【レビュー】ガイアフロー シングルモルトウイスキー静岡 プロローグK

ウィスキーレビュー
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ガイアフロー静岡蒸溜所

2020年12月19日、ガイアフロー静岡蒸溜所より満を持して発売。
かつてメルシャンが所有していた軽井沢ウイスキー蒸留所は、2011年11月に惜しまれつつ閉鎖。
その後、蒸留所はオークションに出され見事落札を果たしたのが、ガイアフローディスティリング株式会社でした。
軽井沢蒸留所内の使用可能な機材を選定し、修理、改修の後、蒸留機3号機は【蒸留機K】として新しく生まれ変わった。
その記念すべき最初のウイスキーがこの『プロローグK』である。

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1.メーカー

ガイアフローディスティリング株式会社

設立 2014年10月8日
本社所在地 〒421-2223 静岡県静岡市葵区落合555番地
所有蒸留所 ガイアフロー静岡蒸溜所

2.蒸留所

ガイアフロー静岡蒸溜所

所在地 〒421-2223 静岡県静岡市葵区落合555番地
操業開始 2016年

2014年10月8日ガイアフローディスティリング株式会社設立。
2016年8月9日ガイアフロー静岡蒸溜所竣工。
同年、10月28日ウイスキー製造開始。
静岡県静岡市のオクシズ(奥静岡エリア)の玉川地区にあり、一級河川安倍川の支流である、安倍中河内川のほとりに建っている。
標高は200m前後、周囲は400m級の美しい山々に囲まれ、市街地より気温は常に2〜3度低く、まさに好立地と言える。
建物は、日本の美と西洋文化の融合をテーマにデザインされており、静岡在住のアメリカ人建築家デレック・バストン氏とのコラボレーションにより内外装に静岡の木材を多用した、見た目にも美しいウイスキー蒸溜所である。

画像出典元:ガイアフローディスティリング株式会社

先述の蒸留機Kの他に特筆すべき点も多く、軽井沢ウイスキー蒸留所から引き継いだ英国製モルトミルは、ポーティアス社製のビンテージ。
ポーティアス社製は頑丈すぎて壊れない為、受注が無くなり倒産したと言われる伝説まである程で、日本ではサントリーの山崎白州、静岡蒸溜所の3機が現存しているのみ。

画像出典元:ガイアフローディスティリング株式会社

また、ウォッシュバック(発酵槽)には静岡の杉を使っており発酵に深みをもたせているようだ。
そのほかにも世界初、フォーサイス社製『薪直火蒸留機』という、文字通り直火で蒸留するとても珍しい蒸留機も置かれている。

ガイアフロー静岡蒸溜所の情報はこちら↓もご覧ください。

ガイアフロー静岡蒸溜所 | ジャパニーズウイスキーディクショナ...
Japanese Whisky Dictionary

3.商品名と写真

シングルモルト日本ウイスキー 静岡 プロローグK
SINGLE MALT JAPANESE WHISKY SHIZUOKA PROLOGUE K

4.特徴

日本産大麦麦芽を50%超使用し、英国産やカナダ産の麦芽を原料とした原酒をヴァッティング。
日本産の大麦麦芽の繊細でデリケートな味わいに加え、英国産ピルスナー麦芽やカナダ産ピルスナー麦芽がプロローグKならではの豊かな甘みを引き出すのに一役買っている事だろう。
さらに、英国産ピーテッド麦芽の軽やかなピート香が全体の味を引き締めていると言える。

4-1.テイスティングノート

香り バーボン樽ファーストヒル特有のバニラ香、山椒のようなスパイス、ややスモーキーさが残る
味わい ほのかな蜂蜜、アロマスパイス、ややスモーキーなピート、ほんのりと若さ香るアルコール
余韻 程よい甘味、すっと鼻に抜けるスパイス、最後にピートが立ち上がってくる

4-2.商品スペック

製品名 ガイアフロー シングルモルトウイスキー静岡 プロローグK
酒 別 シングルモルトウイスキー
原材料 モルト
樽 種 ファーストヒル バーボン樽
販売数 限定5,000本
度 数 55.5%
内容量 700ml
価 格 8,943円(税込)
製造者 ガイアフロー静岡蒸溜所

5.受賞歴

現時点では、受賞歴はありません。

6.価格

6-1.メーカー希望小売価格

商品名 シングルモルト日本ウイスキー静岡 プロローグK
容量 700ml
希望小売価格 8,130円(税込:8,943円)

6-2.メルカリでの転売価格

メルカリでの転売価格は、46,000円~76,000円前後となっています。(※2021/2/14時点)

6-3.ヤフーオークション落札価格

ヤフーオークションでの落札価格は、最安24,800円、最高45,500円、平均31,881円 (※2021/2/14時点より過去120日間の統計情報)

6-4.楽天、ヤフーショッピング、Amazon

通販サイトでは、76,000円前後で販売されています。 (※2021/6/1時点)

6-5.BAR新海での提供価格

当サイトが運営する「BAR新海」では、1杯、45ml:3,300円 30ml:2,200円、15ml:1,100円 などの少量でも提供しております。

「BAR新海」のご案内
Japanese Whisky Dictionaryが運営する「BAR新海」は、東京都港区に3店舗。当サイトで紹介しているジャパニーズウィスキーをはじめ、国産のジンやビールなども取扱い。オリジナルカクテル、フレッシュフルーツカクテルなども人気。食事も豊富で1件目からも利用可能。

7.まとめ

口当たり良く程よい甘さに加え、しっかりと感じられるピート、どれも絶妙なバランスでウイスキー初心者から玄人まで万人におすすめできロックでもソーダでもおいしく飲める。
たった三年でこれだけの深み、熟成加減を出せるのには驚きを隠せないと言った所である。
元は機械部品メーカーを経営していた中村大航氏の勤勉さと、地元静岡をこよなく愛する郷土愛が組み合わさり生み出された至高の一本。
世界初の薪直火蒸留機を使った蒸留機Wも早く飲んでみたいものである。
2021年、ガイアフローディスティリング社からしばらく目が離せそうにない。

「静岡」に関するその他の記事も是非ご覧ください。

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【2020年12月19日発売】ガイアフロー静岡蒸溜所、シングルモ...
プロローグKは、200を超える3年熟成の樽の中から厳選された、31樽の原酒をブレンドしています。蒸留機Kで作られた原酒のみで、全てEXバーボンバレルで熟成された原酒を使用。原材料の大麦は、日本産大麦麦芽の比率を50%超としています。
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最後に:ジャパニーズウイスキーのおすすめ書籍

世界的なトレンドを巻き起こしている「ジャパニーズウイスキー」の事をもっと知りたい、もっと勉強したいという方は、是非こちらの書籍をおすすめいたします。

(1).Whisky Galore(ウイスキーガロア)Vol.45 2024年8月号

<巻頭特集>
いま、再びのブレンデッドウイスキー
データで読み解く ブレンデッドウイスキーの現在
スコッチの人気銘柄 6ブランドを紹介

ハイボール缶大試飲会

定番から発売したての新商品まで ガロアテイスター陣が全20種類を飲んで語る!<新シリーズ始動>

ジャパニーズクラフトの開拓者たち[第1回]
秩父蒸溜所 肥土伊知郎
現在のクラフトウイスキームーブメントの礎を築いた“ジャパニーズクラフトの開拓者たち”に編集長・土屋守がロングインタビューを実施<編集長インタビュー>
◆デュワーズ7代目マスターブレンダー ステファニー・マクラウド氏に聞く
◆スチュアート・ハーヴェイ氏に聞く「オールドプルトニー ポート」の味わい
<特別リポート>
◆アジア最大にして、世界のトップ10 ──快進撃が止まらないカバラン蒸留所
◆天鏡蒸溜所 竣工記念内覧会とトークショー
◆森の京都蒸溜所 京素材や和漢ボタニカルを使ったジン造り
◆ウイスキーコニサークラブ国内蒸留所ツアー第3弾 井川蒸溜所
◆琵琶湖ウイスキークルーズ2024
◆ウイスキー検定合格者限定ツアー第10弾 三郎丸蒸留所/T&T TOYAMA
<特別企画>
◆東京ウイスキー&スピリッツコンペティション2024 受賞結果
<人気連載>
◆The Tasting 話題の30本をテイスティング!

(2).ビジネスに効く教養としてのジャパニーズウイスキー

世界的にも有名なウイスキー評論家で、ウイスキー文化研究所代表 土屋守先生の著書「ビジネスに効く教養としてのジャパニーズウイスキー」です。
ウイスキーの基礎知識、日本へのウイスキーの伝来、ジャパニーズウイスキーの誕生、広告戦略とジャパニーズウイスキーの盛隆、そして、現在のクラフト蒸留所の勃興まで。日本のウイスキーの事が非常にわかりやすくまとめられた一冊。

(3).ウイスキーと私(竹鶴政孝)

日本でのウイスキー醸造に人生を捧げた、ニッカウヰスキー創業者・竹鶴政孝。ただひたすらにウイスキーを愛した男が自らを語った自伝の改訂復刻版。若き日、単身スコットランドに留学し、幾多の苦難を乗り越えてジャパニーズ・ウイスキーを完成させるまでの日々や、伴侶となるリタのことなどが鮮やかに描かれる。

(4).新世代蒸留所からの挑戦状

2019年発売。世界に空前のウイスキーブームが到来しているいま、クラフト蒸留所の経営者たちは何を考え、どんな想いでウイスキー造りに挑んだのか。日本でクラフト蒸留所が誕生するきっかけを作った、イチローズ・モルトで有名なベンチャーウイスキーの肥土伊知郎氏をはじめとする、13人のクラフト蒸留所の経営者たちが世界に挑む姿を綴った1冊。

(5).ウイスキーライジング

2016年にアメリカで出版された『Whisky Risng』の日本語版であり、内容も大幅にアップデート。ジャパニーズ・ウイスキーの歴史が詳細に記述されているだけでなく、近年、創設がつづくクラフト蒸溜所を含む、日本の全蒸溜所に関するデータも掲載。そのほかにも、今まで発売された伝説的なボトルの解説や、ジャパニーズ・ウイスキーが飲めるバーなども掲載されています。

(6).ウイスキーと風の味

1969年にニッカウヰスキーに入社した、三代目マスターブレンダーの佐藤茂夫氏の著書。
『ピュアモルト』『ブラックニッカクリア』『フロム・ザ・バレル』の生みの親でもあり、なかでも『シングルモルト余市1987』はウイスキーの国際的コンペティションWWA(ワールド・ウイスキー・アワード)にて「ワールド・ベスト・シングルモルト」を受賞。
竹鶴政孝竹鶴威の意志を引き継いだブレンダー界のレジェンドが語る今昔。

この記事を書いた人
万代 竜一

福岡県福岡市出身
福岡にある中洲のBARで14年間修行後、俳優業での活動の拡大も兼ねて2018年上京。俳優佐藤二朗氏作の舞台にて東京初舞台を踏む。特技はギターとビール好きが高じてビール銘柄をブラインドで当てられる事。
最初はウイスキーを飲み慣れておらず苦手だったものの、深く知るにつれて作っている人達の想いが強い事に感銘を受けて、作り手の方達を知ってもらえる一助になれば、と思いJWDに参加。現在はウイスキーが大好き。

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