日光街道 小山蒸溜所からファーストリリースのウイスキーが発売決定。なんと4種類。各種の違いや蒸溜所詳細について紹介。
栃木県の西堀酒造が新たな挑戦としてスタートした小山蒸溜所。東京ウイスキー&スピリッツコンペティション(TWSC)2025において、「イノベーター・アワード・オブ・ザ・イヤー(INNOVATOR AWARD OF THE YEAR)」を受賞。革新的な蒸溜所に送られる栄誉を得ました。
1.哲 -TETSU- ブランド
新たなブランド「哲 -TETSU-」が、2025年10月中旬より本格リリースいたします。3年熟成を経た、当蒸溜所初のジャパニーズウイスキーです。
「哲」は、日本酒蔵の精神と、哲学的探究を重ね合わせた、日本独自のウイスキーシリーズ。
日本固有の酒とは何か、文化とは何か、ウイスキーとは何か──その根源に迫る試みです。
世界の中で“日本らしさ”を再構築する、無限の探究でもあります。
日光東照宮の御神木を用いた和樽熟成や、日本酒蔵ならではの酒米を活かしたグレーンウイスキーなど、唯一無二の技術と精神が結晶し昇華した逸品がそろいます。
ラインナップは以下の通りです。
1-1.商品ラインナップ
「哲/TETSU 小山Edition」※画像はイメージ
1. 哲 小山エディション 2025〈シングルモルト〉ザ・ファースト
価格:¥16,000(税抜)
内容量:700ml|化粧箱入り
清酒酵母100%で醸した原酒を、複数の洋樽で熟成。
使用樽:バーボン、シェリー、シャンパン、コニャック、等。
小山特有の激しい寒暖差の中で育まれた“短熟”の可能性を、日本酒蔵の論理と構築美で引き出した挑戦作。
「哲/TETSU 日光Edition」※画像はイメージ
2. 哲 日光エディション 2025〈ブレンデッド〉ザ・ファースト
価格:¥18,000(税抜)
内容量:700ml|化粧箱入り
酒米(吟醸粉)を原料にしたグレーン原酒と清酒酵母100%モルト原酒をブレンドするシングル・ブレンデッド。
バーボン樽熟成後、日光杉の和樽でフィニッシュ。
冷涼なる日光の霊域で生まれ、和樽熟成を経た原酒は、時とともに霊性を纏う。
日本の精神性を映した、崇高なる“もう一つのジャパニーズ”。
<Limited Edition|限定流通商品・日光東照宮献上仕様>
※2025年7月6日「日光東照宮 献上祭」にて正式献上した特別仕様。
3. 哲 日光東照宮 献上〈シングルモルト〉2025 御神木杉和樽エディション
価格:¥285,000(税抜)
内容量:700ml|特製御神木杉箱入り|限定400本
日光杉並木植樹400年の節目に、神域の御神木杉和樽で追熟した特別な1本。
5種の洋樽を経たモルト原酒が、神域に生きた御神木の香気と400年の静寂に包まれる。
魂の宿る酒、「哲」の象徴としての頂点がここに結実。
4. 哲 日光東照宮 献上〈シングルブレンデッド〉2025 御神木杉和樽エディション
価格:¥100,000(税抜)
内容量:700ml|特製御神木杉箱入り|限定600本
酒米(吟醸粉)を原料にしたグレーン原酒と、5種の洋樽で熟成されたモルト原酒をブレンドし、樹齢400年・日光東照宮御神木杉和樽で追熟。
米と麦、和と洋、杉とオーク──あらゆる二項が“止揚”として昇華する哲学的ブレンデッドの象徴。
理性と霊性が交差し、伝統と革新、日本と世界をつなぐ哲学的ウイスキー。
これら4種類のウイスキーは、哲学・設計・美意識の結晶であり、日本の精神性をも昇華させた作品群です。
献上ウヰスキーには、日光東照宮様より特別に切出許可を頂いた樹齢400年の御神木(日光杉)を使った特製木箱付き。
2.日光街道 小山蒸溜所について
所在地 | 栃木県小山市大字粟宮1452 |
アクセス | JR東京駅からJR小山駅まで新幹線で約50分 |
操業開始 | 2022年 |
公式HP |
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画像出典:日光街道 小山蒸溜所
歴史は古く明治5年(1872年)創業の酒蔵。
日本酒製造メーカーとして最大の魅力を発揮するそのルーツに即し「國酒・日本酒の醸造技術を取り入れること」をポリシーとしています。
「日本固有の真正ジャパニーズウイスキー」をつくるという目標のもと、2022年よりウイスキー製造を始動。
東京ウイスキー&スピリッツコンペティション(TWSC)2025において、「イノベーター・アワード・オブ・ザ・イヤー(INNOVATOR AWARD OF THE YEAR)」を受賞。
設計思想の独自性、製造工程における革新性、そして酒造りに対する“哲学”が明確であることが、高く評価された。
蒸留酒製造の発酵工程においては、純国産である「清酒酵母」を使用し、またそれに伴い日本酒造りの発想を取り入れた特殊仕込みを行います。
清酒酵母を使用した事により硫黄やオフフレーバーも変化する事からポットスチルも特殊なものとなっています。
国産ステンレス製蒸留器の内部に銅板を貼って改造したオリジナルの蒸留器です。
ステンレスなので「常圧蒸留」と「減圧蒸留」どちらも使用でき、かつ加熱方式も直接蒸気・間接蒸気どちらも併用する事が出来るので原酒の造り分けの選択肢が多い事が特徴です。
グレーン原酒など、蒸留酒に使用する穀類には、酒米を磨いた際に出る米粉を原料として使用します。
最後に:ジャパニーズウイスキーのおすすめ書籍
世界的なトレンドを巻き起こしている「ジャパニーズウイスキー」の事をもっと知りたい、もっと勉強したいという方は、是非こちらの書籍をおすすめいたします。
(1).Whisky Galore(ウイスキーガロア)Vol.50 2025年6月号
『ウイスキーガロア』6月号、巻頭特集はシングルモルトを世界に知らしめたディアジオ特集・後編。
メーカー別に蒸留所を集成・徹底解説する新シリーズ「スコッチ蒸留所名鑑」を始動。
第1弾ではスコットランドに30の蒸留所を擁するディアジオ社が登場!
最新号ではスペイサイド・アイラの20蒸留所を一挙掲載します。
[巻頭特集]
スコッチ蒸留所名鑑 [第1弾 ディアジオ 後編]
ディアジオ社の蒸留所を一挙紹介 <スペイサイド・アイラ編>
カードゥ/モートラック/クラガンモア/グレンエルギン/ローズアイル/カリラ/ラガヴーリン/ポートエレン/オスロスク/ベンリネス/ダルユーイン/ダフタウン/グレンダラン/グレンロッシー/マノックモア/リンクウッド/インチガワー/ストラスミル/グレンスペイ/ノッカンドオ
◆Chinese Whisky ――国家級 中国威士忌 最新事情
叠川(チュアン)蒸留所/沃林(オーリン)クーパレッジ/青島(チンタオ)蒸留所
◆日本のクラフト蒸留所最前線
新道蒸溜所/朝倉蒸溜所
◆ジャパニーズクラフトの開拓者たち[第6回] 小正嘉之助蒸溜所 小正芳嗣氏
(2).ビジネスに効く教養としてのジャパニーズウイスキー
世界的にも有名なウイスキー評論家で、ウイスキー文化研究所代表 土屋守先生の著書「ビジネスに効く教養としてのジャパニーズウイスキー」です。
ウイスキーの基礎知識、日本へのウイスキーの伝来、ジャパニーズウイスキーの誕生、広告戦略とジャパニーズウイスキーの盛隆、そして、現在のクラフト蒸留所の勃興まで。日本のウイスキーの事が非常にわかりやすくまとめられた一冊。
(3).ウイスキーと私(竹鶴政孝)
日本でのウイスキー醸造に人生を捧げた、ニッカウヰスキー創業者・竹鶴政孝。ただひたすらにウイスキーを愛した男が自らを語った自伝の改訂復刻版。若き日、単身スコットランドに留学し、幾多の苦難を乗り越えてジャパニーズ・ウイスキーを完成させるまでの日々や、伴侶となるリタのことなどが鮮やかに描かれる。
(4).新世代蒸留所からの挑戦状
2019年発売。世界に空前のウイスキーブームが到来しているいま、クラフト蒸留所の経営者たちは何を考え、どんな想いでウイスキー造りに挑んだのか。日本でクラフト蒸留所が誕生するきっかけを作った、イチローズ・モルトで有名なベンチャーウイスキーの肥土伊知郎氏をはじめとする、13人のクラフト蒸留所の経営者たちが世界に挑む姿を綴った1冊。
(5).ウイスキーライジング
2016年にアメリカで出版された『Whisky Risng』の日本語版であり、内容も大幅にアップデート。ジャパニーズ・ウイスキーの歴史が詳細に記述されているだけでなく、近年、創設がつづくクラフト蒸溜所を含む、日本の全蒸溜所に関するデータも掲載。そのほかにも、今まで発売された伝説的なボトルの解説や、ジャパニーズ・ウイスキーが飲めるバーなども掲載されています。
(6).ウイスキーと風の味
1969年にニッカウヰスキーに入社した、三代目マスターブレンダーの佐藤茂夫氏の著書。
『ピュアモルト』『ブラックニッカクリア』『フロム・ザ・バレル』の生みの親でもあり、なかでも『シングルモルト余市1987』はウイスキーの国際的コンペティションWWA(ワールド・ウイスキー・アワード)にて「ワールド・ベスト・シングルモルト」を受賞。
竹鶴政孝、竹鶴威の意志を引き継いだブレンダー界のレジェンドが語る今昔。