込んでいた香味成分が溶けきれなくなり析出してしまいます。
「富士山麓 樽熟原酒50°」は、富士御殿場蒸溜所の環境下、香味上望ましい熟成方法を検証した結果、モルトウイスキーをアルコール度数50°、味わいの鍵となるグレーンウイスキーの一つにアルコール度数55°でバレル(180L小樽)熟成させた原酒を使用しています。
出来るだけ樽出し時に近い状態でびん詰め(※)することにこだわり、原酒本来のうまみを封じ込めています。

※これにより、樽熟成の度数とびん詰め度数がほとんど変化なく、香味成分の析出が少ない。

4-1.テイスティングノート

香り フルーティな樽熟香とモルトの香ばしさが調和した香りが初めに感じられます
味わい 口に含むと複雑に絡み合った香りが、ゆっくりと解き放たれます。舌で転がすときに広がる香味は、甘さを感じるほどまろやか
余韻 奥深い余韻が、心地よく鼻に抜けていきます

4-2.商品スペック

アルコール度数 50%
酒別 ブレンデッドウイスキー
樽種
内容量 700ml
販売本数
希望小売価格 1,620円(税込)
発売日

2016年2月17日

5.受賞歴

現時点では受賞歴はありません。

6.価格

6-1.メーカー希望小売価格

キリンウイスキー富士山麓 樽熟原酒50℃

商品名 キリン 富士山麓 樽熟原酒50℃
容量 700ml
希望小売価格 1,620円(税込)

6-2.メルカリでの転売価格

メルカリでの転売価格は、3,000円~3,900円前後となっています。(※2021/3/23時点)

6-3.ヤフーオークション落札価格

ヤフーオークションでの現在出品中の価格は、最安2,400円、最高3,980円、平均2,929円(※2021/3/23時点) 

6-4.楽天、ヤフーショッピング、Amazon

通販サイトでも、4,000円~4,500円前後で販売されています。 (※2021/3/22時点)

6-5.BAR新海での提供価格

当サイトが運営する「BAR新海」では、1杯、45ml:880円(税込)で提供しております。

「BAR新海」のご案内
Japanese Whisky Dictionaryが運営する「BAR新海」は、東京都港区に3店舗。当サイトで紹介しているジャパニーズウィスキーをはじめ、国産のジンやビールなども取扱い。オリジナルカクテル、フレッシュフルーツカクテルなども人気。食事も豊富で1件目からも利用可能。

7.まとめ

ロックや水割りも適していると思いますが、富士山麓 樽熟原酒50°」の真価を発揮できるのはソーダ割りでしょう。度数の高さと原酒の濃さからくるコシのあるウイスキーの風味がソーダによって引き伸ばされ、他の国産ウイスキーではなかなか体験できない骨太なハイボールを楽しむ事ができます。

キリンに関するその他の記事も是非ご覧ください。

【レビュー】シングルグレーンウイスキー富士
世界的に評価の高い富士御殿場蒸留所のグレーンウィスキー原酒のみを使用しており、香味タイプの異なる3種類のグレーン原酒を組み合わせ、それぞれの香味特長を生かした味わいになっている。フルーティーな果実香、オレンジやグレープが感じられる香味が特長のウィスキー。
【レビュー】富士山麓 シグニチャーブレンド
熟成のピークを迎えた原酒を厳選しブレンドした「富士山麓」の自信作このウイスキーの特徴として、熟成年数にこだわらず使用する原酒(モルト、樽材など)によって異なる熟成の進み具合に着目し、それぞれが最高の熟成度となる時期となる原酒をブレンドしているところにあります。
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最後に:ジャパニーズウイスキーのおすすめ書籍

世界的なトレンドを巻き起こしている「ジャパニーズウイスキー」の事をもっと知りたい、もっと勉強したいという方は、是非こちらの書籍をおすすめいたします。

(1).Whisky Galore(ウイスキーガロア)Vol.45 2024年8月号

<巻頭特集>
いま、再びのブレンデッドウイスキー
データで読み解く ブレンデッドウイスキーの現在
スコッチの人気銘柄 6ブランドを紹介

ハイボール缶大試飲会

定番から発売したての新商品まで ガロアテイスター陣が全20種類を飲んで語る!<新シリーズ始動>

ジャパニーズクラフトの開拓者たち[第1回]
秩父蒸溜所 肥土伊知郎
現在のクラフトウイスキームーブメントの礎を築いた“ジャパニーズクラフトの開拓者たち”に編集長・土屋守がロングインタビューを実施<編集長インタビュー>
◆デュワーズ7代目マスターブレンダー ステファニー・マクラウド氏に聞く
◆スチュアート・ハーヴェイ氏に聞く「オールドプルトニー ポート」の味わい
<特別リポート>
◆アジア最大にして、世界のトップ10 ──快進撃が止まらないカバラン蒸留所
◆天鏡蒸溜所 竣工記念内覧会とトークショー
◆森の京都蒸溜所 京素材や和漢ボタニカルを使ったジン造り
◆ウイスキーコニサークラブ国内蒸留所ツアー第3弾 井川蒸溜所
◆琵琶湖ウイスキークルーズ2024
◆ウイスキー検定合格者限定ツアー第10弾 三郎丸蒸留所/T&T TOYAMA
<特別企画>
◆東京ウイスキー&スピリッツコンペティション2024 受賞結果
<人気連載>
◆The Tasting 話題の30本をテイスティング!

(2).ビジネスに効く教養としてのジャパニーズウイスキー

世界的にも有名なウイスキー評論家で、ウイスキー文化研究所代表 土屋守先生の著書「ビジネスに効く教養としてのジャパニーズウイスキー」です。
ウイスキーの基礎知識、日本へのウイスキーの伝来、ジャパニーズウイスキーの誕生、広告戦略とジャパニーズウイスキーの盛隆、そして、現在のクラフト蒸留所の勃興まで。日本のウイスキーの事が非常にわかりやすくまとめられた一冊。

(3).ウイスキーと私(竹鶴政孝)

日本でのウイスキー醸造に人生を捧げた、ニッカウヰスキー創業者・竹鶴政孝。ただひたすらにウイスキーを愛した男が自らを語った自伝の改訂復刻版。若き日、単身スコットランドに留学し、幾多の苦難を乗り越えてジャパニーズ・ウイスキーを完成させるまでの日々や、伴侶となるリタのことなどが鮮やかに描かれる。

(4).新世代蒸留所からの挑戦状

2019年発売。世界に空前のウイスキーブームが到来しているいま、クラフト蒸留所の経営者たちは何を考え、どんな想いでウイスキー造りに挑んだのか。日本でクラフト蒸留所が誕生するきっかけを作った、イチローズ・モルトで有名なベンチャーウイスキーの肥土伊知郎氏をはじめとする、13人のクラフト蒸留所の経営者たちが世界に挑む姿を綴った1冊。

(5).ウイスキーライジング

2016年にアメリカで出版された『Whisky Risng』の日本語版であり、内容も大幅にアップデート。ジャパニーズ・ウイスキーの歴史が詳細に記述されているだけでなく、近年、創設がつづくクラフト蒸溜所を含む、日本の全蒸溜所に関するデータも掲載。そのほかにも、今まで発売された伝説的なボトルの解説や、ジャパニーズ・ウイスキーが飲めるバーなども掲載されています。

(6).ウイスキーと風の味

1969年にニッカウヰスキーに入社した、三代目マスターブレンダーの佐藤茂夫氏の著書。
『ピュアモルト』『ブラックニッカクリア』『フロム・ザ・バレル』の生みの親でもあり、なかでも『シングルモルト余市1987』はウイスキーの国際的コンペティションWWA(ワールド・ウイスキー・アワード)にて「ワールド・ベスト・シングルモルト」を受賞。
竹鶴政孝竹鶴威の意志を引き継いだブレンダー界のレジェンドが語る今昔。

この記事を書いた人
新海 博之

1981年7月17日 北海道北広島市出身
大学卒業後、NTTデータカスタマサービス㈱へ新卒入社。
2010年「麻布十番BAR新海」を開業 → 2016年、名物「薬膳カレー」を開発 → 2018年「虎ノ門BAR新海」、2019年には「芝大門BAR新海」を開業 → 2020年 ウェブメディア「Japanese Whisky Dictionary」をスタート。
バーテンダーの私達だから出来る事として、ジャパニーズウイスキーの魅力を日々発信する。

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