言わずと知れたサントリー角瓶は、サントリースピリッツが製造し、サントリー酒類が販売するブレンデッド・ウイスキーブランドの一つです。
実は元々角瓶という名前ではなく、1937年(昭和12年)10月8日サントリーの前身、寿屋から「サントリーウヰスキー12年」という名前で販売されたのが、いつしか角型または角ばっている、という事から「角」「角瓶」という愛称で親しまれ、のちに改名する事となります。
その後、初代寿屋社長鳥井信治郎が他界した次の年、1963年(昭和38年)に後を継いだ佐治敬三が寿屋からサントリーに社名を変更。
因みにサントリーの由来は「赤玉ポートワイン」の「赤玉(太陽)=サン」と「創業者の鳥井=トリー」が結びつき、サントリーという社名になったのは、有名な逸話ですね。
サントリー角が人々の間で角と呼び親しまれてからしばらくして、サントリーはいよいよ正式な商標登録に乗り出します。
しかし、平成6年5月17日商標出願の際に「角瓶とは瓶の形状を表示しているだけ」として拒絶査定とされてしまいます。
これに対しサントリーは、東京高裁に審決取消請求訴訟を起し、あらゆるデータ、広告等を駆使し、いかに国民に認知されているかというデータをまとめ提出、平成14年1月30日東京高裁は角瓶を商標登録することを全面的に認めました。
商標出願から8年後の事でした。
1.メーカー
サントリースピリッツ株式会社
設立 | 1899年 |
本社所在地 | 〒135-8631 東京都港区台場2-3-3 |
所有蒸留所 | ●日本 山崎蒸溜所、白州蒸溜所、知多蒸溜所 ●スコットランド アードモア蒸留所、グレンギリー蒸留所、オーヘントッシャン蒸留所、ボウモア蒸留所、ラフロイグ蒸留所 ●アイルランド クーリー蒸留所、キルベガン蒸留所 ●アメリカ ジムビーム蒸留所、メーカーズマーク蒸留所 ●カナダ ハイラムウォーカー蒸留所、アルバータ蒸留所 |
2.蒸留所
角瓶は、山崎蒸溜所/白州蒸溜所/の2ヵ所の蒸留所で作られる原酒をブレンドして作られています。
山崎蒸溜所は、サントリーの創業者 鳥井信治郎が、「日本人の繊細な味覚にあった、 日本のウイスキーをつくりたい」という熱い想いを持ち、ウイスキーづくりを決意し山崎蒸溜所は日本で初めてのウイスキー蒸留所として1923年に誕生しました。
山崎蒸溜所の詳細はこちらの記事もご覧ください。
白州蒸溜所は、山崎蒸溜所とは異なるタイプのモルトウイスキー原酒を作るため、良質でウイスキーの仕込みに最適な水を探し、全国各地を調査した中から、日本有数の名水地である“白州”の地を選定。山崎蒸溜所の操業からちょうど50年を迎えた1973年にサントリー第2のモルトウイスキー蒸溜所「白州蒸溜所」が操業しました。
白州蒸溜所の詳細はこちらの記事もご覧ください。
3.商品名と写真
サントリー 角瓶
suntory kaku
4.特徴
山崎と白州蒸溜所のバーボン樽原酒をバランス良く配合し、甘やかな香りと厚みのあるコク、ドライなあとくちが特長のウイスキー
ハイボールにすることでいっそうおいしさが際立つ。
4-1.テイスティングノート
香り | やや香る蜂蜜の香りと強めのアルコール香 |
味わい | 蜂蜜の甘味 |
余韻 | やや香る樽香と控えめな薫香。 |
(引用元:角瓶のこだわり)
4-2.商品スペック
アルコール度数 | 40% |
酒別 | ブレンデッドウイスキー |
樽種 | バーボン樽原酒 |
内容量 | 700ml |
販売本数 | ー |
希望小売価格 | 1,540円(税込) |
発売日 | 1937年 |
5.受賞歴
現時点では受賞歴はありません。
6.価格
6-1.メーカー希望小売価格
商品名 | サントリー 角瓶 |
容量 | 700ml |
希望小売価格 | 1,400円(税込:1,540円) |
6-2.メルカリでの転売価格
転売されてはいませんが、参考までに。
セット販売されている事が多いようです
6-3.ヤフーオークション落札価格
ヤフオクでもペットボトルでの販売やセット販売が主流のようです。
6-4.楽天、ヤフーショッピング、Amazon
大容量ペットボトルも売っているので備蓄用としては良いかもしれませんね。
6-5.BAR新海での提供価格
当サイトが運営する「BAR新海」では、1杯、45ml:990円にて提供しております。
7.まとめ
国民的ウイスキーと言って差し支えないウイスキー角瓶。
昨今の原酒不足の中でいつでもお手軽にどこでも飲めて安定した味を供給してくれているのは非常に有難い事だな、と思います。
そのまま飲むのも良いですが皆さんご存じの通り圧倒的にハイボールにするとおいしいです、ウイスキーに慣れていない方でもコーラと割ってコークハイやジンジャーエールで割ったりと基本、割材との相性はなんでも合うのが角瓶のすごい所ですね。
さらに、「ウイスキーがお好きでしょ?」のキャッチコピーがあまりにも有名なCMでもよく見かけるように揚げ物や濃い味の食べ物との相性抜群。
日本のウイスキーの父が生み出したウイスキー角瓶は今年で84歳、令和の今も薩摩切子からヒントを得た、ボトルの亀甲模様が食卓や宴の席に花を添えてくれています。
■サントリーの「角瓶」と「ハイボール」。日本人好みのウイスキーとは?も是非ご覧ください。
■「サントリー」に関するその他の記事も是非ご覧ください。
最後に:ジャパニーズウイスキーのおすすめ書籍
世界的なトレンドを巻き起こしている「ジャパニーズウイスキー」の事をもっと知りたい、もっと勉強したいという方は、是非こちらの書籍をおすすめいたします。
(1).Whisky Galore(ウイスキーガロア)Vol.42 2024年2月号
【巻頭特集】ウイスキーの聖地 アイラ島の“現在”を読み解く
アイラ島のウイスキーは、昔から「アイラモルト」という独自のカテゴリーを与えられてきた。現在9ヵ所の蒸留所があり、さらに2つの新蒸留所計画が発表されている、この小さな島を改めて紹介。
また、現在入手可能なウイスキー8種を土屋編集長が飲み比べる。
●掲載蒸留所
ボウモア、アードベッグ、ラガヴーリン、ラフロイグ、カリラ、ブナハーブン、ブルックラディ、キルホーマン、アードナッホー
【第2特集】北アイルランドのウイスキー
世界の五大ウイスキーのなかで、いまもっとも伸びているのがアイリッシュ。ブームを牽引する北アイルランドの最新情報をリポート。
●紹介ウイスキー
ブッシュミルズ、エクリンヴィル、グレンズ・オブ・アントリム、ヒンチ、キルオーウェン、マコーネルズ、ショートクロス、タイタニック・ディスティラーズ、トゥー・スタックス
【蒸留所リポート】
2023年に100周年を迎えたジャパニーズウイスキー。その第一歩が踏み出され、昨年リニューアルしたばかりのサントリー山崎蒸溜所を取材。そのほか月光川蒸留所や、個性的なツアーを行っている八郷蒸溜所&安積蒸溜所も紹介。
【インタビュー】
ワイルドターキーのマスターディスティラーであるエディー・ラッセル氏と、その息子ブルース・ラッセル氏を編集長がインタビュー。またフィンランドで自国ライ麦にこだわったウイスキーを造るキュロ蒸留所のミイカ氏にも話を聞いた。
【特集】
ウイスキーフェスティバル2023 in TOKYO、ウイスキーコニサークラブ新潟蒸留所ツアー、下田ウイスキーフェスリポート。
(2).ビジネスに効く教養としてのジャパニーズウイスキー
世界的にも有名なウイスキー評論家で、ウイスキー文化研究所代表 土屋守先生の著書「ビジネスに効く教養としてのジャパニーズウイスキー」です。
ウイスキーの基礎知識、日本へのウイスキーの伝来、ジャパニーズウイスキーの誕生、広告戦略とジャパニーズウイスキーの盛隆、そして、現在のクラフト蒸留所の勃興まで。日本のウイスキーの事が非常にわかりやすくまとめられた一冊。
(3).ウイスキーと私(竹鶴政孝)
日本でのウイスキー醸造に人生を捧げた、ニッカウヰスキー創業者・竹鶴政孝。ただひたすらにウイスキーを愛した男が自らを語った自伝の改訂復刻版。若き日、単身スコットランドに留学し、幾多の苦難を乗り越えてジャパニーズ・ウイスキーを完成させるまでの日々や、伴侶となるリタのことなどが鮮やかに描かれる。
(4).新世代蒸留所からの挑戦状
2019年発売。世界に空前のウイスキーブームが到来しているいま、クラフト蒸留所の経営者たちは何を考え、どんな想いでウイスキー造りに挑んだのか。日本でクラフト蒸留所が誕生するきっかけを作った、イチローズ・モルトで有名なベンチャーウイスキーの肥土伊知郎氏をはじめとする、13人のクラフト蒸留所の経営者たちが世界に挑む姿を綴った1冊。
(5).ウイスキーライジング
2016年にアメリカで出版された『Whisky Risng』の日本語版であり、内容も大幅にアップデート。ジャパニーズ・ウイスキーの歴史が詳細に記述されているだけでなく、近年、創設がつづくクラフト蒸溜所を含む、日本の全蒸溜所に関するデータも掲載。そのほかにも、今まで発売された伝説的なボトルの解説や、ジャパニーズ・ウイスキーが飲めるバーなども掲載されています。
(6).ウイスキーと風の味
1969年にニッカウヰスキーに入社した、三代目マスターブレンダーの佐藤茂夫氏の著書。
『ピュアモルト』『ブラックニッカクリア』『フロム・ザ・バレル』の生みの親でもあり、なかでも『シングルモルト余市1987』はウイスキーの国際的コンペティションWWA(ワールド・ウイスキー・アワード)にて「ワールド・ベスト・シングルモルト」を受賞。
竹鶴政孝、竹鶴威の意志を引き継いだブレンダー界のレジェンドが語る今昔。