【レビュー】竹鶴ピュアモルト 新ラベル

ウィスキーレビュー
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ニッカウヰスキー余市蒸溜所宮城峡蒸溜所

北の海に鍛えられたモルトと、緑の峡谷で育まれたモルトを磨きあげ、組みあわせ、まとめあげた比類ないウイスキー。 力強さや華やかさ、重厚さ、かろやかさなど、多様な香りや味わいが共存しつつ、ひとつの世界をつくりあげる、異色のピュアモルト。

その裏には、ニッカウヰスキーが培ってきた芸術的なまでのブレンドの技があります。 星の数ほどの原酒を探求し尽くして身につけた、深い知見をもとに、未来を見つめながら、かつてない調和を形づくる。 新しい「竹鶴ピュアモルト」です。

メーカー希望小売価格が税抜きで「7,000円(2024年4月1日から)」となりました。外的要因での価格改定ということで、脈々と受け継がれてきた「竹鶴」ブランドの品質を保つためには致し方のない改定だと理解ができます。

生涯、ウイスキーに情熱を注ぎ込んだ、日本ウイスキーの父、竹鶴政孝。その名を冠した「竹鶴」は、今を生きる作り手により『やわらかさ』『まろやかさ』が、しっかりと息吹いています。その息吹は、創業者の竹鶴氏ご本人のお人柄を表しているのかも知れませんね。

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0.最新更新情報

2024年8月20日更新

2024年4月1日のニッカウヰスキー価格改定に伴い、竹鶴ピュアモルトのメーカー希望小売価格が下記の通り改定となりました。

商品名 旧価格 新価格
竹鶴ピュアモルト 4,500円(税別) 7,000円(税別)
【2024年4月1日より値上げ】ニッカ「竹鶴」「余市」「宮城峡」...
2023年12月19日のニュースリリースで、「国産洋酒・輸入洋酒の一部商品の価格改定」を発表。国産ウイスキーの対象商品は、「ブラックニッカ」「ハイニッカ」「竹鶴ピュアモルト」「シングルモルト余市」「シングルモルト宮城峡」「ザ・ニッカ」「ニッカ セッション」「スーパーニッカ」で、2024年4月1日出荷分より値上げとなる。余市や宮城峡の値上げは2022年10月以来1年6カ月ぶり。

2022年6月16日更新

2022年10月1日のニッカウヰスキー価格改定に伴い、竹鶴ピュアモルトのメーカー希望小売価格が下記の通り改定となりました。

商品名 旧価格 新価格
竹鶴ピュアモルト 4,000円(税別) 4,500円(税別)
【2022年10月1日】ニッカウイスキー値上げ
アサヒビールは2022年10月1日の出荷分から一部商品の値上げを発表。ウイスキーは10品目が値上げとなり,ジャパニーズウイスキーは「シングルモルト余市」「シングルモルト宮城峡」などが対象。「ブラックニッカ」などスタンダード価格帯の商品は対象外。

1.ボトルとラベルの写真

竹鶴ピュアモルト 新ラベル
Taketsuru Pure Malt

2.竹鶴ピュアモルトの特徴

余市のモルト原酒比率を高めた新竹鶴ピュアモルト
余市モルトの原酒使用比率を高めることで、香りやコクの余韻が付け足されました。また、ラベルがブラックからベージュ色に変更されると共に、デザインも新しいものに変更されるなど、ウイスキーファンから再注目されている銘柄です。

2-1.テイスティングノート

香り りんごや杏のようなフレッシュで甘酸っぱい果実香、トーストやバニラを思わせる甘くやわらかな樽香
味わい バナナやネーブルオレンジのようなフルーティーさ、軽快でありながらしっかりとしたモルトの厚みやピートのコクが感じられる味わい
余韻 ビターチョコのような甘くほろ苦い余韻が、穏やかな樽香やピート香を伴い心地よく続く

2-2.商品スペック

アルコール度数 43%
酒別 ピュアモルトウイスキー
樽種 シェリー樽ほか
内容量 700ml
販売本数 年間販売数量22,000ケース(700ml×12本)限定
希望小売価格 7,700円(税込)
発売日 2020年3月31日

3.受賞歴

現時点では受賞歴はありません。

4.価格

4-1.メーカー希望小売価格

商品名 竹鶴ピュアモルト 新ラベル
容量 700ml
希望小売価格 4,500円(税込:4,950円)※2022年10月1日改定価格
7,000円(税込:7,700円)※2024年4月1日改定価格

4-2.メルカリでの転売価格

メルカリでの転売価格は、11000円~13000円前後となっております。(※2024/8/20時点)
送料込みを前提にすると、Amazonや楽天よりも若干安く入手する事が出来そうです。

メルカリでの転売価格は、7,000円~10,000円前後となっています。(※2022/6/20時点)

4-3.ヤフーオークション落札価格

ヤフーオークションでの落札価格は、1本あたり6600円~10000円前後となっております。(※2024/8/20時点)
落札額にかなり幅がありますが、場合によっては定価を下回る金額で入手出来るかもしれません。

ヤフーオークションでの落札価格は、最安6,200円、最高6,500円、平均6,370円 (※2022/6/20時点より過去180日間の統計情報)

4-4.楽天、ヤフーショッピング、Amazon

通販サイトでは、10000円~13000円前後で販売されています。(※2024/8/20時点)
未だ品薄による市場での希少価値が上乗せされ、定価よりも数千円高値になっております。

通販サイトでも、8,200円~10,780前後で販売されています。 (※2022/6/20時点)

4-5.BAR新海での提供価格

当サイトが運営する「BAR新海」では、1杯、45ml:2310円、30ml:1540円、15ml:770円 にて提供しております。

「BAR新海」のご案内
Japanese Whisky Dictionaryが運営する「BAR新海」は、東京都港区に3店舗。当サイトで紹介しているジャパニーズウィスキーをはじめ、国産のジンやビールなども取扱い。オリジナルカクテル、フレッシュフルーツカクテルなども人気。食事も豊富で1件目からも利用可能。

5.ニッカウヰスキーについて

ニッカウヰスキー株式会社

設立 1934年(昭和9年)
本社所在地 〒107-8616 東京都港区南青山5丁目4番31号
所有蒸留所 余市蒸溜所、宮城峡蒸溜所、ベンネヴィス蒸留所

6.蒸留所について

余市蒸溜所

所在地 〒046-0003 北海道余市郡余市町黒川町7丁目6
操業開始 1936年

日本のスコットランドと称されている北海道の「余市蒸溜所」。マッサンこと竹鶴政孝により前身の大日本果汁株式会社が1934年に設立。 竹鶴政孝はスコットランドに似た冷涼で湿潤な気候、豊かな水源と凛と澄んだ空気がそろった場所こそが理想のウイスキーづくりには欠かせないと考え、様々な候補地の中から小樽の西、積丹半島の付根に位置する余市を選びました。 竹鶴政孝が最初の蒸留所で目指したのは、重厚で力強いモルトウイスキーづくりでした。本場スコットランドの蒸留所で学んだウイスキーづくりの手法を、一切の妥協を許さずそのまま再現することにこだわりました。そのこだわりの象徴が「石炭直火蒸留」です。 自らが学んだロングモーン蒸留所の方式にならい、この蒸留方法を採用。本物のウイスキーをつくるために必要なことであれば、たとえ非効率的であっても守り抜いていく。そんなニッカウヰスキーの原点とも言える情熱と竹鶴政孝の夢への思いが今もなお受け継がれています。

余市蒸溜所公式HPはこちら

余市蒸溜所の詳細情報は、こちらの記事もご覧ください。

余市蒸溜所 | ジャパニーズウイスキーディクショナリー
Japanese Whisky Dictionary

宮城峡蒸溜所

所在地 〒989-3433 宮城県仙台市青葉区ニッカ1番地
操業開始 1969年

北海道・余市で第一の蒸留所をスタートさせてから約30年。 「異なる蒸留所で生まれた複数の原酒をブレンドすることで、ウイスキーはより味わい深く豊かになる」という信念を抱く竹鶴政孝にとって、第二の蒸留所はどうしても必要でした。 竹鶴が選んだ地は仙台・宮城峡。広瀬川と新川というふたつの清流に恵まれた緑豊かな峡谷。竹鶴は初めてこの地を訪れた時、新川の清流で持っていたブラックニッカを割って飲み、味わいを確認。その場で蒸留所建設を決定したと言われています。 宮城峡蒸溜所が誇るのが「カフェ式連続式蒸留機」。 導入当時、すでに旧式とされていた蒸留機です。旧式だからこそ雑味となる成分が残りやすいのですが、技術によってそれを原料本来の香りや甘みに変えることができるため、竹鶴はあえてこの旧式蒸留機を選びました。宮城峡蒸溜所では、今なお竹鶴の情熱を受け継ぐ人々がウイスキーのおいしさを求め、さまざまな試みを続けています。

画像出展:宮城峡蒸溜所|NIKKA WHISKY

宮城峡蒸溜所の詳細情報は、こちらの記事もご覧ください。

宮城峡蒸溜所 | ジャパニーズウイスキーディクショナリー
Japanese Whisky Dictionary

ニッカウヰスキーの名品「竹鶴ピュアモルト」創業者の思いと歴史も是非ご覧ください。

ニッカウヰスキーの名品「竹鶴ピュアモルト」創業者の思いや歴史、販...
ニッカウヰスキーを代表するウイスキー「竹鶴ピュアモルト」。名前は聞いたことがあるけど、実際には飲んだことがないという方もいるのではないでしょうか。 今回はそんな「竹鶴ピュアモルト」の歴史や創業者の思い

■竹鶴に関するその他の記事も是非ご覧ください。

【レビュー】竹鶴17年ピュアモルト
2001年に発売されたニッカ竹鶴17年ピュアモルト。余市、宮城峡、二つの蒸留所のキーモルトをブレンド。竹鶴17年を含め竹鶴と名を冠したウイスキーの受賞回数は35回。名実ともに最高のウイスキー。残念ながら原酒不足により竹鶴の年代物は2020年3月末で販売終了となっている。
【レビュー】竹鶴21年ピュアモルト
竹鶴21年ピュアモルトはウィスキーの世界的な品評会「ワールド・ウイスキー・アワード(WWA)」において、2007年、2009年、2010年、2011年に「ワールド・ベスト・ブレンデッドモルト(ピュアモルト)ウイスキー」を受賞し、世界最高のピュアモルトウィスキーとして認定されてきました。

7.まとめ

2020年3月をもって竹鶴17年竹鶴21年竹鶴25年終売となり、竹鶴ピュアモルト(年数表記なし)はリニューアル。いわゆる「竹鶴」を名乗るウイスキーはこの「竹鶴ピュアモルト 新ラベル」のみとなってしまいました。
これによりニッカが現行で販売するウイスキーからヴィンテージ(年数表記あり)ウイスキーは姿を消してしまいました。 その竹鶴ピュアモルト 新ラベルも年間22,000ケース販売とのことですが、なかなか目にすることはできない状況が続いています。

2021年1月に発表されたDRINKS INTERNATIONAL ANNUAL BRANDS REPORT 2021の「WORLD WHISKY部門」で6年連続NO.1のニッカ

ニッカが圧倒的1位。サントリーが2位。DRINKS INTERN...
2021年1月に発表されたDRINKS INTERNATIONAL ANNUAL BRANDS REPORT 2021の「WORLD WHISKY部門」で、ニッカが1位、サントリーが2位、その他、山桜、イチローズモルト、マルス、軽井沢がランクイン。

昨年9月に新ブランド「セッションSESSION」を発売。それに続く動きはあるのか、今年に入ってまだ大きな動きを見せてないニッカですが、そろそろ毎年恒例の余市・宮城峡の限定品の情報が出てくる時期なのか。サントリーに負けず劣らずな動きを期待してしまいます。

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最後に:ジャパニーズウイスキーのおすすめ書籍

世界的なトレンドを巻き起こしている「ジャパニーズウイスキー」の事をもっと知りたい、もっと勉強したいという方は、是非こちらの書籍をおすすめいたします。

(1).Whisky Galore(ウイスキーガロア)Vol.46 2024年10月号

【巻頭特集】
「新アイリッシュ・ルネッサンス[第1弾]」
【第2特集】
「ガロア的 東京のバー、パブ巡り」
【連載】
「ジャパニーズクラフトの開拓者たち」
前号からスタートしたこの連載。第2回では厚岸蒸溜所の樋田恵一氏を編集長がインタビューします。

(2).ビジネスに効く教養としてのジャパニーズウイスキー

世界的にも有名なウイスキー評論家で、ウイスキー文化研究所代表 土屋守先生の著書「ビジネスに効く教養としてのジャパニーズウイスキー」です。
ウイスキーの基礎知識、日本へのウイスキーの伝来、ジャパニーズウイスキーの誕生、広告戦略とジャパニーズウイスキーの盛隆、そして、現在のクラフト蒸留所の勃興まで。日本のウイスキーの事が非常にわかりやすくまとめられた一冊。

(3).ウイスキーと私(竹鶴政孝)

日本でのウイスキー醸造に人生を捧げた、ニッカウヰスキー創業者・竹鶴政孝。ただひたすらにウイスキーを愛した男が自らを語った自伝の改訂復刻版。若き日、単身スコットランドに留学し、幾多の苦難を乗り越えてジャパニーズ・ウイスキーを完成させるまでの日々や、伴侶となるリタのことなどが鮮やかに描かれる。

(4).新世代蒸留所からの挑戦状

2019年発売。世界に空前のウイスキーブームが到来しているいま、クラフト蒸留所の経営者たちは何を考え、どんな想いでウイスキー造りに挑んだのか。日本でクラフト蒸留所が誕生するきっかけを作った、イチローズ・モルトで有名なベンチャーウイスキーの肥土伊知郎氏をはじめとする、13人のクラフト蒸留所の経営者たちが世界に挑む姿を綴った1冊。

(5).ウイスキーライジング

2016年にアメリカで出版された『Whisky Risng』の日本語版であり、内容も大幅にアップデート。ジャパニーズ・ウイスキーの歴史が詳細に記述されているだけでなく、近年、創設がつづくクラフト蒸溜所を含む、日本の全蒸溜所に関するデータも掲載。そのほかにも、今まで発売された伝説的なボトルの解説や、ジャパニーズ・ウイスキーが飲めるバーなども掲載されています。

(6).ウイスキーと風の味

1969年にニッカウヰスキーに入社した、三代目マスターブレンダーの佐藤茂夫氏の著書。
『ピュアモルト』『ブラックニッカクリア』『フロム・ザ・バレル』の生みの親でもあり、なかでも『シングルモルト余市1987』はウイスキーの国際的コンペティションWWA(ワールド・ウイスキー・アワード)にて「ワールド・ベスト・シングルモルト」を受賞。
竹鶴政孝、竹鶴威の意志を引き継いだブレンダー界のレジェンドが語る今昔。

 

この記事を書いた人
深瀬 悠二

北海道札幌市出身。
2005年、大手スポーツ用品販売チェーンに就職→2019年1月、BAR新海に就職しウイスキーの魅力に引き込まれ虜となる。初めて飲んだウイスキーはアードベッグ10年。ほぼ毎日ウイスキーを飲む中で更なる知識習得を目指し、ウイスキー検定2級とJC級(ジャパニーズクラフトウイスキー)を取得。
造り手の想いをしっかりと表現し、飲み手の方々に正しい情報を伝えたい。ウイスキーの魅力をたくさんの方に伝えたいという思いでウェブメディア「Japanese Whisky Dictionary」の編集を担当。

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