【レビュー】YAMAZAKURAシングルモルト 安積 2022 EDITION

酒蔵として250年以上の歴史がある笹の川酒造。1946年にウイスキー製造免許を取得し、2016年には創業250周年事業として「安積蒸溜所」を設立。

 

今年行われた「WWA(ワールド・ウイスキー・アワード)2022」にて「山桜 ブレンデッドモルトジャパニーズウイスキー 安積 シェリーウッドリザーブ」が、ブレンデッドモルトウイスキー部門で世界最高賞を獲得するなど、国内外での評価も高まってきている蒸溜所です。

1.メーカー

笹の川酒造株式会社

設立 1765年(明和2年)
本社所在地 〒963-0108 福島県郡山市笹川1-178
所有蒸留所 安積蒸溜所

2.蒸留所

安積蒸溜所

所在地 福島県郡山市笹川1-178
操業開始 1946年(旧設備)、 2016年4月(新設備)蒸留再開

1765年(明和2年)操業開始
1920年(大正9年)株式会社山口酒造店設立
1932年(昭和7年)山桜酒造合資会社設立
1946年(昭和21年)ウイスキー製造免許取得
1966年(昭和41年)笹の川酒造株式会社設立
1983年(昭和58年)ウイスキーモルト貯蔵庫竣工
1998年(平成10年)山桜酒造と笹の川酒造を合併、笹の川酒造株式会社を存続会社とする
2004年(平成16年)東亜酒造より貯蔵されていたウイスキーを預かる。
2005年(平成17年)ベンチャーウイスキーが企画した「イチローズモルト」を発売。(ボトル裏ラベルの製造者欄は笹の川酒造)
2016年(平成26年)安積蒸溜所が本格稼働。

1710年(宝永7年)に猪苗代湖の南に創業した山桜酒造が1765年に郡山に移転。
この山桜酒造が、戦後のアメリカ軍占領下で国策的に需要の増えたウイスキーの酒造免許を1946年に取得した事がきっかけでした。
戦中戦後の米不足から清酒の醸造が困難を極めたこともあり、戦後の欧米文化の流入がウイスキー造りに取り組む要因ともなりました。
昭和50~60年代、高度経済成長期において「北のチェリー、東の東亜、西のマルス」と呼ばれ、東亜酒造、本坊酒造と共に笹の川酒造の「チェリーウイスキー」も人気を博しました。
しかし、低成長や嗜好の変化もあり不遇の時代を迎えると2003年には東亜も事業撤退を余儀なくされ、羽生の蒸留所にあった原酒樽を笹の川で預かることになります。
これが後に世界的な人気となる「イチローズモルト」が発売される大きな助けとなりました。
戦後より少量ながらウイスキー製造を続け、現在はスコッチタイプとケンタッキーより輸入したモルト使用の2タイプが使われています。
安積蒸溜所は江戸時代から続く日本酒の酒蔵「笹の川酒造」内にあり、2016年10月末に生産設備を整え秩父蒸溜所・肥土伊知郎氏の協力のもと稼働開始。

昔ながらの漆喰の白壁にポットスチルがよく映えます。

画像出展:安積蒸溜所公式Facebook

安積蒸溜所の情報はこちら↓もご覧ください。

3.商品名と写真

YAMAZAKURA 安積 2022 EDITION

Yamazakura Asaka 2022 Edition

4.特徴

アクセントに50ppmピーテッド原酒使用

バーボンバレル1stフィルのノンピート原酒や50ppmピーデッド原酒を厳選しブレンド。優しく芳醇でリッチ、安積独特の軽快な柑橘系の酸味とレモングラスの様な爽やかな香り立ちとほのかなピート香。ナッツや香ばしいカヌレ、バニラが感じられ樽由来の甘さとモルトの旨味がバランス良くライトなボディ感。

引用:安積蒸溜所公式Twitter

4-1.テイスティングノート

香り

プラム、パイナップル、ヨーグルトのような酸味が際立つ

味わい

ライトなボディで甘酸っぱい桃、梅、バニラ、タルトの生地

余韻

ほどよい酸味が抜けた後にわずかに甘い樽香が立ってすぐに消えていく

4-2.商品スペック

アルコール度数 50%
酒別 シングルモルトジャパニーズウイスキー
樽種 バーボン樽ほか
内容量 700ml
販売本数 数量限定
希望小売価格 11,000円(税込)
発売日 2022年6月20日

5.受賞歴

現時点では受賞歴はありません。

6.価格

6-1.メーカー希望小売価格

商品名 YAMAZAKURA シングルモルト 安積 2022 EDITION
容量 700ml
希望小売価格 税込:11,000円

6-2.メルカリでの転売価格

メルカリでの転売価格13,800円~18,000円前後となっています。(※2022/7/19時点)

6-3.ヤフーオークション落札価格

ヤフーオークションでの落札価格は、最安 9,250円、最高 13,800円、平均 11,387円。 (※2022/7/19時点より過去180日間の統計情報)

6-4.楽天、ヤフーショッピング、Amazon

通販サイトでは、取り扱いがありません。 (※2022/7/19時点)

6-5.BAR新海での提供価格

当サイトが運営する「BAR新海」では、1杯、45ml:3,630円 30ml:2,420円、15ml:1,210円  などの少量でも提供しております。

7.まとめ

甘すぎずピートのクセもほぼ無く、スッキリとした飲み口でこの暑い季節にぴったりな味わい。

公式の商品説明には「アクセント的にほのかに香るピーテッド安積のピート香が心地よい」とコメントありますが、ほぼ感じないというか、ノンピーテッドかと思えるくらいピートは感じませんでした。ストレートでしか飲んでいなかったので、もしかしたらロックやソーダ割りで飲むとピートが出てくるのかもしれません。

昨今のジャパニーズウイスキーで近しいものが無い味わいですがネガティブ要素も無く、これはこれで美味しいウイスキーだなという感想です。

酒造りに精通している笹の川酒造が今後はどのようなウイスキーを目指しどのようなウイスキーをリリースしていくのか、次回作が楽しみです。

■ウイスキー「山桜」とは?味や種類を徹底解説も是非ご覧ください。

■「安積蒸溜所」に関するその他の記事も是非ご覧ください。

最後に:ジャパニーズウイスキーのおすすめ書籍

世界的なトレンドを巻き起こしている「ジャパニーズウイスキー」の事をもっと知りたい、もっと勉強したいという方は、是非こちらの書籍をおすすめいたします。

(1).Whisky Galore(ウイスキーガロア)Vol.34 2022年10月号

ウイスキー文化研究所が出版するウイスキーガロアの2022年10月号は、『日本の蒸留酒づくり最前線』世界のウイスキー市場がますます拡大を続ける中、ジンやラム、そして焼酎・泡盛にも世界が注目。今回はジャパニーズウイスキーのクラフト蒸留所、そして黒糖、泡盛、ラムの蒸留所など合計10ヵ所を紹介。SETOUCHI DISTILLERY、馬追蒸溜所は今回初公開。