【レビュー】イチローズモルト 秩父 ディスティラリーⅡ

ウィスキーレビュー
ウィスキーレビュー
秩父蒸溜所(イチローズモルト)

ついに発売となった一般販売向けの秩父第二蒸溜所原酒を使用したイチローズモルト。第一蒸溜所との違いと合わせて紹介。

イチローズモルト秩父第二蒸溜所は、2019年に第一蒸溜所から少し離れた場所で操業を開始。
第一蒸溜所とは多くの点で異なっており、なかでも製造規模は約5倍と、クラフトウイスキー蒸留所の中でもかなり生産能力を誇ります。

スポンサーリンク

1.ボトルとラベルの写真

イチローズモルト 秩父 ディスティラリーⅡ
Ichiro’s Malt Chichibu Distillery Ⅱ
 

2.イチローズモルト 秩父 ディスティラリーⅡ

埼玉県北西部の深い山々に囲まれた秩父で生まれた新たな歴史は、2019年に次なる一歩を刻み始めました。
伝統と革新、変化と継承、それぞれが調和を持ってつくりあげられた原酒は、直火蒸溜による重厚な味わいと艶やかな果実香が特徴で、時間とともにその楽しみを深めていきます。
バーボンバレル主体のブレンドで、濃厚な蜜のような甘みと深みのある果実感、そして?く続くスモーキーでモルティな余韻が印象的です。秩父第2蒸溜所から生まれた初めてのシングルモルト。
その新たな一歩を、これからの未来を想いながら、ゆっくりとお楽しみください。

引用:蒸溜所配布資料

2-1.テイスティングノート

香り 洋ナシタルト、リンゴ飴、綿菓子、バニラ
味わい 焼きリンゴ、シナモン、カラメル、麦々しい甘み、スモークナッツ
余韻 スモーキーさが余韻で現れ、甘い焼き菓子のような香りが長く残る

2-2.商品スペック

アルコール度数 55%
酒別 シングルモルトジャパニーズウイスキー
樽種 非公開
内容量 700ml
販売本数 不明
希望小売価格 11,000円(税込)
発売日 2025年6月8日

3.受賞歴

現時点では受賞歴はありません。

4.定価とネット上の価格

4-1.メーカー希望小売価格

商品名 イチローズモルト秩父 ON THE WAY
容量 700ml
希望小売価格 11,000円(税込)

4-2.メルカリでの転売価格 

メルカリでの転売価格は20,000円~30,000円前後となっています。(※2025/6/1時点)

メルカリでの転売価格は45,000円~50,000円前後となっています。(※2024/7/23時点)

4-3.ヤフーオークション落札価格 

ヤフーオークションでの価格は、27,000円前後で出品が確認できました。(※2025/610時点)

ヤフーオークションでの落札価格、確認できていません。オークションは現在は最安35,000円~最高43,500円(※2024/7/23時点)

4-4.楽天、ヤフーショッピング、Amazon 

Amazonなどの通販サイトでは、販売確認できませんでした。(※2025/6/10時点)

4-5.BAR新海での提供価格

当サイトが運営する「BAR新海」では、1杯45ml:3,300円、 30ml:2,200円、15ml:1,100円などの少量でも提供しております。

「BAR新海」のご案内
Japanese Whisky Dictionaryが運営する「BAR新海」は、東京都港区に3店舗。当サイトで紹介しているジャパニーズウィスキーをはじめ、国産のジンやビールなども取扱い。オリジナルカクテル、フレッシュフルーツカクテルなども人気。食事も豊富で1件目からも利用可能。

5.株式会社ベンチャーウイスキーとは?

会社名 株式会社ベンチャーウイスキー
設立 2004年
本社所在地 〒368-0067 埼玉県秩父市みどりが丘49
所有蒸留所 秩父蒸溜所、秩父第二蒸溜所

6.秩父蒸第二蒸溜所とは?

蒸溜所名 秩父第二蒸溜所
所在地 〒368-0067 埼玉県秩父市みどりが丘79
操業開始 2019年

名品が多いと言われている『スコッチの1950年代~1960年の味わい』を求め”ウイスキー造りの原点回帰”をテーマにより多くの方に届けられるように、生産数を5倍に。
造りのこだわりはそのままに、生産量、仕込み量、ポットスチルの大きさ、その全てにおいて第一蒸溜所よりもスケールアップされています。製造量だけでみても5倍を誇ります。

”ウイスキー造りの原点回帰”をテーマに、複雑で力強い香味が引き出されるガス直火蒸留を採用。
生み出されるニューポットは、プロダクションチーフ第2蒸留所スチルマン 門間麻菜美氏によると、第1よりもぬめっとした重さを感じるそう。
スチルを直火にすることで重さを失わずフルーティーさを保っています。
第1蒸溜所よりも、更にヘビーさを前面に押し出した酒質が作られています。
発酵槽は第1蒸溜所は世界初のミズナラ樽発酵槽に対し、第2蒸溜所はタランソー社製のフレンチオークの巨大な発酵槽を採用。

秩父蒸溜所の情報はこちら↓もご覧ください。

秩父蒸溜所(イチローズモルト)
「秩父蒸溜所(イチローズモルト)」の記事一覧です。

7.まとめ

第二蒸溜所の原酒は、これまで〈秩父ウイスキー祭り〉の限定ボトルなどで登場していましたが、公式な製品として販売されるのは今回が初めてとなります。

近年のシングルモルト市場の中でも、秩父がこの価格帯でウイスキーを提供できるのは、第二蒸溜所の生産量が増加し、使用可能な原酒の確保が可能になったことが背景にあると考えられます。

第一蒸溜所では日本ならではの少量生産とクラフトマンシップを、第二蒸溜所では往年のスコッチの再現を、そして苫小牧では新たな地でのグレーンウイスキー製造に取り組んでいます。

新たな挑戦と情報発信を続けるベンチャーウイスキー。同社は今後も日本のクラフトウイスキーを牽引する存在として、目が離せません。

「イチローズモルト」に関するその他の記事も是非ご覧ください。

【レビュー】イチローズモルト秩父レッドワインカスク2023
イチローズモルト秩父レッドワインカスク2023は、秩父蒸溜所より2023年9月1日発売。16,500円(税込)。赤ワインカスク特有のタンニン感に、フルーティかつ、しっかりとしたスパイシーさも感じられ長い余韻に包まれます。
【レビュー】イチローズモルト秩父 ザ・ピーテッド2022
秩父ピーテッドシリーズ4年ぶりの新作。どっしりとしたスモーキーフレーバーと、クリームの様な甘み、プラムのようなフルーティさが特徴。
スポンサーリンク

最後に:ジャパニーズウイスキーのおすすめ書籍

世界的なトレンドを巻き起こしている「ジャパニーズウイスキー」の事をもっと知りたい、もっと勉強したいという方は、是非こちらの書籍をおすすめいたします。

(1).Whisky Galore(ウイスキーガロア)Vol.50 2025年6月号

『ウイスキーガロア』6月号、巻頭特集はシングルモルトを世界に知らしめたディアジオ特集・後編。
メーカー別に蒸留所を集成・徹底解説する新シリーズ「スコッチ蒸留所名鑑」を始動。
第1弾ではスコットランドに30の蒸留所を擁するディアジオ社が登場!
最新号ではスペイサイド・アイラの20蒸留所を一挙掲載します。
[巻頭特集]
スコッチ蒸留所名鑑 [第1弾 ディアジオ 後編]
ディアジオ社の蒸留所を一挙紹介 <スペイサイド・アイラ編>
カードゥ/モートラック/クラガンモア/グレンエルギン/ローズアイル/カリラ/ラガヴーリン/ポートエレン/オスロスク/ベンリネス/ダルユーイン/ダフタウン/グレンダラン/グレンロッシー/マノックモア/リンクウッド/インチガワー/ストラスミル/グレンスペイ/ノッカンドオ
◆Chinese Whisky ――国家級 中国威士忌 最新事情
叠川(チュアン)蒸留所/沃林(オーリン)クーパレッジ/青島(チンタオ)蒸留所
◆日本のクラフト蒸留所最前線
新道蒸溜所/朝倉蒸溜所
◆ジャパニーズクラフトの開拓者たち[第6回] 小正嘉之助蒸溜所 小正芳嗣氏

(2).ビジネスに効く教養としてのジャパニーズウイスキー

世界的にも有名なウイスキー評論家で、ウイスキー文化研究所代表 土屋守先生の著書「ビジネスに効く教養としてのジャパニーズウイスキー」です。
ウイスキーの基礎知識、日本へのウイスキーの伝来、ジャパニーズウイスキーの誕生、広告戦略とジャパニーズウイスキーの盛隆、そして、現在のクラフト蒸留所の勃興まで。日本のウイスキーの事が非常にわかりやすくまとめられた一冊。

(3).ウイスキーと私(竹鶴政孝)

日本でのウイスキー醸造に人生を捧げた、ニッカウヰスキー創業者・竹鶴政孝。ただひたすらにウイスキーを愛した男が自らを語った自伝の改訂復刻版。若き日、単身スコットランドに留学し、幾多の苦難を乗り越えてジャパニーズ・ウイスキーを完成させるまでの日々や、伴侶となるリタのことなどが鮮やかに描かれる。

(4).新世代蒸留所からの挑戦状

2019年発売。世界に空前のウイスキーブームが到来しているいま、クラフト蒸留所の経営者たちは何を考え、どんな想いでウイスキー造りに挑んだのか。日本でクラフト蒸留所が誕生するきっかけを作った、イチローズ・モルトで有名なベンチャーウイスキーの肥土伊知郎氏をはじめとする、13人のクラフト蒸留所の経営者たちが世界に挑む姿を綴った1冊。

(5).ウイスキーライジング

2016年にアメリカで出版された『Whisky Risng』の日本語版であり、内容も大幅にアップデート。ジャパニーズ・ウイスキーの歴史が詳細に記述されているだけでなく、近年、創設がつづくクラフト蒸溜所を含む、日本の全蒸溜所に関するデータも掲載。そのほかにも、今まで発売された伝説的なボトルの解説や、ジャパニーズ・ウイスキーが飲めるバーなども掲載されています。

(6).ウイスキーと風の味

1969年にニッカウヰスキーに入社した、三代目マスターブレンダーの佐藤茂夫氏の著書。
『ピュアモルト』『ブラックニッカクリア』『フロム・ザ・バレル』の生みの親でもあり、なかでも『シングルモルト余市1987』はウイスキーの国際的コンペティションWWA(ワールド・ウイスキー・アワード)にて「ワールド・ベスト・シングルモルト」を受賞。
竹鶴政孝竹鶴威の意志を引き継いだブレンダー界のレジェンドが語る今昔。

 

この記事を書いた人
Ryuhei Oishi

北海道出身 bar新海虎ノ門店のバーテンダー。
都内のレストランで従事し、日本ソムリエ協会認定ソムリエ資格を取得。
土地それぞれの風土から様々な味わいが作り出される日本のウイスキーに興味を持ち、bar新海に就職。蒸留所へ行き、造り手の方々に話を聞き、その情熱・情報をバーテンダーとして伝搬するべく、JWDに参加。

Ryuhei Oishiをフォローする
タイトルとURLをコピーしました