【レビュー】THE SUN 2022

ウィスキーレビュー
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三郎丸蒸留所

三郎丸蒸留所のブレンデッドウイスキーの新境地。

過半を占める2018年蒸留の三郎丸モルト原酒と12年以上自家熟成させたグレーン原酒が織りなすピーティーでアロマテックな共演。

2018年蒸留ということは、まだ鋳造製のポッドスチル「ZEMON」での蒸留ではないということです。

グレーン原酒は最長16年熟成とのこと。バランスを整えるいい役割をしています。というよりも「さすが」と言えるブレンド力に脱帽します。

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1.メーカー

若鶴酒造株式会社

設立 1862年
本社所在地 〒939-1308 富山県砺波市三郎丸208
所有蒸留所 三郎丸蒸留所

2.蒸留所

三郎丸蒸留所

所在地 〒939-1308 富山県砺波市三郎丸208
操業開始 1953年(2016年改修)

1952年創業の北陸で唯一の蒸留所。
戦後の米不足のなか1952年にウイスキー製造免許を取得。以来、冬は日本酒を仕込み夏の間のみウイスキーを蒸留。年間200仕込み。今後は300仕込みを計画中。
操業当初からスモーキーなウイスキーにこだわりアイラピーテッド麦芽と最近では富山県産ピーテッド麦芽で仕込んでいます。 自然の風味を生かすため、冷却濾過や着色は一切していないのが特徴です。

2018年、三宅製作所の最新のマッシュタンを導入。
2019年、地元企業の老子(おいご)製作所と協業して鋳造製のポッドスチル「ZEMON(ゼモン)」を開発。
2020年、木桶の発酵槽を1基導入。

他の蒸留所との大きな違いは世界初の鋳造製のポッドスチル「ZEMON(ゼモン)」を採用。


大きな特徴は3つ。
①鋳物工法により型による成形が可能になり短納期での製造が可能。また、低コストで十分な肉厚をもたせることができ、本体の高寿命化を期待できます。
②鋳造による自由な造形により様々な酒質を実現。また、パーツごとのユニット化により消耗した部品のみの交換や機能の拡張に対応します。
③銅が約90%、錫が約8%含まれる銅錫合金によりつくられています。錫は銅の約3倍の価格で取引される高級な金属です。
錫は古来より酒の味をまろやかにするといわれており、酒器や焼酎の冷却器に用いられてきました。ZEMONは銅と錫の2つの効果により高品質な蒸留酒の製造に貢献します。
引用:若鶴酒造公式HP

三郎丸蒸留所の情報はこちら↓もご覧ください。

メーカー(蒸留所) 三郎丸蒸留所 | ジャパニーズウイスキ...
「三郎丸蒸留所」の記事一覧です。

3.商品名と写真

THE SUN 2022
The Sun 2022

4.特徴

2018年蒸留の三郎丸モルトと自家熟成12年以上のグレーン

過半を占める2018年蒸留の三郎丸モルトは主に富山県利賀のミズナラ樽、シェリー樽等を使用し、多彩な香味とピーティーさ、そしてミズナラ由来のオーキーさを引き出しています。
ブレンドされた12年以上のグレーン原酒は井波で製造した焙煎樽、長野県のワイン樽等にて熟成し、多層な香味と組み合いながら一体となって支えあっています。
三郎丸ブレンデッドの新境地を是非お楽しみください。

引用:限定ウイスキー「THE SUN 2022」販売|抽選購入のご応募方法について

4-1.テイスティングノート

香り スモーキー、白檀、ミルクチョコレート
味わい 煙、柑橘、マロン、樽のほろ苦さ、後からグレーンの甘さが顔を出す
余韻 焦げた香りやほろ苦さから徐々に甘さに変化していく

4-2.商品スペック

アルコール度数 48%
酒別 ブレンデッドウイスキー
樽種 ミズナラ樽、シェリー樽、焙煎樽、ワイン樽ほか
内容量 700ml
販売本数 5,320本限定
希望小売価格 10,780円(税込)
発売日 2022年7月11日

5.受賞歴

現時点での受賞歴はありません。

6.価格

6-1.メーカー希望小売価格

商品名 THE SUN 2022
容量 700ml
希望小売価格 10,780円(税込)

6-2.メルカリでの転売価格

メルカリでの転売価格は、12,222円~19,800円前後となっています。(※2022/7/29時点)

6-3.ヤフーオークション落札価格

ヤフーオークションでの落札価格は、最安10,230円、最高13,050円、平均11,796円 (※2022/7/29時点より過去180日間の統計情報)

6-4.楽天、ヤフーショッピング、Amazon

現在通販サイトでの販売は無いようです。(※2022/7/29時点)

6-5.BAR新海での提供価格

当サイトが運営する「BAR新海」では、1杯、45ml:3,300円 30ml:2,200円、15ml:1,100円 などの少量でも提供しております。

「BAR新海」のご案内
Japanese Whisky Dictionaryが運営する「BAR新海」は、東京都港区に3店舗。当サイトで紹介しているジャパニーズウィスキーをはじめ、国産のジンやビールなども取扱い。オリジナルカクテル、フレッシュフルーツカクテルなども人気。食事も豊富で1件目からも利用可能。

7.まとめ

昨年、ブレンデッドウイスキーのリリースは「玉兎」がありました。

玉兎もブレンド力を感じる逸品でしたが、今作はそれを上回る仕上がり。

際立つスモーキーさやコクと微かな柑橘感、後から押し寄せるミズナラ樽特有の和のテイストと焙煎バーボン樽の焦げたほろ苦いテイスト。それらを上手くまとめ上げているグレーンの甘さ。ストレートで飲んでもソーダ割りでも楽しめる逸品です。

今年リリースされるであろうシングルモルト三郎丸はいよいよ鋳造製ポッドスチル「ZEMON」で蒸留した原酒なはずです。どのような味わいに仕上がってくるのか楽しみですね。

「三郎丸蒸留所」に関するその他の記事も是非ご覧ください。

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0から1へ。「ひとつの変化と新たなる一歩、変容、技能、新しい段階」が三郎丸1のキーワード。カスクストレングス版がアルコール度数63%、通常版がアルコール度数48%ということで、通常版よりもモルトの力強さとコクがしっかりと感じられる1本になっています。
【レビュー】シングルモルト三郎丸1 THE MAGICIAN
エール酵母とウィスキー酵母の2つの酵母を使用し、ホーロー発酵を3日間。麦芽はへビリーピーテッド麦芽(53ppm)を使用。これぞスモーキーと言わんばかりの強いピートと麦芽の香ばしさを残しつつ、フルーツの酸味も表現。輪郭がしっかりした味わい。

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最後に:ジャパニーズウイスキーのおすすめ書籍

世界的なトレンドを巻き起こしている「ジャパニーズウイスキー」の事をもっと知りたい、もっと勉強したいという方は、是非こちらの書籍をおすすめいたします。

(1).Whisky Galore(ウイスキーガロア)Vol.47 2024年12月号

【巻頭特集】
「新アイリッシュ・ルネッサンス[第2弾]」
【第2特集】
「日本のクラフト蒸留所最前線」
今号では北海道の厚岸と苫小牧、そしてクラフト蒸留所に麦芽を供給する中標津のクラフトモルティング社についても紹介します。さらに三島のウォータードラゴンと、ZEMONⅡが稼働する飛騨高山蒸溜所も再訪。
【連続ロングインタビュー】
第3回 ガイアフロー静岡蒸溜所 中村大航氏
【特別リポート】
遊佐蒸溜所の挑戦
第二期リニューアルが完了したサントリー白州蒸溜所

(2).ビジネスに効く教養としてのジャパニーズウイスキー

世界的にも有名なウイスキー評論家で、ウイスキー文化研究所代表 土屋守先生の著書「ビジネスに効く教養としてのジャパニーズウイスキー」です。
ウイスキーの基礎知識、日本へのウイスキーの伝来、ジャパニーズウイスキーの誕生、広告戦略とジャパニーズウイスキーの盛隆、そして、現在のクラフト蒸留所の勃興まで。日本のウイスキーの事が非常にわかりやすくまとめられた一冊。

(3).ウイスキーと私(竹鶴政孝)

日本でのウイスキー醸造に人生を捧げた、ニッカウヰスキー創業者・竹鶴政孝。ただひたすらにウイスキーを愛した男が自らを語った自伝の改訂復刻版。若き日、単身スコットランドに留学し、幾多の苦難を乗り越えてジャパニーズ・ウイスキーを完成させるまでの日々や、伴侶となるリタのことなどが鮮やかに描かれる。

(4).新世代蒸留所からの挑戦状

2019年発売。世界に空前のウイスキーブームが到来しているいま、クラフト蒸留所の経営者たちは何を考え、どんな想いでウイスキー造りに挑んだのか。日本でクラフト蒸留所が誕生するきっかけを作った、イチローズ・モルトで有名なベンチャーウイスキーの肥土伊知郎氏をはじめとする、13人のクラフト蒸留所の経営者たちが世界に挑む姿を綴った1冊。

(5).ウイスキーライジング

2016年にアメリカで出版された『Whisky Risng』の日本語版であり、内容も大幅にアップデート。ジャパニーズ・ウイスキーの歴史が詳細に記述されているだけでなく、近年、創設がつづくクラフト蒸溜所を含む、日本の全蒸溜所に関するデータも掲載。そのほかにも、今まで発売された伝説的なボトルの解説や、ジャパニーズ・ウイスキーが飲めるバーなども掲載されています。

(6).ウイスキーと風の味

1969年にニッカウヰスキーに入社した、三代目マスターブレンダーの佐藤茂夫氏の著書。
『ピュアモルト』『ブラックニッカクリア』『フロム・ザ・バレル』の生みの親でもあり、なかでも『シングルモルト余市1987』はウイスキーの国際的コンペティションWWA(ワールド・ウイスキー・アワード)にて「ワールド・ベスト・シングルモルト」を受賞。
竹鶴政孝竹鶴威の意志を引き継いだブレンダー界のレジェンドが語る今昔。

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この記事を書いた人
深瀬 悠二

北海道札幌市出身。
2005年、大手スポーツ用品販売チェーンに就職→2019年1月、BAR新海に就職しウイスキーの魅力に引き込まれ虜となる。初めて飲んだウイスキーはアードベッグ10年。ほぼ毎日ウイスキーを飲む中で更なる知識習得を目指し、ウイスキー検定2級とJC級(ジャパニーズクラフトウイスキー)を取得。
造り手の想いをしっかりと表現し、飲み手の方々に正しい情報を伝えたい。ウイスキーの魅力をたくさんの方に伝えたいという思いでウェブメディア「Japanese Whisky Dictionary」の編集を担当。

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