「IPA」とは、India Pale Ale(インディアペールエール)の略で、ビールの原材料の「ホップ」を大量に使用して作られるビールです。ホップの持つ香りや苦みが、一般的なビールよりもかなり強く、アルコール度数も5.5~7.5%と高めなのが特徴のビールです。
そんな「IPA」の製造に使用したあとの空き樽を追熟(フィニッシュ)に使用したウイスキーが、今回紹介する「シングルモルト駒ヶ岳IPAカスクフィニッシュ Bottled in 2024」です。
駒ヶ岳蒸溜所に隣接する「南信州ビール駒ヶ岳醸造所」でIPAの製造に使用された樽を使用している為、毎年数量限定で非常に希少性が高く、IPAカスクフィニッシュならではのキレのある味わいは是非一度お試し頂きたい一本です。
1.ボトルとラベルの写真
シングルモルト駒ヶ岳 IPAカスクフィニッシュ Bottled in 2024
Single Malt Komagatake IPA Cask Finish 2024
2.駒ヶ岳IPAカスクフィニッシュ2024の特徴
「シングルモルト駒ヶ岳 IPAカスクフィニッシュ」は、南信州ビール駒ヶ岳醸造所でホップをふんだんに使用して醸造した中濃色ビール、インディア・ペールエール(IPA)を熟成した空き樽でフィニッシングしたシングルモルトウイスキーです。
ホップ由来の爽やかで柑橘を想わせるいきいきとした香り、グレープフルーツやライムのようなクリアな甘み、キレの良いビターな余韻があり、ハイボールとの相性が抜群の1本に仕上がりました。引用:本坊酒造公式サイト
2-1.テイスティングノート
香り | ハーブホップ由来の爽やかで柑橘を想わせるいきいきとした香り |
味わい | グレープフルーツやライムのようなクリアな甘み |
余韻 | キレの良いビターな余韻 |
2-2.商品スペック
アルコール度数 | 52% |
酒別 | シングルモルトジャパニーズウイスキー |
樽種 | バーボンバレル主体(追加熟成:南信州ビール IPA樽) |
内容量 | 700ml |
販売本数 | 限定2,730本 |
希望小売価格 | 9,900円(税込) |
発売日 | 2024年8月上旬 |
3.受賞歴
現時点では受賞歴はありません。
4.価格
4-1.メーカー希望小売価格
商品名 | シングルモルト駒ヶ岳 IPAカスクフィニッシュ Bottled in 2024 |
容量 | 700ml |
希望小売価格 | 9,900円(税込) |
4-2.メルカリでの転売価格
メルカリでの転売価格は、11,550円~15,000円前後となっています。(※2024/8/30時点)
数量限定なので、毎年発売直後から定価以上で出品されているようです。転売目的で購入されるのは複雑ではありますが、ウイスキー自体に価値がある事は確かです。
4-3.ヤフーオークション落札価格
ヤフーオークションでの落札価格は、平均12,000円前後で落札されています。(※2024/8/30時点より過去180日間の統計情報)
メルカリ同様、発売直後から定価以上の落札額となっています。毎年ヴィンテージが変わるのでコレクターの方は少し高くても入手したい商品です。
4-4.楽天、ヤフーショッピング、Amazon
通販サイトでは、16500円~20000円前後で販売されています。 (※2024/8/30時点)
楽天市場では、その希少性からメルカリ、ヤフオクよりも更に高額で販売されています。生産量自体が少ない為、値段が下がる事も無さそうです。
4-5.BAR新海での提供価格
当サイトが運営する「BAR新海」では、1杯、45ml:2,970円 、30ml:1,980円、15ml:990円で提供しております。
5.製造メーカーについて
本坊酒造株式会社
設立 | 1872年 |
本社所在地 | 〒891-0122; 鹿児島県鹿児島市南栄三丁目27番地 |
所有蒸留所 | マルス信州蒸溜所、マルス津貫蒸溜所 |
6.蒸留所について
マルス駒ヶ岳蒸溜所
蒸溜所は、長野県の宮田村に位置する「マルス信州蒸溜所」。
2024年3月から名称を【駒ヶ岳蒸溜所】へと変更しております。
所在地 | 〒399-4301 長野県上伊那郡宮田村4752-31 |
操業開始 | 1985年 |
鹿児島の地で日本の蒸留酒「焼酎」造りに邁進していた本坊酒造が、ウイスキー製造免許を取得したのが1949年。それ以来、「いつか日本の風土を活かした本物のウイスキーを造りたい」と夢を抱き続けていました。
鹿児島でのウイスキー製造から数年経た後、1960年に山梨にワインとウイスキー製造のための工場「マルス山梨ワイナリー」を設立。そして、本格的にウイスキー造りに取り組むために、さらなる理想の地を探し求めました。
澄んだ空気の寒冷地であり、しかも適度な湿度と良質な水に恵まれていることなど、ウイスキー造りのための自然条件は大変厳しいものがあります。
こうした条件を満たす土地を探し求め、1985年ウイスキー造りに最適な環境を求めて長野県中央アルプス駒ヶ岳山麓標高798mの地にマルス信州蒸溜所を開設致しました。
1992年にウイスキー需要低迷により蒸留を休止。その後、世界的にジャパニーズウイスキーが評価されはじめる中、ウイスキー需要が回復傾向にあった2009年に蒸留再開を決意し2011年2月より再スタート。
2020年9月、35年ぶりの全面リニューアル。投資額は約12億円。
2019年5月から、老朽化した設備の改修とウイスキー増産を見据えた樽貯蔵庫施設の整備やウイスキー造りの見学を目的にしたウイスキー蒸留棟(樽貯蔵庫を含む)と、オリジナルウイスキーやグッズ販売などを目的にビジター棟を新設、既存の設備及び施設を改修。
新設したウイスキー蒸留棟は1,996㎡(延床面積、約2,500樽収容予定の樽貯蔵庫含む)、ビジター棟は746㎡。
引用:本坊酒造公式HP
■製造能力:原料麦芽1.1t/日
■原酒製造量:約700L/日、約185KL/年(2020年度予定)
■主要な設備:麦芽粉砕機1基、マッシュタンロイテル(糖化槽)6KL×1基、ステンレス発酵タンク6KL×3基、ダグラスファー木槽発酵タンク(移設)6KL×3基、初溜釜(移設)
マルス駒ヶ岳蒸溜所の情報はこちら↓もご覧ください。
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7.まとめ
2020年から発売されている駒ヶ岳IPAカスクフィニッシュも、今年で4回目となりました。造りのコンセプトは同じでも、ヴィンテージ毎の香味の違いを飲み比べるのも楽しみの一つかもしれません。
もしくは、追熟(フィニッシュ)に使用されているIPA(インディアペールエール)ビールも一緒に嗜むのもこのウイスキーのストーリーを感じる事が出来てより愉しくなると思います。
南信州ビールでは、逆にシングルモルト駒ヶ岳の熟成に使用された樽を使用して発酵・熟成されたIPAビールも発売されており、こちらも是非併せて飲んでみたい一品です。
本坊酒造では、自社の山梨ワイナリーで製造される赤ワインの空き樽を使用した「岩井トラデイションワインカスクフィニッシュ」や「モルテージ越百ワインカスクフィニッシュ」などもリリースしており、様々なジャンルのお酒を自社で手広く製造している本坊酒造だからこそ出来る社内コラボ商品を多く販売しています。
自社の強みを最大限に活かして、新たな価値を創造する本坊酒造の取り組み。今後もきっと、アッと驚くコラボ商品がリリースされることでしょう。
最後に:ジャパニーズウイスキーのおすすめ書籍
世界的なトレンドを巻き起こしている「ジャパニーズウイスキー」の事をもっと知りたい、もっと勉強したいという方は、是非こちらの書籍をおすすめいたします。
(1).Whisky Galore(ウイスキーガロア)Vol.46 2024年10月号
【巻頭特集】
「新アイリッシュ・ルネッサンス[第1弾]」
【第2特集】
「ガロア的 東京のバー、パブ巡り」
【連載】
「ジャパニーズクラフトの開拓者たち」
前号からスタートしたこの連載。第2回では厚岸蒸溜所の樋田恵一氏を編集長がインタビューします。
(2).ビジネスに効く教養としてのジャパニーズウイスキー
世界的にも有名なウイスキー評論家で、ウイスキー文化研究所代表 土屋守先生の著書「ビジネスに効く教養としてのジャパニーズウイスキー」です。
ウイスキーの基礎知識、日本へのウイスキーの伝来、ジャパニーズウイスキーの誕生、広告戦略とジャパニーズウイスキーの盛隆、そして、現在のクラフト蒸留所の勃興まで。日本のウイスキーの事が非常にわかりやすくまとめられた一冊。
(3).ウイスキーと私(竹鶴政孝)
日本でのウイスキー醸造に人生を捧げた、ニッカウヰスキー創業者・竹鶴政孝。ただひたすらにウイスキーを愛した男が自らを語った自伝の改訂復刻版。若き日、単身スコットランドに留学し、幾多の苦難を乗り越えてジャパニーズ・ウイスキーを完成させるまでの日々や、伴侶となるリタのことなどが鮮やかに描かれる。
(4).新世代蒸留所からの挑戦状
2019年発売。世界に空前のウイスキーブームが到来しているいま、クラフト蒸留所の経営者たちは何を考え、どんな想いでウイスキー造りに挑んだのか。日本でクラフト蒸留所が誕生するきっかけを作った、イチローズ・モルトで有名なベンチャーウイスキーの肥土伊知郎氏をはじめとする、13人のクラフト蒸留所の経営者たちが世界に挑む姿を綴った1冊。
(5).ウイスキーライジング
2016年にアメリカで出版された『Whisky Risng』の日本語版であり、内容も大幅にアップデート。ジャパニーズ・ウイスキーの歴史が詳細に記述されているだけでなく、近年、創設がつづくクラフト蒸溜所を含む、日本の全蒸溜所に関するデータも掲載。そのほかにも、今まで発売された伝説的なボトルの解説や、ジャパニーズ・ウイスキーが飲めるバーなども掲載されています。
(6).ウイスキーと風の味
1969年にニッカウヰスキーに入社した、三代目マスターブレンダーの佐藤茂夫氏の著書。
『ピュアモルト』『ブラックニッカクリア』『フロム・ザ・バレル』の生みの親でもあり、なかでも『シングルモルト余市1987』はウイスキーの国際的コンペティションWWA(ワールド・ウイスキー・アワード)にて「ワールド・ベスト・シングルモルト」を受賞。
竹鶴政孝、竹鶴威の意志を引き継いだブレンダー界のレジェンドが語る今昔。