2017年沖縄県名護市許田のヘリオス酒造で、仕込み・蒸留を行ったモルト原酒が3年の熟成を経て、2020年12月にボトリングされ沖縄初のシングルモルトウイスキーとしてリリース。
蒸留所にほど近い山あいの夜明け前の雰囲気をイメージし、地名である「許田」を力強い筆文字で表現したラベルデザインとなっております。
公式オンラインショップではすでに売り切れとなっております。
1.メーカー
ヘリオス酒造株式会社
設立 | 1961年 |
本社所在地 | 〒905-0024 沖縄県名護市字許田405 |
所有蒸留所 | ヘリオス酒造蒸留所 |
2.蒸留所
ヘリオス酒造蒸留所
所在地 | 〒905-0024 沖縄県名護市許田405 |
操業開始 | 2016年(ウイスキー製造再開) |
現在6種類の酒類製造免許を持つヘリオス酒造は、百年先につながる酒造りを追求する中で「地域に根差した酒のエンターテイナー」をモットーに、多種多様な商品を展開しています。
酒造りでまずこだわりたいもの、それは「水」。豊かな自然と清らかな水を求めたどり着いたのが沖縄県名護市許田(きょだ)。許田は、太古の昔から続くやんばるの森に囲まれた「水の都」と呼ばれてきたところです。年間を通じて湿潤なやんばる地方は降雨量も多く、森に降った雨は土のミネラルを蓄えながら地中深く深くへしみ込み、ゆっくり時間をかけて川へ送りだされます。ヘリオス酒造の酒は裏手を流れる川の上流の清らかな天然水を使って仕込まれています。
代表する商品は泡盛の古酒「くら」。1991年の発売から30年経った今でも親しまれ続けるロングセラー商品です。
ウイスキーでも同名の「くら」を販売しています。
■主な沿革
1961年 那覇市に(資)太陽醸造を設立。沖縄産のサトウキビを原料としたラムを製造
1963年 ウイスキーの製造開始
1969年 社名をヘリオス酒造株式会社に変更
1972年 本社・工場を現在の名護市字許田に移転
1991年 洋酒事業で培った樽熟成の技術を活かし、オーク樽熟成の泡盛、古酒「くら」を発売
などなど、歴史ある酒造メーカーです。詳しい沿革はこちら
画像出展:ヘリオス酒造公式HP
ヘリオス酒造蒸留所の情報はこちら↓もご覧ください。
3.商品名と写真
シングルモルトウイスキー「許田〈きょだ〉カスクストレングス2020」
Single Malt Whisky KYODA Cask Strength 2020
4.特徴
沖縄初シングルモルトウイスキーでスモーキーフレーバー
英国産のピート麦芽を原料とし、2017年に自社で仕込み・蒸留を行ったモルトウイスキーをホワイトオーク樽で3年間熟成させた沖縄初のシングルモルトウイスキーです。
ピートモルト由来のスモーキーな香りと奥行きのある味わいのウイスキーで、樽出しのアルコール度数のままの60.9%、加水をしない「カスクストレングス」。
ヘリオス酒造のウイスキー造りへのこだわりが反映された、Non chill-filtered(ノンチルフィルタード)、Non coloured(ノンカラード)のジャパニーズウイスキーです。
4-1.テイスティングノート
香り レーズン、燻製ベーコン、程よいピートがしっかり感じられる。 味わい 口に含むと一瞬アルコールを感じるが、すぐに抜けていきビターチョコレートのようなまろやかでコクのある味わいに変化する。 余韻 スモーキーでスパイシーな樽香が続く。 4-2.商品スペック
アルコール度数 | 60.9% |
酒別 | シングルモルトウイスキー |
樽種 | ホワイトオーク樽 |
内容量 | 700ml |
販売本数 | 1,423本 |
希望小売価格 | 11,000円(税込) |
発売日 | 2020年12月31日 |
5.受賞歴
現時点での受賞歴はありません。
6.価格
6-1.メーカー希望小売価格
商品名 | シングルモルトウイスキー「許田カスクストレングス2020」 |
容量 | 700ml |
希望小売価格 | 10,000円(税込:11,000円) |
6-2.メルカリでの転売価格
メルカリでの転売価格は、16,500円~20,000円前後となっています。(※2021/2/14時点)
6-3.ヤフーオークション落札価格
ヤフーオークションでの落札価格は、最安15,000円、最高20,005円、平均17,900円 (※2021/2/14時点より過去120日間の統計情報)
6-4.楽天、ヤフーショッピング、Amazon
通販サイトでは、販売されていません。 (※2021/2/14時点)
6-5.BAR新海での提供価格
当サイトが運営する「BAR新海」では、1杯、45ml:3,300円30ml:2,200円、15ml:1,100円などの少量でも提供しております。
7.まとめ
商品リリースの事前告知もなく、12月31日にサラッとオンラインショップで販売開始(最初は限定100個販売。売り切れ後、追加で90個販売)されたこのウイスキーですが、初動こそ鈍かったもののTwitterなどで少しづつ認知されていくうちに、追加分の90個は一瞬で完売してしまいました。
3年熟成でしかもカスクストレングスなので、アルコール感が強いかも!!と思いましたがそんな心配は無用でした。
率直な感想は、3年の熟成でなんでこんなに美味しいの?です。しっかりピートが効いていてまるでアイラのウイスキーのような味わい。
昨今ジャパニーズウイスキーは新しい蒸留所たちが軒並み3年熟成で数量限定ウイスキーをリリースしてきますが、どれも驚くほど美味しい。日本のモノづくりに対する熱い思いを感じてしまいます。
ヘリオス酒造は今回の「許田カスクストレングス」で終わることなく今後もウイスキー造りをしていくようなので、次のリリース時には更に盛り上がると予想されます。期待度大。今後の動向に注目していきたいと思います。
「許田」に関するその他の記事も是非ご覧ください。
最後に:ジャパニーズウイスキーのおすすめ書籍
世界的なトレンドを巻き起こしている「ジャパニーズウイスキー」の事をもっと知りたい、もっと勉強したいという方は、是非こちらの書籍をおすすめいたします。
(1).Whisky Galore(ウイスキーガロア)Vol.42 2024年2月号
【巻頭特集】ウイスキーの聖地 アイラ島の“現在”を読み解く
アイラ島のウイスキーは、昔から「アイラモルト」という独自のカテゴリーを与えられてきた。現在9ヵ所の蒸留所があり、さらに2つの新蒸留所計画が発表されている、この小さな島を改めて紹介。
また、現在入手可能なウイスキー8種を土屋編集長が飲み比べる。
●掲載蒸留所
ボウモア、アードベッグ、ラガヴーリン、ラフロイグ、カリラ、ブナハーブン、ブルックラディ、キルホーマン、アードナッホー
【第2特集】北アイルランドのウイスキー
世界の五大ウイスキーのなかで、いまもっとも伸びているのがアイリッシュ。ブームを牽引する北アイルランドの最新情報をリポート。
●紹介ウイスキー
ブッシュミルズ、エクリンヴィル、グレンズ・オブ・アントリム、ヒンチ、キルオーウェン、マコーネルズ、ショートクロス、タイタニック・ディスティラーズ、トゥー・スタックス
【蒸留所リポート】
2023年に100周年を迎えたジャパニーズウイスキー。その第一歩が踏み出され、昨年リニューアルしたばかりのサントリー山崎蒸溜所を取材。そのほか月光川蒸留所や、個性的なツアーを行っている八郷蒸溜所&安積蒸溜所も紹介。
【インタビュー】
ワイルドターキーのマスターディスティラーであるエディー・ラッセル氏と、その息子ブルース・ラッセル氏を編集長がインタビュー。またフィンランドで自国ライ麦にこだわったウイスキーを造るキュロ蒸留所のミイカ氏にも話を聞いた。
【特集】
ウイスキーフェスティバル2023 in TOKYO、ウイスキーコニサークラブ新潟蒸留所ツアー、下田ウイスキーフェスリポート。
(2).ビジネスに効く教養としてのジャパニーズウイスキー
世界的にも有名なウイスキー評論家で、ウイスキー文化研究所代表 土屋守先生の著書「ビジネスに効く教養としてのジャパニーズウイスキー」です。
ウイスキーの基礎知識、日本へのウイスキーの伝来、ジャパニーズウイスキーの誕生、広告戦略とジャパニーズウイスキーの盛隆、そして、現在のクラフト蒸留所の勃興まで。日本のウイスキーの事が非常にわかりやすくまとめられた一冊。
(3).ウイスキーと私(竹鶴政孝)
日本でのウイスキー醸造に人生を捧げた、ニッカウヰスキー創業者・竹鶴政孝。ただひたすらにウイスキーを愛した男が自らを語った自伝の改訂復刻版。若き日、単身スコットランドに留学し、幾多の苦難を乗り越えてジャパニーズ・ウイスキーを完成させるまでの日々や、伴侶となるリタのことなどが鮮やかに描かれる。
(4).新世代蒸留所からの挑戦状
2019年発売。世界に空前のウイスキーブームが到来しているいま、クラフト蒸留所の経営者たちは何を考え、どんな想いでウイスキー造りに挑んだのか。日本でクラフト蒸留所が誕生するきっかけを作った、イチローズ・モルトで有名なベンチャーウイスキーの肥土伊知郎氏をはじめとする、13人のクラフト蒸留所の経営者たちが世界に挑む姿を綴った1冊。
(5).ウイスキーライジング
2016年にアメリカで出版された『Whisky Risng』の日本語版であり、内容も大幅にアップデート。ジャパニーズ・ウイスキーの歴史が詳細に記述されているだけでなく、近年、創設がつづくクラフト蒸溜所を含む、日本の全蒸溜所に関するデータも掲載。そのほかにも、今まで発売された伝説的なボトルの解説や、ジャパニーズ・ウイスキーが飲めるバーなども掲載されています。
(6).ウイスキーと風の味
1969年にニッカウヰスキーに入社した、三代目マスターブレンダーの佐藤茂夫氏の著書。
『ピュアモルト』『ブラックニッカクリア』『フロム・ザ・バレル』の生みの親でもあり、なかでも『シングルモルト余市1987』はウイスキーの国際的コンペティションWWA(ワールド・ウイスキー・アワード)にて「ワールド・ベスト・シングルモルト」を受賞。
竹鶴政孝、竹鶴威の意志を引き継いだブレンダー界のレジェンドが語る今昔。