【レビュー】響BLOSSOM HARMONY 2022

ウィスキーレビュー
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サントリー山崎蒸溜所白州蒸溜所知多蒸溜所

日本が世界に誇るブレンデッドウイスキーの最高峰「響」。
サントリーが日本に保有する「山崎蒸溜所」「白州蒸溜所」「知多蒸溜所」、この3つの蒸溜所で作られ、貯蔵されている80万を超える個性豊かな原酒から厳選された長期熟成原酒がブレンドされていると言われています。
「響」は、1989年に創業90周年を記念して発売された最高峰のプレミアムブレンデッドウイスキー。

「BLOSSOM HARMONY」は、ホワイトオーク樽で10年以上熟成したグレーンウイスキーを、更に桜樽で数年後熟したものをブレンドしています。

縁起がよいとされる八角形の皿に、長寿を意味する「松皮菱」と、桜や花菖蒲などの縁起のよい花々が描かれ、端正かつ華やかな意匠に仕上がっており、祝いの席や贈り物にピッタリな一本です。

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1.メーカー

サントリースピリッツ株式会社

設立1899年
本社所在地〒135-8631 東京都港区台場2-3-3
所有蒸留所●日本
山崎蒸溜所、白州蒸溜所、知多蒸溜所
●スコットランド
アードモア蒸留所、グレンギリー蒸留所、オーヘントッシャン蒸留所、ボウモア蒸留所、ラフロイグ蒸留所
●アイルランド
クーリー蒸留所キルベガン蒸留所
●アメリカ
ジムビーム蒸留所、メーカーズマーク蒸留所
●カナダ
ハイラムウォーカー蒸留所、アルバータ蒸留所

2.蒸留所

サントリー山崎蒸溜所

所在地〒618-0001 大阪府三島郡島本町山崎5丁目2−1
操業開始1923年

山崎蒸溜所は、日本で最初のモルトウイスキー蒸留所として1923(大正12)年に開設。時代はまだウイスキーが一般の人には珍しいお酒だった頃。「日本人の繊細な味覚にあった、日本のウイスキーをつくりたい」。その熱い想いを胸に、鳥井信治郎はウイスキーづくりに乗り出した。
信治郎は、あくまでも日本的な風土にこだわった。特に重要だったのが、「水」と「環境」。山崎は万葉の歌にも詠まれた水生野(みなせの)と言われる名水の里
茶人・千利休も愛したこの地の水はウイスキーづくりに最適であった。さらに自然環境も申し分なかった。
京都の南西、天王山の麓の竹林が生い茂る山崎は、四季折々の変化が感じられる自然豊かな地。桂川、宇治川、木津川が合流する地点にあり、辺り一帯を山に囲まれているため、濃い霧がたちこめやすく温暖かつ湿潤な気候は、ウイスキーの熟成にとってまさに好条件でした。

「いいウイスキーをつくるには、この水とこの気候を持つ、山崎しかない」と、信治郎はこの場所をウイスキーのふるさとと決めました。

引用:YAMAZAKI MOMENTS

【サントリー山崎蒸溜所】
1923年 山崎蒸溜所建設。国内初のウイスキー蒸留所
1929年 国産ウイスキー第1号「白札」発売
1937年 「角瓶」発売
1984年 シングルモルトウイスキー「山崎」発売
1992年 シングルモルトウイスキー「山崎18年」発売
1998年 シングルモルトウイスキー「山崎25年」発売

画像出展:山崎倶楽部

山崎蒸溜所の詳細はこちらの記事もご覧ください。

山崎蒸溜所 | ジャパニーズウイスキーディクショナリー
Japanese Whisky Dictionary

サントリー白州蒸溜所

所在地〒408-0316 山梨県北杜市白州町鳥原2913-1
操業開始1973年

日本で初めてウイスキーづくりを始めてからちょうど50年を迎えた1973年、豊かな自然に恵まれた南アルプス甲斐駒ヶ岳のふもとに約82万平方メートルの豊かな森に、白州蒸溜所は完成しました。
仕込み水は森の湿潤な大気に包まれて、白州モルトは花崗岩に磨かれた清らかでやわらかな南アルプスの天然水を使用。日本ならではの四季の変化の中で長い間熟成され、香り立ちがよくすっきりした「白州」の味わいの源となっています。
2014年には10億円をかけてポットスチル4基増設し16基に。サイズや形状が異なるバラエティ豊かなポットスチルで原酒の作り分けをしています。貯蔵庫は天井の高いラック式。温度や湿度などは一切人の手で管理されず、自然に任せた状態で管理されています。

1973年 白州蒸溜所建設
1994年 白州12年発売
2006年 白州18年発売
2008年 白州25年発売

画像出展:サントリー公式 森の蒸留所

白州蒸溜所の詳細はこちらの記事もご覧ください。

白州蒸溜所 | ジャパニーズウイスキーディクショナリー
Japanese Whisky Dictionary

サントリー知多蒸溜所

所在地〒478-0046 愛知県知多市北浜町16番地
操業開始1973年

伊勢湾に臨む知多半島・「知多蒸溜所」 サントリーグループが全農グループと共同で設立したグレーンウイスキー蒸留所で、モルトウイスキーの山崎蒸溜所や白州蒸溜所とともに、サントリーグループの3つの国内ウイスキー蒸留所のひとつです。 ここではとうもろこしを原料にしたグレーンウイスキーを支えてきました。知多蒸溜所では、連続式蒸留機によってクリーン、ミディアム、ヘビーの3タイプの世界にも類をみないグレーン原酒のつくり分けを行っています。

知多蒸溜所の詳細はこちらの記事もご覧ください。

知多蒸溜所 | ジャパニーズウイスキーディクショナリー
Japanese Whisky Dictionary

3.商品名と写真

響 BLOSSOM HARMONY 2022
Hibiki Blossom Harmony 2022

hibiki

 

 

4.特徴

幾度もの四季を経てしっかりと熟成させた多彩な原酒に、
桜樽で後熟させた希少な原酒をブレンドした特別な「響」。

花を思わせる芳しい香りと、円やかで調和のとれた味わい、
伸びやかで甘く豊かな余韻のハーモニーをお愉しみいただけます。

引用:サントリー公式HP

4-1.テイスティングノート

香り桜の香り、フローラル、熟したフルーツの甘さ
味わい和菓子ような甘さ、花の蜜、シロップ
余韻華やかな甘さとウッディで程良い苦みの余韻が長く続く

4-2.商品スペック

アルコール度数43%
酒別ブレンデッドウイスキー
樽種桜樽、他
内容量700ml
販売本数数量限定
希望小売価格11,000円(税込)
発売日2022年5月24日

5.受賞歴

現時点での受賞歴はありません。

6.価格

6-1.メーカー希望小売価格

商品名響 BLOSSOM HARMONY 2022
容量700ml
希望小売価格11,000円(税込)

6-2.メルカリでの転売価格

メルカリでの転売価格は、39,999円~90,000円前後となっています。(※2022/5/30時点)

6-3.ヤフーオークション落札価格

ヤフーオークションでの落札価格は、最安 39,500円 最高 330,000円 平均 78,954円となっていますが、数本セットや、同時期に発売された山崎LIMITED EDITION2022とのセット販売も含まれています。(※2022/5/30時点より過去180日間の統計情報)

6-4.楽天、ヤフーショッピング、Amazon

通販サイトでの、出品は確認出来ておりませんが、前年の響BLOSSOM HARMONY2021が、39,800円~65,000円前後で販売されています。 (※2022/5/30時点)

響 ブロッサムハーモニー 2021

6-5.BAR新海での提供価格

当サイトが運営する「BAR新海」では、1杯、45ml:4,950円30ml:3,300円、15ml:1,650円などの少量でも提供しております。

「BAR新海」のご案内
Japanese Whisky Dictionaryが運営する「BAR新海」は、東京都港区に3店舗。当サイトで紹介しているジャパニーズウィスキーをはじめ、国産のジンやビールなども取扱い。オリジナルカクテル、フレッシュフルーツカクテルなども人気。食事も豊富で1件目からも利用可能。

7.まとめ

「響BLOSSOM HARMONY2021」と比較してみると、フルーティさ、フレッシュさで2021を上回り、やや落ち着いている印象があります。香り、味ともに熟成感のあるグレーンウイスキーの存在感が強く、濃厚な甘みがあります。

鼻に近づけた途端に、グレーンウイスキーの甘い香りと、あとからほのかに桜の爽やかな香りが漂います。

口に含むと思ったよりナッティでトロリとした印象。全体的に濃い目の味で、先述した熟成感を感じるグレーンウイスキーの甘みと、バナナを思わせるフルーティさ。

時間をおいて開かせてあげると、更に桜樽の特徴が存在感を表し、スパイシーさと酸味が現れます。

最後には口の中にクリーミーな甘みが程よく続きます。

ウッディかつドライなタイプがお好みであれば2021を、スイートでクリーミーなタイプがお好みであれば2022を、といった印象を持ちました。

数量限定かつ大人気の銘柄ですので、購入できた方はもちろん、バーなどで出会えた方は是非、じっくりと味わってみていただきたい、そんな一本です。

響に関するその他の記事も是非ご覧ください。

【レビュー】響 BLOSSOM HARMONY 2021
祝いの席に華を添える、芳しい香りと円やかな味わい。幾度もの四季を経て個性を深めた多彩な原酒に、桜樽で後熟させた希少な長期熟成グレーン原酒を組みあわせ、繊細なブレンドを重ねました。芳しい花の香りと、調和のとれた円やかな味わい、さわやかさを擁した豊かな余韻が特長の特別な「響」です。
【レビュー】響17年
1989年発売、響17年。ブレンデッドウイスキーの最高峰。現在入手困難。酒齢17年以上のミズナラ樽を中心に30種類以上のモルトと数種類のグレーンをブレンドして後熟。甘く華やかで豊かな熟成香。山崎の長期熟成モルトによる気品あるウッディネス。まろやかで厚みのあるコク。余韻の豊かなアフターテイスト。
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最後に:ジャパニーズウイスキーのおすすめ書籍

世界的なトレンドを巻き起こしている「ジャパニーズウイスキー」の事をもっと知りたい、もっと勉強したいという方は、是非こちらの書籍をおすすめいたします。

(1).Whisky Galore(ウイスキーガロア)Vol.42 2024年2月号

【巻頭特集】ウイスキーの聖地 アイラ島の“現在”を読み解く
アイラ島のウイスキーは、昔から「アイラモルト」という独自のカテゴリーを与えられてきた。現在9ヵ所の蒸留所があり、さらに2つの新蒸留所計画が発表されている、この小さな島を改めて紹介。
また、現在入手可能なウイスキー8種を土屋編集長が飲み比べる。
●掲載蒸留所
ボウモア、アードベッグ、ラガヴーリン、ラフロイグ、カリラ、ブナハーブン、ブルックラディ、キルホーマン、アードナッホー

【第2特集】北アイルランドのウイスキー
世界の五大ウイスキーのなかで、いまもっとも伸びているのがアイリッシュ。ブームを牽引する北アイルランドの最新情報をリポート。
●紹介ウイスキー
ブッシュミルズ、エクリンヴィル、グレンズ・オブ・アントリム、ヒンチ、キルオーウェン、マコーネルズ、ショートクロス、タイタニック・ディスティラーズ、トゥー・スタックス

【蒸留所リポート】
2023年に100周年を迎えたジャパニーズウイスキー。その第一歩が踏み出され、昨年リニューアルしたばかりのサントリー山崎蒸溜所を取材。そのほか月光川蒸留所や、個性的なツアーを行っている八郷蒸溜所&安積蒸溜所も紹介。

【インタビュー】
ワイルドターキーのマスターディスティラーであるエディー・ラッセル氏と、その息子ブルース・ラッセル氏を編集長がインタビュー。またフィンランドで自国ライ麦にこだわったウイスキーを造るキュロ蒸留所のミイカ氏にも話を聞いた。

【特集】
ウイスキーフェスティバル2023 in TOKYO、ウイスキーコニサークラブ新潟蒸留所ツアー、下田ウイスキーフェスリポート。

(2).ビジネスに効く教養としてのジャパニーズウイスキー

世界的にも有名なウイスキー評論家で、ウイスキー文化研究所代表 土屋守先生の著書「ビジネスに効く教養としてのジャパニーズウイスキー」です。
ウイスキーの基礎知識、日本へのウイスキーの伝来、ジャパニーズウイスキーの誕生、広告戦略とジャパニーズウイスキーの盛隆、そして、現在のクラフト蒸留所の勃興まで。日本のウイスキーの事が非常にわかりやすくまとめられた一冊。

(3).ウイスキーと私(竹鶴政孝)

日本でのウイスキー醸造に人生を捧げた、ニッカウヰスキー創業者・竹鶴政孝。ただひたすらにウイスキーを愛した男が自らを語った自伝の改訂復刻版。若き日、単身スコットランドに留学し、幾多の苦難を乗り越えてジャパニーズ・ウイスキーを完成させるまでの日々や、伴侶となるリタのことなどが鮮やかに描かれる。

(4).新世代蒸留所からの挑戦状

2019年発売。世界に空前のウイスキーブームが到来しているいま、クラフト蒸留所の経営者たちは何を考え、どんな想いでウイスキー造りに挑んだのか。日本でクラフト蒸留所が誕生するきっかけを作った、イチローズ・モルトで有名なベンチャーウイスキーの肥土伊知郎氏をはじめとする、13人のクラフト蒸留所の経営者たちが世界に挑む姿を綴った1冊。

(5).ウイスキーライジング

2016年にアメリカで出版された『Whisky Risng』の日本語版であり、内容も大幅にアップデート。ジャパニーズ・ウイスキーの歴史が詳細に記述されているだけでなく、近年、創設がつづくクラフト蒸溜所を含む、日本の全蒸溜所に関するデータも掲載。そのほかにも、今まで発売された伝説的なボトルの解説や、ジャパニーズ・ウイスキーが飲めるバーなども掲載されています。

(6).ウイスキーと風の味

1969年にニッカウヰスキーに入社した、三代目マスターブレンダーの佐藤茂夫氏の著書。
『ピュアモルト』『ブラックニッカクリア』『フロム・ザ・バレル』の生みの親でもあり、なかでも『シングルモルト余市1987』はウイスキーの国際的コンペティションWWA(ワールド・ウイスキー・アワード)にて「ワールド・ベスト・シングルモルト」を受賞。
竹鶴政孝竹鶴威の意志を引き継いだブレンダー界のレジェンドが語る今昔。

この記事を書いた人
新海 博之

1981年7月17日 北海道北広島市出身
大学卒業後、NTTデータカスタマサービス㈱へ新卒入社。
2010年「麻布十番BAR新海」を開業 → 2016年、名物「薬膳カレー」を開発 → 2018年「虎ノ門BAR新海」、2019年には「芝大門BAR新海」を開業 → 2020年 ウェブメディア「Japanese Whisky Dictionary」をスタート。
バーテンダーの私達だから出来る事として、ジャパニーズウイスキーの魅力を日々発信する。

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