【レビュー】ザ・ラッキーキャット メイ&ルナ

ウィスキーレビュー
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本坊酒造駒ヶ岳蒸溜所

「The Lucky Cat」は個性豊かな猫達をモチーフに、マルスウイスキーのブレンド技術を駆使して造られるブレンデッドウイスキーのシリーズです。

猫好きの本坊酒造社長にちなんで本シリーズが2015年から販売された「Lucky Catシリーズ」。今回で第8弾の「ザ・ラッキーキャット メイ&ルナ」、シリーズ第4弾で登場した最年長猫のメイと前作の第7弾で登場した新入りのルナがモチーフになっています。当シリーズで複数の猫が登場するのは初めて。個性の違う2匹の猫とウイスキーの個性を照らし合わせたもので、「桜樽使用による香り」と後から追いかけてくる「ピーティな味わい」が特徴のブレンデッドウイスキーになっています。

■歴代のラッキーキャット

 商品名発売日発売本数価格(税込)
第1弾ザ・ラッキーキャット「サン」2015年9月25日1,200本4,400円
第2弾ザ・ラッキーキャット「アッシュ99」2016年8月25日4,300本4,950円
第3弾ザ・ラッキーキャット「ミント」2017年11月10日3,830本4,400円
第4弾ザ・ラッキーキャット「メイ」2018年9月22日3,387本4,730円
第5弾ザ・ラッキーキャット「ハナ」2020年2月1日3,000本4,950円
第6弾ザ・ラッキーキャット「チョコ」2021年3月4日6,700本4,950円
第7弾ザ・ラッキーキャット「ルナ」2022年3月30日5,220本4,950円
第8弾ザ・ラッキーキャット「メイ&ルナ」2023年2月24日8,430本5,280円
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1.メーカー

本坊酒造株式会社

設立1872年
本社所在地〒891-0122; 鹿児島県鹿児島市南栄三丁目27番地
所有蒸留所マルス信州蒸溜所、マルス津貫蒸溜所

2.蒸留所

マルス信州蒸溜所

所在地〒399-4301 長野県上伊那郡宮田村4752-31
操業開始1985年

鹿児島の地で日本の蒸留酒「焼酎」造りに邁進していた本坊酒造が、ウイスキー製造免許を取得したのが1949年。それ以来、「いつか日本の風土を活かした本物のウイスキーを造りたい」と夢を抱き続けていました。
鹿児島でのウイスキー製造から数年経た後、1960年に山梨にワインとウイスキー製造のための工場「マルス山梨ワイナリー」を設立。そして、本格的にウイスキー造りに取り組むために、さらなる理想の地を探し求めました。

澄んだ空気の寒冷地であり、しかも適度な湿度と良質な水に恵まれていることなど、ウイスキー造りのための自然条件は、たいへん厳しいものがあります。
こうした条件を満たす土地を探し求め、1985年ウイスキー造りに最適な環境を求めて、長野県中央アルプス駒ヶ岳山麓標高798mの地にマルス信州蒸溜所を開設致しました。
その後、1992年にウイスキー需要低迷により蒸留を休止。その後、世界的にジャパニーズウイスキーが評価されはじめる中、ウイスキー需要が回復傾向にあった2009年に蒸留再開を決意し2011年2月より再スタート。
2020年9月、35年ぶりの全面リニューアル。投資額は約12億円。

2019年5月から、老朽化した設備の改修とウイスキー増産を見据えた樽貯蔵庫施設の整備やウイスキー造りの見学を目的にしたウイスキー蒸留棟(樽貯蔵庫を含む)と、オリジナルウイスキーやグッズ販売などを目的にビジター棟を新設、既存の設備及び施設を改修。
新設したウイスキー蒸留棟は1,996㎡(延床面積、約2,500樽収容予定の樽貯蔵庫含む)、ビジター棟は746㎡。

■製造能力:原料麦芽1.1t/日
■原酒製造量:約700L/日、約185KL/年(2020年度予定)
■主要な設備:麦芽粉砕機1基、マッシュタンロイテル(糖化槽)6KL×1基、ステンレス発酵タンク6KL×3基、ダグラスファー木槽発酵タンク(移設)6KL×3基、初溜釜(移設)

引用:本坊酒造公式HP

マルス信州蒸溜所の情報はこちら↓もご覧ください。

信州蒸溜所 | ジャパニーズウイスキーディクショナリー
Japanese Whisky Dictionary

3.商品名と写真

ザ・ラッキーキャット メイ&ルナ
The Lucky Cat May&Luna

4.特徴

桜樽使用原酒とピートの融合

「桜樽使用による香り」と後から追いかけてくる「ピーティな味わい」が特徴のブレンデッドウイスキー。濃いチョコレートやココア、木の香りやコショウのスパイシーさとピートが相まって甘さと程良いピートという個性がしっかりと融合している印象です。

4-1.テイスティングノート

香りフローラルで上品な甘い香り、ココア、ピート香
味わいハイカカオ、ドライでスパイシーかつ程良いピート
余韻ハーブ用の爽やかさと心地よいピートが鼻を抜けていく

4-2.商品スペック

アルコール度数43%
酒別ブレンデッド
樽種桜樽ほか
内容量700ml
販売本数限定8,430本
希望小売価格5,280円(税込)
発売日2023年2月24日

5.受賞歴

現時点での受賞歴はありません。

6.価格

6-1.メーカー希望小売価格

商品名ザ・ラッキーキャット メイ&ルナ
容量700ml
希望小売価格税込:5,280円

6-2.メルカリでの転売価格

メルカリでの転売価格は、8,500円~9,500円前後となっています。(※2023/4/5時点)

6-3.ヤフーオークション落札価格

ヤフーオークションでの落札価格は、最安6,215円、最高10,000円、平均7,816円(※2023/4/5時点より過去180日間の統計情報)

6-4.楽天、ヤフーショッピング、Amazon

通販サイトでは11,000円前後で販売されています。 (※2023/4/5時点)

6-5.BAR新海での提供価格

当サイトが運営する「BAR新海」では、1杯、45ml:1,980円 、30ml:1,320円、15ml:660円で提供しております。

「BAR新海」のご案内
Japanese Whisky Dictionaryが運営する「BAR新海」は、東京都港区に3店舗。当サイトで紹介しているジャパニーズウィスキーをはじめ、国産のジンやビールなども取扱い。オリジナルカクテル、フレッシュフルーツカクテルなども人気。食事も豊富で1件目からも利用可能。

7.まとめ

飲み口はドライですが次第にチョコレート様の甘さが出てきます。追って優しくもピートが出てくるので甘さを感じづらい印象ですが、上品な甘さとピート両方の個性が生きている感じです。桜樽による程良いほろ苦な樽感もわずかながら感じます。

本坊酒造はとにかくコンスタントに新商品をリリースしています。マルス信州蒸溜所からは「駒ヶ岳」「越百」「岩井」を軸に「パピヨンシリーズ(一部、津貫蒸溜所あり)」「ラッキーキャットシリーズ」などをリリース。
マルス津貫蒸溜所は第一弾の「津貫ファースト」から「津貫ピーテッド」、「シングルモルト津貫2022エディション」などシリーズとしては「津貫」のみを展開しています。
2022年にはマルス信州蒸溜所とマルス津貫蒸溜所の原酒を「屋久島エージングセラー」で熟成させたブレンデッドモルトウイスキーとして新しいシリーズの「MARS The Y.A.」をリリースするなど精力的に商品展開をしています。

■「本坊酒造」に関するその他の記事も是非ご覧ください。

【レビュー】マルスモルト ル パピヨン ダブルカスク ヒメシロチ...
パピヨンダブルカスクヒメシロチョウは、本坊酒造より2023年3月28日発売、12,100円(税込)。マルス信州蒸溜所で2015年12月に蒸留。鏡板に桜材を使った樽とバーボン樽で熟成した2樽をヴァッティング2022年2月にボトリング。
【レビュー】シングルモルト津貫2023 エディション
シングルモルト津貫2023は、本坊酒造より2023年1月18日発売。8,800円(税込)。バーボンバレルを主体に様々な樽で熟成したモルト原酒をヴァッティング。ふくよかな厚みとフレッシュなフルーティーで奥深い味わい。
【レビュー】MARS The Y.A. #01
MARS The Y.A. #01は、信州と津貫で蒸留しバーボン樽で熟成されたモルト原酒を中心にヴァッティング。南国を想わせる果実香と潮風を想わせる風味が屋久島らしい1本。2022年6月下旬販売。9,900円(税込)
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最後に:ジャパニーズウイスキーのおすすめ書籍

世界的なトレンドを巻き起こしている「ジャパニーズウイスキー」の事をもっと知りたい、もっと勉強したいという方は、是非こちらの書籍をおすすめいたします。

(1).Whisky Galore(ウイスキーガロア)Vol.42 2024年2月号

【巻頭特集】ウイスキーの聖地 アイラ島の“現在”を読み解く
アイラ島のウイスキーは、昔から「アイラモルト」という独自のカテゴリーを与えられてきた。現在9ヵ所の蒸留所があり、さらに2つの新蒸留所計画が発表されている、この小さな島を改めて紹介。
また、現在入手可能なウイスキー8種を土屋編集長が飲み比べる。
●掲載蒸留所
ボウモア、アードベッグ、ラガヴーリン、ラフロイグ、カリラ、ブナハーブン、ブルックラディ、キルホーマン、アードナッホー

【第2特集】北アイルランドのウイスキー
世界の五大ウイスキーのなかで、いまもっとも伸びているのがアイリッシュ。ブームを牽引する北アイルランドの最新情報をリポート。
●紹介ウイスキー
ブッシュミルズ、エクリンヴィル、グレンズ・オブ・アントリム、ヒンチ、キルオーウェン、マコーネルズ、ショートクロス、タイタニック・ディスティラーズ、トゥー・スタックス

【蒸留所リポート】
2023年に100周年を迎えたジャパニーズウイスキー。その第一歩が踏み出され、昨年リニューアルしたばかりのサントリー山崎蒸溜所を取材。そのほか月光川蒸留所や、個性的なツアーを行っている八郷蒸溜所&安積蒸溜所も紹介。

【インタビュー】
ワイルドターキーのマスターディスティラーであるエディー・ラッセル氏と、その息子ブルース・ラッセル氏を編集長がインタビュー。またフィンランドで自国ライ麦にこだわったウイスキーを造るキュロ蒸留所のミイカ氏にも話を聞いた。

【特集】
ウイスキーフェスティバル2023 in TOKYO、ウイスキーコニサークラブ新潟蒸留所ツアー、下田ウイスキーフェスリポート。

(2).ビジネスに効く教養としてのジャパニーズウイスキー

世界的にも有名なウイスキー評論家で、ウイスキー文化研究所代表 土屋守先生の著書「ビジネスに効く教養としてのジャパニーズウイスキー」です。
ウイスキーの基礎知識、日本へのウイスキーの伝来、ジャパニーズウイスキーの誕生、広告戦略とジャパニーズウイスキーの盛隆、そして、現在のクラフト蒸留所の勃興まで。日本のウイスキーの事が非常にわかりやすくまとめられた一冊。

(3).ウイスキーと私(竹鶴政孝)

日本でのウイスキー醸造に人生を捧げた、ニッカウヰスキー創業者・竹鶴政孝。ただひたすらにウイスキーを愛した男が自らを語った自伝の改訂復刻版。若き日、単身スコットランドに留学し、幾多の苦難を乗り越えてジャパニーズ・ウイスキーを完成させるまでの日々や、伴侶となるリタのことなどが鮮やかに描かれる。

(4).新世代蒸留所からの挑戦状

2019年発売。世界に空前のウイスキーブームが到来しているいま、クラフト蒸留所の経営者たちは何を考え、どんな想いでウイスキー造りに挑んだのか。日本でクラフト蒸留所が誕生するきっかけを作った、イチローズ・モルトで有名なベンチャーウイスキーの肥土伊知郎氏をはじめとする、13人のクラフト蒸留所の経営者たちが世界に挑む姿を綴った1冊。

(5).ウイスキーライジング

2016年にアメリカで出版された『Whisky Risng』の日本語版であり、内容も大幅にアップデート。ジャパニーズ・ウイスキーの歴史が詳細に記述されているだけでなく、近年、創設がつづくクラフト蒸溜所を含む、日本の全蒸溜所に関するデータも掲載。そのほかにも、今まで発売された伝説的なボトルの解説や、ジャパニーズ・ウイスキーが飲めるバーなども掲載されています。

(6).ウイスキーと風の味

1969年にニッカウヰスキーに入社した、三代目マスターブレンダーの佐藤茂夫氏の著書。
『ピュアモルト』『ブラックニッカクリア』『フロム・ザ・バレル』の生みの親でもあり、なかでも『シングルモルト余市1987』はウイスキーの国際的コンペティションWWA(ワールド・ウイスキー・アワード)にて「ワールド・ベスト・シングルモルト」を受賞。
竹鶴政孝竹鶴威の意志を引き継いだブレンダー界のレジェンドが語る今昔。

この記事を書いた人
深瀬 悠二

北海道札幌市出身。
2005年、大手スポーツ用品販売チェーンに就職→2019年1月、BAR新海に就職しウイスキーの魅力に引き込まれ虜となる。初めて飲んだウイスキーはアードベッグ10年。ほぼ毎日ウイスキーを飲む中で更なる知識習得を目指し、ウイスキー検定2級とJC級(ジャパニーズクラフトウイスキー)を取得。
造り手の想いをしっかりと表現し、飲み手の方々に正しい情報を伝えたい。ウイスキーの魅力をたくさんの方に伝えたいという思いでウェブメディア「Japanese Whisky Dictionary」の編集を担当。

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