【レビュー】YAMAZAKURAシングルモルト 安積 2023 EDITION

ウィスキーレビュー
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安積蒸溜所

酒蔵として250年以上の歴史がある笹の川酒造。1946年にウイスキー製造免許を取得し、2016年には創業250周年事業として「安積蒸溜所」を設立。
昨年に引き続きEDITIONという名で「YAMAZAKURA シングルモルト 安積 2023 EDITION」をリリース。

今作の2023EDITIONはバーボンバレルでノンピート原酒が主体。わずかなピート香とライトなボディが特徴。

安積蒸溜所は「WWA(ワールド・ウイスキー・アワード)2022」にて山桜 ブレンデッドモルトジャパニーズウイスキー 安積 シェリーウッドリザーブが、ブレンデッドモルトウイスキー部門で世界最高賞を獲得するなど、年々国内外での評価も高まってきている蒸溜所です。

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1.メーカー

笹の川酒造株式会社

設立 1765年(明和2年)
本社所在地 〒963-0108 福島県郡山市笹川1-178
所有蒸留所 安積蒸溜所

2.蒸留所

安積蒸溜所

所在地 福島県郡山市笹川1-178
操業開始 1946年(旧設備)、 2016年4月(新設備)蒸留再開

1765年(明和2年)操業開始
1920年(大正9年)株式会社山口酒造店設立
1932年(昭和7年)山桜酒造合資会社設立
1946年(昭和21年)ウイスキー製造免許取得
1966年(昭和41年)笹の川酒造株式会社設立
1983年(昭和58年)ウイスキーモルト貯蔵庫竣工
1998年(平成10年)山桜酒造と笹の川酒造を合併、笹の川酒造株式会社を存続会社とする
2004年(平成16年)東亜酒造より貯蔵されていたウイスキーを預かる。
2005年(平成17年)ベンチャーウイスキーが企画した「イチローズモルト」を発売。(ボトル裏ラベルの製造者欄は笹の川酒造)
2016年(平成26年)安積蒸溜所が本格稼働。

1710年(宝永7年)に猪苗代湖の南に創業した山桜酒造が1765年に郡山に移転。
この山桜酒造が、戦後のアメリカ軍占領下で国策的に需要の増えたウイスキーの酒造免許を1946年に取得した事がきっかけでした。
戦中戦後の米不足から清酒の醸造が困難を極めたこともあり、戦後の欧米文化の流入がウイスキー造りに取り組む要因ともなりました。
昭和50~60年代、高度経済成長期において「北のチェリー、東の東亜、西のマルス」と呼ばれ、東亜酒造、本坊酒造と共に笹の川酒造の「チェリーウイスキー」も人気を博しました。
しかし、低成長や嗜好の変化もあり不遇の時代を迎えると2003年には東亜も事業撤退を余儀なくされ、羽生の蒸留所にあった原酒樽を笹の川で預かることになります。
これが後に世界的な人気となる「イチローズモルト」が発売される大きな助けとなりました。
戦後より少量ながらウイスキー製造を続け、現在はスコッチタイプとケンタッキーより輸入したモルト使用の2タイプが使われています。
安積蒸溜所は江戸時代から続く日本酒の酒蔵「笹の川酒造」内にあり、2016年10月末に生産設備を整え秩父蒸溜所・肥土伊知郎氏の協力のもと稼働開始。

昔ながらの漆喰の白壁にポットスチルがよく映えます。

画像出展:安積蒸溜所公式Facebook

安積蒸溜所の情報はこちら↓もご覧ください。

安積蒸溜所 | ジャパニーズウイスキーディクショナリー
Japanese Whisky Dictionary

3.商品名と写真

YAMAZAKURA シングルモルト安積 2023 EDITION

Yamazakura Single Malt Asaka 2023 Edition

4.特徴

バーボンバレルノンピート安積原酒を中心に厳選ブレンドした複雑で味わいのあるシングルモルトジャパニーズウイスキー。アクセント的にほのかに香るピート香。優しく芳醇で安積独特の軽快な柑橘系の酸味、爽やかな香り立ち。樽由来の甘さとモルトの旨味、ほどよいバニラ香がバランス良くライトなボディ感。短めながらしっかりとした余韻。ノンチルフィルター(非冷却ろ過)、ナチュラルカラー(無着色)仕上げとしております。

引用:「YAMAZAKURA SINGLE MALT JAPANESE WHISKY 安積 2023 EDITION」発売のお知らせ|笹の川酒造公式ウェブサイト

4-1.テイスティングノート

香り

白ブドウ、キンカン、ヨーグルト、クッキー

味わい

ミルクカステラ、バニラウエハース、プラム、甘酸っぱさが広がる

余韻

消えゆく酸味のあとに穏やかなピートが余韻として残る

4-2.商品スペック

アルコール度数 50%
酒別 シングルモルトジャパニーズウイスキー
樽種 バーボンバレルほか
内容量 700ml
販売本数 数量限定
希望小売価格 12,100円(税込)
発売日 2023年4月17日

5.受賞歴

現時点では受賞歴はありません。

6.価格

6-1.メーカー希望小売価格

商品名 YAMAZAKURA シングルモルト 安積 2023 EDITION
容量 700ml
希望小売価格 税込:12,100円

6-2.メルカリでの転売価格

メルカリでの転売価格8,800円~19,000円前後となっています。(※2023/5/3時点)

6-3.ヤフーオークション落札価格

ヤフーオークションでの落札価格は、最安 9,300円、最高 16,500円、平均 12,975円。 (※2023/5/3時点より過去180日間の統計情報)

6-4.楽天、ヤフーショッピング、Amazon

通販サイトでも、19,500円で販売されています。 (※2023/5/3時点)

6-5.BAR新海での提供価格

当サイトが運営する「BAR新海」では、1杯、45ml:3,960円 30ml:2,640円、15ml:1,320円  などの少量でも提供しております。

「BAR新海」のご案内
Japanese Whisky Dictionaryが運営する「BAR新海」は、東京都港区に3店舗。当サイトで紹介しているジャパニーズウィスキーをはじめ、国産のジンやビールなども取扱い。オリジナルカクテル、フレッシュフルーツカクテルなども人気。食事も豊富で1件目からも利用可能。

7.まとめ

昨年の2022EDITIONと比べると若干ピートを感じられる仕上がりになっている印象です。昨年も公式コメントには「アクセント的にピート香が」という内容でしたが、実際飲んでみるとノンピートか?と思えてしまう味わいでした。それに比べると僅かですが今作はピートも感じ取れるのではないでしょうか。全体的にはライトで飲みやすく、うまく纏まっている味わいです。

■ウイスキー「山桜」とは?味や種類を徹底解説も是非ご覧ください。

ウイスキー「山桜」とは?味や種類を徹底解説
北海道のニッカウヰスキーや大手メーカーのサントリー、鹿児島県の本坊酒造など日本には多くの有名な酒造メーカーがありますが、東北地方の福島県にも「笹の川酒造」というメーカーがあることをご存じでしょうか。

■「安積蒸溜所」に関するその他の記事も是非ご覧ください。

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最後に:ジャパニーズウイスキーのおすすめ書籍

世界的なトレンドを巻き起こしている「ジャパニーズウイスキー」の事をもっと知りたい、もっと勉強したいという方は、是非こちらの書籍をおすすめいたします。

(1).Whisky Galore(ウイスキーガロア)Vol.45 2024年8月号

<巻頭特集>
いま、再びのブレンデッドウイスキー
データで読み解く ブレンデッドウイスキーの現在
スコッチの人気銘柄 6ブランドを紹介

ハイボール缶大試飲会

定番から発売したての新商品まで ガロアテイスター陣が全20種類を飲んで語る!<新シリーズ始動>

ジャパニーズクラフトの開拓者たち[第1回]
秩父蒸溜所 肥土伊知郎
現在のクラフトウイスキームーブメントの礎を築いた“ジャパニーズクラフトの開拓者たち”に編集長・土屋守がロングインタビューを実施<編集長インタビュー>
◆デュワーズ7代目マスターブレンダー ステファニー・マクラウド氏に聞く
◆スチュアート・ハーヴェイ氏に聞く「オールドプルトニー ポート」の味わい
<特別リポート>
◆アジア最大にして、世界のトップ10 ──快進撃が止まらないカバラン蒸留所
◆天鏡蒸溜所 竣工記念内覧会とトークショー
◆森の京都蒸溜所 京素材や和漢ボタニカルを使ったジン造り
◆ウイスキーコニサークラブ国内蒸留所ツアー第3弾 井川蒸溜所
◆琵琶湖ウイスキークルーズ2024
◆ウイスキー検定合格者限定ツアー第10弾 三郎丸蒸留所/T&T TOYAMA
<特別企画>
◆東京ウイスキー&スピリッツコンペティション2024 受賞結果
<人気連載>
◆The Tasting 話題の30本をテイスティング!

(2).ビジネスに効く教養としてのジャパニーズウイスキー

世界的にも有名なウイスキー評論家で、ウイスキー文化研究所代表 土屋守先生の著書「ビジネスに効く教養としてのジャパニーズウイスキー」です。
ウイスキーの基礎知識、日本へのウイスキーの伝来、ジャパニーズウイスキーの誕生、広告戦略とジャパニーズウイスキーの盛隆、そして、現在のクラフト蒸留所の勃興まで。日本のウイスキーの事が非常にわかりやすくまとめられた一冊。

(3).ウイスキーと私(竹鶴政孝)

日本でのウイスキー醸造に人生を捧げた、ニッカウヰスキー創業者・竹鶴政孝。ただひたすらにウイスキーを愛した男が自らを語った自伝の改訂復刻版。若き日、単身スコットランドに留学し、幾多の苦難を乗り越えてジャパニーズ・ウイスキーを完成させるまでの日々や、伴侶となるリタのことなどが鮮やかに描かれる。

(4).新世代蒸留所からの挑戦状

2019年発売。世界に空前のウイスキーブームが到来しているいま、クラフト蒸留所の経営者たちは何を考え、どんな想いでウイスキー造りに挑んだのか。日本でクラフト蒸留所が誕生するきっかけを作った、イチローズ・モルトで有名なベンチャーウイスキーの肥土伊知郎氏をはじめとする、13人のクラフト蒸留所の経営者たちが世界に挑む姿を綴った1冊。

(5).ウイスキーライジング

2016年にアメリカで出版された『Whisky Risng』の日本語版であり、内容も大幅にアップデート。ジャパニーズ・ウイスキーの歴史が詳細に記述されているだけでなく、近年、創設がつづくクラフト蒸溜所を含む、日本の全蒸溜所に関するデータも掲載。そのほかにも、今まで発売された伝説的なボトルの解説や、ジャパニーズ・ウイスキーが飲めるバーなども掲載されています。

(6).ウイスキーと風の味

1969年にニッカウヰスキーに入社した、三代目マスターブレンダーの佐藤茂夫氏の著書。
『ピュアモルト』『ブラックニッカクリア』『フロム・ザ・バレル』の生みの親でもあり、なかでも『シングルモルト余市1987』はウイスキーの国際的コンペティションWWA(ワールド・ウイスキー・アワード)にて「ワールド・ベスト・シングルモルト」を受賞。
竹鶴政孝竹鶴威の意志を引き継いだブレンダー界のレジェンドが語る今昔。

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この記事を書いた人
深瀬 悠二

北海道札幌市出身。
2005年、大手スポーツ用品販売チェーンに就職→2019年1月、BAR新海に就職しウイスキーの魅力に引き込まれ虜となる。初めて飲んだウイスキーはアードベッグ10年。ほぼ毎日ウイスキーを飲む中で更なる知識習得を目指し、ウイスキー検定2級とJC級(ジャパニーズクラフトウイスキー)を取得。
造り手の想いをしっかりと表現し、飲み手の方々に正しい情報を伝えたい。ウイスキーの魅力をたくさんの方に伝えたいという思いでウェブメディア「Japanese Whisky Dictionary」の編集を担当。

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