【レビュー】YUZA First Edition 2022

ウィスキーレビュー
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遊佐蒸溜所

ついに遊佐蒸溜所から、「YUZA First edition 2022」がリリースされました。限定8,500本。

「専門家やベテランに任せると蒸留所がその人の色に染まってしまう」という佐々木 雅晴社長。若いスタッフがゼロからスタートすることで「遊佐蒸溜所らしさ」を生みだします。

「納得のいくまで熟成をする」「ジャパニーズウイスキーの定義に準じた製品のみを送りだすことに集中する」という強い信念をもって生まれた「YUZA First edition 2022」。ついに夜明けの時が訪れました。

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1.メーカー

株式会社 金龍

設立1950年4月
本社所在地〒998-0111 山形県酒田市黒森字草刈谷地180番地の1
所有蒸留所遊佐蒸溜所

2.蒸留所

遊佐蒸溜所

所在地〒999-8302 山形県飽海郡遊佐町吉出字 カクジ田20番地
操業開始2018年

株式会社金龍が2018年に山形県遊佐町に開設した、東北地方3か所目のウイスキー蒸溜所です。

新鮮で澄んだ空気と、「水の郷百選」に選ばれた、名峰鳥海山の伏流水に恵まれた遊佐町は、最高品質のウイスキー造りに適した土地。

使用するポットスチルはフォーサイス社製、発酵槽は5つ、カナダ産のベイマツを使用しています。製法や熟成方法もスコットランドの方式を採用、若いウイスキーは樽出しせず、納得のいくまで十分に熟成を重ねたウイスキーだけを、シングルモルトのみに絞って製造。大量生産ができない小さな蒸溜所だからこそ、細部までとことん手を尽くし、こだわりを詰め込んだ最高品質のウイスキーをつくります。

 

遊佐蒸溜所ウイスキーの
コンセプト「TLAS」

遊佐蒸溜所で造るウイスキーは、
Tiny(ちっぽけな)
Lovely(かわいい)
Authentic(本物の)
Supreme(最高の)
上記の頭文字を取った「TLAS(トラス)」をコンセプトとしています。

遊佐蒸溜所は、敷地面積約4,550㎡、蒸溜所面積は約620㎡と、ウイスキー蒸溜所としてはとても小規模な蒸溜所です。外観は小さく可愛らしくも見えますが、造るウイスキーは本格的かつ最高品質のものを目指します。伝統的な製法を用いつつも、日本らしい「ものづくり」に対するこだわりを持って造る、世界に一つのジャパニーズウイスキーです。

遊佐公式HPより引用

画像出典:遊佐蒸留所 Facebookページ

遊佐蒸溜所の詳細情報は、こちらの記事もご覧ください。

遊佐蒸溜所 | ジャパニーズウイスキーディクショナリー
Japanese Whisky Dictionary

3.商品名と写真

YUZA First edition 2022

YUZA First edition 2022

4.特徴

蒸溜所が稼働したばかりの2018年11月~翌年1月に樽詰めされた原酒から厳選し、樽出しの風味を存分に楽しんでいただけるよう、カスクストレングスといたしました。熟成には、バーボンバレルのみを使用しております。華やかでフルーティーな香り・味わいを心ゆくまでお楽しみください。

引用:遊佐蒸溜所商品紹介ページ

4-1.テイスティングノート

香り蜂蜜、バニラ、アプリコットのような甘く華やかな香り。ナッツ、アーモンド
味わい滑らかな舌触りと、ライト~ミディアムボディの味わい、フルーティーな甘み。
余韻若干のアルコールのピリピリ感と、モルトの風味

4-2.商品スペック

アルコール度数61%
酒別シングルモルトジャパニーズウイスキー
樽種バーボン樽
内容量700ml
販売本数8,500本
希望小売価格16,500円(税込)
発売日2022年2月

5.受賞歴

現時点での受賞歴はありません。

6.価格

6-1.メーカー希望小売価格

 

商品名YUZA First edition
容量700ml
希望小売価格税込:16,500円

6-2.メルカリでの転売価格

メルカリの転売価格34,800円~38,000円前後となっています。(2022年2月24日現在)

 

6-3.ヤフーオークション落札価格

ヤフーオークションでの落札価格は、最安32,500円、最高 35,000円、平均、33,600円

(※2022/2/24時点より過去180日間の統計情報) 

6-4.楽天、ヤフーショッピング、Amazon

通販サイトでの出品は現在確認できておりません。(2022年2月24日現在)

6-5.BAR新海での提供価格

当サイトが運営する「BAR新海」では、1杯、45ml:5,610円、30ml:3,740円、15ml:1,870円にて提供しております。

「BAR新海」のご案内
Japanese Whisky Dictionaryが運営する「BAR新海」は、東京都港区に3店舗。当サイトで紹介しているジャパニーズウィスキーをはじめ、国産のジンやビールなども取扱い。オリジナルカクテル、フレッシュフルーツカクテルなども人気。食事も豊富で1件目からも利用可能。

7.まとめ

原酒の若さを感じずにはいられませんが、カスクストレングスのアルコール度数の割りにはピリピリせずスムーズな舌触り。ナッツやアーモンドと、バニラ、はちみつのような甘い香りは、スムーズに口に流れ込み、ピリピリと舌を刺激しつつもフルーティな味わい。若干の若さとカスクストレングスを感じることが出来ます。ピリピリとした感じは緩くモルトの風味とともに余韻として残ります。

加水を行うとさらにフルーティな香りが強まり、バーボン樽の甘みが顔を覗かせます。アルコール感や若さは身を潜めます。

ストレートと加水時でガラリと印象が変わるため、1度で2度楽しめます。

ファーストリリースでこのクオリティ。遊佐蒸溜所のこだわりを強く感じます。

長期熟成、加水したボトル詰め、そして今後製造を視野に入れているシングルカスク。今後の遊佐蒸溜所への期待は膨らむばかりです。今後も遊佐蒸溜所が羽ばたかせるウイスキーに目が離せません。

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最後に:ジャパニーズウイスキーのおすすめ書籍

世界的なトレンドを巻き起こしている「ジャパニーズウイスキー」の事をもっと知りたい、もっと勉強したいという方は、是非こちらの書籍をおすすめいたします。

(1).Whisky Galore(ウイスキーガロア)Vol.42 2024年2月号

【巻頭特集】ウイスキーの聖地 アイラ島の“現在”を読み解く
アイラ島のウイスキーは、昔から「アイラモルト」という独自のカテゴリーを与えられてきた。現在9ヵ所の蒸留所があり、さらに2つの新蒸留所計画が発表されている、この小さな島を改めて紹介。
また、現在入手可能なウイスキー8種を土屋編集長が飲み比べる。
●掲載蒸留所
ボウモア、アードベッグ、ラガヴーリン、ラフロイグ、カリラ、ブナハーブン、ブルックラディ、キルホーマン、アードナッホー

【第2特集】北アイルランドのウイスキー
世界の五大ウイスキーのなかで、いまもっとも伸びているのがアイリッシュ。ブームを牽引する北アイルランドの最新情報をリポート。
●紹介ウイスキー
ブッシュミルズ、エクリンヴィル、グレンズ・オブ・アントリム、ヒンチ、キルオーウェン、マコーネルズ、ショートクロス、タイタニック・ディスティラーズ、トゥー・スタックス

【蒸留所リポート】
2023年に100周年を迎えたジャパニーズウイスキー。その第一歩が踏み出され、昨年リニューアルしたばかりのサントリー山崎蒸溜所を取材。そのほか月光川蒸留所や、個性的なツアーを行っている八郷蒸溜所&安積蒸溜所も紹介。

【インタビュー】
ワイルドターキーのマスターディスティラーであるエディー・ラッセル氏と、その息子ブルース・ラッセル氏を編集長がインタビュー。またフィンランドで自国ライ麦にこだわったウイスキーを造るキュロ蒸留所のミイカ氏にも話を聞いた。

【特集】
ウイスキーフェスティバル2023 in TOKYO、ウイスキーコニサークラブ新潟蒸留所ツアー、下田ウイスキーフェスリポート。

(2).ビジネスに効く教養としてのジャパニーズウイスキー

世界的にも有名なウイスキー評論家で、ウイスキー文化研究所代表 土屋守先生の著書「ビジネスに効く教養としてのジャパニーズウイスキー」です。
ウイスキーの基礎知識、日本へのウイスキーの伝来、ジャパニーズウイスキーの誕生、広告戦略とジャパニーズウイスキーの盛隆、そして、現在のクラフト蒸留所の勃興まで。日本のウイスキーの事が非常にわかりやすくまとめられた一冊。

(3).ウイスキーと私(竹鶴政孝)

日本でのウイスキー醸造に人生を捧げた、ニッカウヰスキー創業者・竹鶴政孝。ただひたすらにウイスキーを愛した男が自らを語った自伝の改訂復刻版。若き日、単身スコットランドに留学し、幾多の苦難を乗り越えてジャパニーズ・ウイスキーを完成させるまでの日々や、伴侶となるリタのことなどが鮮やかに描かれる。

(4).新世代蒸留所からの挑戦状

2019年発売。世界に空前のウイスキーブームが到来しているいま、クラフト蒸留所の経営者たちは何を考え、どんな想いでウイスキー造りに挑んだのか。日本でクラフト蒸留所が誕生するきっかけを作った、イチローズ・モルトで有名なベンチャーウイスキーの肥土伊知郎氏をはじめとする、13人のクラフト蒸留所の経営者たちが世界に挑む姿を綴った1冊。

(5).ウイスキーライジング

2016年にアメリカで出版された『Whisky Risng』の日本語版であり、内容も大幅にアップデート。ジャパニーズ・ウイスキーの歴史が詳細に記述されているだけでなく、近年、創設がつづくクラフト蒸溜所を含む、日本の全蒸溜所に関するデータも掲載。そのほかにも、今まで発売された伝説的なボトルの解説や、ジャパニーズ・ウイスキーが飲めるバーなども掲載されています。

(6).ウイスキーと風の味

1969年にニッカウヰスキーに入社した、三代目マスターブレンダーの佐藤茂夫氏の著書。
『ピュアモルト』『ブラックニッカクリア』『フロム・ザ・バレル』の生みの親でもあり、なかでも『シングルモルト余市1987』はウイスキーの国際的コンペティションWWA(ワールド・ウイスキー・アワード)にて「ワールド・ベスト・シングルモルト」を受賞。
竹鶴政孝竹鶴威の意志を引き継いだブレンダー界のレジェンドが語る今昔。

この記事を書いた人
新海 博之

1981年7月17日 北海道北広島市出身
大学卒業後、NTTデータカスタマサービス㈱へ新卒入社。
2010年「麻布十番BAR新海」を開業 → 2016年、名物「薬膳カレー」を開発 → 2018年「虎ノ門BAR新海」、2019年には「芝大門BAR新海」を開業 → 2020年 ウェブメディア「Japanese Whisky Dictionary」をスタート。
バーテンダーの私達だから出来る事として、ジャパニーズウイスキーの魅力を日々発信する。

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