ガイアフロー静岡蒸溜所の公式HPにて2022年6月中旬に発売される「シングルモルト日本ウイスキー 静岡 ポットスティルK 純日本大麦 初版」の情報がリリースされました。
日本産大麦麦芽での蒸留は全体の生産量の中でもまだ少ないため、今回のリリースは国内販売数量は2,500本と、今まで発売されたもの(5,000本)と比べると少ない。また、日本国内の大麦産地は限られていて収穫量も少なく、日本産麦芽は海外産麦芽と比べて高価である為、希望小売価格は18,150円(税込)とプロローグKやプロローグWと比べると値が張る。
静岡蒸溜所での販売の予定は無く、通販サイト「WHISKY PORT」にて抽選販売するようなので、メルマガ登録がまだの方は忘れずに。
1.シングルモルト日本ウイスキー 静岡 ポットスティルK 純日本大麦 初版
日本大麦100%というイノベーション
当商品の最大の特徴は、原材料のモルトに日本産大麦麦芽を100%使用していることです。静岡蒸溜所では、2016年の操業開始当初より日本産大麦麦芽での仕込みを開始し、毎年継続して使っています。
現在、多くのジャパニーズウイスキーでは原材料に海外産大麦麦芽を使用しており、日本産大麦麦芽はほとんど使われておりません。国内の大麦産地は限られており収穫量も少ないため、日本産麦芽は海外産麦芽と比べて高価なためです。
弊社では、日本産大麦のウイスキーの風味におけるポテンシャル、また、日本のお酒としてのテロワール(土地の個性)の重要性から、あえて原価の高い日本産大麦麦芽でのウイスキー造りに取り組んでいます。日本産大麦から生まれるウイスキーの味わいは、日本らしい繊細さと柔らかでなめらかな甘さがあり、海外産大麦とはひと味もふた味も違う、テロワール豊かなお酒となりました。http://www.gaiaflow.co.jp/blog/product/14288
製品名 | シングルモルト日本ウイスキー 静岡 ポットスティルK 純日本大麦 初版 |
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酒 別 | シングルモルトジャパニーズウイスキー |
原材料 | モルト(国内製造) |
樽 種 | バーボン樽、ワイン樽 |
販売数 | 2,500本(国内販売) |
度 数 | 55.5% |
内容量 | 700ml |
価 格 | 18,150円(税込) |
製造者 | ガイアフローディスティリング株式会社 |
2.日本で生まれた蒸留器「K」
静岡蒸溜所が初めてリリースしたウイスキー「シングルモルト プロローグK」は、閉鎖した軽井沢蒸溜所から移設した蒸留機「K」(写真右)で蒸留された原酒のみを使用しています。本作もそのスタイルを踏襲し、蒸留機「K」の原酒のみを使用しています。
この蒸留機の特徴は、間接式蒸留(蒸留機内のパイプ内をスチームが通ることで加熱)、細く長いラインアーム(蒸留機から冷却装置へつながるパイプ)です。この「K」で初留(一度目の蒸留)を行うことで、軽やかで華やかな原酒が造り出されます。今回の商品では、日本産大麦の繊細で甘美な味わいを、蒸留機「K」がさらにエレガントに磨き上げています。この味わいは、静岡蒸溜所だけが生み出せる唯一無二のものです。
【新商品...
3.「ポットスティルK」の誕生
こうして造られた原酒は、奥静岡の豊かな自然の中で最低3年から最長5年の熟成期間を経て、美しい淡い琥珀色のウイスキーとなります。同じ条件(日本産大麦麦芽、蒸留機「K」使用)を満たす様々な樽のブレンドを重ね、当商品が完成しました。
商品名は、プロローグKの後継であり、単一初留蒸留機からの原酒で造られていることを表すため、「ポットスティルK」としています。そして、日本産大麦麦芽100%使用の「純日本大麦」と、ファースト・エディションを示す「初版」を冠しました。
【新商品...
4.静岡蒸溜所のその他のシングルモルト
4-1.シングルモルトウイスキー静岡 プロローグK
日本産大麦麦芽を50%超使用し、英国産やカナダ産の麦芽を原料とした原酒をヴァッティング。ウッディな味わいにピート香が軽やかに漂う、心地よい余韻が特徴。
4-2.シングルモルトウイスキー静岡 プロローグW
Wは、唯一無二の薪直火蒸留機の愛称。日本国産大麦麦芽を主体に、スコットランド産ピーテッド麦芽やビール用麦芽を使用。3年熟成の若々しさがありつつ、優しい香りと、薪直火ならではの厚みのある味わい、しっかりしたボディ感と軽いスモーキーさ、長く穏やかな余韻が特徴。
4-3.シングルモルトウイスキー静岡 コンタクトS
静岡蒸溜所ではK(軽井沢蒸留所から移設された蒸留機)とW(薪直火蒸留機)という2基の初留蒸留機を使い、2種類の個性が異なった原酒両方を初めてブレンド。
蒸気加熱のKがフルーティーな香りとライトな味わいを持ち、薪直火によるWがヘビーな味わいと長いフィニッシュを感じさせます。
最後に:ジャパニーズウイスキーのおすすめ書籍
世界的なトレンドを巻き起こしている「ジャパニーズウイスキー」の事をもっと知りたい、もっと勉強したいという方は、是非こちらの書籍をおすすめいたします。
(1).Whisky Galore(ウイスキーガロア)Vol.46 2024年10月号
【巻頭特集】
「新アイリッシュ・ルネッサンス[第1弾]」
【第2特集】
「ガロア的 東京のバー、パブ巡り」
【連載】
「ジャパニーズクラフトの開拓者たち」
前号からスタートしたこの連載。第2回では厚岸蒸溜所の樋田恵一氏を編集長がインタビューします。
(2).ビジネスに効く教養としてのジャパニーズウイスキー
世界的にも有名なウイスキー評論家で、ウイスキー文化研究所代表 土屋守先生の著書「ビジネスに効く教養としてのジャパニーズウイスキー」です。
ウイスキーの基礎知識、日本へのウイスキーの伝来、ジャパニーズウイスキーの誕生、広告戦略とジャパニーズウイスキーの盛隆、そして、現在のクラフト蒸留所の勃興まで。日本のウイスキーの事が非常にわかりやすくまとめられた一冊。
(3).ウイスキーと私(竹鶴政孝)
日本でのウイスキー醸造に人生を捧げた、ニッカウヰスキー創業者・竹鶴政孝。ただひたすらにウイスキーを愛した男が自らを語った自伝の改訂復刻版。若き日、単身スコットランドに留学し、幾多の苦難を乗り越えてジャパニーズ・ウイスキーを完成させるまでの日々や、伴侶となるリタのことなどが鮮やかに描かれる。
(4).新世代蒸留所からの挑戦状
2019年発売。世界に空前のウイスキーブームが到来しているいま、クラフト蒸留所の経営者たちは何を考え、どんな想いでウイスキー造りに挑んだのか。日本でクラフト蒸留所が誕生するきっかけを作った、イチローズ・モルトで有名なベンチャーウイスキーの肥土伊知郎氏をはじめとする、13人のクラフト蒸留所の経営者たちが世界に挑む姿を綴った1冊。
(5).ウイスキーライジング
2016年にアメリカで出版された『Whisky Risng』の日本語版であり、内容も大幅にアップデート。ジャパニーズ・ウイスキーの歴史が詳細に記述されているだけでなく、近年、創設がつづくクラフト蒸溜所を含む、日本の全蒸溜所に関するデータも掲載。そのほかにも、今まで発売された伝説的なボトルの解説や、ジャパニーズ・ウイスキーが飲めるバーなども掲載されています。
(6).ウイスキーと風の味
1969年にニッカウヰスキーに入社した、三代目マスターブレンダーの佐藤茂夫氏の著書。
『ピュアモルト』『ブラックニッカクリア』『フロム・ザ・バレル』の生みの親でもあり、なかでも『シングルモルト余市1987』はウイスキーの国際的コンペティションWWA(ワールド・ウイスキー・アワード)にて「ワールド・ベスト・シングルモルト」を受賞。
竹鶴政孝、竹鶴威の意志を引き継いだブレンダー界のレジェンドが語る今昔。