【NEWS】三郎丸蒸留所にブレンダー室&ワークショップルームが誕生

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三郎丸蒸留所

東北最古のウイスキー蒸留所『三郎丸蒸留所』にブレンダー室とワークショップルームが誕生。

 このたび若鶴酒造株式会社(本社:富山県砺波市三郎丸、代表取締役社長、マスターブレンダー:稲垣貴彦)は、三郎丸蒸留所 ブレンダー室・ワークショップルームを新設しました。
これにより、保有する原酒のポテンシャルを最大限に引き出し、新たな魅力ある製品づくりが可能となります。
また、将来的に隣接するワークショップルームを三郎丸蒸留所の新たな体験価値として活用を予定していきます。
高付加価値体験を通じて、ジャパニーズウイスキーの真髄であるブレンド技術や、北陸最古のウイスキー蒸留所である三郎丸の世界観を知っていただくことを目的としています。

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1.【ブレンダー室・ワークショップルームについて】

1-1.ジャパニーズウイスキーのブレンド技術の真髄を体現

三郎丸蒸留所 ブレンダー室

蒸留所におけるブレンダー室は、商品設計に関わるブレンダーがその巧みな技術でブレンディングを行うトップシークレットな場所であり、まさに蒸留所の心臓部といえます。

1-2.富山ならではのものづくりを発信

三郎丸蒸留所 ブレンダー室・ワークショップルーム

今回、富山県の伝統木工技術「組子細工」(株式会社タニハタ、富山県富山市上赤江町1-7-3)を採用し、実際に熟成されていたウイスキー樽材を再利用
様々なパーツを組み合わせて造り上げられる組子と、様々な原酒をブレンドして構成されるウイスキーのブレンディングの共通性を表現しています。
また、南砺市のミズナラを使ったワークショップテーブルなど、富山の豊かな森林資源と「ものづくり」技術が融合しています。建築のデザイン設計は、富山県出身の建築家・山川智嗣氏(後述)が手がけました。

富山の組子細工でできたパーテーション


1-3.ジャパニーズウイスキーツーリズム強化と地域観光産業への貢献

2025年3月27日に日本洋酒造組合から発表があり、ジャパニーズウイスキーのロゴマークが正式に設定されました。
法整備やロゴマークの導入・普及といった制度面の充実に加え、日本各地に点在するクラフトウイスキー蒸留所の個性や背景を国内外に伝える活動が不可欠です。
三郎丸蒸留所は70年以上の間ウイスキーを造り続けてきた蒸留所として、そのブランドとこだわりを伝えるとともに、地域を巻き込みながらジャパニーズウイスキーを通じたツーリズムの展開を強化していきます。

稲垣貴彦氏 三郎丸蒸留所マネージャー&マスターブレンダー


2.【三郎丸蒸留所ブレンダー室デザインコンセプト】

2-1. 機密性の維持とオープンな空間の併設

本来はクローズドな空間であるブレンダー室を、外部に開きながらも機密性を担保するための設計を実施。来訪者がウイスキーのブレンド体験を通じてブレンダーの技術を体感できるワークショップスペースを併設し、ブレンドの深奥に触れられる空間とした。

2-2.「ガラスシリンダー」による視覚的演出

空間の中心には、日本の伝統工芸である組子建具とガラスを融合させた「ガラスシリンダー」を配置。
ここにウイスキー原酒を美しく陳列することで、来訪者に高揚感を与えるとともに、研究室としての機能を持たせている。

画像引用:PRTIMES

2-3. 研究室としての機能性と「見せる空間」としてのデザイン性

無機質で味気ない研究室のイメージを払拭しつつ、機能性を維持するデザインを採用。 素材やライティングに工夫を凝らし、クラフトウィスキーの製造工程を「見せる空間」として演出し、訪れる人々がクラフトマンシップを実感できる場を作り上げた。

2-4. 重要なゲストを迎えるにふさわしい品格ある空間

ワークショップスペースには、ウイスキー熟成樽に使われる貴重な地元ミズナラ材を使用。 これにより、クラフトウイスキーの持つ温もりや手触り感を表現し、重要なゲストを迎えるにふさわしい品格ある空間とした。

画像引用:PRTIMES

2-5. 「和の精神」を取り入れたジャパニーズウイスキーを体現するデザインコンセプト

ウイスキーが本来持つ洋酒としての要素に、日本らしさを感じさせる空間づくりを意識。全体には洋の雰囲気を漂わせながらも、素材やテクスチャーには和のエッセンスを巧みに取り入れ、茶道の精神を想起させる静謐さと奥ゆかしさをデザインに表現。ジャパニーズウイスキーが受け継ぐ洋酒としての奥深さと、日本の繊細な職人文化を重ねることで、“東西の美意識”が調和する空間を実現。

2-6.ブレンダー室の建築デザイン

画像引用::PRTIMES

建築家 山川智嗣(やまかわ・ともつぐ)氏

コラレアルチザンジャパン代表取締役

富山県生まれ。明治大学理工学部建築学科卒業。
日本一の木彫刻のまち富山県南砺市井波にて「お抱え職人文化を再興する」をコンセプトに、ものづくり職人と新たな価値を創造するクリエイティブ集団・コラレアルチザンジャパンを運営。
日本初の職人に弟子入りできる宿「Bed and Craft」(24年ミシュランキー「セレクテッド」に認定)をプロデュースするなどクリエイティブディレクターとしても活躍している。
24年Forbes Japan により世界を動かす45歳以下のカルチャープレナー(文化起業家)30組に選出。ジャパンツーリズムアワード観光庁長官賞、グッドデザイン賞(岩佐十良審査員特別賞)等、受賞歴多数。

3.最後に

レジェンドのサントリー五代目チーフブレンダー福與伸二氏いわく
「仕事の前日つまり日曜の夜から、仕事が終わる金曜の夜まではニンニクなど香りが強いものは一切食べず、
自分がいる空間の温度、照明なども一定の環境を保つよう心がけ、極力規則正しい生活を送ります。」
と語っているように、私生活すらブレンディングに心血を注ぐその姿勢に本当に尊敬の念を禁じ得ません。
三郎丸蒸留所の稲垣貴彦氏もブレンディング専用ルームを設けた事で、より一層ブレンドに力を入れていくという覚悟とその姿勢に、否応なしに今後の三郎丸蒸留所のリリースされるウイスキーに期待が高まります。
ワークショップの内容は現在検討中との事でしたので楽しみに待ちましょう。
その時はぜひ富山で蒸留所見学に行ってみましょう。

三郎丸蒸留所(若鶴酒造)|蒸留所詳細情報
1862年創業の清酒蔵・若鶴酒造が開設した北陸初のウイスキー蒸留所。スモーキーなウイスキーのみを作り続ける。
この記事を書いた人
万代 竜一

福岡県福岡市出身
福岡にある中洲のBARで14年間修行後、俳優業での活動の拡大も兼ねて2018年上京。俳優佐藤二朗氏作の舞台にて東京初舞台を踏む。特技はギターとビール好きが高じてビール銘柄をブラインドで当てられる事。
最初はウイスキーを飲み慣れておらず苦手だったものの、深く知るにつれて作っている人達の想いが強い事に感銘を受けて、作り手の方達を知ってもらえる一助になれば、と思いJWDに参加。現在はウイスキーが大好き。
今年、念願の本多劇場に進出。

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