【レビュー】シングルモルト嘉之助Artist Edition #002

ウィスキーレビュー
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嘉之助蒸溜所

嘉之助Artist Editionは、日本人の生活にも深く根ざしている「五行思想」に着想を得て、様々な方面で活躍されているアーティストに「木・火・土・金・水」五つの要素をコンセプトに、オリジナルでラベルデザインをしていただいた作品。

第一弾のモチーフは「木」でしたが、今年は第二弾となり「火」がモチーフです。2019年に蒸溜されたノンピートモルト。ペドロ・ヒメネスシェリーバットで3年以上熟成した樽の中から数樽を厳選したシングルモルトジャパニーズウイスキー

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1.メーカー

小正嘉之助蒸溜所株式会社

設立 2021年8月
本社所在地 〒899-2421 鹿児島県日置市日吉町神之川845-3
所有蒸留所 嘉之助蒸溜所

2.蒸留所

嘉之助蒸溜所

所在地 〒899-2421 鹿児島県日置市日吉町神之川845-3
操業開始 2017年

嘉之助蒸溜所は鹿児島県の西岸、吹上浜沿いの約9,000㎡の敷地に建っています。
コの字形で2階建ての本棟には蒸留設備のほかに、眺めのいいBARやオリジナルグッズを販売するショップなどがあります。
蒸留所の大きな特徴はポットスチル(蒸留器)が大・中・小と3基備えてあること。それぞれの容量は6000ℓ・3000ℓ・1600ℓです。
世界的にみてもクラフト・ディスティラリー(小規模蒸留所)は2基が一般的。ウイスキーは通常蒸留は2回行うが、2回目の蒸留(再留)の際にネックの形状や上部のラインアームの角度の異なるポットスチルを使用することで原酒の香りや味わいをより豊かに変化させることができるのです。
蒸留所の建つ吹上浜は”日本三大砂丘”の一つに数えられ、”日本の渚百選”にも選ばれています。砂浜の長さは南北約47kmにも及び海面から強い風が巻き上がり、蒸留所一帯は海からの細かな飛沫で真白な霧に包まれます。夏は暑く冬には0℃近辺まで冷え込んで雪が舞うことも珍しくない寒暖差のある土地柄です。

嘉之助蒸溜所の詳細情報は、こちらの記事もご覧ください。

メーカー(蒸留所) 嘉之助蒸溜所 | ジャパニーズウイスキ...
「嘉之助蒸溜所」の記事一覧です。

3.商品名と写真

シングルモルト嘉之助Artist Edition#002
Single Malt Kanosuke Artist Edition#002

4.特徴

嘉之助蒸溜所の北側、小高い丘の上に佇む熟成庫にて、 潮騒を子守唄に熟成を経たペドロ・ヒメネスシェリーバットの中から数樽を厳選いたしました。ラベルは、写真家として活躍されている八木夕菜氏が五行の中の「火」をモチーフに描いた作品となります。

【テイスティング ノート】
Color: ダークアンバー
Nose: 黒糖蜜、あんずジャム、チーズ、花梨、ニッキ
Taste: やわらかなモルトの甘み、プルーン、ブラックペッパー、ジンジャー、チョコ
Finish: スパイシー、ベリーとフルーツチョコのビター・スイートが続く

4-1.テイスティングノート

香り 濃いブルーベリー、焦しキャラメル、キャラメリゼ
味わい レーズン、べっこう飴、キャラメルソース
余韻 ハイカカオ様な甘さと渋み、スパイシーな余韻

4-2.商品スペック

アルコール度数 50%
酒別 シングルモルトジャパニーズウイスキー
樽種 ペドロヒメネスシェリーバット
内容量 700ml
販売本数 数量限定
希望小売価格 15,070円(税込)
発売日 2023年3月15日

5.受賞歴

現時点では受賞歴はありません。

6.価格

6-1.メーカー希望小売価格

商品名 シングルモルト嘉之助Artist Edition#002
容量 700ml
希望小売価格 15,070円(税込)

6-2.メルカリでの転売価格

メルカリでの転売価格は、25,000円~29,000円前後となっています。(※2023/3/28時点)

6-3.ヤフーオークション落札価格

ヤフーオークションでの落札価格は、最安24,000円、最高30,000円、平均26,721円 (※2023/3/28時点より過去180日間の統計情報) 

6-4.楽天、ヤフーショッピング、Amazon

通販サイトでも、29,700円で販売されています。( ※2023/3/28時点)

6-5.BAR新海での提供価格

当サイトが運営する「BAR新海」では、1杯、45ml:4,620円、30ml:3,080円、15ml:1,540円にて提供しております。

「BAR新海」のご案内
Japanese Whisky Dictionaryが運営する「BAR新海」は、東京都港区に3店舗。当サイトで紹介しているジャパニーズウィスキーをはじめ、国産のジンやビールなども取扱い。オリジナルカクテル、フレッシュフルーツカクテルなども人気。食事も豊富で1件目からも利用可能。

7.まとめ

どっしりしたボディで濃厚な樽感、焦したキャラメルのような香ばしい甘さ、次第にハイカカオに似た渋みからスパイシーな余韻へと変化していきます。味わいに奥行きと複雑さもあり飲みごたえ十分です。今までリリースされてきた嘉之助とは一味ちがう、ある意味冒険したのかなと思わせる一本です。とにかく香りも味わいもはっきりしていて愉しめます。ロックで氷が溶けていくとともに味わいの変化もわかりやすいのが特徴です。若干フルーツの甘みもでてくる印象です。

「Artist Edition」は年に1度販売される予定です。来年発売されるArtist Edition#003非常に楽しみです。モチーフやラベルデザイン、ベースとなる味わいがどのように変わるのか期待が高まります。

■嘉之助に関するその他の記事も是非ご覧ください。

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最後に:ジャパニーズウイスキーのおすすめ書籍

世界的なトレンドを巻き起こしている「ジャパニーズウイスキー」の事をもっと知りたい、もっと勉強したいという方は、是非こちらの書籍をおすすめいたします。

(1).Whisky Galore(ウイスキーガロア)Vol.47 2024年12月号

【巻頭特集】
「新アイリッシュ・ルネッサンス[第2弾]」
【第2特集】
「日本のクラフト蒸留所最前線」
今号では北海道の厚岸と苫小牧、そしてクラフト蒸留所に麦芽を供給する中標津のクラフトモルティング社についても紹介します。さらに三島のウォータードラゴンと、ZEMONⅡが稼働する飛騨高山蒸溜所も再訪。
【連続ロングインタビュー】
第3回 ガイアフロー静岡蒸溜所 中村大航氏
【特別リポート】
遊佐蒸溜所の挑戦
第二期リニューアルが完了したサントリー白州蒸溜所

(2).ビジネスに効く教養としてのジャパニーズウイスキー

世界的にも有名なウイスキー評論家で、ウイスキー文化研究所代表 土屋守先生の著書「ビジネスに効く教養としてのジャパニーズウイスキー」です。
ウイスキーの基礎知識、日本へのウイスキーの伝来、ジャパニーズウイスキーの誕生、広告戦略とジャパニーズウイスキーの盛隆、そして、現在のクラフト蒸留所の勃興まで。日本のウイスキーの事が非常にわかりやすくまとめられた一冊。

(3).ウイスキーと私(竹鶴政孝)

日本でのウイスキー醸造に人生を捧げた、ニッカウヰスキー創業者・竹鶴政孝。ただひたすらにウイスキーを愛した男が自らを語った自伝の改訂復刻版。若き日、単身スコットランドに留学し、幾多の苦難を乗り越えてジャパニーズ・ウイスキーを完成させるまでの日々や、伴侶となるリタのことなどが鮮やかに描かれる。

(4).新世代蒸留所からの挑戦状

2019年発売。世界に空前のウイスキーブームが到来しているいま、クラフト蒸留所の経営者たちは何を考え、どんな想いでウイスキー造りに挑んだのか。日本でクラフト蒸留所が誕生するきっかけを作った、イチローズ・モルトで有名なベンチャーウイスキーの肥土伊知郎氏をはじめとする、13人のクラフト蒸留所の経営者たちが世界に挑む姿を綴った1冊。

(5).ウイスキーライジング

2016年にアメリカで出版された『Whisky Risng』の日本語版であり、内容も大幅にアップデート。ジャパニーズ・ウイスキーの歴史が詳細に記述されているだけでなく、近年、創設がつづくクラフト蒸溜所を含む、日本の全蒸溜所に関するデータも掲載。そのほかにも、今まで発売された伝説的なボトルの解説や、ジャパニーズ・ウイスキーが飲めるバーなども掲載されています。

(6).ウイスキーと風の味

1969年にニッカウヰスキーに入社した、三代目マスターブレンダーの佐藤茂夫氏の著書。
『ピュアモルト』『ブラックニッカクリア』『フロム・ザ・バレル』の生みの親でもあり、なかでも『シングルモルト余市1987』はウイスキーの国際的コンペティションWWA(ワールド・ウイスキー・アワード)にて「ワールド・ベスト・シングルモルト」を受賞。
竹鶴政孝竹鶴威の意志を引き継いだブレンダー界のレジェンドが語る今昔。

この記事を書いた人
深瀬 悠二

北海道札幌市出身。
2005年、大手スポーツ用品販売チェーンに就職→2019年1月、BAR新海に就職しウイスキーの魅力に引き込まれ虜となる。初めて飲んだウイスキーはアードベッグ10年。ほぼ毎日ウイスキーを飲む中で更なる知識習得を目指し、ウイスキー検定2級とJC級(ジャパニーズクラフトウイスキー)を取得。
造り手の想いをしっかりと表現し、飲み手の方々に正しい情報を伝えたい。ウイスキーの魅力をたくさんの方に伝えたいという思いでウェブメディア「Japanese Whisky Dictionary」の編集を担当。

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