【レビュー】シングルモルトウィスキー静岡 プロローグW

ガイアフロー静岡蒸留所

2021年6月19日「シングルモルトウィスキー静岡 プロローグW」が発売されました。
販売本数は5,000本と前作のプロローグKと同数。希望小売価格は8,943円(税込)と昨今のクラフト蒸留所から発売されるジャパニーズウィスキーと比べると比較的手に取りやすい金額になっております。

1.メーカー

ガイアフローディスティリング株式会社

設立2014年10月8日
本社所在地〒421-2223 静岡県静岡市葵区落合555番地
所有蒸留所ガイアフロー静岡蒸留所

2.蒸留所

ガイアフロー静岡蒸留所

所在地〒421-2223 静岡県静岡市葵区落合555番地
操業開始2016年

2014年10月8日ガイアフローディスティリング株式会社設立。
2016年8月9日ガイアフロー静岡蒸留所竣工。
同年、10月28日ウイスキー製造開始。
静岡県静岡市のオクシズ(奥静岡エリア)の玉川地区にあり、一級河川安倍川の支流である、安倍中河内川のほとりに建っている。
標高は200m前後、周囲は400m級の美しい山々に囲まれ、市街地より気温は常に2〜3度低く、まさに好立地と言える。
建物は、日本の美と西洋文化の融合をテーマにデザインされており、静岡在住のアメリカ人建築家デレック・バストン氏とのコラボレーションにより内外装に静岡の木材を多用した、見た目にも美しいウイスキー蒸留所です。

静岡蒸留所には「K」と「W」という呼び名の2基の初留用蒸留機が稼働しています。Kは、1950年代に日本で製造された歴史ある軽井沢蒸留所の蒸留機。2011年11月に惜しまれつつ閉鎖した軽井沢蒸留所から静岡蒸留所に移設され、修理・改修し伝説の蒸留機は復活しました。そのしなやかに伸びた優美なシルエットと、蒸気の間接加熱により、軽やかで華やかな味わいの原酒を生み出しています。

下の写真の左手前がスコットランド・フォーサイス社製のおそらく世界で唯一の「薪直火蒸留機」で、この蒸留機がW。
今回のプロローグWはこの蒸留機で蒸留した原酒を使用しています。直火蒸留の特徴はまさに温度です。一般的な間接加熱蒸留の場合の温度は150℃前後ですが、静岡蒸留所の薪直火蒸留は800℃とのことで、香ばしく力強いタイプのモルト原酒を作り出すことができます。

発酵槽には地元静岡産の杉を使った木桶を採用。静岡市は林業の街であり、その特色を生かし、静岡らしいウイスキーを造れたらとの思いを込めて、あえて地元静岡産の杉を選んでいるのだそうです。
ウィスキーの原料となるモルト(大麦麦芽)を粉砕する為のモルトミルも、蒸留機”K”と同様に軽井沢蒸留所で使用されていた歴史ある機械を移設して使用しています。

https://jpwhisky.net/wp-content/themes/muum_tcd085/img/common/no_avatar.png

因みに、メルシャン軽井沢蒸留所で造られ、商品化されずに貯蔵庫に眠っていた幻のウィスキー原酒は、あるイギリスの企業が買取った後、2013年にボトリングされ「軽井沢1960」として200万円で販売されました。その後、2017年のスコットランドのオークションでは約1400万円で落札。日本のウィスキーが世界中のウィスキーコレクターにとってターゲットリストのトップにある事が明らかになりました。

メルシャンが当時販売していたウィスキーには、「軽井沢 貯蔵8年 100%モルト ウイスキー」や「メルシャン 軽井沢15年 シェリー樽 モルトマスターズ」などがありました。

静岡は、スコットランドよりも温かい気候であることと、貯蔵庫の天井に採光用の窓を設置して敢えて寒暖差を作る設計にしています。その為、貯蔵庫で熟成中の原酒は、エンジェルズシェアで年間5%以上蒸発する見込みだそうです。

蒸留所には、試飲コーナーが設けられていて静岡蒸留所の原酒や、第一弾の「シングルモルトプロローグK」を試飲する事ができます(有料)。また、静岡蒸留所では、ウィスキーの輸入販売を行っており、インドのウィスキー「アムルット」、スコットランドのボトラーズ「ブラックアダー」「アスタモリス」なども試飲する事が出来ます。

ガイアフロー静岡蒸留所の情報はこちら↓もご覧ください。

3.商品名と写真

シングルモルトウィスキー静岡 プロローグW
SINGLE MALT JAPANESE WHISKY SHIZUOKA PROLOGUE W

4.特徴

バルジ型「薪直火蒸留機」が織りなす華やかでコクがあり、力強い味わい

Wは、唯一無二の薪直火蒸留機の愛称。直火の蒸留機は世界的にも数が限られており、その中でも他に類を見ないのが薪を燃料とした蒸留機です。静岡の豊かな山の営みから溢れでた針葉樹の間伐材を、地元のきこりがひとつひとつ丁寧に割って薪にします。200年以上前の蒸留技術を蘇らせ、薪を燃やしてウイスキーを蒸留しています。

原材料は、日本国産大麦麦芽を主体に、スコットランド産ピーテッド麦芽やビール用麦芽を使用。3年熟成の若々しさがありつつ、優しい香りと、しっかりしたボディ感と軽いスモーキーさ、長く穏やかな余韻をご堪能いただけます。薪直火ならではの厚みのある味わいをご賞味ください。

引用:静岡蒸溜所シングルモルト日本ウイスキー第2弾「プロローグW」登場

4-1.テイスティングノート

香りエステリー、柑橘系フルーツ、ほのかにスモーキー
味わいスパイシー、フルーツの酸味、バーボン樽特有の甘さ、コクがあり複雑な味わい
余韻長く穏やかな余韻が続く

4-2.商品スペック

製品名シングルモルトウィスキー静岡 プロローグW
酒 別シングルモルトウィスキー
原材料日本国産大麦麦芽、スコットランド産ピーテッド麦芽、スコットランド産ノンピート麦芽、ドイツ産ビール麦芽
樽 種ファーストフィル バーボン・バレル、ファーストフィル バーボン・クォーターカスク、ヴァージン・アメリカンオークバレル
販売数限定5,000本
度 数55.5%
内容量700ml
価 格8,943円(税込)
製造者ガイアフロー静岡蒸留所

5.受賞歴

現時点では、受賞歴はありません。

6.価格

6-1.メーカー希望小売価格

商品名シングルモルトウィスキー静岡 プロローグW
容量700ml
希望小売価格8,943円(税込)

6-2.メルカリでの転売価格

メルカリでの転売価格は、60,000円~80,000円前後となっています。(※2021/6/24時点)

6-3.ヤフーオークション落札価格

ヤフーオークションでの落札価格は、最安24,800円、最高45,500円、平均31,881円 (※2021/2/14時点より過去120日間の統計情報)

6-4.楽天、ヤフーショッピング、Amazon

通販サイトでは、99,800円で販売されています。 (※2021/6/23時点)

6-5.BAR新海での提供価格

当サイトが運営する「BAR新海」では、1杯、45ml:3,300円 30ml:2,200円、15ml:1,100円などの少量でも提供しております。

7.まとめ

前作のプロローグKとはまったく違う味わい。蒸留機が違うとここまで違うのかと驚きました。
香り・味わいともに輪郭がはっきりしていてモルトの個性を感じ取れます。
スコットランド産ピーテッド麦芽の程良いピート感と手の込んだ薪直火蒸留によりコクや旨みもありながら、華やかでフルーティな味わいに。

今年の3月に蒸留所見学した際に、年内にもう一本リリース予定というお話を中村大航氏から伺いました。
今のところ具体的な情報はまだ公開されておりませんが、どのようなウィスキーになるのか楽しみで仕方ありません。

「静岡」に関するその他の記事も是非ご覧ください。

最後に:ジャパニーズウィスキーのおすすめ書籍

世界的なトレンドを巻き起こしている「ジャパニーズウィスキー」の事をもっと知りたい、もっと勉強したいという方は、是非こちらの書籍をおすすめいたします。

(1).ビジネスに効く教養としてのジャパニーズウィスキー

世界的にも有名なウィスキー評論家で、ウィスキー文化研究所代表 土屋守先生の著書「ビジネスに効く教養としてのジャパニーズウィスキー」です。
ウィスキーの基礎知識、日本へのウィスキーの伝来、ジャパニーズウィスキーの誕生、広告戦略とジャパニーズウィスキーの盛隆、そして、現在のクラフト蒸留所の勃興まで。日本のウィスキーの事が非常にわかりやすくまとめられた一冊。

(2).ウィスキーと私(竹鶴政孝)

日本でのウイスキー醸造に人生を捧げた、ニッカウヰスキー創業者・竹鶴政孝。ただひたすらにウイスキーを愛した男が自らを語った自伝の改訂復刻版。若き日、単身スコットランドに留学し、幾多の苦難を乗り越えてジャパニーズ・ウイスキーを完成させるまでの日々や、伴侶となるリタのことなどが鮮やかに描かれる。

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(3).新世代蒸留所からの挑戦状

2019年発売。世界に空前のウイスキーブームが到来しているいま、クラフト蒸留所の経営者たちは何を考え、どんな想いでウイスキー造りに挑んだのか。日本でクラフト蒸留所が誕生するきっかけを作った、イチローズ・モルトで有名なベンチャーウイスキーの肥土伊知郎氏をはじめとする、13人のクラフト蒸留所の経営者たちが世界に挑む姿を綴った1冊。

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(4).ウィスキーライジング

2016年にアメリカで出版された『Whisky Risng』の日本語版であり、内容も大幅にアップデート。ジャパニーズ・ウイスキーの歴史が詳細に記述されているだけでなく、近年、創設がつづくクラフト蒸溜所を含む、日本の全蒸溜所に関するデータも掲載。そのほかにも、今まで発売された伝説的なボトルの解説や、ジャパニーズ・ウイスキーが飲めるバーなども掲載されています。

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