【レビュー】ザ・ニッカ12

ウィスキーレビュー
ウィスキーレビュー
ニッカウヰスキー余市蒸溜所宮城峡蒸溜所
2022/6/24 【メーカー希望小売価格】等変更

竹鶴政孝がこだわり続けたブレンデッドウイスキー。12年以上の原酒を厳選してブレンドしたプレミアムブレンデッドウイスキー「ザ・ニッカ12」。

ブレンデッドの自由さから生まれた未知なる洗練!
ニッカが誇るモルト原酒とカフェグレーンの出会い!
竹鶴政孝から受け継ぐ卓越した技術で達成した美しいバランス。

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1.メーカー

ニッカウヰスキー株式会社

設立 1934年(昭和9年)
本社所在地 〒107-8616 東京都港区南青山5丁目4番31号
所有蒸留所 余市蒸溜所、宮城峡蒸溜所、ベンネヴィス蒸留所

2.蒸留所

余市蒸溜所

所在地 〒046-0003 北海道余市郡余市町黒川町7丁目6
操業開始 1936年

日本のスコットランドと称されている北海道の「余市蒸溜所」。マッサンこと竹鶴政孝により前身の大日本果汁株式会社が1934年に設立。 竹鶴政孝はスコットランドに似た冷涼で湿潤な気候、豊かな水源と凛と澄んだ空気がそろった場所こそが理想のウイスキーづくりには欠かせないと考え、様々な候補地の中から小樽の西、積丹半島の付根に位置する余市を選びました。 竹鶴政孝が最初の蒸留所で目指したのは、重厚で力強いモルトウイスキーづくりでした。本場スコットランドの蒸留所で学んだウイスキーづくりの手法を、一切の妥協を許さずそのまま再現することにこだわりました。そのこだわりの象徴が「石炭直火蒸留」です。 自らが学んだロングモーン蒸留所の方式にならい、この蒸留方法を採用。本物のウイスキーをつくるために必要なことであれば、たとえ非効率的であっても守り抜いていく。そんなニッカウヰスキーの原点とも言える情熱と竹鶴政孝の夢への思いが今もなお受け継がれています。

余市蒸溜所公式HPはこちら

余市蒸溜所の詳細情報は、こちらの記事もご覧ください。

余市蒸溜所 | ジャパニーズウイスキーディクショナリー
Japanese Whisky Dictionary

宮城峡蒸溜所

所在地 〒989-3433 宮城県仙台市青葉区ニッカ1番地
操業開始 1969年

北海道・余市で第一の蒸留所をスタートさせてから約30年。 「異なる蒸留所で生まれた複数の原酒をブレンドすることで、ウイスキーはより味わい深く豊かになる」という信念を抱く竹鶴政孝にとって、第二の蒸留所はどうしても必要でした。 竹鶴が選んだ地は仙台・宮城峡。広瀬川と新川というふたつの清流に恵まれた緑豊かな峡谷。竹鶴は初めてこの地を訪れた時、新川の清流で持っていたブラックニッカを割って飲み、味わいを確認。その場で蒸留所建設を決定したと言われています。 宮城峡蒸溜所が誇るのが「カフェ式連続式蒸留機」。 導入当時、すでに旧式とされていた蒸留機です。旧式だからこそ雑味となる成分が残りやすいのですが、技術によってそれを原料本来の香りや甘みに変えることができるため、竹鶴はあえてこの旧式蒸留機を選びました。宮城峡蒸溜所では、今なお竹鶴の情熱を受け継ぐ人々がウイスキーのおいしさを求め、さまざまな試みを続けています。

画像出展:宮城峡蒸溜所|NIKKA WHISKY

宮城峡蒸溜所の詳細情報は、こちらの記事もご覧ください。

宮城峡蒸溜所 | ジャパニーズウイスキーディクショナリー
Japanese Whisky Dictionary

ニッカのブレンデッドの特徴は、3つの蒸溜器(機)が生み出す原酒から成り立っている。
ひとつは余市蒸溜所のストレート型ポットスチル。現在では世界唯一の石炭直火蒸溜を行うストレート型のスチルからはヘビーで力強いモルトがつくられる。ピートやスモークも十分にのったフルボディさが魅力の原酒です。
もうひとつは宮城峡蒸溜所のバルジ型ポットスチル。スチーム間接蒸溜によって生み出される華やかで香り高いモルトは、余市と全く異なるタイプの原酒です。余市をハイランド、宮城峡をローランドとなぞらえて、それぞれ特色を生かしたウイスキーがつくられています。
そして創業者 竹鶴政孝氏が「グレーンウイスキーを使うようにならなければ、日本のウイスキーは一人前とは言えない」と切望し、1963年に導入された宮城峡のカフェ式連続式蒸溜機からつくられるグレーンウイスキー。余市と宮城峡の個性的なモルトとのバランスを取るために欠かせない存在です。それを竹鶴氏から脈々と続くブレンディング技術がまとめ上げる。
そのニッカ史上最高作となるのが、社名を冠した「ザ・ニッカ」です。

3.商品名と写真

ザ・ニッカ12
The Nikka 12

4.特徴

ブレンデッドの無限の可能性に挑んだ予想を超えたバランス
12年以上の原酒を厳選してブレンドしたプレミアムブレンデッドウイスキー。
磨き抜かれたブレンドの技が凝縮した、ザ・ニッカ12年。
重厚で力強く、ピートの香りたつ個性的な余市モルトと華やかでフルーティー、軽やかな宮城峡モルトを、甘くまろやかなカフェグレーンがふんわりと包み込む。
味わいは香ばしいビスケットやシリアル、メロン、桃のシロップのような甘さが感じられる。
モルトベースのしっかりした熟成感と、とろりとしたメローなコクが溶けあい、かすかにココアやシナモンが漂う心地よい余韻へと続きます。
ウイスキーらしい味わいと香り、すべての要素をバランスよく満たす、美しいまでの調和を実現。
緻密に計算されたブレンディングの賜物という印象。それでいてニッカらしい個性が全面に押し出された、頼もしい紳士のようなウイスキーです。

ボトルデザインには重なり合う着物の衿もとをイメージした大胆なカッティングが施されている。「重なる」「和の心」を表現したボトルデザインが、ジャパニーズブレンデッドとしての誇りを体現しているかのよう。木のキャップも重厚感が感じられる。

メーカーHPに掲載のテイスティングノートは以下です。

4-1.テイスティングノート

香り 豊かなモルト香と、果実やブーケのような華やかな香り。バニラやキャラメルを思わせる、甘い樽熟成香
味わい まろやかでスムースな口当たり。しっかりとしたモルトのコクを、カフェグレーンのやわらかな甘さが調和した、軽やかで伸びのある味わい
余韻 カカオやクッキーのような甘く豊かな芳香が、微かにスパイス、ビターを伴い、心地よく続く

4-2.商品スペック

アルコール度数 43%
酒別 ブレンデッド
樽種
内容量 700ml
販売本数 60,000本
希望小売価格 7,150円(税込)
発売日 2014年9月30日(火)

5.受賞歴

  • 2017 ISC 金賞
  • 2015 グッドデザイン賞

6.価格

6-1.メーカー希望小売価格

画像出典:LOHAKO

商品名 ザ・ニッカ12
容量 700ml
希望小売価格 7,150円(税込)

6-2.メルカリでの転売価格 ※2024年8月28日更新

最新のメルカリでの転売価格は、15,800円〜20,000円前後で取引が行われているようです。(※2024/8/28時点)

しかし、すでにメーカー終売品となっている為、これから更に高値で取引されていく可能性もありそうです。

メルカリでの転売価格は、7,000円~18,000円前後となっています。(※2022/6/24時点)


6-3.ヤフーオークション落札価格 ※2024年8月28日更新

最新のヤフーオークション落札価格は、15,180円〜20,000円前後の価格帯を中心として、取引が行われているようです。(2024/8/28時点)

すでにメーカー終売品となっている為、「ザ・ニッカ12」ファンにとっては今後の価格動向が気になるところです。

ヤフーオークションでの落札価格は、最安8,250円、最高14,800円、平均11,538円 (※2022/6/24時点より過去180日間の統計情報

6-4.楽天、ヤフーショッピング、Amazon

通販サイトでも、15,800円~25,700円前後で販売されています。 (※2022/6/24時点)

6-5.BAR新海での提供価格

当サイトが運営する「BAR新海」では、1、45ml:1,760円(税込)にて提供しております。

「BAR新海」のご案内
Japanese Whisky Dictionaryが運営する「BAR新海」は、東京都港区に3店舗。当サイトで紹介しているジャパニーズウィスキーをはじめ、国産のジンやビールなども取扱い。オリジナルカクテル、フレッシュフルーツカクテルなども人気。食事も豊富で1件目からも利用可能。

7.まとめ

かなりマイルドで飲みやすいウイスキーで美味しい。バニラの甘さを感じるマイルドな口あたり、飲み干してしばらくするとスパイシーさを舌に感じ始めます。香りのアルコール臭さはまったく感じることもありません。日本のウイスキーによくある、少しツンとした後味が嫌味なく広がるのが特徴です。
また水と1:1で割っても、味の変化が少なく、さらにマイルドになり美味いので、ウイスキー初心者にはお薦めです。

しかし、そんな「ザ・ニッカ12」も残念ながら2019年3月末を目途に、在庫がなくなり次第終売することが発表されております。
後継商品として、2019年4月9日に「ザ・ニッカ(ノンエイジ)」が発売されます。
12年物からノンエイジに変更されますが、価格体系は従来と同じく希望小売価格6,000円(本体価格)と実質は値上げになったと言わざるを得ないです。

まだ飲んだことのない方、ウイスキー初心者の方、是非ともBAR新海でご賞味ください。


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2020年3月竹鶴17年・竹鶴21年・竹鶴25年が終売。竹鶴ピュアモルト(年数表記なし)はリニューアル。余市モルトの原酒使用比率を高め、香りやコクの余韻が付け足されました。北の海に鍛えられたモルトと、緑の峡谷で育まれたモルトを磨きあげ、組みあわせてできたのが新竹鶴ピュアモルトです。
【レビュー】ブラックニッカ ナイトクルーズ
「大人の夜を楽しむ」「夜の深みに旅に出る」という「ブラックニッカ ディープブレンド」のブランドコンセプトも基に、なめらかで甘いコクと、深く濃厚な味わい。長期熟成を重ねた余市ヘビーピートモルトがもたらす、しっかりとしたピートと樽のビターな余韻が口の中に広がり、長く心地よく続きます。
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最後に:ジャパニーズウイスキーのおすすめ書籍

世界的なトレンドを巻き起こしている「ジャパニーズウイスキー」の事をもっと知りたい、もっと勉強したいという方は、是非こちらの書籍をおすすめいたします。

(1).Whisky Galore(ウイスキーガロア)Vol.46 2024年10月号

【巻頭特集】
「新アイリッシュ・ルネッサンス[第1弾]」
【第2特集】
「ガロア的 東京のバー、パブ巡り」
【連載】
「ジャパニーズクラフトの開拓者たち」
前号からスタートしたこの連載。第2回では厚岸蒸溜所の樋田恵一氏を編集長がインタビューします。

(2).ビジネスに効く教養としてのジャパニーズウイスキー

世界的にも有名なウイスキー評論家で、ウイスキー文化研究所代表 土屋守先生の著書「ビジネスに効く教養としてのジャパニーズウイスキー」です。
ウイスキーの基礎知識、日本へのウイスキーの伝来、ジャパニーズウイスキーの誕生、広告戦略とジャパニーズウイスキーの盛隆、そして、現在のクラフト蒸留所の勃興まで。日本のウイスキーの事が非常にわかりやすくまとめられた一冊。

(3).ウイスキーと私(竹鶴政孝)

日本でのウイスキー醸造に人生を捧げた、ニッカウヰスキー創業者・竹鶴政孝。ただひたすらにウイスキーを愛した男が自らを語った自伝の改訂復刻版。若き日、単身スコットランドに留学し、幾多の苦難を乗り越えてジャパニーズ・ウイスキーを完成させるまでの日々や、伴侶となるリタのことなどが鮮やかに描かれる。

(4).新世代蒸留所からの挑戦状

2019年発売。世界に空前のウイスキーブームが到来しているいま、クラフト蒸留所の経営者たちは何を考え、どんな想いでウイスキー造りに挑んだのか。日本でクラフト蒸留所が誕生するきっかけを作った、イチローズ・モルトで有名なベンチャーウイスキーの肥土伊知郎氏をはじめとする、13人のクラフト蒸留所の経営者たちが世界に挑む姿を綴った1冊。

(5).ウイスキーライジング

2016年にアメリカで出版された『Whisky Risng』の日本語版であり、内容も大幅にアップデート。ジャパニーズ・ウイスキーの歴史が詳細に記述されているだけでなく、近年、創設がつづくクラフト蒸溜所を含む、日本の全蒸溜所に関するデータも掲載。そのほかにも、今まで発売された伝説的なボトルの解説や、ジャパニーズ・ウイスキーが飲めるバーなども掲載されています。

(6).ウイスキーと風の味

1969年にニッカウヰスキーに入社した、三代目マスターブレンダーの佐藤茂夫氏の著書。
『ピュアモルト』『ブラックニッカクリア』『フロム・ザ・バレル』の生みの親でもあり、なかでも『シングルモルト余市1987』はウイスキーの国際的コンペティションWWA(ワールド・ウイスキー・アワード)にて「ワールド・ベスト・シングルモルト」を受賞。
竹鶴政孝、竹鶴威の意志を引き継いだブレンダー界のレジェンドが語る今昔。

この記事を書いた人
新海 博之

1981年7月17日 北海道北広島市出身
大学卒業後、NTTデータカスタマサービス㈱へ新卒入社。
2010年「麻布十番BAR新海」を開業 → 2016年、名物「薬膳カレー」を開発 → 2018年「虎ノ門BAR新海」、2019年には「芝大門BAR新海」を開業 → 2020年 ウェブメディア「Japanese Whisky Dictionary」をスタート。
バーテンダーの私達だから出来る事として、ジャパニーズウイスキーの魅力を日々発信する。

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