2020年、2021年とリリースされている駒ヶ岳IPAカスクフィニッシュですが、かなり人気があって現在では定価の2倍近いプレ値で出品されているウイスキーです。 今作も人気になること間違いなさそうな1本です。限定数は2,700本。
「シングルモルト駒ヶ岳IPAカスクフィニッシュ」は2020年から同じ商品名で発売されていて、公式HPの商品説明やアルコール度数などの内容はほぼ同じとなっております。
前作との飲み比べも面白いと思います。香り・味わいともに主張してくるフレーバーが若干違いました。
1.メーカー
本坊酒造株式会社
設立 | 1872年 |
本社所在地 | 〒891-0122; 鹿児島県鹿児島市南栄三丁目27番地 |
所有蒸留所 | マルス信州蒸溜所、マルス津貫蒸溜所 |
2.蒸留所
マルス信州蒸溜所
所在地 | 〒399-4301 長野県上伊那郡宮田村4752-31 |
操業開始 | 1985年 |
鹿児島の地で日本の蒸留酒「焼酎」造りに邁進していた本坊酒造が、ウイスキー製造免許を取得したのが1949年。それ以来、「いつか日本の風土を活かした本物のウイスキーを造りたい」と夢を抱き続けていました。
鹿児島でのウイスキー製造から数年経た後、1960年に山梨にワインとウイスキー製造のための工場「マルス山梨ワイナリー」を設立。そして、本格的にウイスキー造りに取り組むために、さらなる理想の地を探し求めました。
澄んだ空気の寒冷地であり、しかも適度な湿度と良質な水に恵まれていることなど、ウイスキー造りのための自然条件は大変厳しいものがあります。
こうした条件を満たす土地を探し求め、1985年ウイスキー造りに最適な環境を求めて長野県中央アルプス駒ヶ岳山麓標高798mの地にマルス信州蒸溜所を開設致しました。
1992年にウイスキー需要低迷により蒸留を休止。その後、世界的にジャパニーズウイスキーが評価されはじめる中、ウイスキー需要が回復傾向にあった2009年に蒸留再開を決意し2011年2月より再スタート。
2020年9月、35年ぶりの全面リニューアル。投資額は約12億円。
2019年5月から、老朽化した設備の改修とウイスキー増産を見据えた樽貯蔵庫施設の整備やウイスキー造りの見学を目的にしたウイスキー蒸留棟(樽貯蔵庫を含む)と、オリジナルウイスキーやグッズ販売などを目的にビジター棟を新設、既存の設備及び施設を改修。
新設したウイスキー蒸留棟は1,996㎡(延床面積、約2,500樽収容予定の樽貯蔵庫含む)、ビジター棟は746㎡。
引用:本坊酒造公式HP
■製造能力:原料麦芽1.1t/日
■原酒製造量:約700L/日、約185KL/年(2020年度予定)
■主要な設備:麦芽粉砕機1基、マッシュタンロイテル(糖化槽)6KL×1基、ステンレス発酵タンク6KL×3基、ダグラスファー木槽発酵タンク(移設)6KL×3基、初溜釜(移設)
マルス信州蒸溜所の情報はこちら↓もご覧ください。
3.商品名と写真
シングルモルト駒ヶ岳 IPAカスクフィニッシュ Bottled in 2022
Single Malt Komagatake IPA Cask Finish 2022
4.特徴
「シングルモルト駒ヶ岳 IPAカスクフィニッシュ」は、南信州ビール駒ヶ岳醸造所でホップをふんだんに使用して醸造した中濃色ビール、インディア・ペールエール(IPA)を寝かせた空き樽でフィニッシングしたシングルモルトウイスキーです。
ホップ由来の爽やかな柑橘を想わせる香り、グレープフルーツやハーブのようなクリアな味わい、
キレの良いビターな余韻があり、ハイボールとの相性が抜群の1本に仕上がりました。
4-1.テイスティングノート
香り | 酸味を伴う柑橘、シトラス、ミント、ハーブ |
味わい | ほどよい酸味とビール(ペールエール)を思わせる苦み、ウッディかつオイリー |
余韻 | バーボン樽の甘い樽香とIPA由来の麦芽の香り、ビターな余韻 |
4-2.商品スペック
アルコール度数 | 52% |
酒別 | シングルモルトジャパニーズウイスキー |
樽種 | バーボン樽 |
内容量 | 700ml |
販売本数 | 限定2,700本 |
希望小売価格 | 9,460円(税込) |
発売日 | 2022年8月上旬 |
5.受賞歴
現時点では受賞歴はありません。
6.価格
6-1.メーカー希望小売価格
商品名 | シングルモルト駒ヶ岳 IPAカスクフィニッシュ Bottled in 2022 |
容量 | 700ml |
希望小売価格 | 9,460円(税込) |
6-2.メルカリでの転売価格
メルカリでの転売価格は、12,800円~16,000円前後となっています。(※2022/8/9時点)
6-3.ヤフーオークション落札価格
ヤフーオークションでの落札価格は、平均12,000円前後で落札されています。(※2022/8/9時点より過去180日間の統計情報)
6-4.楽天、ヤフーショッピング、Amazon
通販サイトでは現在販売されていません。 (※2022/8/9時点)
※前作の駒ヶ岳IPAカスクフィニッシュ2021の価格となります。
6-5.BAR新海での提供価格
当サイトが運営する「BAR新海」では、1杯、45ml:2,970円 、30ml:1,980円、15ml:990円で提供しております。
7.まとめ
2020年から発売された駒ヶ岳IPAカスクフィニッシュ。IPAを寝かせた樽で後熟させたものなので味わいもビールに近く、ソーダ割りにするとより近づきます。
ホップな味わいのほかにもシトラス・ミント・ハーブなどが強めな印象でビールの爽快感とハーブ系の爽快感の両方感じ取れます。爽やかな柑橘、樽香やオイリーな感じもあり、複雑な味わいに変化していきます。
このような変わり種的なウイスキーは他社ではなかなか無いので、是非とも味わっていただきたいウイスキーです。
■「本坊酒造」に関するその他の記事も是非ご覧ください。
最後に:ジャパニーズウイスキーのおすすめ書籍
世界的なトレンドを巻き起こしている「ジャパニーズウイスキー」の事をもっと知りたい、もっと勉強したいという方は、是非こちらの書籍をおすすめいたします。
(1).Whisky Galore(ウイスキーガロア)Vol.47 2024年12月号
【巻頭特集】
「新アイリッシュ・ルネッサンス[第2弾]」
【第2特集】
「日本のクラフト蒸留所最前線」
今号では北海道の厚岸と苫小牧、そしてクラフト蒸留所に麦芽を供給する中標津のクラフトモルティング社についても紹介します。さらに三島のウォータードラゴンと、ZEMONⅡが稼働する飛騨高山蒸溜所も再訪。
【連続ロングインタビュー】
第3回 ガイアフロー静岡蒸溜所 中村大航氏
【特別リポート】
遊佐蒸溜所の挑戦
第二期リニューアルが完了したサントリー白州蒸溜所
(2).ビジネスに効く教養としてのジャパニーズウイスキー
世界的にも有名なウイスキー評論家で、ウイスキー文化研究所代表 土屋守先生の著書「ビジネスに効く教養としてのジャパニーズウイスキー」です。
ウイスキーの基礎知識、日本へのウイスキーの伝来、ジャパニーズウイスキーの誕生、広告戦略とジャパニーズウイスキーの盛隆、そして、現在のクラフト蒸留所の勃興まで。日本のウイスキーの事が非常にわかりやすくまとめられた一冊。
(3).ウイスキーと私(竹鶴政孝)
日本でのウイスキー醸造に人生を捧げた、ニッカウヰスキー創業者・竹鶴政孝。ただひたすらにウイスキーを愛した男が自らを語った自伝の改訂復刻版。若き日、単身スコットランドに留学し、幾多の苦難を乗り越えてジャパニーズ・ウイスキーを完成させるまでの日々や、伴侶となるリタのことなどが鮮やかに描かれる。
(4).新世代蒸留所からの挑戦状
2019年発売。世界に空前のウイスキーブームが到来しているいま、クラフト蒸留所の経営者たちは何を考え、どんな想いでウイスキー造りに挑んだのか。日本でクラフト蒸留所が誕生するきっかけを作った、イチローズ・モルトで有名なベンチャーウイスキーの肥土伊知郎氏をはじめとする、13人のクラフト蒸留所の経営者たちが世界に挑む姿を綴った1冊。
(5).ウイスキーライジング
2016年にアメリカで出版された『Whisky Risng』の日本語版であり、内容も大幅にアップデート。ジャパニーズ・ウイスキーの歴史が詳細に記述されているだけでなく、近年、創設がつづくクラフト蒸溜所を含む、日本の全蒸溜所に関するデータも掲載。そのほかにも、今まで発売された伝説的なボトルの解説や、ジャパニーズ・ウイスキーが飲めるバーなども掲載されています。
(6).ウイスキーと風の味
1969年にニッカウヰスキーに入社した、三代目マスターブレンダーの佐藤茂夫氏の著書。
『ピュアモルト』『ブラックニッカクリア』『フロム・ザ・バレル』の生みの親でもあり、なかでも『シングルモルト余市1987』はウイスキーの国際的コンペティションWWA(ワールド・ウイスキー・アワード)にて「ワールド・ベスト・シングルモルト」を受賞。
竹鶴政孝、竹鶴威の意志を引き継いだブレンダー界のレジェンドが語る今昔。