【道立総合研究機構】北海道でコーンウイスキーの生産開始【札幌酒精工業】

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札幌酒精工業(札幌)が11月21日、道産トウモロコシを主原料にした「コーンウイスキー」の生産を開始。

トウモロコシなど大麦麦芽(モルト)以外の穀物を原料とする「グレーンウイスキー」を道内で継続的に生産するのは珍しい試み。この試みは道立総合研究機構(道総研、札幌)が進める「道産コーンウイスキープロジェクト」の一環で、「道産とうもろこしを使って、世界に誇れる北海道のウイスキーをつくりたい。」という想いから道内の様々な企業や団体が一丸となって取り組むプロジェクト。

引用元:北海道新聞

プロジェクトの詳細については別途記事をご参照下さい。

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北海道立総合研究機構(道総研)は北海道内の農協を中心に複数の企業と連携し、道産トウモロコシを主原料としたコーンウィスキー(グレーンウィスキー)の製造に乗り出す。2022年4月から空知管内長沼町で蒸留を開始し3年以上熟成後に販売を始める。販売は2025年春の予定としている。
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1.札幌酒精工業について

道産コーンウイスキープロジェクトには酒類製造担当として2021年07月29日より加入。札幌酒精工業は今年で創業90周年を迎えた老舗メーカー。焼酎、ワイン、ジン、リキュール等様々な酒類を製造し、ウイスキーに関してもイギリス製モルトと自社製造グレーンをブレンドした「サッポロウイスキー蝦夷(EZO)」というブレンデッドウイスキーを製造しており、グレーンウイスキーの製造ノウハウもある事から今回のコーンウイスキー製造を担う流れになったものと思われます。

札幌酒精工業公式ページ

2.北海道内におけるグレーンウイスキー製造を取り巻く現状

現在北海道ではイチローズモルトがグレーン蒸溜所を開設予定の他、BEHIND THE CASKというインディペンデントボトラーズウイスキー(独立瓶詰め業)が手掛けるディ・トリッパー蒸留所がグレーンウイスキーの製造を開始する等、多くの新規参入がありかつてない盛り上がりを見せているといっても過言ではないでしょう。ジャパニーズウイスキーの源流にもなったスコットランドに近い気候を持つ広大な自然環境で多くの蒸溜所が誕生するのは必然の流れとも言え、モルト、グレーンを問わず今後も北海道に参入する事業者も増えていくのではないでしょうか。

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3.まとめ

このコーンウイスキーは最短で来夏に初商品、2026年に熟成したウイスキーを売り出したい考えとのことで、まずは熟成期間の短いニューボーンが先行してリリースされる見込みとなっておりその登場が楽しみですね。また、このプロジェクトでは北海道の木材を使ったミズナラ以外の新たな樽材の開発も研究しており、その成果次第ではミズナラに次ぐ新たな樽の登場で国内のみならず世界中でその樽を使用したウイスキーが作られる事もあるかもしれません。そんな夢の詰まったプロジェクトの今後の進捗が非常に楽しみです。

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最後に:ジャパニーズウイスキーのおすすめ書籍

世界的なトレンドを巻き起こしている「ジャパニーズウイスキー」の事をもっと知りたい、もっと勉強したいという方は、是非こちらの書籍をおすすめいたします。

(1).Whisky Galore(ウイスキーガロア)Vol.42 2024年2月号

【巻頭特集】ウイスキーの聖地 アイラ島の“現在”を読み解く
アイラ島のウイスキーは、昔から「アイラモルト」という独自のカテゴリーを与えられてきた。現在9ヵ所の蒸留所があり、さらに2つの新蒸留所計画が発表されている、この小さな島を改めて紹介。
また、現在入手可能なウイスキー8種を土屋編集長が飲み比べる。
●掲載蒸留所
ボウモア、アードベッグ、ラガヴーリン、ラフロイグ、カリラ、ブナハーブン、ブルックラディ、キルホーマン、アードナッホー

【第2特集】北アイルランドのウイスキー
世界の五大ウイスキーのなかで、いまもっとも伸びているのがアイリッシュ。ブームを牽引する北アイルランドの最新情報をリポート。
●紹介ウイスキー
ブッシュミルズ、エクリンヴィル、グレンズ・オブ・アントリム、ヒンチ、キルオーウェン、マコーネルズ、ショートクロス、タイタニック・ディスティラーズ、トゥー・スタックス

【蒸留所リポート】
2023年に100周年を迎えたジャパニーズウイスキー。その第一歩が踏み出され、昨年リニューアルしたばかりのサントリー山崎蒸溜所を取材。そのほか月光川蒸留所や、個性的なツアーを行っている八郷蒸溜所&安積蒸溜所も紹介。

【インタビュー】
ワイルドターキーのマスターディスティラーであるエディー・ラッセル氏と、その息子ブルース・ラッセル氏を編集長がインタビュー。またフィンランドで自国ライ麦にこだわったウイスキーを造るキュロ蒸留所のミイカ氏にも話を聞いた。

【特集】
ウイスキーフェスティバル2023 in TOKYO、ウイスキーコニサークラブ新潟蒸留所ツアー、下田ウイスキーフェスリポート。

(2).ビジネスに効く教養としてのジャパニーズウイスキー

世界的にも有名なウイスキー評論家で、ウイスキー文化研究所代表 土屋守先生の著書「ビジネスに効く教養としてのジャパニーズウイスキー」です。
ウイスキーの基礎知識、日本へのウイスキーの伝来、ジャパニーズウイスキーの誕生、広告戦略とジャパニーズウイスキーの盛隆、そして、現在のクラフト蒸留所の勃興まで。日本のウイスキーの事が非常にわかりやすくまとめられた一冊。

(3).ウイスキーと私(竹鶴政孝)

日本でのウイスキー醸造に人生を捧げた、ニッカウヰスキー創業者・竹鶴政孝。ただひたすらにウイスキーを愛した男が自らを語った自伝の改訂復刻版。若き日、単身スコットランドに留学し、幾多の苦難を乗り越えてジャパニーズ・ウイスキーを完成させるまでの日々や、伴侶となるリタのことなどが鮮やかに描かれる。

(4).新世代蒸留所からの挑戦状

2019年発売。世界に空前のウイスキーブームが到来しているいま、クラフト蒸留所の経営者たちは何を考え、どんな想いでウイスキー造りに挑んだのか。日本でクラフト蒸留所が誕生するきっかけを作った、イチローズ・モルトで有名なベンチャーウイスキーの肥土伊知郎氏をはじめとする、13人のクラフト蒸留所の経営者たちが世界に挑む姿を綴った1冊。

(5).ウイスキーライジング

2016年にアメリカで出版された『Whisky Risng』の日本語版であり、内容も大幅にアップデート。ジャパニーズ・ウイスキーの歴史が詳細に記述されているだけでなく、近年、創設がつづくクラフト蒸溜所を含む、日本の全蒸溜所に関するデータも掲載。そのほかにも、今まで発売された伝説的なボトルの解説や、ジャパニーズ・ウイスキーが飲めるバーなども掲載されています。

(6).ウイスキーと風の味

1969年にニッカウヰスキーに入社した、三代目マスターブレンダーの佐藤茂夫氏の著書。
『ピュアモルト』『ブラックニッカクリア』『フロム・ザ・バレル』の生みの親でもあり、なかでも『シングルモルト余市1987』はウイスキーの国際的コンペティションWWA(ワールド・ウイスキー・アワード)にて「ワールド・ベスト・シングルモルト」を受賞。
竹鶴政孝竹鶴威の意志を引き継いだブレンダー界のレジェンドが語る今昔。

この記事を書いた人
櫻井 和人

茨城県つくば市出身
嗜好品をこよなく愛し、クラフトジンの多様性に感動した勢いのまま30歳にしてバーテンダーへの道へと進む。
バーテンダーとして日々を重ねる中でBAR新海を訪れ、多種多様なジャパニーズクラフトウイスキーに触れより深く勉強をしたいとBAR新海へと入社。
最上の嗜好品に触れる楽しさをより多くの方に感じて貰えるよう、現場でもウェブでも全力投球の日々を送る。

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