【レビュー】あかし ダブルブレンダーズ モルトハーモニー

長濱蒸溜所で蒸留したモルト原酒と、江井ヶ嶋蒸溜所で蒸留したモルト原酒を互いに交換。両ブレンダーが江井ヶ嶋蒸溜所で一堂に会し、海外産モルト原酒も含めた、複数の原酒サンプルからティスティングを重ね、ブレンドレシピを完成。長濱蒸溜所からリリースされた「INAZUMA(イナズマ) エクストラセレクテッド エディションNo.2」と対になるウイスキーです。

1.メーカー

江井ヶ嶋酒造

設立1888年5月
本社所在地〒674-0065 兵庫県明石市大久保町西島919
所有蒸留所江井ヶ嶋蒸溜所(旧ホワイトオーク蒸留所)

2.蒸留所

江井ヶ嶋蒸溜所

所在地〒674-0065 兵庫県明石市大久保町西島919
操業開始1919年

1891年 焼酎貯蔵庫「二番蔵」完成 ※後にウイスキー貯蔵庫となる
1919年 ウイスキー免許取得、蒸留所設立
 同年 地ウイスキー「ホワイトオーク発売」
1984年 新蒸留所竣工
2007年 初のシングルモルトウイスキー「あかし」8年発売
2019年 ホワイトオーク蒸留所から江井ヶ嶋蒸溜所に名称変更
     ポットスチル2基を三宅製作所製のものに新調

2020年 高価格帯の「江井ヶ嶋」ブランドをリリース

 

あかしが作られているのは兵庫県明石市の江井ヶ嶋にあるホワイトオーク蒸留所。
現在は江井ヶ嶋蒸溜所と改名しており、その理由は外国人観光客に分かりやすくする為だそう。

小さな漁村である江井ヶ嶋は1年を通して心地よい気候にあり、内海の明石海峡のすぐそばで、温暖な海洋性の気候の恩恵を受けています。
ウイスキーとワインの製造免許を取得したのが1919年。
日本で初めてウイスキーの蒸留が行われたのは1923年山崎蒸溜所ですが、日本で初めてウイスキー蒸留の特許を取得したのは1919年江井ヶ嶋蒸溜所(旧 ホワイトオーク蒸留所)でした。
1919年といえばジャパニーズウイスキーの父、竹鶴政孝氏がスコットランドへウイスキー蒸留を学びに行っていた頃。
早い段階でホワイトオーク蒸留所が存在していたことに驚かされます。
しかし特許は取得したものの、正しいウイスキー造りの製法は伝わってきていなかったため、当時作られていたのはウイスキーを模倣したイミテーション・ウイスキーだったといわれています。

引用元:江井ヶ嶋蒸溜所公式HP

江井ヶ嶋蒸溜所の情報はこちら↓もご覧ください。

3.商品名と写真

あかし ダブルブレンダーズ モルトハーモニー
Akashi Double Blenders Malt Harmony

4.特徴

バーボン樽、ペドロヒメネス樽でそれぞれ4年熟成

長濱蒸溜所で蒸溜されたノンピートモルト原酒と、江井ヶ嶋蒸溜所で蒸溜したライトピーテッドモルト原酒をバーボン樽で4年間貯蔵した原酒と、ペドロヒメネス樽で4年間貯蔵した原酒を加え、海外産の4年貯蔵モルト原酒、5年貯蔵モルト原酒をブレンド。
ラベルには明石を象徴する世界最長の吊り橋(明石海峡大橋)が描かれています。

4-1.テイスティングノート

香りヨーグルトのような酸味とミルクのような優しい甘さ
味わいメロンの甘さ、はちみつ梅、甘さとやわらかな酸味・コクがバランスよくマッチ
余韻甘さ、酸味からウッディ―な樽香に変化

4-2.商品スペック

アルコール度数47%
酒別ワールドブレンデッドモルト
樽種バーボン樽、シェリー樽(ペドロヒメネス)ほか
内容量500ml
販売本数3,000本
希望小売価格4,950円(税込)
発売日2021年11月

5.受賞歴

現時点では受賞歴はありません。

6.価格

6-1.メーカー希望小売価格

商品名あかし ダブルブレンダーズ モルトハーモニー
容量500ml
希望小売価格税込:4,950円

6-2.メルカリでの転売価格

メルカリでの転売価格は、2本セットで11,000~16,000円前後となっています。(※2021/12/22時点)

6-3.ヤフーオークション落札価格

ヤフーオークションでの落札価格は、最安3,300円、最高3,800円、平均3,550円(※2021/12/22時点)

6-4.楽天、ヤフーショッピング、Amazon

通販サイトでも、4,950円前後で希望小売価格と同じ価格で販売されています。 (※2021/12/22時点)

6-5.BAR新海での提供価格

当サイトが運営する「BAR新海」では、1杯、45ml:1,980円 30ml:1,320円、15ml:660円などの少量でも提供しております。

7.まとめ

スコットランドでは昔から当たり前のように行われてきた原酒交換。日本国内でも徐々に増えつつある蒸留所同士の原酒交換。個性あるそれぞれの蒸留所の味わいを維持しつつ造り手の技術を高め合うことも目的とし、そこから品質や技術の向上や多種多様なウイスキーが生まれ、ジャパニーズウイスキーが更なる進化をしていくことでしょう。

他にも2021年4月に秩父蒸溜所とマルス信州蒸溜所の原酒交換においても実に6年前から樽詰めした原酒を交換していたことで大変話題になりました。

造り手の想いやストーリーを噛みしめながらウイスキーを飲むとより一層味わい深いものになるのではないでしょうか。


「あかし」に関するその他の記事も是非ご覧ください。

最後に:ジャパニーズウイスキーのおすすめ書籍

世界的なトレンドを巻き起こしている「ジャパニーズウイスキー」の事をもっと知りたい、もっと勉強したいという方は、是非こちらの書籍をおすすめいたします。

(1).Whisky Galore(ウイスキーガロア)Vol.34 2022年10月号

ウイスキー文化研究所が出版するウイスキーガロアの2022年10月号は、『日本の蒸留酒づくり最前線』世界のウイスキー市場がますます拡大を続ける中、ジンやラム、そして焼酎・泡盛にも世界が注目。今回はジャパニーズウイスキーのクラフト蒸留所、そして黒糖、泡盛、ラムの蒸留所など合計10ヵ所を紹介。SETOUCHI DISTILLERY、馬追蒸溜所は今回初公開。

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(2).ビジネスに効く教養としてのジャパニーズウイスキー

世界的にも有名なウイスキー評論家で、ウイスキー文化研究所代表 土屋守先生の著書「ビジネスに効く教養としてのジャパニーズウイスキー」です。
ウイスキーの基礎知識、日本へのウイスキーの伝来、ジャパニーズウイスキーの誕生、広告戦略とジャパニーズウイスキーの盛隆、そして、現在のクラフト蒸留所の勃興まで。日本のウイスキーの事が非常にわかりやすくまとめられた一冊。

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