【レビュー】富士山麓 シグニチャーブレンド

ウィスキーレビュー
ウィスキーレビュー
キリン富士御殿場蒸溜所

富士山麓シグニチャーブレンド」は熟成のピークに達した原酒を厳選し世界一のブレンディング技術によって誕生したブレンデッドウイスキーです。御殿場蒸溜所の世界的に評価の高いグレーンウイスキー、IOW2017※にて世界最優秀賞を受賞したマスターブレンダー、田中城太氏のブレンディング技術によるまさにプレミアムなウイスキーで富士山麓 樽熟原酒50°の上位クラス品にあたります。そもそも2017年4月より富士御殿場蒸溜所のファクトリーショップならびにキリンオンラインショップ「DRINX(ドリンクス)」のみでの限定販売だったこの商品。生産体制が整ったことで全国販売となった次第。2018年8月21日発売。

※IOW2017:アイコンズ・オブ・ウイスキー2017。
IOWは世界のウイスキー業界に著しい貢献を果たしたメーカー、蒸留所、人物、小売店などを表彰するために設立されたコンテスト。

スポンサーリンク

1.メーカー

キリンディスティラリー株式会社

設立1972年8月
本社所在地〒412-0003 静岡県御殿場市柴怒田970番地
所有蒸留所富士御殿場蒸溜所

2.蒸留所

富士御殿場蒸溜所

所在地〒412-0003 静岡県御殿場市柴怒田970番地
操業開始1973年11月

1972年8月 キリンビール株式会社(日本)、JEシーグラム社(米、当時)、シーバースブラザーズ社(英)3社合弁によりキリン・シーグラム株式会社設立
1973年11月 富士御殿場蒸溜所完成、製造開始
1974年2月 国産ウイスキーロバートブラウン」発売
2002年7月 社名を「キリンディスティラリー株式会社」と変更(キリンビール株式会社の100%出資会社化)
2005年9月 国産ウイスキー「キリンウイスキー富士山麓 樽熟50°」「キリンウイスキー富士山麓シングルモルト18年」発売
2016年3月 「キリンウイスキー 富士山麓 ブレンデッド 18年」発売、「キリンウイスキー富士山麓 樽熟原酒50°」発売
2018年8月 「富士山麓 Signature Blend (シグニチャーブレンド)」発売
2020年4月 「キリンシングルグレーンウイスキー富士」発売

富士山のふもとに位置する「キリンディスティラリー(株)富士御殿場蒸溜所」はモルトウイスキーとグレーンウイスキーの仕込みからボトリングまで一貫して行う、世界でも珍しいウイスキー蒸留所です。
豊富な富士の伏流水、冷涼な気候、一年を通して幾度となく発生する霧、恵まれた自然環境の中で、ウイスキーをはじめ、ミネラルウォーターや缶チューハイなど、キリングループの多種多様な製品を製造しています。

2019年2月、将来のさらなるウイスキーの販売数量増加に備えて生産設備を増強、約80億円を投資。
多様なモルトウイスキー原酒を製造するため、小型の発酵タンク4基と蒸留器2系列4基を新設し原酒製造能力を約2倍に、樽熟成庫のリニューアル・大型化等により、樽の保管能力を約2割増強。将来にわたり高品質なウイスキーを安定して供給できる生産体制を目指す。稼働開始時期は2021年6月の予定。

引用元:キリンディスティラリー株式会社公式HP

富士御殿場蒸溜所の情報はこちら↓もご覧ください。

キリン富士御殿場蒸溜所 | ジャパニーズウイスキーディクショナ...
Japanese Whisky Dictionary

3.商品名と写真

キリン 富士山麓 シグニチャーブレンド
Kirin FUJI-SANROKU Signature Blend

4.特徴

熟成のピークを迎えた原酒を厳選しブレンドした「富士山麓」の自信作
このウイスキーの特徴として、熟成年数にこだわらず使用する原酒(モルト、樽材など)によって異なる熟成の進み具合に着目し、それぞれが最高の熟成度となる時期(※マチュレーションピーク)となる原酒をブレンドしているところにあります。
熟成のピークに達した原酒を主に、マスターブレンダー田中城太の熟練したブレンディング技術で誕生した、富士御殿場蒸溜所を象徴するウイスキーです。洋梨やパイナップル、オレンジピールを思わせるフルーティで華やかな果実香が立ちのぼり、黒糖や焼き菓子のような甘く芳ばしい風味が織り重なる複層的で円熟した味わいが特長です。

※マチュレーションピーク
それぞれのウイスキー原酒が本来持つ香味的特長・個性が最も良く表れている状態(円熟期)を指します。樽熟成させる前の蒸留液の性状、熟成させる樽の種類、温湿度環境によって、熟成のピークに達するタイミングは異なり、原酒がたどる熟成の軌道に違いが生まれます。

4-1.テイスティングノート

香りメロン、レモン、ライム、柿、ナッツ、青リンゴが先行、バニラやウエハースが後を追う
味わいストレートでは辛みが強いが、加水でビター、酸味が先行、後味は甘い
余韻

気品のある熟成香と共に、複雑で奥深い余韻が心地よく続く

引用:キリンウイスキー富士山麓

4-2.商品スペック

アルコール度数50%
酒別ブレンデッドウイスキー
樽種
内容量700ml
販売本数
希望小売価格5,500円(税込)
発売日2018年8月21日

5.受賞歴

現時点では受賞歴はありません。

6.価格

6-1.メーカー希望小売価格

商品名キリン 富士山麓 シグニチャーブレンド
容量700ml
希望小売価格5,500円(税込)

6-2.メルカリでの転売価格

メルカリでの転売価格は、3,700円~4,500円前後となっています。(※2021/3/22時点)

6-3.ヤフーオークション落札価格

ヤフーオークションでの現在出品中の価格は、最安2,301円、最高5,000円、平均3,121円(※2021/3/22時点) 

6-4.楽天、ヤフーショッピング、Amazon

通販サイトでも、4,400円~5,000円前後で販売されています。 (※2021/3/22時点)

6-5.BAR新海での提供価格

当サイトが運営する「BAR新海」では、1杯、45ml:1,540円(税込)で提供しております。

「BAR新海」のご案内
Japanese Whisky Dictionaryが運営する「BAR新海」は、東京都港区に3店舗。当サイトで紹介しているジャパニーズウィスキーをはじめ、国産のジンやビールなども取扱い。オリジナルカクテル、フレッシュフルーツカクテルなども人気。食事も豊富で1件目からも利用可能。

7.まとめ

グラスに注ぐとこちらは樽熟原酒50°よりも濃厚な色合いで、フルーティーな香りのあとに、バニラやキャラメルのような甘く芳醇な香りが残ります。香りの余韻だけで1時間はグラスを楽しめそうです。味わいはまろやかな口当たりで、甘く芳醇な樽での熟成を感じます。アルコール度数は同じ50度ですが、樽熟原酒50°にはまだ荒々しい感じが残っており、シグニチャーブレンドはアルコールの高さを感じさせないまろやかで円熟した深い味わいに仕上がっています。まさにいまが飲みごろという完成度の高さ、これはシングルモルト一択という方にもぜひ飲んでいただきたいです。

この深く芳醇な味わいは、ハイボールや水割りでも存分に味わうことができると思いますが、ただ冷やすとどうしてもせっかくの良い香りも弱くなってしまうので、トワイスアップで飲むのもオススメです。是非BAR新海でご賞味ください。

■キリン社が誇るブレンデッドウイスキー「富士山麓」の秘訣「マチュレーションピーク」とは?も是非ご覧ください。

ウイスキー「富士山麓」とは|おいしさの秘訣はマチュレーションピー...
キリンより販売されている「富士山麓」は、ウイスキーファンの評価が高いブレンデッドウイスキーです。 「澄んだ味わいの中に広がる甘い樽熟香」を目指して作られた「富士山麓」ですが、その製造工程には強いこだわ

■キリンに関するその他の記事も是非ご覧ください。

【レビュー】シングルグレーンウイスキー富士
世界的に評価の高い富士御殿場蒸留所のグレーンウィスキー原酒のみを使用しており、香味タイプの異なる3種類のグレーン原酒を組み合わせ、それぞれの香味特長を生かした味わいになっている。フルーティーな果実香、オレンジやグレープが感じられる香味が特長のウィスキー。
【レビュー】富士山麓18年 ブレンデッド スモールバッチ2018
済んだ味わいの中に広がる甘い樽熟香18年以上の熟成の中で自然のやさしさが溶け込んだモルト&グレーン原酒をブレンド。洋梨のタルトを想わせる甘く芳ばしい樽熟香。口当たりはまろやかで、心地良いピートフレーバーを伴うしっかりした味わい。
スポンサーリンク

最後に:ジャパニーズウイスキーのおすすめ書籍

世界的なトレンドを巻き起こしている「ジャパニーズウイスキー」の事をもっと知りたい、もっと勉強したいという方は、是非こちらの書籍をおすすめいたします。

(1).Whisky Galore(ウイスキーガロア)Vol.42 2024年2月号

【巻頭特集】ウイスキーの聖地 アイラ島の“現在”を読み解く
アイラ島のウイスキーは、昔から「アイラモルト」という独自のカテゴリーを与えられてきた。現在9ヵ所の蒸留所があり、さらに2つの新蒸留所計画が発表されている、この小さな島を改めて紹介。
また、現在入手可能なウイスキー8種を土屋編集長が飲み比べる。
●掲載蒸留所
ボウモア、アードベッグ、ラガヴーリン、ラフロイグ、カリラ、ブナハーブン、ブルックラディ、キルホーマン、アードナッホー

【第2特集】北アイルランドのウイスキー
世界の五大ウイスキーのなかで、いまもっとも伸びているのがアイリッシュ。ブームを牽引する北アイルランドの最新情報をリポート。
●紹介ウイスキー
ブッシュミルズ、エクリンヴィル、グレンズ・オブ・アントリム、ヒンチ、キルオーウェン、マコーネルズ、ショートクロス、タイタニック・ディスティラーズ、トゥー・スタックス

【蒸留所リポート】
2023年に100周年を迎えたジャパニーズウイスキー。その第一歩が踏み出され、昨年リニューアルしたばかりのサントリー山崎蒸溜所を取材。そのほか月光川蒸留所や、個性的なツアーを行っている八郷蒸溜所&安積蒸溜所も紹介。

【インタビュー】
ワイルドターキーのマスターディスティラーであるエディー・ラッセル氏と、その息子ブルース・ラッセル氏を編集長がインタビュー。またフィンランドで自国ライ麦にこだわったウイスキーを造るキュロ蒸留所のミイカ氏にも話を聞いた。

【特集】
ウイスキーフェスティバル2023 in TOKYO、ウイスキーコニサークラブ新潟蒸留所ツアー、下田ウイスキーフェスリポート。

(2).ビジネスに効く教養としてのジャパニーズウイスキー

世界的にも有名なウイスキー評論家で、ウイスキー文化研究所代表 土屋守先生の著書「ビジネスに効く教養としてのジャパニーズウイスキー」です。
ウイスキーの基礎知識、日本へのウイスキーの伝来、ジャパニーズウイスキーの誕生、広告戦略とジャパニーズウイスキーの盛隆、そして、現在のクラフト蒸留所の勃興まで。日本のウイスキーの事が非常にわかりやすくまとめられた一冊。

(3).ウイスキーと私(竹鶴政孝)

日本でのウイスキー醸造に人生を捧げた、ニッカウヰスキー創業者・竹鶴政孝。ただひたすらにウイスキーを愛した男が自らを語った自伝の改訂復刻版。若き日、単身スコットランドに留学し、幾多の苦難を乗り越えてジャパニーズ・ウイスキーを完成させるまでの日々や、伴侶となるリタのことなどが鮮やかに描かれる。

(4).新世代蒸留所からの挑戦状

2019年発売。世界に空前のウイスキーブームが到来しているいま、クラフト蒸留所の経営者たちは何を考え、どんな想いでウイスキー造りに挑んだのか。日本でクラフト蒸留所が誕生するきっかけを作った、イチローズ・モルトで有名なベンチャーウイスキーの肥土伊知郎氏をはじめとする、13人のクラフト蒸留所の経営者たちが世界に挑む姿を綴った1冊。

(5).ウイスキーライジング

2016年にアメリカで出版された『Whisky Risng』の日本語版であり、内容も大幅にアップデート。ジャパニーズ・ウイスキーの歴史が詳細に記述されているだけでなく、近年、創設がつづくクラフト蒸溜所を含む、日本の全蒸溜所に関するデータも掲載。そのほかにも、今まで発売された伝説的なボトルの解説や、ジャパニーズ・ウイスキーが飲めるバーなども掲載されています。

(6).ウイスキーと風の味

1969年にニッカウヰスキーに入社した、三代目マスターブレンダーの佐藤茂夫氏の著書。
『ピュアモルト』『ブラックニッカクリア』『フロム・ザ・バレル』の生みの親でもあり、なかでも『シングルモルト余市1987』はウイスキーの国際的コンペティションWWA(ワールド・ウイスキー・アワード)にて「ワールド・ベスト・シングルモルト」を受賞。
竹鶴政孝竹鶴威の意志を引き継いだブレンダー界のレジェンドが語る今昔。

この記事を書いた人
新海 博之

1981年7月17日 北海道北広島市出身
大学卒業後、NTTデータカスタマサービス㈱へ新卒入社。
2010年「麻布十番BAR新海」を開業 → 2016年、名物「薬膳カレー」を開発 → 2018年「虎ノ門BAR新海」、2019年には「芝大門BAR新海」を開業 → 2020年 ウェブメディア「Japanese Whisky Dictionary」をスタート。
バーテンダーの私達だから出来る事として、ジャパニーズウイスキーの魅力を日々発信する。

新海 博之をフォローする
スポンサーリンク
ジャパニーズウイスキーディクショナリー
タイトルとURLをコピーしました