【レビュー】シングルブレンデッドジャパニーズウイスキー富士

ウィスキーレビュー
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キリン富士御殿場蒸溜所

2020年に登場した「富士」ブランドに、今年6月から新定番として加わった「キリン シングルブレンデッドジャパニーズウイスキー 富士」。

日本のクラフトウイスキーはローカルの大麦にこだわるところが多いですが、キリンの場合は原料ができた場所にこだわるのではなく、ウイスキーを造り、育てた富士山のふもとという場所や、その場所で原酒が過ごした時間の偉大さの方に、価値を見出しているそう。

そうした御殿場のテロワールを反映した新たな商品が、今回新定番としてリリースされた「シングルブレンデッドジャパニーズウイスキー 富士」である。

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1.メーカー

キリンディスティラリー株式会社

設立1972年8月
本社所在地〒412-0003 静岡県御殿場市柴怒田970番地
所有蒸留所富士御殿場蒸溜所

2.蒸留所

富士御殿場蒸溜所

所在地〒412-0003 静岡県御殿場市柴怒田970番地
操業開始1973年11月

1972年8月 キリンビール株式会社(日本)、JEシーグラム社(米、当時)、シーバースブラザーズ社(英)3社合弁によりキリン・シーグラム株式会社設立
1973年11月 富士御殿場蒸溜所完成、製造開始
1974年2月 国産ウイスキー「ロバートブラウン」発売
2002年7月 社名を「キリンディスティラリー株式会社」と変更(キリンビール株式会社の100%出資会社化)
2005年9月 国産ウイスキー「キリンウイスキー富士山麓 樽熟50°」「キリンウイスキー富士山麓シングルモルト18年」発売
2016年3月 「キリンウイスキー 富士山麓 ブレンデッド 18年」発売、「キリンウイスキー富士山麓 樽熟原酒50°」発売
2018年8月 「富士山麓 Signature Blend (シグニチャーブレンド)」発売
2020年4月 「キリンシングルグレーンウイスキー富士」発売

富士山のふもとに位置する「キリンディスティラリー(株)富士御殿場蒸溜所」はモルトウイスキーとグレーンウイスキーの仕込みからボトリングまで一貫して行う、世界でも珍しいウイスキー蒸留所です。
豊富な富士の伏流水、冷涼な気候、一年を通して幾度となく発生する霧、恵まれた自然環境の中で、ウイスキーをはじめ、ミネラルウォーターや缶チューハイなど、キリングループの多種多様な製品を製造しています。

2019年2月、将来のさらなるウイスキーの販売数量増加に備えて生産設備を増強、約80億円を投資。
多様なモルトウイスキー原酒を製造するため、小型の発酵タンク4基と蒸留器2系列4基を新設し原酒製造能力を約2倍に、樽熟成庫のリニューアル・大型化等により、樽の保管能力を約2割増強。将来にわたり高品質なウイスキーを安定して供給できる生産体制を目指す。稼働開始時期は2021年6月の予定。

引用元:キリンディスティラリー株式会社公式HP

富士御殿場蒸溜所の情報はこちら↓もご覧ください。

キリン富士御殿場蒸溜所 | ジャパニーズウイスキーディクショナ...
Japanese Whisky Dictionary

3.商品名と写真

シングルブレンデッドジャパニーズウイスキー富士
Single Blended Japanese Whisky FUJI

富士sb

 

4.特徴

日本で初めて認められたシングルブレンデッドウイスキー

富士御殿場蒸溜所のウイスキーづくりにおけるこだわりと特長を体現させた商品といえる、シングルブレンデッドジャパニーズウイスキー。

シングルブレンデッドとは、ひとつの蒸溜所でつくられたモルトウイスキーとグレーンウイスキーだけをブレンドしたウイスキーを意味し、この商品を開発するにあたり、新たな呼称として申請して日本で初めて認められたものである。
仕込から熟成までを全て富士山のふもとで行う、富士御殿場蒸溜所ならではの多彩なモルト原酒とグレーン原酒だけをブレンドした、世界でも稀有な商品です。このシングルブレンデッドをつくるにあたり大切にしたのが、ウイスキーの“時間のテロワール”という概念です。
ウイスキーにおけるテロワールとは、ウイスキーを造り、育てた富士山のふもとという場所や、その場所で原酒が過ごした時間であり、その時間によって生み出された特長を最大限活かすことに注力しました。約50年という時間によって磨かれた富士山の伏流水はもちろん、空気環境や気象条件も含め、ウイスキーが育まれてきた時間と風土こそがウイスキーにおけるテロワールであり、富士山のふもとのテロワールを反映させたものがシングルブレンデッド 富士なのです。

キリン シングルブレンデッドジャパニーズウイスキー 富士(700...
キリン シングルブレンデッドジャパニーズウイスキー 富士(700ml)の商品ページです。DRINX(ドリンクス)はKIRIN(キリン)の公式通販サイトです。限定商品やギフト商品多数。

4-1.テイスティングノート

香りピーチやアプリコット、ハチミツやバター、トーストやクッキー の芳ばしい香り
味わい口当たりはなめらか、洋梨や桃、杏仁豆腐、ハチミツの甘さが 口全体に広がる
余韻

シルキーさの中に、甘くフルーティで豊かな香りが織り重なり、心地良く続いていく

引用:シングルブレンデッドジャパニーズウイスキー富士公式HP

4-2.商品スペック

アルコール度数43%
酒別モルト、グレーン
樽種
内容量700ml
販売本数
希望小売価格6,600円(税込)
発売日2022年6月7日

5.受賞歴

現時点では受賞歴はありません。

6.価格

6-1.メーカー希望小売価格

商品名シングルブレンデッドジャパニーズウイスキー富士
容量700ml
希望小売価格6,000円(税込:6,600円)

6-2.メルカリでの転売価格

メルカリでの転売価格は、4,000円~5,000円前後となっています。(※2022/7/25時点)

6-3.ヤフーオークション落札価格

ヤフーオークションでの現在出品中の商品はほとんどなく、取引件数も1件のみでした。 (※2022/7/25時点)

6-4.楽天、ヤフーショッピング、Amazon

通販サイトでも、5,000円~6,000円前後で販売されています。 (※2022/7/25時点)

6-5.BAR新海での提供価格

当サイトが運営する「BAR新海」では、1杯、45ml:1,650円 30ml:1,100円、15ml:550円で提供しております。

「BAR新海」のご案内
Japanese Whisky Dictionaryが運営する「BAR新海」は、東京都港区に3店舗。当サイトで紹介しているジャパニーズウィスキーをはじめ、国産のジンやビールなども取扱い。オリジナルカクテル、フレッシュフルーツカクテルなども人気。食事も豊富で1件目からも利用可能。

7.まとめ

時間とともに変化する熟成度合いの見極めにも細心の注意を払い、それぞれの原酒の特長を最大限活かすように原酒樽を厳選し、彩とりどりな原酒の特長が複層的に折り重なって、イキイキと感じられるように絶妙なバランスでブレンドされていて、蒸留液由来の未熟香が微塵もない、フルーティで透明感と“美しさ”を感じられる仕上がりになっています。

メーカーが推奨している飲み方は、ワイングラス(ソービニヨンブラン用が最適)に入れたストレートです。ピーチやアプリコット、オレンジリキュールを想わせる華やかなフルーツの香りが立ち上がってきます。
そして、口に含めば、ハチミツや洋梨タルト、フルーツケーキの甘い香りが広がり、心地よく幸せな気分になれるでしょう。また、香りの変化を楽しみたいときは、ティースプーン1杯の水を加えてみると、フルーティな香りをより鮮やかに感じることができます。とコメントされています。

引用:シングルブレンデッドジャパニーズウイスキー富士公式HP

■キリンに関するその他の記事も是非ご覧ください。

【レビュー】富士山麓 シグニチャーブレンド
熟成のピークを迎えた原酒を厳選しブレンドした「富士山麓」の自信作このウイスキーの特徴として、熟成年数にこだわらず使用する原酒(モルト、樽材など)によって異なる熟成の進み具合に着目し、それぞれが最高の熟成度となる時期となる原酒をブレンドしているところにあります。
【レビュー】シングルグレーンウイスキー富士
世界的に評価の高い富士御殿場蒸留所のグレーンウィスキー原酒のみを使用しており、香味タイプの異なる3種類のグレーン原酒を組み合わせ、それぞれの香味特長を生かした味わいになっている。フルーティーな果実香、オレンジやグレープが感じられる香味が特長のウィスキー。
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最後に:ジャパニーズウイスキーのおすすめ書籍

世界的なトレンドを巻き起こしている「ジャパニーズウイスキー」の事をもっと知りたい、もっと勉強したいという方は、是非こちらの書籍をおすすめいたします。

(1).Whisky Galore(ウイスキーガロア)Vol.42 2024年2月号

【巻頭特集】ウイスキーの聖地 アイラ島の“現在”を読み解く
アイラ島のウイスキーは、昔から「アイラモルト」という独自のカテゴリーを与えられてきた。現在9ヵ所の蒸留所があり、さらに2つの新蒸留所計画が発表されている、この小さな島を改めて紹介。
また、現在入手可能なウイスキー8種を土屋編集長が飲み比べる。
●掲載蒸留所
ボウモア、アードベッグ、ラガヴーリン、ラフロイグ、カリラ、ブナハーブン、ブルックラディ、キルホーマン、アードナッホー

【第2特集】北アイルランドのウイスキー
世界の五大ウイスキーのなかで、いまもっとも伸びているのがアイリッシュ。ブームを牽引する北アイルランドの最新情報をリポート。
●紹介ウイスキー
ブッシュミルズ、エクリンヴィル、グレンズ・オブ・アントリム、ヒンチ、キルオーウェン、マコーネルズ、ショートクロス、タイタニック・ディスティラーズ、トゥー・スタックス

【蒸留所リポート】
2023年に100周年を迎えたジャパニーズウイスキー。その第一歩が踏み出され、昨年リニューアルしたばかりのサントリー山崎蒸溜所を取材。そのほか月光川蒸留所や、個性的なツアーを行っている八郷蒸溜所&安積蒸溜所も紹介。

【インタビュー】
ワイルドターキーのマスターディスティラーであるエディー・ラッセル氏と、その息子ブルース・ラッセル氏を編集長がインタビュー。またフィンランドで自国ライ麦にこだわったウイスキーを造るキュロ蒸留所のミイカ氏にも話を聞いた。

【特集】
ウイスキーフェスティバル2023 in TOKYO、ウイスキーコニサークラブ新潟蒸留所ツアー、下田ウイスキーフェスリポート。

(2).ビジネスに効く教養としてのジャパニーズウイスキー

世界的にも有名なウイスキー評論家で、ウイスキー文化研究所代表 土屋守先生の著書「ビジネスに効く教養としてのジャパニーズウイスキー」です。
ウイスキーの基礎知識、日本へのウイスキーの伝来、ジャパニーズウイスキーの誕生、広告戦略とジャパニーズウイスキーの盛隆、そして、現在のクラフト蒸留所の勃興まで。日本のウイスキーの事が非常にわかりやすくまとめられた一冊。

(3).ウイスキーと私(竹鶴政孝)

日本でのウイスキー醸造に人生を捧げた、ニッカウヰスキー創業者・竹鶴政孝。ただひたすらにウイスキーを愛した男が自らを語った自伝の改訂復刻版。若き日、単身スコットランドに留学し、幾多の苦難を乗り越えてジャパニーズ・ウイスキーを完成させるまでの日々や、伴侶となるリタのことなどが鮮やかに描かれる。

(4).新世代蒸留所からの挑戦状

2019年発売。世界に空前のウイスキーブームが到来しているいま、クラフト蒸留所の経営者たちは何を考え、どんな想いでウイスキー造りに挑んだのか。日本でクラフト蒸留所が誕生するきっかけを作った、イチローズ・モルトで有名なベンチャーウイスキーの肥土伊知郎氏をはじめとする、13人のクラフト蒸留所の経営者たちが世界に挑む姿を綴った1冊。

(5).ウイスキーライジング

2016年にアメリカで出版された『Whisky Risng』の日本語版であり、内容も大幅にアップデート。ジャパニーズ・ウイスキーの歴史が詳細に記述されているだけでなく、近年、創設がつづくクラフト蒸溜所を含む、日本の全蒸溜所に関するデータも掲載。そのほかにも、今まで発売された伝説的なボトルの解説や、ジャパニーズ・ウイスキーが飲めるバーなども掲載されています。

(6).ウイスキーと風の味

1969年にニッカウヰスキーに入社した、三代目マスターブレンダーの佐藤茂夫氏の著書。
『ピュアモルト』『ブラックニッカクリア』『フロム・ザ・バレル』の生みの親でもあり、なかでも『シングルモルト余市1987』はウイスキーの国際的コンペティションWWA(ワールド・ウイスキー・アワード)にて「ワールド・ベスト・シングルモルト」を受賞。
竹鶴政孝竹鶴威の意志を引き継いだブレンダー界のレジェンドが語る今昔。

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