【レビュー】竹鶴17年ピュアモルト

ウィスキーレビュー
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ニッカウヰスキー余市蒸溜所宮城峡蒸溜所

竹鶴はニッカが製造し、アサヒが販売しているウイスキーです。
2000年に「竹鶴12年ピュアモルト」として、ニッカウヰスキーから発売されたのが初出。「竹鶴12年ピュアモルト」が発売した当時、ライバルのサントリーウイスキー「山崎」が6,000円に設定していたが、竹鶴12年は660mlで2,450円という破格の安さで販売され好評を博し、翌2001年には「竹鶴17年ピュアモルト」が発売。

その後、「竹鶴21年ピュアモルト」「竹鶴25年ピュアモルト」も続いて発売されました。
NHK朝ドラ「マッサン」で火が付き、海外での人気も今となってはスタンダードに世界で認知され、海外でのジャパニーズウイスキーの需要は高まる一方でしたが、残念ながら2020年に竹鶴の年代物は原酒不足になり販売終了となってしまいました。

現在入手は困難ですが、「日本のウイスキーの父」竹鶴家の名を冠するに相応しく、最高のブレンデッドウイスキーと評され、数々の賞を受賞した日本を代表するウイスキーの一本です。
BAR等で見かけたときにはぜひ飲んでみてください。

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1.メーカー

ニッカウヰスキー株式会社

設立 1934年(昭和9年)
本社所在地 〒107-8616 東京都港区南青山5丁目4番31号
所有蒸留所 余市蒸溜所、宮城峡蒸溜所、ベンネヴィス蒸留所

2.蒸留所

余市蒸溜所

所在地 〒046-0003 北海道余市郡余市町黒川町7丁目6
操業開始 1936年

日本のスコットランドと称されている北海道の「余市蒸溜所」。マッサンこと竹鶴政孝により前身の大日本果汁株式会社が1934年に設立。
竹鶴政孝はスコットランドに似た冷涼で湿潤な気候、豊かな水源と凛と澄んだ空気がそろった場所こそが理想のウイスキーづくりには欠かせないと考え、様々な候補地の中から小樽の西、積丹半島の付根に位置する余市を選びました。 竹鶴政孝が最初の蒸留所で目指したのは、重厚で力強いモルトウイスキーづくりでした。

本場スコットランドの蒸留所で学んだウイスキーづくりの手法を、一切の妥協を許さずそのまま再現することにこだわりました。そのこだわりの象徴が「石炭直火蒸留」です。 自らが学んだロングモーン蒸留所の方式にならい、この蒸留方法を採用。本物のウイスキーをつくるために必要なことであれば、たとえ非効率的であっても守り抜いていく。そんなニッカウヰスキーの原点とも言える情熱と竹鶴政孝の夢への思いが今もなお受け継がれています。

余市蒸溜所公式HPはこちら

余市蒸溜所の詳細はこちらの記事もご覧ください。

余市蒸溜所 | ジャパニーズウイスキーディクショナリー
Japanese Whisky Dictionary

宮城峡蒸溜所

所在地 〒989-3433 宮城県仙台市青葉区ニッカ1番地
操業開始 1969年

ニッカウヰスキー第2の蒸留所「宮城峡蒸溜所」
余市蒸溜所と並ぶニッカウヰスキーの原酒工場。
余市蒸溜所がスタートして約30年後、創業者の竹鶴政孝は余市とは異なる個性のモルトウイスキーづくりを目指し、次なる蒸留所建設の地を探し、数ある候補の中から選ばれたのが、杜の都・仙台でした。
仙台の街から西へ約25km、山形との県境に近いこの地は、広瀬川と新川というふたつの清流に恵まれた緑豊かな峡谷です。竹鶴は初めてこの地を訪れた時、新川の清流で持っていたブラックニッカを割って飲み、味わいを確認。その場で蒸溜所建設を決定したと言われています。

本場スコットランドの風土に例えて「ハイランド余市とローランド宮城峡」と表現されたり、余市は「男性的」、宮城峡は「女性的」と評価されている。

画像出展:宮城峡蒸溜所|NIKKA WHISKY

宮城峡蒸留所の詳細はこちらの記事もご覧ください。

宮城峡蒸溜所 | ジャパニーズウイスキーディクショナリー
Japanese Whisky Dictionary

3.商品名と写真

ニッカ 竹鶴17年ピュアモルト
Nikka Taketsuru17year  Pure Malt

4.特徴

日本が誇る究極のブレンデッドモルトウイスキー

余市、宮城峡、二つの蒸留所のキーモルトを使用しチーフブレンダー佐久間正氏のブレンド技術が遺憾なく発揮されており、竹鶴17年を含め竹鶴と名を冠したウイスキーの受賞回数はなんと35回(金賞、銀賞含む。うち、竹鶴17年は9回)。
名実ともに最高のウイスキーと言えます。

4-1.テイスティングノート

香り やわらかなウッディ感の中に、心地よいスモ-キーさと、モルティな香ばしさが絶妙なバランスで漂う。フィニッシュに湧き立つ深みのあるエステル香
味わい まろやかな口当たりの中にも、凛としたボディ感。麦芽由来の穀物的なコクと、樽由来の円熟した甘さ
余韻 嫌味のない爽やかな余韻と、すっきりとした後味
(引用:ニッカウヰスキー公式HP

4-2.商品スペック

アルコール度数 43%
酒別 ピュアモルトウイスキー
樽酒
内容量 700ml
販売本数 現在販売中止
希望小売価格 7,700円(税込)
発売日 2001年

5.受賞歴

ISC(インターナショナル・スピリッツ・チャレンジ)銀賞受賞
2007年、2009年、2011年、2012年、2013年

WWA(ワールド・ウイスキー・アワード)
ワールド・ベスト・ブレンデッドモルト(ピュアモルト)受賞
2012年 2014年 2015年 2018年

6.価格

6-1.メーカー希望小売価格

商品名 竹鶴17年ピュアモルト
容量 700ml
希望小売価格 7,000円(税込:7,700円)※2020/3/31終売

6-2.メルカリでの転売価格 ※2024年9月5日更新

メルカリでの転売価格は、38,000円〜45,000円前後の価格帯が中心となり入手が可能となっています。(※2024/9/5時点)

メルカリでの転売価格は、28,000円~35,000円前後となっています。(※2021/2/14時点)

6-3.ヤフーオークション落札価格 ※2024年9月5日更新

ヤフーオークションにて現在出品中の本体価格は、27,000円〜39,000円前後となっているようです(※2024/9/5時点)

ヤフーオークションでの落札価格は、最安20,000円、最高38,000円、平均19,024円(※2021/2/14時点より過去120日間の統計情報)

6-4.楽天、ヤフーショッピング、Amazon ※2024年9月5日更新

通販サイトでも、42,000円〜50,000円前後で販売されています。 (※2024/9/5時点)

通販サイトでも、30,000円~40,000円前後で販売されています。 (※2021/2/14時点)

6-5.BAR新海での提供価格 

当サイトが運営する「BAR新海」では、1、45ml:2,310円、30ml:1,540円、15ml:770円にて提供しております。

「BAR新海」のご案内
Japanese Whisky Dictionaryが運営する「BAR新海」は、東京都港区に3店舗。当サイトで紹介しているジャパニーズウィスキーをはじめ、国産のジンやビールなども取扱い。オリジナルカクテル、フレッシュフルーツカクテルなども人気。食事も豊富で1件目からも利用可能。

通販やネットオークションでは30,000円前後で、今後も価格が高騰していく事でしょう。
因みに、終売が決定したその当日の竹鶴17年の価格は80,000円程に一気に高騰しました。

7.まとめ

余市、宮城峡二つの原酒をヴァッティング後、整えられた味は飲みやすさと、コク、どちらも損なわれることなく絶妙なバランスになっています。
ストレート、ロック、ハイボールと、どのような飲み方でもおいしく飲めます。
一口で余市と宮城峡の味わいを感じることが出来るという、非常に贅沢な一品です。
余談ですが、この竹鶴は広島にある竹鶴政孝の生家「竹鶴酒造」でも清酒竹鶴があります。
同じ名前で出すにあたって竹鶴酒造に竹鶴威氏(政孝氏の養子)が問い合わせたところ「日本酒以外なら何なりとお使いください」と快諾を受け発売に至ったのです。
しかし生前、竹鶴政孝氏は1980年頃に実はニッカで「竹鶴」を商標登録していました。
もしかしたら、政孝氏はウイスキー「竹鶴」をいつか出そうと夢見ていたのかも知れませんね。
その夢を竹鶴威氏が引き継ぎ発売された「竹鶴」は、現在は酒屋やBARでの希少在庫のみとなってしまいましたが、いつかきっと再生産され私たちを竹鶴政孝氏の夢の続きを見せてくれる事を願います。

■竹鶴に関するその他の記事も是非ご覧ください。

【レビュー】竹鶴21年ピュアモルト
竹鶴21年ピュアモルトはウィスキーの世界的な品評会「ワールド・ウイスキー・アワード(WWA)」において、2007年、2009年、2010年、2011年に「ワールド・ベスト・ブレンデッドモルト(ピュアモルト)ウイスキー」を受賞し、世界最高のピュアモルトウィスキーとして認定されてきました。
【レビュー】竹鶴ピュアモルト 新ラベル
2020年3月竹鶴17年・竹鶴21年・竹鶴25年が終売。竹鶴ピュアモルト(年数表記なし)はリニューアル。余市モルトの原酒使用比率を高め、香りやコクの余韻が付け足されました。北の海に鍛えられたモルトと、緑の峡谷で育まれたモルトを磨きあげ、組みあわせてできたのが新竹鶴ピュアモルトです。
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最後に:ジャパニーズウイスキーのおすすめ書籍

世界的なトレンドを巻き起こしている「ジャパニーズウイスキー」の事をもっと知りたい、もっと勉強したいという方は、是非こちらの書籍をおすすめいたします。

(1).Whisky Galore(ウイスキーガロア)Vol.46 2024年10月号

【巻頭特集】
「新アイリッシュ・ルネッサンス[第1弾]」
【第2特集】
「ガロア的 東京のバー、パブ巡り」
【連載】
「ジャパニーズクラフトの開拓者たち」
前号からスタートしたこの連載。第2回では厚岸蒸溜所の樋田恵一氏を編集長がインタビューします。

(2).ビジネスに効く教養としてのジャパニーズウイスキー

世界的にも有名なウイスキー評論家で、ウイスキー文化研究所代表 土屋守先生の著書「ビジネスに効く教養としてのジャパニーズウイスキー」です。
ウイスキーの基礎知識、日本へのウイスキーの伝来、ジャパニーズウイスキーの誕生、広告戦略とジャパニーズウイスキーの盛隆、そして、現在のクラフト蒸留所の勃興まで。日本のウイスキーの事が非常にわかりやすくまとめられた一冊。

(3).ウイスキーと私(竹鶴政孝)

日本でのウイスキー醸造に人生を捧げた、ニッカウヰスキー創業者・竹鶴政孝。ただひたすらにウイスキーを愛した男が自らを語った自伝の改訂復刻版。若き日、単身スコットランドに留学し、幾多の苦難を乗り越えてジャパニーズ・ウイスキーを完成させるまでの日々や、伴侶となるリタのことなどが鮮やかに描かれる。

(4).新世代蒸留所からの挑戦状

2019年発売。世界に空前のウイスキーブームが到来しているいま、クラフト蒸留所の経営者たちは何を考え、どんな想いでウイスキー造りに挑んだのか。日本でクラフト蒸留所が誕生するきっかけを作った、イチローズ・モルトで有名なベンチャーウイスキーの肥土伊知郎氏をはじめとする、13人のクラフト蒸留所の経営者たちが世界に挑む姿を綴った1冊。

(5).ウイスキーライジング

2016年にアメリカで出版された『Whisky Risng』の日本語版であり、内容も大幅にアップデート。ジャパニーズ・ウイスキーの歴史が詳細に記述されているだけでなく、近年、創設がつづくクラフト蒸溜所を含む、日本の全蒸溜所に関するデータも掲載。そのほかにも、今まで発売された伝説的なボトルの解説や、ジャパニーズ・ウイスキーが飲めるバーなども掲載されています。

(6).ウイスキーと風の味

1969年にニッカウヰスキーに入社した、三代目マスターブレンダーの佐藤茂夫氏の著書。
『ピュアモルト』『ブラックニッカクリア』『フロム・ザ・バレル』の生みの親でもあり、なかでも『シングルモルト余市1987』はウイスキーの国際的コンペティションWWA(ワールド・ウイスキー・アワード)にて「ワールド・ベスト・シングルモルト」を受賞。
竹鶴政孝、竹鶴威の意志を引き継いだブレンダー界のレジェンドが語る今昔。

この記事を書いた人
万代 竜一

福岡県福岡市出身
福岡にある中洲のBARで14年間修行後、俳優業での活動の拡大も兼ねて2018年上京。俳優佐藤二朗氏作の舞台にて東京初舞台を踏む。特技はギターとビール好きが高じてビール銘柄をブラインドで当てられる事。
最初はウイスキーを飲み慣れておらず苦手だったものの、深く知るにつれて作っている人達の想いが強い事に感銘を受けて、作り手の方達を知ってもらえる一助になれば、と思いJWDに参加。現在はウイスキーが大好き。

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